第18回スズカ8時間エンデューロ秋SP参戦記
5回目の出場となったスズカエンデューロ。前回の春大会では、勤務先の従業員で構成する「チームCARACLE」はクラス優勝という最高の結果を出すことができた。同僚たちは今回も上位を目指してトレーニングを重ねてきたが、私は前回を最後に上位を目指すチームから離れることを宣言していた。
今シーズンはCARACLE-Sの本来の用途であるツーリング的なイベント活動や、展示会、試乗会に力を入れるつもりだった。週末トレーニングが満足にできないことが予想されたし、年齢的に仕事の合間に高強度トレーニングをすることも厳しくなってきた。こんな状態でチームに参加しても、足を引っ張ることが目に見えているからだ。実際のところは台風などの悪天候も加わって、丸々1ヶ月週末トレーニングができないという予想以上にひどい展開になった。
通勤ライドではそれなりに頑張って追い込み、堺浜周回練習などは可能な限り行ったが、ノリクラ以降まともに峠を上っていないし、100km超ライドは7月以降行えていない。チームに迷惑を掛けなくて済むように、4時間ソロでエントリーをしておいたのは大正解だった。
毎度のごとく鈴鹿近くに前泊したが、今回は週の半ばの祝日開催とあって出発は終業後。天候の優れない中を移動し、ホテルに入って就寝したのは22:30頃だった。3:30に起床すると、やはり雨。食事をしてホテル出発は4:30過ぎ。
鈴鹿サーキットに入ったのは5:10頃。前回より30分近く遅いが、雨で出足wが遅いだろうと予想した。雨の中を特設ピットにテントを張るのは保留し、とりあえずピットビルに居場所を確保。
受付でゼッケンや計測チップを受け取る。4時間ミニ・リカンベントにソロエントリーした私のゼッケンナンバーは2520。
チーム名は使用モデルの「CARACLE-S」としている。
今回、フォーク固定のチップを初めて装着した。ずれないようにストラップをしっかり締めるのはもちろんだが、ずり落ちないようにカンチ台座の上に装着した。
一方、同じく4時間ミニ・リカンベントに4人でエントリーした仲間たちはナンバー1195。
こちらはこれまで通り、ベルクロバンド式計測チップ。
彼らのチーム名は使用モデルの「CARACLE-COZ(カラクル・コージー)」。そう、今回は開発中の折りたたみカーボンバイクの実戦テストを行うのだ。
車重は7kgを切り、ホイールも20インチWO(451サイズ)。10kg近い車重と20インチHE(406サイズ)のCARACLE-Sに比べれば、走行性能は格段に向上しているはず。
例年秋大会はエントリーチームが多く、強豪チームも参加する。リカンベントや非折りたたみ小径車には敵わないかもしれないが、COZの投入して「折りたたみ自転車最上位」を目指したいという目論見だ。
6:30から試乗時間だが、雨は次第に弱まり6:45頃にはほぼ上がった。路面はびしょ濡れだが、やはり試走はしておくことにした。
今回、取引先である金融機関の方が4人参加することになり、スポーツ車を持っていないメンバー2人にCARACLE-Sを使ってもらうことになった。彼らも、6:50ごろ試走に出発。
雨が上がったとは言え、濡れた路面から自分や前走車が巻き上げる水しぶきで車体も身体も濡れてしまう。レインウェアを着ているし、試走時はワンタッチマッドガードも装着していたが、本番では外すつもり。後始末が憂鬱だが、もう開き直るしか無い。
試走時間は7:15で終了するため少し超過してしまったが、何とか2周できた。
私とCARACLE-COZチームの第一走者F永さんは、試走終了後すぐにスタート地点に移動。雨が上がったので、後の3人に荷物を持って第一コーナー近くの特設ピットに移動してもらうことにした。
7:30過ぎにはコース上の4時間組のスタート地点に並んだ。前方に何十人かはいるが、かなり前方に並ぶことができた。こんな早くから並ぶのは本気の連中だが、ロード勢に混ざって小径車も結構いる。これまで5回の全てで第一走者を務めたが、秋大会の4時間にエントリーするのは実は初めて。あらためてライバルの多さに驚かさせられる。と言っても、練習不足の私がソロで上位に絡めるはずもなく、仲間の足を引っ張ることもないので、今回はかなり気楽。
昨秋、ミニ・リカンベント優勝のMCW・NAKAGAWAチームの宮野さんたちも近くにおり、お話した。前回は4人チームだったが今回はナカガワ2人とMCW1+1人の3つに別れてエントリーしたとのこと。ソロがお二人となると、同じ立場の私も気楽ではいられなくなってくる。
NAKAGAWA製非折りたたみ小径車にMCW製ホイールカバーを装着したスペシャル車の戦闘力の高さは、昨秋も思い知っている。上りや平地でなんとか食らいついても、下りで一気に引き離されるのだ。やはりホイールカバーは効果が大きいようだ。
そこに、春大会のスタート前にお話させていただいたminivelo speed 60kmのまりおさんも現れた。先日、ナカガワ、MCWの4人と一緒にスズカエンデューロに向けてビワイチをされていた記事を拝見していた。
意気軒昂なチームリーダーF永さん。私はチームメイトと一緒にスタートするのは初めてだが、という事はF永さんも第一走者は初めて。スタート直後は集団が密集して、急な加減速が繰り返されるので、注意するようにお伝えした。
異様に小径車比率の高い一角(^_^;)。お話した方以外も、いっぱい。
8:00に、8時間組スタート。続いて我々4時間組が8:03スタート。前が団子になってペースを上げづらいのは毎度のことだが、今回はこの先が長いのでいつも以上に無理せず慎重に進んでいく。
次第にペースが上がり、F永さんや他の小径車軍団が先行していく。4時間走り続けるペースがわからないなりに、最初の1時間は心拍数160を越えないようにコントロールして、余裕があれば強度を上げていくという戦略を立てていた。しかしながら、ついつい周りにつられてペースが上がり、一周目から最大心拍数は174に達した。毎度のことながら、この場でペースを抑えるのは至難の業だ。
こんなペースで4時間保つわけはなく、頭ではペースを落とすべきだと思うのだが、特に小径車を見かけると競争心がもたげてペースが上がる。
それでも、2周回ずつで交代する前回までに比べればかなりペースは抑えている。序盤は10分30秒~11分00秒程度で周回を重ねていく。風がかなり強く、西ストレートなどの向かい風区間ではなかなかスピードが上がらないので、消耗を防ぐためにできるだけ単独走は避けて、他の参加者の後ろにつくコバンザメ走法。20インチ車輪のCARACLE-Sは700Cに比べて前走車にギリギリまで近づけるので、ドラフティングに有利だ。
移動したピットの位置を走りながら確認し、スタッフに手を振る。こちらはピット移動に立ち会ってないので、詳細な場所を知らなかったが、例年よりピットビルに近い位置を確保できたようだ。雨で周囲も出足が遅かったのだろう。
数周走って身体が温まったところで、スピードの落ちるホームストレートの上りで走りながらウィンドブレークベストを脱いでポケットに収める。次にピットを通る際に、投げ渡した。
全体のペースは濡れた路面と強風のせいでかなり低めだったが、周回を重ねるごとに徐々に乾く路面と慣れで周囲のペースが徐々に上がっていく。こちらも周囲に釣られて、平均速度32~33km/h程度での周回が続く。ホームストレートからシケインにかけての上りで出ているであろう最高心拍数もジリジリと上がり、7周目に最高の183に達した。これはさすがにやり過ぎ。
1時間を経過したこの時点でまだ4分の1なのだが、すでに脚の筋肉の張りがヤバい。長丁場なので普段以上にケイデンスを高くしないといけないが、ついつい「踏んで」しまった。さすがに頭を冷やして、意識的にペースダウン。11~12分台で周回を続けた。
一方、CARACLE-COZチームは序盤にミニ・リカンベント3位だったが、チェーン脱落や変速不調があったらしく、1時間を経過したころに4位に落ちていた。
チーム員は、挽回を目指して必死で走っていた。
お隣に陣取った取引先金融機関のチーム、NB羽曳野の女性ライダーもCARACLE-Sで力走。4時間男女混合の部にエントリーし、一周交代でラップを重ねていた。
ブルベの経験で、長時間ライドではペースを上げるより、ゆっくりでも休まない方が平均速度が上がることを学んでいた。そこで、今回は可能な限り停車せず走り続けることを目指していた。
そこで、補給食も工夫した。エネルギー系ゼリーパック(ウィダーイン)+ジェルパック(梅丹クリアプロサイクルチャージ)+練り羊羹+固形食(クッキー)をパックにして、これを3セット準備。1セットをスタート時に携行し、残りは停車せずにサコッシュで受け取ることにしたのだ。とは言え、これでも約350kcalが3セットで計1000kcal程度。恐らくは3000kcal以上は消費するであろうことを考えると、スタート前のエネルギー摂取と共に、補給食を全量完食するつもりで積極的に摂取しなくては4時間保たないだろう。
飲料については小サイズボトルを3本持参していたが、当日の気温が低かったので2本のみポカリスエットを2倍に薄めて入れて準備。1本は自転車につけ、空になったらもう1本を渡してもらうつもり。ただし、トイレに止まると大きなタイムロスになるので、水分摂取は走行前から意識的に控えめにし、走行中も積極的には摂取しなかった。もちろん、これは危険な賭けでもある。
また、レース系イベントに出場する際は、缶コーヒーなどで安上がりにカフェインを摂取することが多かった(カフェインに敏感な体質なので充分に効果あり)。今回は走行中に摂取できるように、カフェインの錠剤(眠気覚まし)を用意した。水分を減らす意味でも効果がある。と思っていたが、うっかりスタート地点に向かう前に飲むのを忘れた。やむ無く、途中で摂取するつもりでハンドルに貼り付けていた錠剤(166mg)をスタート前に飲んだ。これで缶コーヒー2本分くらいのカフェイン摂取だろう。2時間経過したところでもう1回摂取するつもりだったが、結果としては飲まなくても充分だったかもしれない。
水分を抑えても、1回はトイレに行きたくなるかもしれないと想定し、コースからできるだけ早く入れるトイレを物色しておいた。とは言え、ピットビルを突っ切る必要があるし、3~5分は確実にロスするだろう。できればトイレ無しで済ませたい。
そんな仕込みをした上で出走したが、下りやカーブで補給を摂るのは危険。安全に補給できるのは、ホームストレートからシケインまでの上りでスピードが落ちるタイミングだけだ。とは言え、上りで息が上がることに加えて、寒さで鼻水が止まらず鼻は塞がっている。そんな状況で口に物を入れると、呼吸するだけでも大変。序盤から、2周に1回は補給食を口に入れていたが、かなりの苦行で旨くもなんともない(^_^;)。
予定では序盤の1時間で携行したパックを空けて、次のパックを受け取るつもりだった。しかしながら、そんな状況で摂取に時間がかかり、30分以上遅れて9:39に補給パックの入ったサコッシュを受け取った。
すぐに摂取できるゼリーパック(ウィダーイン)を飲み干し、他の補給を背中のポケットに収める。一方で、食べ終わった容器などをサコッシュに移してシケインを通過。下りに突入するともうハンドルから手は離せない。安全面の問題もあるが、向かい風が強いだけにドラフティングせずにダラダラ下っていると一気に差が着いてしまう。
次の周回でゴミの入ったサコッシュをピットに投げ、身軽になって周回を続ける。
2時間近くを経過し、私の周回ペースは12分台に落ちてきた。序盤に飛ばしすぎて疲労は溜まっているが、まだ脚は回る。
NB羽曳野の方々も交代しながら周回を続けていた。4名のうち2名は自前のロードとクロスバイクで参加していた。
CARACLE-COZチームは、引き続き4位。なかなか順位を上げられないが、エースT田さんは9分台をキープしながら力走を続けていた。私を抜いていったのは、この辺りだったか。
補給を摂らなくてはならないが、前述の通り苦しいし、なかなか消化せずに胃が張っている。食べ物を口に入れずにホームストレートを通過する周回も増えた。
お隣、NB羽曳野のもう1人も貸し出したCARACLE-Sでの力走を終えて休憩?
10:40頃、そろそろ後半戦に入ったあたりでCARACLE-COZチームの交代風景。手の空いたメンバーが、ピットに帰ってきたメンバーから計測チップの入ったベルクロバンドを外し、F永さんの脚に装着。こうやって素早くライダーチェンジしていく。
11:00ちょうど。ほぼ3時間を経過し、残るは1時間あまり。風がさらに強くなって走りづらいが、路面は乾いてコーナーを安心して攻められるようになってきた。お陰でペースは大崩れすることなく、12分台前半の周回ペースをキープしている。走行距離は約92km近くに達し、この調子なら120km走行も夢ではないという気になってきた。カロリー消費はすでに3000kcal近くで、食欲はないがホームストレートの度に無理やり補給をし続けた。
そのためには平均速度が30km/hを下回らないことだが、そろそろ疲れも溜まって脚の筋肉に嫌な重さを感じてきた。
NB羽曳野やCARACLE-COZチームも苦しい中で、頑張って走っていたようだ。
エースT田さんに抜かれたのはこの辺りだろうか、前半でF永さんに一度抜かれていたので2周遅れということになる。1対4だし、自転車も3kg重いし、練習不足だし、もっと圧倒的な差がつくと思っていたが、私も意外と健闘している。
背中のポケットの補給食を食べきったが、すでに残り45分。ちょっと迷ったが、やはり2回目の途中補給を受けることにしてピットに近づく。
すると、サコッシュのそばでF永さんが差し出したのはタコ焼きの舟。「ヒサユキさん、タコッシュ」(^_^;)。
サコッシュの方を受け取ってコースに戻る。タコッシュは受け取れなかったが、笑いと元気を受け取った。
またゼリーパック(ウィダーイン)を飲み干して、ゴミを収め、次の周回でサコッシュをピットに投げ渡す。
時刻は11:30を過ぎて、残り30分ちょい。このN岡さんの周回で、CARACLE-COZチームはついに3位に浮上した。そのまま3位をキープするべく、力走を続けていた。
一方、私はと言うと筋肉の痛みが次第に増し、右ふくらはぎに足攣りの兆しが現れていた。
私は就寝時の足攣りがよくある。ところが、不思議と自転車で走行中に足が攣ることはなく、記憶にある限り初めての経験。それでも、このまま行くとヤバいのはわかる。ゆるい下りで足を止めてマッサージをし、その後もペースを抑えてなんとか凌ぐ。
その周回は12分台後半に周回ペースを落としたが、次の周回は12分台前半に復帰。よし、このまま行くぞ! と思ったがシケイン手前の上りで立ち漕ぎをしたら、右ふくらはぎとともに、前側のすねにも攣りの兆しが現れた。腰を下ろしてペースダウンし、左足主体でペダルを回して何とかシケインまで上り、西ストレートを惰性で下りながらマッサージするが、ヤバイ感じが抜けない。
西ストレート以降は下り基調なのでペースを落として凌いだが、ホームストレートからの上りは右足に少し力を入れると本格的に攣りそうな気配が高まる。特にシケイン手前の急傾斜では、少し腰を浮かそうとしただけで痛みが強くなる。右足に力を掛けないように悪戦苦闘しながら上りきり、西ストレートでマッサージというパターンで何とか走り続けるが、非常に苦しくフラフラなところをN岡さんが追い抜いていった。これでCARACLE-COZチームと3周差。周回ペースは12分第後半に落ち込んだ。
一度もトイレに寄らずに済んでいるが、水分を抑えたことが足攣りに繋がった可能性もある。エネルギー補給主体でアミノ酸などが少なかったことも一因かもしれない。無意識に骨折歴のある左足をかばって右足に負担がかかっていたのかもしれない。ノンストップで4時間走り続けるというのも初めての経験だ。とは言え、距離は100kmを越えた程度でブルベに比べれば短いもの。やはりロングライドトレーニングをしばらくしていない事が主因だろう。練習は嘘をつかない。
11:53、4時間まで残り10分でCARACLE-COZチームは、最後のライダーチェンジ。
私は11:55に、息も絶え絶えでピット前を通過。ホームストレートは這うようにジリジリ上っていく。
11:56に計測ライン(=ゴールライン)を通過したが、周回タイムは13分を越えた。時間的に次がいよいよ最後の周回になる。
最後の力を振り絞ってペースを上げる・・・と足が攣りそうなので、シケイン手前の急坂はやはりジリジリと上るしかない。シケインに到達して最後の上りが終わった(と思った)。西ストレートのゆるい下りでペースを上げることもできずマッサージをして脚を回復させ、何とかペダリングを再開。ゴールを目指して走り続ける。途中でスタートから4時間の12:03を迎え、これを下りきれば最後だ!(と思った)
まだ、ゴールラインまでホームストレートの上りが残っていた・・・。がっくりとうなだれながら、左足だけでペダリングして這うように上っていく。
最後はとても遠いゴールラインだったが、進み続けていれば近づいてくる。ホームストレートの上りに1分半以上かけてゴールラインを通過したのは、12:09:50。ようやく終わった。足攣りは何とか激症まで至らずに済んだ。
自転車を降りた途端によろめいた。足攣りでペースダウンしたものの、心肺的にはまだ余裕があると思っていた。ところが、頭がフラフラしてめまいがする。自分が思っていた以上に身体を追い込んでいたようだ。
ヨタつきながら自分のiPhoneの記録を見ると、約124kmを走り、ギリギリで平均時速30km/hを上回った。消費カロリーは4000kcalを突破していたのだから、消耗するのも当然だろう。準備した補給食は食べきれなかったが、胃には未消化の食料が残って張った感じ。量をいくら摂っても、ハードな運動中はなかなか消化しないということだろう。ブルベでもそうだが、食欲のある(=消化力のある)出走前や前半のうちに食べておくことが大事。これを実践したつもりではあるが、私の消化力の限界だろう。胃腸が弱いことはアスリートとして不利なので、残念。
水分はと言うと、スタート時にボトルに入れたポカリスエット500mlがまだ残っている状態。中盤まで意識的に水分摂取を抑えたお陰で、トイレには1回も寄らずに走り続ける事ができた。水分不足が足攣りに繋がった可能性もあるが、トイレに寄っていれば5分以上ロスした可能性もある。恐らくは足攣りでペースを抑えても走り続けた方が距離を伸ばせただろう。
速報サイトでリザルトを見ると、まずCARACLE-COZチームはミニ・リカンベント3位をキープできたことを確認。よしよし、仲間はなんとか表彰台を確保したな。
さて、自分はどのくらいの順位だったのか? とリストの下位を見ていくと、何と7位にチーム名「CARACLE-S」がある。
春大会に比べてエントリーチームが大幅に多かったのに、こんな上位に入れるとは全く予想していなかった。しばらく信じられない思いで、結果を見つめた。
考えてみればCARACLE-COZチームに3回しか抜かれていないということは、3周しか差がついていないということ。そうか、そうなのか? 思考力の落ちたフラフラの頭にようやく喜びが沸いてきた。
足攣りと疲労で歩くのもツラい状態で、「誰か迎えに来て」とSOSを出そうかと本気思ったが、しんどいのは出場者も応援スタッフも皆同じ。しばらく休んでから、ピットに向かった。
攣りそうな足に苦労しながらようやくピットに辿り着くと、NB羽曳野の方々も無事に完走とのこと。
今回も頑張ってくれたTORACLE(虎来る號)。直前までパフォーマンス入賞狙いにするか迷っていたが、マジメに走ってよかった。4時間ほとんどシッティングだったので、革サドルも正解。今回はサスペンションの空気圧を上げてをガチガチに固めたこともあり、決戦サドルだと苦労しただろう。
全員ではないが、今回も頑張ってくれたチームCARACLEと応援スタッフ、NB羽曳野の方々。
表彰台のそばに移動して、MCWの宮野さんたちとお互いの健闘を称え合う。MCW製ホイールカバーを装着した小径車を使用したナカガワチームが今回の優勝者だ。
12:40ごろから4時間の表彰式が始まり、パフォーマンス部門やママチャリ部門、ファミリー部門などの表彰が続く。
今回活躍したCARACLE-COZを折りたたんで、自分たちの番を待つ。
まだ完成度の低い試作車なので、チェーン外れなどのトラブルもあったが、高い走行性能で表彰台の一角をゲットすることができた。
いよいよミニ・リカンベントの部の表彰。CARACLE-COZは出走42チーム中3位の成績を上げた。
1、2位の使用自転車が非折りたたみ車だったので、折りたたみ自転車最上位という当初の目標を何とか達成できた。
3本指(3位)のCARACLE-COZチーム4人と、7本指(7位)のCARACLE-Sチーム(私)で記念撮影。
私があとひとつ順位を上げればダブル入賞だったが、6位のチームには同じ21周回ながら、7分近い差がついており、半周以上先行されたことになる。とてもではないが、ちょっと頑張ったくらいでは逆転は難しかっただろう。
CARACLE-COZチームは4時間総合でも、完走898チーム中67位と上位7.4%に入った。ロードバイク中心の参加チームの中で、前回の上位8.7%と比べてもさらに向上している。
私は4時間総合261位で、上位29.1%。もし4時間ソロ部門に出場していたら、413人中122位で上位29.5%。上位の層の厚さを思い知るとともに、驚かされるのはソロエントリーの方が、チームエントリーよりわずかながらレベルが高いということだ。当然、ソロエントリーするのはそれなりのスキルの人たちだし、ライダーチェンジのロスタイムがないが・・・。
鈴鹿サーキットを後にして、毎度のごとく松坂の前島食堂で遅い昼食。失った4000kcalを補給するべく鶏肉にパクつく。
振り返ってみれば、今回は色々と幸運に恵まれた。雨は出走直前に上がったし、練習不足は否めなかったが、それを補うノーピット作戦は予想以上にうまく機能した。パンク等のメカトラも一切なく、一度も足をつくことなく4時間を走りきることができた。
補給はサコッシュで受取り、水分を控えてトイレで止まらずに済んだ。水分を抑えたことが、終盤の足攣りを招いた可能性はあるが、トイレで止まるよりはタイムロスは少なかっただろう。カフェインを途中摂取できなかったことも、ひょっとしたら幸いしたのかもしれない。下手に元気なってあれ以上にペースを上げていたらもっとひどい足攣りを起こした可能性もあるし、カフェインには利尿作用があるのでトイレに行きたくなったかもしれない。
(記憶にある限り)初めての足攣りを起こしたのも、今までにないほど全力を出し切ったということだろう。ゴール後の頭のフラつきも、エネルギーを使い切ったことを証明している。序盤でペースを上げすぎたかとも思ったが、風が強くなる前に距離を稼いでおいたとも言える。
初挑戦ながら自分の能力を出し切った感は非常に強く、正直なところ次回にこれ以上に大きく成績を伸ばせる気ががしない。充分なトレーニングを重ねれば、あと数分の短縮はできるだろうが、私の年齢と経験値ではもう一周回増やせるほど能力が伸びるとは思えない。恐らく、来年も大会前はそれほどトレーニングを増やせないだろうし。
それでも、F永さんが「次回はボクもソロで出ます」と言ってくれたのは嬉しかった。ソロで4時間走り続けた私の姿に、何かを感じてくれたのだろうか。となると、他のメンバーはどうするかということになる。残り3人で上位を目指すのか、あるいは全員ソロで出場するか。チームCARACLEは、また違った形での挑戦をすることになりそうだ。
■コースマップ
■本日の走行記録
個人記録(CyclemeterGPS)
スタート: 2017/11/23 8:03:08
自転車完了: 2017/11/23 12:10:02
バイクタイム: 4:06:43
停止時間: 0:00
距離: 124.04 km
平均スピード: 時速 30.17 km/h
最高スピード: 時速 57.31 km/h
登り: 575 m
カロリー: 4036 kcal
平均心拍数: 162 bpm
最大心拍数: 183 bpm
平均ペダルペース: 87 rpm
最高ペダルペース: 137 rpm
今月の走行距離: 654 km
今年の走行距離: 7984 km
■本日のフォトアルバム
※本ブログ、及び下記のフォトアルバム(フォト蔵)に掲載の画像に差し障りがありましたら、ご遠慮なくお知らせください。速やかに対処します。
[…] CARACLEシリーズ製造元のテック・ワンのスタッフで構成されたチームCARACLEは、スズカエンデューロで一昨年の春大会に優勝、秋大会に3位(私はソロで7位)という成績でCARACLEシリーズの走行性能を示した。残念ながら春大会は一昨年で終了し、昨年の秋大会はサイクルモード東京と重なったため、出場できなかった。 […]
[…] CARACLEシリーズ製造元のテック・ワンのスタッフで構成されたチームCARACLEは、スズカエンデューロで一昨年の春大会に優勝、秋大会に3位(私はソロで7位)という成績でCARACLEシリーズの走行性能を示した。残念ながら春大会は一昨年で終了し、昨年の秋大会はサイクルモード東京と重なったため、出場できなかった。 […]
[…] バラす前の初代TORACLE-Sの記念撮影。2016年7月に組み立ててから約5年、ノリクラ(乗鞍ヒルクライム)で1時間半切りを達成し、スズカエンデューロでは生涯で初めて表彰台に真ん中に上り、ソロでも7位という成績を残し、ブルベで200kmを走破した相棒の最後の勇姿。主力機をCARACLE-COZシリーズに譲ったとは言え、通勤や飛行機旅行でまだまだ活躍してもらうつもりだったので、不意の引退は本当に残念。走行距離14,240km。お疲れさまでした。 […]
[…] 文中にあるように、こいつのお陰でノリクラで90分の壁を破り、スズカエンデューロではチームで優勝、ソロで7位に入った。残念ながら事故により代替わりさせたが、私が最も競技に打ち込んだ時期を支えた相棒を忘れることはない。 […]