TORACLE-COZ組立て その4 [プレシェイクダウン]
[TORACLE-COZ組立て その3]からの続き
コンポを組み付けて、一応は走るための機能が揃ったTORACLE-COZ(CARACLE-COZ RB試作フレーム)。本格的なポジション合わせはカーボンハンドルバー待ちだが、ちょい乗りくらいはできるように、いくつか生じていた課題解消に努めた。
最初にはシートQRを手持ちのゴールドカラーのものに交換。TORACLE(虎来る號)と言いながら黄色成分が少なかったが、まずは第一歩。
これはTORACLE-S(CARACLE-S 2016試作車)用に入手したが、軽量タイプで締め付けトルクが低く、カーボンシートポストと併用するとずり下がってくるためお蔵入りになっていた。TORACLE-COZでもズレが生じる恐れもあるが、セットしてみると今回は結構固定力を発揮している様子。しばらく試してみよう。
次に、日泉ケーブル製のブレーキインナーケーブルが、インラインアジャスター付属のアウターキャップの穴を通らなかった問題の検証と対策。ノギスで直径を測ってみたが、シマノ製インナーケーブルと大差はない。念のため手持ちのシマノ製インナーをキャップに通そうとしたが、これも無理。キャップの穴径の問題と判明。
手持ちのアウター先端キャップを比較してみると、全て内径5mmなのでブレーキ用で間違いないが、穴径はマチマチ。
径の大きく長さが短いシルバーのものを選んで、アジャスターの両側は無事に先端キャップを装着できた。
CARACLE純正アウターケーシングはアルミ線材とケブラー繊維を使用した超軽量品だが、ほつれやすい特性があるので先端キャップを使用することが望ましい
アウター先端を再度ヤスリがけして平滑かつ真円に仕上げ、インナーケーブルにグリスを薄く塗布して、アウターケーシングに注油しながら、前後ブレーキケーブルをセットし直していく。
ブレーキレバー側の末端には、数少なくなった手持ちの樹脂製アウターキャップを奢って組み付け直した。5mm径のブレーキアウターをカバーしながら5mm径の受けにセットできる便利な小物なのだが、廃番になったらしく現在は入手方法が見つからない。
せっかく貴重な品を使ったが、なぜかブレーキの引きが重くなってしまった。ギリギリのサイズの受けに締め付けられるのかも知れない。止む無く、キャップを外してアウターを直接挿入。ほつれが生じていないか時々確認するしかないか?
あらためて手持ちのキャップを物色してみたが、前ブレーキアーチのアウター受けもキャップの使用は困難だった。105なら内部のスペーサーを外すことで、キャップ付きで挿入できるが、デュラエースはアウターのみでしか挿入できない。
後ダイレクトマウントブレーキのアウター受けには、CARACLE-COZ用に特注で製造したキャップを使用している。これなら装着できるかも知れないが、手持ちはリア用の1個のみ。出社したらもう1個入手して試してみるか?
注油して再組み立てしたことで、ブレーキは当面安心して使用できるようにセッティングできた。
次はハンドル高の微調整。コラムの最上部でステムをクランプしているが、スペーサーとコラムの段差が大きすぎたので、手持ちのスペーサーを引っ張り出して段差を調整し、少しだけステムを下げた。
どちらにしても保証外の高さだが、ステムの上にスペーサーがある方が強度的に有利とされているし、イエローを目立たせたかった(笑)。
ハンドルは仮のものなのでバーテープを巻かないつもりだったが、TORACLE-Sに使った半端を発見したので、一部だけでも仮巻きしておくことにした。
裏面粘着剤なしのバーテープなので直巻きしてもよいのだが、ハンドルが露出する部分のバーテープ代わりになるし、ワイヤー類を固定するためにハーネステープを下巻きしておく。
長さが限られるので、よく握るフーデットレバーの上だけイエローのバーテープを巻いた。ハンドルバーの下半分がブラックになるのも悪くない。
チェーンを始め、ディレーラー、ブレーキアーチなどに注油して、動作チェック。
ひとまずは使い慣れたSPDシューズで乗車するべく、ペダルを交換。いきなりSPD-SLシューズではポジションに迷うだけだろう。まずはSPDでポジションを固めてからSLに移行しようと思う。
ペダル交換のついでにペダルなしの重量(いわゆるカタログ値)を計測。結果は6.53kg、ハンドルバーがカーボン製になれば6.5kgを切れるだろう。
ペダルは手持ちのPD-A600を装着。デュラエースのカーボンペダルには敵わないが、シマノ製SPDペダル最軽量のモデルだ。
ボトルケージも装着。軽合金製でIBERAの30gのモデル。そのうちイエローの入ったカーボン製を調達したいところだ。
コラムトップ用TOPEAK製ライドケースマウントを取り付け、iPhoneを装着。
(まだ空だが)サドルバッグも装着し、ひとまずちょい乗り可能な状態になった。
早速プレシェイクダウンに近所をひとっ走り。雨が近づいていたので、ごく短時間だったが、車重が軽いので加速がすばやく、電動変速がスパスパ決まるのは予想通りとは言え、さすがだ。
ただ、Di2の操作に慣れていないのと、ポジションはまだしっくり来ない。私のポジションが特殊なのかもしれないが、サドルをもっと前に出したい。今のシートポストではこれ以上前に出せないので、セットバックがゼロのポストを調達する必要があるだろう。サドルを前に出すとハンドルも前に出す必要がありそうだ。もっとも、本番のハンドルを調達してからでないと、ステム長を決められない。
遠出をするためには、もうちょっと手を入れる必要がありそうだ。カラーリングを含めて、じっくり取り組んでいこう。
以下は前回のコンポ組み立て時に撮影を忘れていた、Di2のエレクトリックケーブルの出入り口のカバー(グロメット)について。
CARACLE-COZのフレームは折りたたみ時にワイヤー式アウターケーシングがスムーズに移動することを想定して、大きめの穴が開けられている。それを利用してDi2のエレクトリックケーブルを通しているのだが、後ディレーラーそばの開口部にはシマノ純正のグロメットがぴったり収まった。
前ディレーラーそばの開口部も、まずまずそれらしいフィット具合。
一方で、折りたたみ部分付近のケーブル出口はシマノ製グロメットは今ひとつマッチしない。チェーンステイ前部の開口部にグロメットをはめてみたが、ゆるくて内部に落ち込んでしまった。
BB後部の開口部も大きすぎてフィットしないし、ここがぴったりだと折りたたみ状態から走行状態に展開する時にたるんだケーブルをフレームに押し込むことが困難になる。
当初はDi2が内蔵できるだけで御の字と思っていたが、カーボンの劣化を防ぐためフレーム内へ水の侵入を防げればそれに越したことはない。機能的な問題だけでなく、美観上も隙間がない方が美しいだろう。折りたたみ機能との両立する方法を引き続き考えていきたい。
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
[…] [TORACLE-COZ組立て その4]に続く […]
[…] 娘のCARACLE-Sは後マッドガードが割れてきたので応急処置を施していたが、前マッドガードも転倒してバキバキに割れてしまった。GW中も娘はクラブで出かける事が多く、なかなか修理できなかったが、今日は10時頃出発するというのでTORACLE-COZをいじる前に朝のうちに急いで交換作業。 […]
[…] TORACLE-COZ組立て その4 [プレシェイクダウン] […]