TORACLE-COZ組立て その8 [黄色成分追加・SPD-SL化・バッテリーホルダー作成等]
[TORACLE-COZ組立て その7]からの続き
ステム延長とiPhoneマウントの移設でポジションを見直したTORACLE-COZ(CARACLE-COZ RB試作フレーム)だが、それ以外にも昨日の峠トレーニングまでにいくつか手を入れていた。
まず、黄色成分の追加。最初に付けたゴールドカラーの軽量タイプQR式シートクランプはやはり固定力が不足し、シートポストが下がってくる。COZ標準添付のクランプなら問題は生じないが、やや重量が重いし、何より色が赤い(笑)。
そこで、懲りずに軽量タイプのシートクランプを入手した。もちろんゴールドで、ネジ無しで7.68gの超軽量とのこと。アーレンキーボルトで締めるなら固定力も期待できる。・・・と思ったのだが、バンド部分の幅が狭く、かなり強く締めても強いショックで下がることがある。
やはり軽さばかりでは機能面の低下を招くので、今度はバンド幅が広く、締め付けに応じてボルトの角度が調整される円柱状のボルト受けが付いたタイプに変更。今度はカーボン製でゴールドでなくイエローなので、カラー的にはより望ましい。秤が5g単位なので正確ではないが、15g前後。やや重くなったが固定力は増したようだ。
とは言え、実はこれも万全ではない。今度はバンド幅が広すぎて上の方がシートチューブに被さっていない。バンドの上下方向の中心にボルトがあるので、シートチューブのかなり端の方で締め付けていることになる。バンド本来の固定力を発揮できていないと思われるので、また変更するかも知れない。手間を惜しまないならバンドの上下を削ってやれば締め付け位置を下げられるだろうが・・・。
もうひとつの黄色成分はボトルケージ。19gの超軽量カーボン製だ。
とは言え、ツールケースを装着しているダウンチューブ下側の台座に、上下逆で使用するのは固定力と強度が不安。ひとまずはステンレス製のケージをそのまま使用して、ツールケースはベルクロテープで固定力を高めている。
昨日の峠トレーニングのレポートでもチラッと触れたが、Di2のワイヤレスユニットを追加しようと目論んだ。これによりiPhoneのアプリでDi2のカスタマイズやファームウェアのバージョンアップやエラーチェックができるE-TUBE PROJECTを使用できるようになる。
カスタマイズ機能により、デュアルコントロールレバーの各ボタンの機能を変更したり、変速スピードや長押しで一気に数段変速、前後ディレイラーのシンクロナイズドシフトなどの機能変更や、ガーミンなどのサイクルコンピューターと連携してギア位置やバッテリー残量などを確認できたり、隠しスイッチでサイコンの画面を切り替えたりもできる。もっとも私は連携できるサイコンを使用していない。取り急ぎ私が行いたいのは、シフトスイッチのシフトアップとダウンを入れ替えることだ。
友人と待ち合わせたコンビニで、ステム下のジャンクションAにつないでいるエレクトリックケーブルのうち、ダウンチューブに内蔵しているジャンクションBに向かうケーブルを抜いて短いケーブルを追加し、間に挟んで接続した。
前もってiPhoneにダウンロードしてあったE-TUBEアプリとのBluetooth接続は、問題なくできた。ところが、自動的に開始されるファームウェアのバージョンアップが途中でエラーになり、再度繰り返そうとしてもユニットと接続できなくなってしまった。
シフトスイッチを押してもディレイラーが反応せず、ジャンクションAのインジケーターも無反応。ワイヤレスユニットを外して接続し直しても復旧せず、友人ロードのワイヤレスユニットと入れ替えても反応なし。
変速ができないのでは遠出はとても無理なので、固定ギアで友人宅に移動して復旧作業。ワイヤレスユニットを外して配線を元に戻した状態で、後ディレイラーのコネクターを外してジャンクションを挟み、PCに有線接続。エラーチェックを行うと、なぜか前ディレイラーが未接続になっていた。ケーブルの接続経路を考えると、先程のワイヤレスユニットの接続作業で前ディレイラーの配線だけが影響を受けることは考えづらい。
それでも、物は試しで一度前ディレイラーに接続されたコネクターを外して再接続。再度エラーチェックを行うと、今度は前ディレイラーを検出した。シフトスイッチの操作も受け付けるようになり、無事復旧した。
友人曰く、一度配線から外したことで前ディレイラーが初期化されたのかも、とのこと。発生原因は謎だが、とにかく復旧してやれやれ。ひょっとすると後ディレイラーも異常を起こしていたのかもしれないが、有線接続のために一度コネクタを外しているので、その時点で初期化されていたということも考えられる。
ついでに今回の作業の動機である、シフトスイッチのシフトアップとダウンを入れ替え。機能を割り振ってなかったブラケット上端の隠しスイッチには右にリアのシフトアップ、左にリアのシフトダウンの機能を持たせた。これによりブラケット上部を握った状態でも、シフト操作がしやすくなるだろうという目論見。
ひとまず機能変更の目的を果たせたので、ワイヤレスユニットは装着せずに出走した。シフトスイッチの入れ替えと隠しスイッチへの機能付加は、昨日の走りで有用性を確認できた。
明けて本日は朝から娘のCARACLE-S 2016や、私のCARACLE-S2015試作車のメンテ。
娘のCARACLE-Sは先々週に雨の中を走ったというので、早く手を入れたかったが、先週末はヨコハマ・サイクルスタイルに出展していたのでいじれなかった。
チェーンを始めとするクリーニングや注油を行い、各部の確認や調整。幸い、サビはほとんど発生していなかった。ハンドル周りからきしみ音がしていたので、各部クランプを増し締め。他に大きな問題はない様子。
主に通勤用に使用している私のCARACLE-S 2015も、最近小雨の中や雨上がりに走ることが何度かあったので、チェーンを始め各部をクリーニングして注油。現在、走行距離14,000kmを突破したこの個体は、切りの良い15,000kmで引退させようかと思っている。まだまだ元気に走ってはいるが、TORACLE-COZが増えて自宅に自転車を4台置くのはさすがに厳しい。
2台のCARACLE-Sに続いて、TORACLE-COZいじり。昨日の峠攻め+ロングライドで、サドルとハンドル周りのポジションが概ね満足できるものであることが確認できた。そこでいよいよ、ペダルシステムの変更に着手。
ノリクラ(マウンテンサイクリングin乗鞍)やスズカエンデューロなどのオンロードのレース系イベントで、ロード用ビンディングシューズが重量や効率の面で有効なことは言うまでもない。
(今となっては)MTBやツーリング用のSPD規格のビンディングシステムを長らく使用してきたが、COZの導入を機会にSPD-SLを友人に強く勧められ、ついにロードペダル&シューズ導入。ペダルはデュラエース、シューズはシマノRC7。イエローがあればなあと思うが、まあ広島カ●プを足で踏みつけるということで、納得しよう。
クリートはイエロータイプを装着。フローティング角度が3度と大きく、クリートの中心で首振りするのでSPDから乗り換えても違和感が少ないという友人のお勧め。カラー的にもこっちがいい。
今までのSPDペダル&シューズと比較して、前後位置を合わせる。シューズ形状が違うので大まかなものだが、調整範囲の一番前に持ってきてもペダルのシャフト位置が微妙に後より。私はかなりつま先側で踏んでいることを、今さらながら再認識。ポジションの見直しをした方が良いのかもしれないが、今日はひとまずは今までのSPDのポジションに合わせることを優先して作業を続行。
足の左右の開き角度は友人から借りたフィッティングプレートを使って、左右の角度を均一にする。概ね今までのSPDと合わせた角度にセットするが、私はかなりつま先が開いていないとペダリング時にストレスがある。このせいでクランクやチェーンステイにかかとが当たりやすいのが、昔からの悩みだ。
SPD-SLペダルを装着し、家の周りを試走。前後位置は違和感なく、少しだけストレスを感じた右のシューズの角度を微調整した。
問題は先ほども述べた、かかとの接触。今までのSPDペダル&シューズの組み合わせに比べると、クリート位置を一番内側にセッティングしているにも関わらず、かかとがクランクに接触しやすい。両システムともシマノ製の組み合わせだが、調整幅が異なるのか、デュラエースペダルはQファクターを詰めているのか、いずれにしてもちょっと困った。
慣れられるか試してみようかとも思ったが、やはりストレスは減らしておきたいので、後日クランクとペダルの間にスペーサーを挟んで少し外に出すように調整した(この状態では未走行)。
よりロードバイク的な仕様になったTORACLE-COZ。SPD-SLの効果が体感できるかどうかは、近いうちに遠出して検証してみよう。
もうひとつ取り組んだのは、モバイルバッテリーの搭載方法の変更。これまではTORACLE-Sと同様にハンドルポスト部分の前側にTOPEAK製ホルダーを装着していた。機能的にはこれでも充分なのだが、バンド留めは格好良いと言えない。サイクルコンピューター、スマホ、ライト、アクションカメラ、ベルなどでごちゃごちゃするハンドル周りをスッキリさせるために、最近はセンターラインの上下にすべてマウントするシステムが流行している。有名なのはREC-MOUNTSだが、かなり高価だし、私の使用するすべての機器に対応しているわけでもない。
そんなタイミングに目に入ったのがTOPEAK製ライドケース マルチマウント。使用中のライドケース マウント RXに対応しており、比較的安価に装着物を増やせる。どうやらGo-Proマウントに対応したアタッチメントを3個装着できるようだ。将来的にはこれを導入すれば、iPhone、モバイルバッテリー、デジカメ、ライトをセンターラインに装着可能ではないかと思い至った。
モバイルバッテリーはTOPEAKの純正品なら簡単確実に装着可能。ただし、スマホ用品は日進月歩なので、今となってはやや小容量で高価だ。普段から市販の大容量バッテリーをTOPEAK製ホルダーに収納して装着しているのは前述のとおりだが、TOPEAK同士ながらこのホルダーをGo-Proマウントに装着するアダプターは販売されていない様子(ライドケースマウント自体になら装着可能だが、肝心のiPhoneが装着できなくなる)。
市販品を組み合わせてモバイルバッテリーをGo-Proマウントに装着できないか検討していたが、なかなかスマートで安価な方法がない。そこで、自分で加工してマウントを作ることにした。手元にあるTOPEAK「55」系マウントやGo-Pro互換マウントを集めてプランを練った。
まず、加工の楽な樹脂製のF55ホルダーのマウント部分だけを糸ノコで切り出した。
次にカメラ三脚穴用のGo-Proマウントのボルトを、切り出したF55マウントの厚さに合わせてカットする。
そして、F55マウントにGo-Proマウントのボルト径より少し小さな貫通穴を開ける。
Go-Proマウントのボルトをねじ込んでいき、サイズ確認。ほぼ想定通り、ボルト先端がF55マウントの上面より少し凹んだ位置で一体化できた。
F55マウントの裏面にはヒケ防止の凹みが整形されているので、ボルトのネジが噛み合っている部分はかなり薄い。これだけでは強度的に保たないと思われる。ボルト&ナットなどで物理的に上下から締め付けることが理想的だが、形状的に難しい。
ひとまずは2液混合型のエポキシ接着剤で、空間を埋めつつ接合面付近に盛り上げて強度アップを図った。
前述のマルチマウントを増設しなくても、ライドケースマウントRXには元々Go-Pro互換マウントが1個付属している。普段、私は三脚穴用マウントを利用してデジカメを上下逆さにして固定しているが、代わりに今回制作したマウントを装着してみた(画像は接着前)。
格好良いとは言えないが、今までのバンド留めよりはマシだろう。実質的に接着剤だけで固定しているようなものなので不安は残るが、当面は脱落防止のヒモでもかけて試してみよう。もし分解してしまったら、他の方法を考えよう。
文中でカー●を踏みつけると書いたが、よく考えれば赤はシューズのアッパーだけなので踏みつけていない。踏みつけているのはタイガースカラーのクリート。
・・・セ・リーグの順位のまんまやん。
[TORACLE-COZ組立て その9]に続く
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
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