TORACLE-COZ組立て その16 [2018ノリクラ決戦仕様3]
[TORACLE-COZ組立て その15]からの続き
8/19(日)夜に届いたのは、ナローワイドの46Tチェーンリング。これでTORACLE-COZ(CARACLE-COZ RB試作フレーム)をフロントシングル化し、一層の軽量化を図ろうという魂胆だ。チェーンが脱落しにくいナローワイドチェーンリングはWolftooth製が有名だが、高価なのでなかなか手が出なかった。シマノ製4アームクランク用のナローワイドチェーンリングは非常に少なかったが、ようやくリーズナブルな商品を見つけたので、直前になったが入手した。
一緒に入手したゴールドのアルミ製チェーンリングボルトを合わせて、約95gだった。
8/20に仕事を終えてから、勤務先で換装作業を開始。まずはデュラエースFC-9100クランクから、ダブルのチェーンリングを外す。
FC-9100クランクはアームの1本の形状が変更されており、従来のチェーンリングとの互換性がない。
入手したナローワイドチェーンリングもそのままでは装着できないので、FC-9100のアウターをあてがう。
左上のアーム装着部が少し飛び出しているのがわかるだろうか?
はみ出し部分はわずかだったので、削り作業はそれほど苦労なく完了。
削り加工したチェーンリングをクランクに装着。アームとチェーンリングは干渉しなくなり、無事に装着できた。案ずるより産むが易しだった。
チェーンのミッシングリンクを外し、不要になったフロントディレーラーを外す。画像ではまだフレームに付いているFD台座も外した。
エレクトリックケーブルも根本から外してしまいたいところだが、BBを空けないとジャンクションBにアクセスできない。デュラエース用のBB工具が手元になかったので、FDから外した先端をフレームに押し込んでおいた。
チェーンを再装着して変速性能をチェックしたが、トップ側やロー側でチェーンとチェーンリングがこすれてカリカリと音がする。特にロー側は音が大きい。Wolftooth製のようにセンター位置にオフセットしていないので、チェーンラインが外寄りなのだろう。
少なくとも、10速化したCARACLE-Sではフロントシングル(非ナローワイド)でも大きな支障はなかった。11速化による影響もあるだろうが、主な原因はナローワイド加工によるものではないかと想像している。
変速位置がセンター付近なら異音もないし、ロー側も走行に大きな支障な無いようなので、このまま採用することにした。一番ロー側の28Tコグは、ノリクラではほとんど使用することも無いだろうし、なんとかなるだろう。走っているうちに、チェーンと馴染んで音が小さくなることも期待している。
さて、どのくらい軽くなったか検証。外したアウター&インナーチェーンリングとチェーンリングボルトは合わせて約150g。交換したナローワイドチェーンリングとチェーンリングボルトの約95gを差し引いて、約55gの軽量化達成。
さすがはデュラエースの中空構造で、チェーンリング自体の重量差はわずか。むしろ差が大きいのは外したFDとFD台座を合わせた重量で、約115g。
この2つを合わせて約170gの軽量化を達成した。ここまで来ると、この重量差は結構大きい。
交換を終えて重量を計測すると、秤の数値はペダル込みでも6.625kg。ペダルを除いたいわゆるカタログスペック車重だと、目標の6.5kgどころか一気に6.4kgを切ったことになる。
さらに踏み込むなら、チェーンリングが小さくなった分チェーンを短くすることもできる。53-46=7コマの差だが、チェーンは2コマ単位でしか調整できない。6コマ短くすれば約13gの軽量化になるが、ノリクラ1回のためにチェーンをカットするのももったいない。39Tのインナーチェーンリングを使用していたことを思えば、今のコマ数でもキャパシティの範囲内なので、変速に大きな支障はない。ひとまずこれまで通りのコマ数で使用することにした。
チェーンリングまで一体化したデュラエースのデザインは失われたが、6kg台前半まで軽量化したことはヒルクライムに挑むにあたって大いに期待できるスペックだ。
機械的なセッティングを終えた後で、スマホアプリE-TUBEでBluetooth接続し、Di2のソフト設定を変更した。フロントシングル化すると、ワイヤー式変速システムなら左のデュアルコントロールレバー変速機構が無駄な重量になる。
一方、Di2なら左レバーのスイッチにRDの変速機能をセットすることができるので、無駄がない。右でも左でもRDを操作できることに加えブラケット上部の隠しスイッチにもRDの変速機能を仕込めるので、都合3組もRDを操作スイッチがあるわけだ。これはDi2ならではの大きなメリットだ。
タイガースカラー化の続き、というかサイズ設定をミスしたヘッドマークを再作製して、元々は白いヘッドマークの上に貼付けた。単に黄色化しただけでなく、顔をカラカルから虎に変えたTORACLE(虎狂ぅ)仕様だ。できるだけ顔を大きくしたのだが、下地のカラカルがはみ出し、ふさ毛が生えたカラカル風トラになってしまった。黒シートで隠そうかとも思ったが、これはこれで、まさにトラ+カラカル=トラクルになったので良しとしよう。
8/20(月)の作業はこれにて終了。「上りで一番速い折りたたみ自転車」という目標はほとんど達成できたと思う。単に軽量化を追求するならもっと軽い折りたたみ車がいくらでもあるだろうが、「上りで一番速い(=ヒルクライムレースで結果を出せる)」という基準なら、恐らくこれ以上軽い折りたたみ車は他にないだろう(非折りたたみ小径車なら可能だが)。
カスタマイズはほとんど終わったが、この日は重箱の隅をつつく仕様変更のためのパーツがまだ届いていなかった。最後のカスマイズパーツが届いたのは翌日8/21(火)。帰宅してから最後の(?)作業。
まずは届いたパーツとは関係ない作業。昨日FD台座を外して露出していたボルト穴にプラスチック製ボルトでフタをした。異物の侵入防止というより、短期間ならほぼ見栄えの問題。わずかな重量増になるが、スキを残したくない。
2回の最終トレーニングと通勤で少し汚れた事もあって、パーツクリーナーを吹き付けてチェーンを軽くクリーニング。
そして、最後の注油。普段から使用しているPro Goldは雨には強くないが、充分に決戦用と言える潤滑性能がある。
本日届いたのは、2本のチタンボルト。納期が微妙だったが、間に合ってよかった。
1本はシートクランプの固定ボルトを交換。元々のボルトはステンレス製で、仕上げは悪くないがチタンに比べれば重く、長さも長過ぎた。
もう1本はシートポストのサドル固定ボルト。CARACLE-COZの市販品で不採用になったポストを装着しているので、専用チタンボルトが使用できないことに加え、スチール製ボルトが安っぽい仕上げだったので、ここはどうしても交換したかった。こちらもボルト長が少し長かったので、やや短いゴールド仕上げのチタンボルトに交換した。
計測も難しいわずか数グラムの差だが、これではみ出しもボルト先端のはみ出しも無くなった。
これで気になっていた最後の問題も解消できた。まだまだ手を入れたいところもあつが、現時点でやれるだけのことをやったという納得は得られるところまで来たと言える。
長らく続けてきた「TORACLE-COZ組み立て」も、ノリクラ決戦モデルが完成したので、次回の「まとめ」でひとまず完了とするつもり。少しはCARACLE-COZのカスタマイズの参考になっただろうか? もちろん、今後もカスタマイズは続いていくのでご心配なく。
さあ、ノリクラに殴り込みだ! ・・・天気悪そうだけど。
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
[…] [TORACLE-COZ組立て その16]からの続き […]
[…] [TORACLE-COZ組立て その16]に続く […]
[…] に対応した切り欠きが設けてあるので、昨年のように切削加工は必要ない。 […]