TORACLE-COZ 2(ディスクブレーキ)組立て その3 [プチ改良変遷]

TORACLE-COZ 2(ディスクブレーキ)組立て その2 [パーツ移植]」からの続き

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油圧ディスクブレーキの検証のために、TORACLE-COZ 2(CARACLE-COZ DB)を組立てて約9ヶ月間。シマノ唯一のドロップハンドル用シングルスピード対応コンポGRXのブレーキキャリパーとデュアルコントロールレバーを装着して、レバーやケーブル(ホース)まで完全油圧式のブレーキシステムに105のリアディレイラー、ロー側34Tの超ワイドスプロケットを組み合わせたフロントシングル仕様で、輪行を含めて活用してきた。

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その間に主要コンポの変化はなかったが、細かな仕様変更を重ねてきた。まずはハンドルポジションの変更。ラージサイズフレームでトップチューブが37mm伸びるので、リーチが30mm短いハンドルバーに交換したが、形状差でスペックほどリーチが短縮できなかった。GRXの油圧ブレーキ+ワイヤー式変速のデュアルコントロールレバーはかなり大型なこともあって、ブラケットポジションがかなり遠くなってしまった。そこで載せ替え前の110mmから90mmに短縮したものの、それでも遠く感じる。結局さらにステムを購入して、80mmでようやく落ち着いた。

GRXの巨大なレバーは前後に大きくポジションを動かせるので、慣れてくればそれはそれで便利。ブラケットの先端を持てばかなりの前傾姿勢が取れるし、逆にブラケットの根本近くを握っていても、完全油圧ブレーキならレバーに指一本届けば充分な制動力を得られるので、支障はなかった。

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ハンドルポジションが確定したので、フォークコラム(ステアリング管)をカット。と言っても、上端を5mmほどカットしただけ。

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固定強度向上と、念のための調整余地を残すために、ステム上側に5mmのコラムスペーサーを挟む長さに設定した。

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小ネタだが、マッドガードの固定ボルトをチタン製に変更。軽量化ということもあるが、ゴールドのテーパーキャップボルトはドレスアップが主目的。

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しばらく手持ちのナローワイド46Tチェーンリングを装着していたが、これでもリアトップ11Tでケイデンス104rpmで回せば40km/hに達する。巡航なら平地はこれで充分だし、上りはリア34Tとの組み合わせで暗峠の壁坂ですら上っていける。とは言え、軽量なCOZはちょっとした緩い下りでもすぐに40km/hを超える。40km/hを超えてもまだまだ踏み込めるほど安定しているので、スピードに乗りたい場面では物足りないことがちょくちょくあった。

そこで、50Tチェーンリングを調達して交換。これでもリア34Tとの組み合わせで、700Cロードに換算すれば34x32Tに匹敵する超低レシオだ。暗峠級の激坂に上る機会は滅多にないので、上りで不自由することもほぼ無く、日常の使い勝手が向上した。

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そして、1/24に予定されていたブルベ「BRM124近畿200km泉佐野 榛原往復」に向けてサドルをブルックススィフトに載せ替えたが、BRM124は緊急事態宣言の発出により10/23に延期となった。引越し準備に追われていた時期だし、当日は雨だったので、ある意味幸いだった。チタンレールモデルとはいってもスィフトは重量増になるので一時的な装着のつもりだっただが、あまりに快適なので装着しっぱなしになっている。

約9ヶ月間、完全油圧式ブレーキとフロントシングル仕様を、輪行も交えた運用で検証してみた。11-34Tの超ワイドスプロケットを装着したことで、ソロライドなら平地から急坂まで大きな不自由はなく使用できた。ナローワイドチェーンリングの装着でCOZの宿命である折りたたみ時のチェーン脱落が起きづらいので、輪行メインならこの仕様が使いやすいと思える。

ただし、仲間(ロードバイク)と一緒に走るとスプロケット一段の歯数差が大きいため、速度を合わせるのがツラい場面もあった。追走時にギアが重いので一段落とすと今度は軽すぎて「こことここの間にギアが欲しい」となるのだ。ソロならスピードを上下させて調整できるので、ストレスはさほど無い。

完全油圧ブレーキに関しては、車体(全体)を逆さにしない、ホイールを外した状態でブレーキレバーを握り込まない、ローターをぶつけたりしないといった気遣いが輪行時に必要だし、重量増にもなる。ただし、心配された折りたたみで車体後部が倒立することによるエアー噛みは全く生じず、折りたたみによるオイルホースのダメージも短期間で生じるものではなさそうだ。

個人的には毎回輪行する訳ではないし、普段のライドで制動力と操作性の向上によるメリットの方が大きいと感じる。何回か輪行した経験で言えば、完全油圧でもさほど神経質になる必要もない。実はホイールを外した状態でうっかりブレーキレバーを握ってしまったことがあるが、携帯工具のマイナスドライバーをパッドの間に差し込んで対処した。初めてのことは不安なものだが、特性を理解してやれば多くのトラブルは対応可能だ。

従来のCARACLE-COZ RB(リムブレーキ)は1kg近く軽量であり、歴史を経て枯れた(信頼性の高い)システムはトラブルも起きづらい。たとえトラブルが起きても地方の自転車店で対処可能なことが多いだろう。現在CARACLE-COZ DB(ディスクブレーキ)の市販モデルに採用しているハイブリッド式ディスクブレーキはワイヤー式と油圧式を組み合わせたもので、デメリットが少ない代わりにメリットも限定的だ。

いずれにしても、完全油圧ブレーキモデルをラインナップに加えることに、致命的な問題はなさそうだ。それぞれにメリットとデメリットがあるので、当分はリムブレーキ、ハイブリッドディスク、完全油圧ディスクの3種類を併売する可能性が高い。

単純にそれぞれお値段にも差があるし、最終的にはそれぞれの目的に合わせて選択することになる。ただ、個人的には重くても、気づかいが必要でも、もはやワイヤー式ブレーキに戻す気にはなれない。それだけ走行時のストレスが減るのだ。

約9ヶ月間の試行錯誤で、輪行が簡単な油圧ディスクブレーキロードバイクというひとつの完成形に達したと思われる。充分に満足のいく仕上がりだが、油圧ディスクブレーキを体験すると他の点でももっと走りを追求したくなる。具体的には、フロントダブル変速とDi2の復活だ。コロナ禍でなかなか輪行がやりづらいこともあり、たまにしかない輪行より、走行性能を追求した方が満足度が高いだろう。フロントダブル化によりリアスプロケットをナロー化できれば、ロードバイクと一緒に走るのも楽になる。コロナが落ち着いたら輪行ライドを復活させるつもりだが、Di2化によりインデックスのずれを根絶でき、軽量化も追求すれば、フロントダブル化もデメリットばかりではない。

「TORACLE-COZ 2(ディスクブレーキ) デュラDi2化 その1」に続く?

ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。

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