紀の川市の串柿 [鍋谷峠-名手上]

体調がもうひとつだったこともあるが、先週無事に串柿ツーリングを終えて気が抜けてしまい、前もって今週のことを考えられなかった。今日はロングライドのお誘いも頂いていたが、体調と気力がすぐれずお断りしようかと思っていたら幸か不幸か中止になった。

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天気は良さそうなので軽く近場を走っておくかと、近所の友人と7時に集合。私は今日もTORACLE-COZ(CARACLE-COZ RB試作フレーム)で、友人はシクロクロス参戦の試走を兼ねてNINERの新車で登場。

シャカリキのトレーニングをする気にはなれず、串柿ツーリングをしたばかりだが、来年の開催に備えた情報収集でまた串柿の里に向かうことにした。今日ものんびりツーリングだ。

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天候は見事な青空。朝は10度まで下がるが、日中は20度を越える予報だったので、やや薄着で出走した。昨日雨が降ったので路面が濡れているところも多いが、空気は澄んで行く手の山々もくっきり見える。

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父鬼集落の定点観測地点の温度計は9度を表示。山沿いはひと桁の気温で、薄着だとしばらく止まっていると冷えてくる。

製材所前の鍋谷橋から鍋谷峠に向かって本格的な上り始めるが、先週に続いのんびりペース。路面はかなり濡れていて、せっかくきれいにしたCOZがまた汚れていく。雨がそれほどでも無かったので、路面に水が流れるほどではなかった。

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しばらくは友人に先行していたが、どうにも調子が上がらずペースダウン。このところアレルギー性と思われる咳喘息に悩まされており、昨晩は咳の発作で寝不足気味なせいか身体がだるくなって、上りの途中で停車して休憩。体調はもうひとつだが、澄んだ空気と林間に射す光が美しい。

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しばらくして追い付きてきた友人と上りを再開し、9:30に鍋谷峠に到着。35分以上かかってしまった。先週ほどではないが、何人かの自転車乗りやランナーが上ってくる。

しばらく峠でのんびりして、少し迷ったが和歌山側に下り始めた。後で思えば体調もすぐれないのだし、ここで引き返しておくべきだったかもしれない。

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下る途中からは、青空の下の紅葉混じりの山々が美しい。

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南の高野山方面は、山霧が流れる見飽きない風景。空気が澄んで先週以上の美しさだ。

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下を見下ろせば、串柿のオレンジが彩る平集落。

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国道480号線バイパスを一気に下って道の駅くしがきの里に到達。友人が買った草餅を頂いて小休止した。ここまでにのんびりしすぎて、すでに10:20を過ぎ。後で考えれば、そろそろ引き返さなければいけない時間だったが、その時は時間の感覚が無く、先に進んでしまった。

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串柿はかつらぎ町の特産物としてアピールされているが、隣接する紀の川市の山の上にも見どころがあるらしいとの情報を得ていた。国道480号線をもう少し下って紀の川市に入り、前を通過する度に気になっていた川沿いの直登の急坂を上り始めた。

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この地点でもかなりの急坂で、友人は川の反対側の道路を上っていた。一時停車して片足をついて友人を撮影したところ、急坂の片足立ちでバランスを崩した。そのまま後ろ向きにひっくり返り背中、肩、後頭部と地面に打ち付けた。川の反対側の友人に心配を掛けないように、急いで起き上がって無事を伝えたが、ヘルメットを被っていた後頭部はともかく、肩と背中が痛む。これが最初のトラブル。

痛むのは痛むが軽い打ち身だけのようなので、上りを再開。これが引き返す機会だったのに、先に進んでしまった。

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痛みを堪えながら上っていくと道は川沿いを離れ、さらなる急坂をグイグイ高度を上げていく。軽自動車しか通れなさそうなコンクリート舗装の細道はわずか2km足らずで標高差280mを上る超激坂。あっという間にはるか下界を見下ろす山の中腹まで上ってきた。

平均勾配は約15%だが、部分的には20%を越えていたと思われる。普通は自転車で上るような道ではない。体調が良くない上に転倒もしたが、立ちはだかる坂に闘志が湧いてしまい、気を抜くと浮く前輪や空回りする後輪を抑え込みつつ、「串柿のあるところまで」と無理をして上り続けてしまった。

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友人を気遣う余裕もなく置き去りにして上り続け、ようやく串柿を発見。写真を撮るために停車してひと息つくと、少し思考力が戻ってきた。頭を冷やして考えると、随分と無理なコースを上ってきてしまった。とても友人を付き合わせるようなルートではないし、この先もどうなっているかわからない。少し歩きで引き返しつつ後ろを伺うと、友人が押し歩きで上がってくる。

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「悪い悪い、引き返そうか」と声を掛けたが、友人の様子がおかしい。慣れない新車でバランスを崩し、後ブレーキを損傷してしまったとのこと。確認してみたが、その場での対処は難しそう。上ってきた激坂を、前ブレーキだけで下るのはとても無理と思えた。引き返すとなると、押して下るしかない。

友人が新車であることはわかっていたのに、無理なコースに連れてきてしまったのは完全に私の軽率。頭が冷えると、引き返すべきところで引き返さなかった自分の不始末が申し訳ない限りだった。

とにかくここから下界に降りる算段をどうするかだが、逆に先に進んでもう少しマシなルートで下る方法もある、と気付くまでもかなり時間が掛かった。とは言え、この先も急坂や荒れた路面が続くかもしれない。しばらく進むか戻るか悩んだが、考えてみればずっと一緒に行動する必要はなく、私が先行して偵察すれば良いのだ。この方法を思いつくまでにもさらに時間を費やした。冷静さを失うと、当たり前のことが考えつかなくなる。

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試しに先行してみると、先にいくつかの人家があって、激坂も何箇所かあるがこれまでよりははるかにマシな傾斜と路面。700m足らずで、やや広めの下山ルートへの分岐が現れた。この程度なら乗車して下ることも可能だろう。引き返して友人にルートの状況と、「今くらいの時間で往復できる」と伝えた。

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結局、引き返すよりはマシだろうと先に進むことにした。分岐までには串柿が吊るされたところもあったが、この状況では楽しめない。

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分岐まで到達して下り始める。市境に沿った谷筋のこのルートは山上の集落へのメインルートだと思われるが、やはりかなりの傾斜で湿った路面に落ち葉や小枝が散乱している。友人のマシンは油圧ディスクブレーキとはいえ、前ブレーキだけでは低速でそろそろ下るしかない。2km程度と思われる下りが、とても長く思えた。

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何とか国道480号線まで無事に下り、加熱した前ブレーキを気遣う。耳を澄ますと「シュー」という音が聞こえたので前ブレーキも酷使でダメージが生じたのかと心配したが、やがて音が止んだ。ローターも冷めたようなので、頑張って大阪に戻ろうと再出走。・・・した途端に、私の後輪に違和感。何のことはない、先程の「シュー」という音は私のCOZのパンクだった。

たかがパンクとは言え、立て続けのトラブルにさらに気が重くなる。下りでペースダウンすることが予想される友人には先行してもらい、チューブ交換。すでに正午目前で気も急くが、気合が入らず時間がかかってしまった。

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何とか修理を終えて再出走。鍋谷峠へ向かって上り始める。晴れてポカポカした素晴らしい天気に紅葉も美しい絶好の自転車日和なのだが、トラブル続きで気分が乗らないし、打った肩や背中が痛くてダンシングがツラい。

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ダラダラと上り続けて、13時過ぎにようやく鍋谷峠へ戻ってきた。どこかの団体だと思うが、たくさんの自転車乗りが峠を超えてきていた。10分ほど前に友人も鍋谷峠を越えた連絡が入っていたので、私も後を追う。

単に気分が乗らないだけでなく、どうも頭に霞がかかったようで現実感がなく、自分ながら危なっかしい。路面も濡れているところが多いので、これ以上のトラブルを起こさないようにスピードを抑えて慎重に下っていく。

友人の姿が前方に見えたので、追いつこうと少し速度を上げたら、コーナーで後輪が少しヨタついた。パンク修理をしたので気圧が低く、いつもと挙動が違うのだ。気は急くが、ここで無理するとまたトラブルを招くかもしれない。一旦停止して、曇っていたグラスを拭き取り、携行食を口にしてエネルギー補給。少しでも心身をシャッキリさせてから、速度を落としてゆっくり下っていく。

父鬼集落を通過しながら、ようやく友人に追いついた。一緒に家路についたが、私の方が疲労困憊してロクに友人のサポートもできない。ちょっとした上り坂で友人に着いていけない始末だった。

午前ライドのはずが、自宅帰着は15時近くになってしまった。振り返ってみると、立ちごけ、友人のブレーキ損傷、パンクといったトラブルは、引き際を誤らなければ発生しなかっただろう。串柿ツーリングという大仕事を終えて、今日は気が緩んでいたと思わざるを得ない。特に、来週のシクロクロスを前にブレーキを損傷させてしまった友人には本当に申し訳ないことだった。反省して出直しだ。

■STRAVA

紀の川市の串柿 [鍋谷峠-名手上] | ライド | Strava

■本日の走行記録(自転車)

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CyclemeterGPSの記録
 スタート: 2019/11/23 6:53:27
 自転車完了: 2019/11/23 14:53:38
 バイクタイム: 4:26:29
 停止時間: 3:33:23
 距離: 81.20 km
 平均スピード: 時速 18.28 km/h
 登り: 1526 m
 カロリー: 3059 kcal
 平均心拍数: 129 bpm
 最大心拍数: 176 bpm
 平均ペダルペース:  53 rpm
 最高ペダルペース: 142 rpm
 今月の走行距離:  666 km
 今年の走行距離: 8329 km
 先月の走行距離:  908 km
 昨年の走行距離: 7965 km

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