春雨を 過ぎたご新造 化粧終え [新フレーム乗せ換え作業その18]

この所、再塗装した猛虎参號の出番ばかりで、猛虎四號は1月13日以降全く顔を出してなかった。「一体、猛虎四號はどうなっているんだ。猛虎四號を出せ!」との声も・・・全くなかった(^_^;)。実はより完成度を上げるべく、フレームの改造作業に出していた。まあ、ほとんど同じカラーリングのスチールバイクなので、チラ見の人には参號と四號の区別もついていなかっただろうが・・・。

130421_101454130421_101646 いよいよ改造作業と再々塗装を終えた猛虎四號が完成したとのことで、自転車工房エコーさんに引き取りに行ってきた。

完成したばかりのフレームに何度も火を入れるのは望ましいことではないが、長い付き合いをするつもりだからこそ、最初から完成度を上げておく決心をした。

130421_101744 大きな改造点は2つ。ひとつ目はシートステイブリッジの隠し留め機構をボルトから、ナット埋め込みに変更したこと。使用するブレーキアーチとマッドガードを確定する中で生じた問題を解決するためだ。

ブレーキアーチとの干渉を避けるためには、スペーサーを挟んでマッドガードの装着位置を下げるか、ガードにつぶしを入れるしかない。素早い輪行のためにリアマッドガードの分割機構を導入するつもりだが、どちらの方法を取っても分割用金具の装着が困難になるのだ。スペーサーを挟む方法はボルト長が不足し、つぶしを入れるとそれが金具と干渉するからだ。

そこで、どうせスペーサーを挟むなら、とその厚さでナットを埋め込んでもらった。シートステイブリッジにはブレーキシャフトが貫通しているので、ボルト長をシビアに調整しなければならない。が、逆に言えばボルト長さえ調整すれば自在にクリアランスを調整できるし、マッドガードを外して使用する際の見栄えも良くなる。

130421_101800130421_102020 もうひとつの大きな改良は、角型のリアキャリアを製作してもらったこと。これにより後部が平らになるので、キャリアとリアエンドで安定して自立する。輪行時に扱いやすくなるのだ。

併せて、使用ブレーキに合わせてギリギリまで位置を下げてもらい、重心を下げるよう努めた。

その他、チェーンステイブリッジの位置調整など、いくつかの細かい改良や調整を加えていただいた。

130421_102828 これ以外に、フロントフォークのクラウン裏に、マッドガード用のダボを設けてもらうことも考えていた。沈頭ナットのブレーキを使用するにあたって、フロントマッドガードの素早い着脱を実現する方法に頭を悩ませていたのだ。これについては、よさそうな方法が他に見つかったので、加工は見送った。

ヘッドマークもステンレス(?)製のものを新たに頂戴したが、カラーリング的にはぴったり。これはカッコイイ。

130421_105946130421_110136 エコーさんには店長の唯さんが製作したフレームや自転車がいくつも置かれている。これらを見ているだけでも楽しい。私の猛虎四號は78台目だが、まもなく製作数は100台に達するそうだ。

最近はオーバーサイズパイプの方が、フォークなどに軽量なものを採用しやすいので、完成車にした時に軽く仕上がるという話も! ヒルクライム好きとしては、ノーマルサイズパイプで製作して早まったかとも思ったが、フレーム単体ではオーバーサイズの方が若干重量増になるとのことなので、軽量パーツの入手性を度外視すれば決して不利ではない。1インチサイズのフルカーボンフォークも再び発売されたし、オーバーサイズに負けない軽量化は可能だろう。そもそも、軽さにこだわるならカーボンフレームを選ぶのが王道。乗り心地や趣味性を求めてクロモリを選んでいるのだから、細かいことでがたがた言う資格はない(^_^;)。

130421_143756 今日は珍しく早めに辞去して、早速組立て開始と行きたいところだったが、その前にひと仕事しなければならない。実は新兵器を手に入れた。サンツアーのコマンドシフターだ。

 今だに改造してシマノコンポで使用する人もいるのは、STIに比べて軽量なことが大きい。前々から物色していたが、ネットオークションなどでも中古で1万円近い価格が付くので、なかなか手が出せなかった。究極の事を言えばダブルレバーのほうが軽量だし、他人のアタックに反応する必要のないヒルクライムレースでは、絶対的に不利と言うわけでもない。

 そんな訳で、ダブルレバーのまま頑張ってきたが、ストップ&ゴーの多い通勤用には手元変速が欲しいなあと思っていた。そんな話をしたら、友人が海外のネットオークションで安く入手してくれた。しかも新品と中古の計2ペアも(いずれも初期型)。先に通勤用の猛虎参號に導入するつもりだったが、新品のコマンドシフターを見ていると、猛虎四號にも採用したくなって来た。コマンドシフターならわずかな重量増だし、せっかくなら新車の猛虎四號には新品を装着したい。

130421_143846130421_143954 ところが、問題がひとつある。新品は6S用なのだ。そのままでは使用できないが、手はある。中古の方が7S用なのでこれを使うなり、内部を入れ替える方法もある。しかし、それだとひとつは使えなくなる。そこで、手持ちの7Sサムシフターを引っ張りだした。これも同じ内部構造を採用していると思われるので、インデックスを刻んでいるパーツだけを取り替えるのだ。

130421_144844130421_145124 まずは内部機構の確認のためにサムシフターの方を分解する。最初に台座への固定ネジを外し、専用工具でインデックス機構を封印しているCリングを外す。

 封印してあるだけあって、内部はかなり複雑。以前、ダブルレバーをグリスアップした際に内部パーツを組み間違え、6S(レギュラー)・7S(ウルトラ)の表示と動作が入れ違ってしまったこともあるので、上下左右の位置もチェックしながら、慎重に分解していく。

130421_145352130421_145528 部品をひとつ外す度に撮影しながら作業を進めていく。

 やがて、半丸の凹みをいくつも刻んだプレートが現れる。これがインデックス幅をコントロールしているパーツだ。

130421_145918130421_150708 さらに全てのパーツを外して内部構造を頭に入れ、一度組み立て直してみる。

 ちゃんと組み戻せたようで、動作も問題なし。
130421_151312130421_151810 いよいよ、コマンドシフターの分解に移る。

 予想通り、内部構造はほぼ同じ。差異は途中の薄ワッシャがコマンドシフターが2枚重ねでサムシフターが3枚重ねなのと、インデックス幅制御のプレートのカラーが違うことだけ。

130421_152200130421_153020 製造から20年以上経過しているので念のため元々のグリスを拭き取って、新しいグリスを詰め直しながら組み立て直す。

 そして、インデックスプレートを6S用の黒から、サムシフターに内蔵されていたシルバーのものに交換し、組み立てを続ける。

130421_151228 ひと通り形にした所で動作チェックをすると、問題発生。スカスカでインデックスどころか、フリクションすら使用できない状態。原因には心当たりがあり、分解する際に手を滑らせて左図の4つ穴の開いたプレートの上下左右と裏表がわからなくなっていた。方向や裏表を変えながら何度も組み直すが、時間ばかりが経過していき、なかなかうまく動作しない。

 最後に撮影画像やサムシフターと見比べていて、はたと気付いた。プレートの中心部に近いところ(図では左側)に目印らしき凹みがある。これを参考に上下左右と裏表を合わせて、祈るような気持ちで組み直し。

130421_165148 よし、無事に動作した。ホッとしたが、お陰でサムシフターのプレート換装作業だけで3時間くらい掛かってしまった。本日はこれにて時間切れ。

 早いところ猛虎四號を再始動したいところだが、初っ端からこれでは思いやられる。GW中に走れるところまで持って行きたいところだが、休みはカレンダー通り。GW前半は行事が埋まって難しそうなので、後半にできるだけ作業時間を確保しよう。

 今回は自分自身のために細かく撮影したが、お陰で助かった。このところ、自転車いじりに関してはフォト蔵に写真をアップしていなかったが、同好の士のために今回は高解像度画像を掲載しておく。サンツアーシフターの、グリスアップや改造を行う方の参考になれば幸いだ。

 

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