TORACLE(虎来る號)シートポスト交換
先週は大和川サイクリング倶楽部の大阪市内渡船めぐり、今日はノボ・ノルディックの糖尿病患者支援のバイクツアーへの参加を予定していたが、2週連続の台風襲来でいずれも中止になった。土曜出勤が続いたこともあって、これで3週連続で週末に自転車に乗れていない。来週末もサイクルモード出展で走れないので、丸々1ヶ月走れないことが確定・・・。
スズカエンデューロまで1ヶ月もないというのに、この体たらくは困ったものだ。肉体のトレーニングが進まない中、せめてものスズカエンデューロ対策でシートポストを交換することにした。
通勤用のCARACLE-S 2015試作車のサドルポジションを前乗りにしてからペダリングに力を加えやすく具合がいい。元々CARACLE-SはBBの前側にシートポストを下ろす構造に加えて、セットバックゼロのシートポストを採用しているため「前乗り過ぎる」と言われる事がある。私自身も最初は違和感を感じてセットバックのあるシートポストを装着していたが、具合の良いポジションを探るうちにだんだんサドルを前に出してきていた。何のことはない。結局は初期仕様のセットバックゼロの方が良かったのだ。特にツーリング系の方は最初は違和感を感じるかもしれないが、CARACLE-Sの前乗りポジションにしばらく乗り込んでみて欲しい。きっと、思いのほか楽に坂を登れる事に気付くだろう。
そんな訳でTORACLE(虎来る號)にもポジションを移植したいと思っていた。そのためにセットバック(後退量)ゼロのシートポストを探していたが、ただ単にカーボン製というだけなら意外と軽くない。
今装着しているシマノXTR(SP-M910)がアルミ製の骨董品ながら未カットでも215g程度の超軽量品で、それをカットして使用しているのでもっと軽いはず。通勤用CARACLE-S 2015試作車に装着したシートポストのような、Woodman方式の固定方法を採用したモデルならアルミ製でもかなり軽いが、これはサドルレールに幅の狭いプレートが食い込む構造なので、決戦サドルのカーボンレール装着もあることを考えると不安だ。構造上やぐら部分の高さが高く、CARACLE-Sでは折りたたみサイズが大きくなるという問題もある。こうなると、かなり高価なモデルでないと、200gを大きく下回るモデルは見当たらない。
悩んでいたところ、チームCARACLEのF永さんが使わなくなったRXL SL製のカーボンシートポストを譲ってくれた。
XTRと比べるとやぐらの造りは少しチープだが、パイプ部分にデザインが施され、全体としてそこそこの高級感がある。
オフセットゼロのこのシートポストは、実測でサドルレールまで410mmで235g。カーボン製にしてはちょっと重いようには思うが、カットすれば200gを切ることはできるだろう。
ただし、唯一引っかかるのは、黄色と黒を基調にしたTORACLEのカラーにそぐわない水色のラインだ。
そこで、水色を黄色で塗りつぶすことにした。久々にマスキングテープを本来の用途で使用するべく、水色のラインの周りをカバーしていく。
ラインがカーブしたやぐら付近はテープをカットしてカーブを作ったが、ハサミのフリーハンドカットなので精密なものではない。
そして、車用の黄色いタッチアップ塗料を塗っていく。誤算だったのは思ったより塗料が薄く、一回塗った程度では下地の水色が透けてしまうこと。止む無く、乾燥させては塗り重ねる作業を繰り返した。
乾燥の早いラッカー系とは言え、気温の低い雨の日なので、夏場のように数分で乾くと言うわけにはいかない。他の作業(通勤用CARACLE-Sのメンテ)をしながら間を作ったが、ついつい乾燥する前に塗り重ねてしまい、ムラになる箇所も発生。平筆でない丸筆で均一に塗るのも難しい。
出来に不満はあったが、下地の「透け」が目立たなくなったところで塗装作業を終わらせ、半乾燥状態のうちにマスキングテープを剥がす。完全に乾燥させると塗料が割れることがあるし、塗ったばかりだと糸を引いたり、流れることがある。テープを剥がす方向にも注意が必要だ。この辺りは、その昔にプラモデルで学んだテクニック。
それでもテープに引きずられたり、密着しきっていなかったことで、少しはみ出し箇所が生じた。これはカッターナイフで削って修正。
TORACLEへあてがってカット長を検討。先端から100mmの位置にリミットラインがあったが、これに従うとしても普段使いのブルックス製スイフトなら200mm位カットできそう。決戦用軽量サドルの装着を考えて40mm余分を確保して約160mmカットすることにした。
都合、約250mm長になるということだが、超軽量サドルに交換しても40mmも伸ばす必要はないだろうし、ここまで短くするなら100mmもシートチューブに収めなくても良いだろう。一般的に直径の2倍程度収めればよいと言われているので、60~70mmで充分かもしれない。となると、あと50mmくらいはカットできそうだが、ひとまずは長めに残して検証する。
ソーガイドを当て、金ノコで切断する。焼入れをしたアルミ製のXTRと比べると、あっけないほどサクッと切断できた。
切断後250mm長となったRXL SL製シートポストは190g。目論見通り200gを切った。10mmカットするごとに約2.8g軽量化できるということだ。
とは言え、改めてXTR(約220mmにカット)の重量を測ってみると、なんと165gだった。
あと30mmカットして同じ長さにしたとしても、RXL SLは計算上181.5g程度であり、XTRに及ばない。セットバックがあるにも関わらず、アルミ製でこの重量は驚きだ。骨董品とは言え侮れない。
横に通勤用CARACLE-S(2015試作車)を並べて、概ね同じポジションに調整できた。サドルが違うので、最終的には乗り込んで微調整が必要だが、調子の良いポジションが実現できそうだ。。
ちょっと重量増になったのは残念だが、しばらく実走してポジションを固め、問題なければあと50mmカットしてみよう。計算上は176g程度になるはずで、わずかな重量差に持ち込めるだろう。
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
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