「TRACLE-S 2」組立て その3 [CARACLE-S]

「TRACLE-S 2」組立て その2 [CARACLE-S]」からの続き

事故で損傷したTORACLE-Sのフレームを新世代に更新し、併せていくつかの新しい仕様を盛り込んだTORACLE-S 2。ひとまず走行可能な状態にして通勤ライドでの使用を開始したが、まだいくつもやりたいことが残る状態。とは言え、TORACLE-COZ 2の仕様変更にも取り組んでいるし、事故で変形した通勤用ホイールの入荷を待っていることもあって、「一気に」という訳にもいかない。世界的な自転車パーツの入手難は改善の兆しも見えず、仕事上も苦労しているが、代替えホイールの入荷もまだ時間がかかる見込みだ。

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それでもチビチビと進めていることもある。ホイールが入手できるまでは通勤でも使用しているZ-LIGHT改造ホイールは、本来なら輪行や遠出用を想定している。軽量化を最優先してチタンシャフトのスキューワを装着していたが、折りたたんでみると突き出した部分がQRより長いので具合が良くない。

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以前から気付いていたことだが前輪OLD(エンド幅)を74mmに改造するために交換した台灣DATI製のハブは、QRハブシャフトの内側にねじ切りが施されていた。他社の折りたたみ自転車でQRやナットでなく外側からボルトでホイールを固定している仕様を見たことがあり、このハブも同じことができる仕様なのだろうと察しがついた。そこで、できるだけ外側への張出しが少ないボルトを物色していたが、最終的に入手したのは六角穴付き皿ネジと受けワッシャの組み合わせ。ボルトはチタン製でワッシャはアルミ製だが、どちらも当然ゴールド。ハブシャフトはアルミ製で、どの程度の長さであれば強度を確保できるのかわからず、ネジ山が有効な最大長にした。超低頭ボルト等の採用も考えたが、大経の丈夫なワッシャを併用するとほとんど厚みは変わらないし、チタン製だと2種のボルトの価格差も大きかった。

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想定通り、無事に装着できた。厚み4.5mmとQRよりさらにスペースを確保できたし、厚みのある直径20mmの受けワッシャは安心感がある。未交換の後輪ハブはスキューワ仕様のままだが、こちらは折りたたみ時も周囲との干渉は少ないので、あまり問題はない。

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通勤時は前職で開発に関わったB.free ステンレスサーモボトル クール&ホット500E(リンク先は後継品500F)を装着する事が多いので、ゼファル製プラケージのホワイトを装着していた。ブラックのフレームとカラーが合わなくなったのでフレーム同色のブラックに変更した。ついでに装着穴を開け直してスライダー無しでも長いクール&ホット500Eが収まるように改造し、ゴールドのアルミネジで装着した。

しばらく乗ってみたが、テレスコピック式ハンドルポストのインナーパイプをカーボンにするのはやりすぎだったようで、グニャグニャ感があるし、キシミ音も生じていた。といって、以前のようにアルミ製インナーパイプにアヘッドステムを装着すると、せっかく減らした重量が元に戻ってしまう。ちょっとでも軽い方法を模索する中で、以前から考えていたのはスズカリミテッド用の4本ボルト留め31.8mm径ハンドルバー用ヘッドを装着すること。インナーパイプが直接ハンドルを咥える構造で、QRレバーなども無いボルト留めなので、アヘッドステムを介するよりは軽量化になる。

とは言えオフセットは10mmに固定されてしまう。これまで40mmのステムを装着していたので、30mmも手前にハンドルが来ることになる。その分をリーチの長いハンドルバーを装着することでブラケットポジションの変化を少なくしようという目論見だった、しかしながら、手頃なリーチの長いイエローの入ったカーボンハンドルバーはなかなか見当たらない。色を問わず、アルミ製でも良ければ無いことも無いのだが、それではスズカリミテッド用ヘッドを使用する意味がない。

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とは言っても、ハンドルの形状や角度によってブラケットポジションは変化するので、スペック上のリーチ値だけでは判断できない。ブラケットポジション以外の具合も、最終的には実地検証してみないと断言はできない。そこで、試しにTORACLE-COZ 2の仕様変更で使用しなくなったカーボンハンドルを装着してみた。これまで装着していたエアロ型よりは実質的なリーチ(ブラケットポジション)が長そうだったからだが、スペック上は80mmとかなりのショートリーチ。初代TORACLE-COZ(リムブレーキ)時代はリーチ110mmのハンドルを装着していたが、クランプ部が傷んできていたので引越し時に処分済み。スペックほどブラケットポジションが変化しなかったし、すでに販売終了で再入手も難しい。

まずは手持ちのハンドルで試してみたわけだが、ステムを介していた今までに比べるとやはり近い。ただ、これまではハンドルに体重を乗せるTTに近いポジションで乗車していたのを、TORACLE-COZと同じような中立的な荷重配分で乗るようにすると意外と違和感は少ない。慣れてくると通勤程度なら問題なく乗車できるようになってきた。リーチの長くて軽い(かつ安い)ハンドルバーが見つかると嬉しいが、ひとまずはこれで使用できそうだ。

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6月に入って追加が入手できたので、シフトワイヤーもアルミ製ビーズのアウターに交換してみた。重量はシマノ製に比べると約半分になるのだが、組み付け時から操作が重く、変速の調子が良くない。

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シマノでもっともワイヤーの引き量が細かい旧10速ということもあるかもしれないが、なかなか変速しなかったり、一方で一気に2段変速したりとご機嫌が悪い。トップ以外ではインナーのテンションでアウターが引き寄せられて変な流れで固まったりする。伸縮方向のたわみは少ない構造だと思うが、ブレーキと兼用で内径が大きいため、内部でたわみが生じるのかもしれない。

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封入されたグリスを除去してシリコンオイルを注入したりして、しばらく試行錯誤したが2週間ほどで諦め、ひとまずシマノ製シフトアウター仕様に戻した。途端に変速は絶好調だが、軽量化は成らなかった。懲りずに日泉製のアルミケーシングの採用も頭をよぎるが、やはり変速性能は低下するようだし、ちょっと試すには高価でもある。

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ハンドルバーやシフトアウターを交換したのを機会に用意していたバーテープに交換。今まで使用してきた低価格品はオイルの汚れが付着しやすく代わりを探していたが、私の好む裏に粘着テープの無い製品はなかなか見つからない。やっと見つけたのは黄色というよりゴールドだが、質感は悪くないしグリップも良さそう。

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一方で厚みが薄く、伸縮性が低いのでただでさえ巻きにくいコマンドシフター周辺は苦労した。グイグイ引っ張っているうちに表層と基部が分離しそうなのもちょっと扱いづらいが、何とか巻き終えた。後は握り心地と耐久性だが、これはしばらく使ってみないと断言できない。

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シートQR(クランプ)もカタログ値30.5gの軽量タイプに交換。多くの汎用シートQRのレバーは右開きだが、CARACLE-Sはチェーンリングと干渉するため左開きである必要がある。このシートQRも右開きなので、前後を逆にして左開きにして装着した。レバーの向きが逆になったこともあって操作はデリケートな感じだが、固定力には問題なさそう。

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フレーム&フォーク交換前からちょくちょくヘッドのガタや軋み音が発生していたが、交換後はその頻度が増したように感じる。主因はプレッシャーアンカーの固定力不足でずれることだと思われるが、カーボンコラムに直接スターファングルナットを圧入するわけにもいかない。cervéloや3Tのカーボンフォークで採用しているようなスターファングルナットを前もって圧入したアルミパイプを接着で固定する方法も検討しているが、今のところちょうどよいサイズのアルミパイプが入手できない。そこで、ひとまずの対処としてカーボン用の滑り止め剤を入手して、アンカーを固定してみた。

以降、ガタを感じるほどの緩みはまだ生じていないので、改善したとは言えるだろう。とは言え、「ギシッギシッ」という軋み音は再発している。軋み音は他の部位が発生源の可能性もあるので個別に原因究明も行うが、ヘッドの固定力強化も課題だ。

まだまだ手を入れたいところがあるので、当面パーツ構成は落ち着かないだろう。とは言え、どちらかと言えば過度の軽量化を諦めることが多くなりそうだ。重量増は残念だが、使い勝手が悪くなっては意味がないので、バランスを見ながら今後も手を入れていくことになるだろう。

「「TRACLE-S 2」組立て その4 [CARACLE-S]」に続く?

ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。

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