今夏は輪行+自走で乗鞍入り [木曽福島-境峠-奈川渡ダム-乗鞍高原]

2001年の初参加以来、開催されれば必ず参加を続け、ほとんどを虎装束で上った乗鞍ヒルクライム(旧名 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍)。昨年で20回連続出場となり、阪神タイガースも日本一になったのを区切りに卒業した。参加費は初参加の2倍になり、五十も半ばを過ぎてもはや記録更新は望めないし、年々高山病の症状が強く出るようになってきた事もエントリーしなかった理由。それでも定宿に集う仲間たちと飲み交わし、上高地にサイクリングを楽しもうと、今夏も乗鞍に足を運ぶことにした。

多くの機材を運ぶ必要も、コンディションを最上に整える必要もなくなったので、今年は輪行と自走で乗鞍入りすることにした。宿泊荷物を運ぶために、カーボン製折りたたみ自転車TORACLE-COZ2(CARACLE-COZ DB)キャリアとバッグを装着するという掟破りのカスマイズを行い、経路の計画を練って、本日8/24は3時過ぎに起床。

240824_043749
4:20に自宅を出走。心配していたが、今のところ雨は降っていない。台風10号の影響で天気予報がコロコロ変わっているが、「土日とも雨」の予報が少し好転して今日午前中は現地でも雨は降らない予報だが油断はできない。4:35に地下鉄御堂筋線なかもず駅に到着。前後にバッグを装着していても、いずれも工具無しで簡単に着脱できるので、7分間で輪行完了。

240824_050434
5:05の始発に乗り込んで、新大阪に向かう。

240824_055252
5:44に新大阪に到着し、6:00発の始発の新幹線に乗り込む。

240824_055514
新幹線は車両最後列の特大荷物スペースつき座席を予約していたので、周囲のジャマにならず、盗難の心配の無い置き場所が確保できていた。

240824_065133
6:48に名古屋に到着し、7:00発特急しなの1号に乗り換え。名古屋は雨がザーザー降っていたのでヒヤッとしたが、さほど大きくない雲が降らせるにわか雨のよう。

240824_065340
在来線特急には荷物スペースの予約制度がなく、車両も新旧様々なので心配していたが、こちらでも車両最後列の後ろに置き場所を確保できた。ここに入るのは折りたたみ自転車の特権だ。私の席の後ろにハンドルバーの出っ張りが来るように置き、隣席は完全にリクライニングできることを確認。私の席は途中までしか倒せないが、これなら周囲の迷惑にならずに自転車を運ぶことができる。

240824_080118
名古屋を出発するとすぐに雨が止んだのでホッとした。名古屋に住んでいた時期もあるので懐かしさを感じながら中央本線(西線)を進んでいき、中津川を過ぎて木曽路に入ると両側に山が迫る狭い谷筋を進んでいく。車窓から外を見ると晴れているが、山の稜線は低い雲を被っているところも多いが、もう少しすれば霧消する朝もやの類だろう。

240824_083419
8:28に木曽福島到着。車だとここで昼食となることも多いので、鉄道、特に新幹線は速いなあという印象だ。乗り換えて藪原まで輪行するか迷っていたが、各駅停車が来るまで約30分列車待ちをしなければならない。天候が良いので自走することにした。

240824_085211
組み立てはちょっと時間がかかったが、それでも13分ほどで完了。晴れているのは幸いだが、かなり暑くなってきた。

240824_091311
まずは腹ごしらえと携行食を調達に、駅のある高台から下ったイオンへやって来た。木曽福島には(というか木曽路には)早朝営業のファーストフードやファミレス系店舗が見当たらず、喫茶店でさえ朝は空いていない。木曽福島中心地にはコンビニが1軒ある程度なので、8時から開いているイオンがありがたい。

240824_090513
消化の良さそうな焼きうどんをその場でかき込み、携行食&昼食におにぎりと飲料を積み込んで、木曽福島を出走したのは9:14。

240824_091523
イオンの面した県道461号線(旧国道19号線?)は木曽福島のメインストリートだが、通過車はバイパスの国道19号線を通るので、交通量は少ない。

240824_091938
交通量が多く、路肩の狭い国道19号線をできるだけ通らないよう木曽川を渡ると、とたんに鄙びた風情の田舎道(飛騨街道西野通り)になる。

240824_092056
澄んだ水と青空に白雲、そして古びた橋梁の鉄骨が目に止まり、出走2kmで早速脚を止める。黒川ダムの堰堤だがさほど標高差はない。

240824_092726
さらに2kmほど先で風情ある木造校舎が目に入り、ついつい停車して記念撮影。2012年に閉校した旧上田小学校で、解体が決まっているそうだ。旧中山道に合流して旧跡が次々現れるが、度々停車していては進まないので、我慢して走り続ける。

240824_094209
正沢川を渡るために一瞬国道19号線に入ったが、ほぼ旧中山道(県道267号線)を辿っていく。宮ノ越宿本陣を過ぎたところで旧中山道が木曽川を渡る。

240824_094303
川を渡ると、義仲館。平氏を京都から追い落としたことで知られる木曽義仲と巴御前を後世に継承する資料館だそうだ。開館前でもあり、入館はしない。

240824_094743
旧中山道をたどる細道が再び木曽川を渡る地点が巴淵。水流が巴状に渦を巻くこの地の竜神が巴御前に化身したとの伝承が残るとのこと。

240824_095134
巴淵の橋を渡ると旧中山道は県道に合流し、さらに国道19号線に突き当たる。迂回路がないので国道を進むと、中央アルプス(木曽山脈)を越えて伊那に向かう国道361号線との分岐に、コンビニがある。ここが乗鞍に向かう経路の最後のコンビニになるので、忘れ物がないか脳内検索。まあ、大丈夫だろうと素通り。

240824_095441
山吹トンネルを抜けて脇道に逸れ、国道の対岸を進んでいく。交通量絶無の自転車向きの続いている。

240824_095806
木曽川の水面に近い高さですぐ脇を通る箇所も多く、暑い中でも涼し気な景色に心が和む。

240824_095954
乗鞍へ車での乗鞍の行き帰りには、藪原で国道19号線を離れて県道26号線を通っているが 、今回はその手前で左折して「きさらぎの道」に入ってみた。県道でもなく、名前は沿道の衣更著神社に由来するらしい。

240824_100714
木曽川の支流の菅川沿いに上っていくと、やや荒れているが2車線道路が続き、田園の間のゆるい坂が続く。上り付いた先に傾斜のゆるい平地が広がっており、やぶはら高原スキー場やこだまの森といった施設があった。この平坦地が分水嶺になっていて、南方に下っていくのが菅川で、北に下っていくのが奥峰沢川なようだ。

240824_102544
きさらぎの道は奥峰沢川に沿ってかなり急な坂を下っていき、県道26号線に突き当たって終了。奥峰沢川もここで笹川に合流し、さらに木曽川に合流する。標高差65mほど余計に上り下りしたことになったが、自転車向きの静かなルートだった。

240824_103004
木曽川の支流の笹川沿いにカーブの少ない上り坂が延々続く。車なら快適なドライブルートだし、自転車でも空荷で涼しければそれほど苦しくはなさそうだ。とは言え、普段より5kgほど重い自転車と、思った以上に暑くてペースが上がらない。暑いと言っても大阪に比べれば5度以上低いはずだが、汗がポタポタ落ちていき、いつになく苦しい。上りが始まったきさらぎの道の入口から30分程度でかなり消耗してしまい、停車しておにぎりを頬張り小休止。

240824_111645
集落が尽きて山中に入ると傾斜が増し、標高が上がっても照りつける太陽が暑くで消耗していく。何度か足をつきながらノロノロと上り続ける。しらかば平の別荘地に入ると増々傾斜が増して苦しい。上りがどこまでも続くようで、いつになく苦しい。

240824_114045
11:40にようやく標高1480mの境峠に到着。国道19号線から約20km、獲得標高約650mに、1時間40分。普段ならここまで苦労しないだろうが、約5kgの重量増と、暑さのせいか、予想以上の苦闘となった。毎年車では通っていたし、学生時代に逆ルートをランドナーにサイドバッグを付けて走ったこともある。そこまで険しい印象はなく、午前中に乗鞍に着くかと思っていたが、甘い考えだった。幸いなのは、まだしばらく雨は降りそうにないこと。

240824_114238
峠の脇の茂みでガサガサッと音がしたので、一瞬ビビったが、見るとニホンザルだった。全国的にクマ被害の増加が報じられているので、心臓に悪い。この後も、今回はサルをよく見かけた。

240824_120059
一気に標高差400mダウンヒルして奈川集落。野麦峠へ向かう県道39号線との分岐の自販機で飲料を追加して小休止。ここでもおにぎりを頬張った。

240824_120302
奈川地区は高台に新野麦街道という新道を通して小中学校や公共施設を移しているが、自転車は奈川沿いの旧野 麦街道が楽。多少のアップダウンはあるが、下り基調でしばらく進む。上高地まで34kmの標識が現れた。

240824_121259
沿道では秋蕎麦の花が咲いている。水田よりそば畑が多いのは高標高地らしい風景だ。

240824_123359
さらに川沿いに下っていき、奈川渡ダムが近づくと次々出現するのがトンネルだ。内部は大抵漏水でびしょびしょで自転車が汚れてしまうので、できれば通りたくはない。それでも県道26号線は交通量が少ないので、ゆっくり減速して走ることができる。それもあって、元気があれば上高地乗鞍スーパー林道を通って乗鞍入りしようと思っていたのが、境峠ですっかり消耗してしまったので、続けて白樺峠を上るのは断念した。できるだけ標高差の少ないコースを辿るべく、スーパー林道の入口を素通り。

240824_123714
奈川渡ダム作る梓湖に到達。白雲が増えてきたがまだ青空が多い空と湖の風景にホッとする。

240824_124827
国道158号線に入り奈川渡ダムの堰堤を渡ると、トンネルが続く。しかも交通量が多いのでのんびり走るわけにもいかない。できれば松本方面から上がってきたくないのはこれが理由だが、学生時代には何度も上っていた。

240824_125509
乗鞍高原に向かう県道84号線に折れて、前川渡大橋までくれば、かなりホッとする。ここからもいくつかトンネルがあるが、交通量がかなり減るし、車も多くは乗鞍ヒルクライム出場者なので、こちらの苦労を理解してくれるだろう。

240824_132915
車ならすぐだが、前川渡大橋からの上りも消耗した身体には辛い。ノロノロと上っていくが次第に雲が多くなってきた。次々と自転車を乗せた車が追い越していくが、こちらを見る目が暖かく、手を振ったりしてくれるのが救いだ。

240824_133611
やっとのことで、13:36に番所大滝近くの定宿、寿家さんに到着した。白樺峠越えを諦めて、できるだけ標高差の少ないルートを選んだにも関わらず、木曽福島から約65kmを5時間近くかかった。最近は荷物を積んで峠を越えることが無かったので、想定が甘かった。考えてみれば獲得標高1075m(下り498m)はあるし、学生時代の合宿では集団行動でサイドバッグ付きの重量級ランドナーだったとは言え、松本駅から上高地へ上がるのに1日、上高地から乗鞍への移動で1日、藪原駅まで降りるのに1日を費やしていた。荷物を積んだ自転車は山岳地で大幅にペースダウンすることを改めて痛感した。

240824_133620
すでに到着していた仲間たちが、「お疲れ」と声を掛けてくれる。以前のように全員が出場するわけではなく、飲み会と温泉を楽しみに来る「プランB」のメンバーも増えている。私のようにエントリーしないで周辺を走るメンバーも現れているので、こちらは「プランC(Cycling)」という呼び名を提唱している。

240824_133930
乗鞍ヒルクライムの際には自転車置き場になる離れにはまだ台数が少ないが、見慣れない色のCARACLE-Sが置かれれいた。

240824_134008
K野さんは初代2015年型CARACLE-Sをメタリックグリーンに再塗装して、今回お披露目してくれた。

240824_134012
XTRやXTより制動力が高く、パラレルリンクVブレーキ最強と言われたシマノデオーレLXの限定ゴールドカラーを装着していた。

240824_134152
体力的にも時間的にも今から上高地往復は難しいと判断して、今日の上高地行きは完全に断念。せめて乗鞍ヒルクライムの受付会場である乗鞍観光センターまで上ろうと、リアキャリアごとキャリアバッグを外し、フロントバッグからも当座必要のない輪行袋などを下ろして軽量化。

240824_135531
上空は曇ってきたが、乗鞍岳ははっきり見えて、日も当たっている。しばらくは大丈夫そうだ。

240824_135612
H川さんたちも受付まで自走で上るとのことだったので、ご一緒することにした。

240824_135615
出走しようとしたところに、K原さんが登場。K原さんは大会にエントリーしていないが、今日の午前中に乗鞍岳山頂畳平までMTB上ってきたとのこと。晴れて美しい風景が拝めたそうだ。

240824_140619
あらためて14:00頃に宿を走り出したら、パラパラと雨が降ってきた。すぐ止むかと思ったが、だんだん降りがひどくなってきた。私は受付が必要な訳ではないので、様子を見ようと数百メートルで引き換えした。すぐにH川さんたちも断念して引き返してきた。

240824_141021
遠くの空は晴れているのに、ここは宿の母屋に向かうこともためらう土砂降りという超局地的な雨。

240824_140707
しばらく自転車置き場に閉じ込められて、うだうだ。こちらもCARACLE-Sを活用してくれているA本が、軒下でカスタマイズ作業を始めた。新しいフロントディレイラー装着台座を入手したので、今までの別の方法でCARACLE-Sの前ダブル化ができないか、試すつもりとのこと。

240824_151804
しばらく自転車置き場になっている離れで様子を見たが、雨雲レーダーでは16時頃まで雨が続く予報。2時間も待機はしてられないなと、私は再出走を断念して本日のライドはここで終了とした。雨の弱まったタイミングで母屋に駆け込むと、すでに宴会が始まっていた。

240824_152340
まずは温泉に入って汗を流してから、私も宴会に参加した。これまでと違って、明日レースがあるわけではないのでプレッシャーが少なく、リラックスして呑める。雨が1時間も経たずに止んでしまい、しかも受付の観光センターでは雨が降らなかったと聞いてちょっと残念だったが、もはや再出走はできない。

240824_154411
次々と仲間が到着して参加者増えていき、夕食前から日本酒が何本も並び、近況や昔話に花が咲く。1年の1度の同窓会は雨でも楽しめる。

240824_181535
すでにへべれけのメンバーもいる中、18時から夕食。毎度の昭和な唱和「鶴は千年、亀は万年~」でいただきます。

240825_062542
昨年の大会でmasaさんが提案した乗鞍連盟ジャージを、今年は私を含めて多くのメンバーが着用している。これは翌朝の写真。

240824_184514
夕食の場で、このジャージを20数年お世話になっている、寿家さんのオーナー夫妻に進呈した。ビブのサイドには「寿」の文字も入っている。

夕食後も宴会は続いたが、翌日に乗鞍出場のメンバーもいるし(それが本来の目的だろ!)、年寄りは無理が利かないので9時過ぎにはお開きになった。明日もスッキリしない天気予報で、少なくとも上高地遠征は難しそうだ。一日中雨の場合は最悪バス輪行で松本方面に下るつもりだったが、仲間が車に乗せてくれると申し出てくれた。とは言え、できれば自力で駅まで走りたい。木曽福島や藪原は無理でも、せめて雨の止み間に新島々まで下れるタイミングあればなあ、と考えながら私も就寝。

■STRAVA


今夏は輪行+自走で乗鞍入り [木曽福島-奈川渡ダム-乗鞍高原] | ライド | Strava

■Ride with GPS

今夏は輪行+自走で乗鞍入り [木曽福島-奈川渡ダム-乗鞍高原]・Ride with GPS

■本日の走行記録(自転車)

cyclemeter240824
CyclemeterGPSの記録
 スタート: 2024/08/24 9:14:05
 自転車完了: 2024/08/24 14:02:17
 バイクタイム: 3:35:22
 停止時間: 1:12:50
 距離: 64.30 km
 平均スピード: 17.91 km/h
 登り: 1075 m
 降り: 498 m
 カロリー: 2641 kcal
 平均心拍数: 133 bpm
 最大心拍数: 163 bpm
 平均ペダルペース:  62 rpm
 最高ペダルペース: 134 rpm
 今月の走行距離:  581 km
 今年の走行距離: 5043 km
 先月の走行距離:  810 km
 昨年の走行距離: 7747 km

■本日のフォトアルバム

240824_2024乗鞍遠征記 – 写真共有サイト「フォト蔵」

※本ブログ、及び下記のフォトアルバム(フォト蔵)に掲載の画像に差し障りがありましたら、ご遠慮なくお知らせください。速やかに対処します。

Facebook にシェア
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

サイト内検索

アーカイブ

お友達ブログ

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。


Back to Top ↑