高野山修行ライド [鍋谷峠-高野山-紀見峠]
ノリクラ(マウンテンサイクリングin乗鞍)直前の個人的な恒例行事だった高野山往復に、昨年はチームCARACLEのT田さんをお連れしたところ、「今年はチームの仲間にも高野山 の苦しみを味あわせたい を体験させたい」と要望があった。真夏に吹田からの自走を合わせて約175kmは健脚T田さんでもかなりの苦行だったようだが、私にとっても以前はノリクラ前に自分を試す一大イベントだった。
今年はチームCARACLEメンバーの乗鞍参加も多く、取引先や友人からツーリング企画の依頼があったことから、周囲を巻き込んだ真夏の修行ライドを企画した。とは言え、大きく4つの上り区間があり、獲得標高約2750m、走行距離約120kmという難コースに、真夏の暑さも加わるハードなイベント。あまり人数が増えると運営が難しいことから、大々的な募集は行わずこじんまりと実施することにした。結果として、この方針は正解だったと思われる。
「かなりハードな一日になると思われますが、この修業を勤め上げればあなたも一歩悟りに近づける……かもしれません」と謳ったこのイベント。仕事の都合で参加できなかった方や、自転車が壊れてDNS(出走断念)した方がいたのは残念だったが、集合地点の荒山公園に7人が集まった。チームCARACLEの有志5人と、乗鞍連盟の友人2名だ。
チームCARACLEメンバーはCARACLE-SやCARACLEの試作モデル、友人2人はロードバイクで参加。
晴れ男のF永さんの神通力は今回も威力を発揮して、一週間前の天気予報では60%だった7/15の降水確率は徐々に低下。前日には降水確率10%まで下がった。
梅雨明け間近とは言え、見上げた空の青と白雲はすっかり夏。ギラギラと照りつける陽射しで、すでに暑さは厳しく、最高気温は35度に達する予報。
・・・F永さん、やりすぎです(^_^;)。
まずは1つ目の大きな上りである鍋谷峠へ向かう。市境の南楽園峠(勝手に呼称)を越えて、槇尾中学校前のコンビニで山に入る前の補給と小休止。
8:30ごろ、そろそろ出走しようか、というタイミングでS池さんの前輪がペシャンコになっていることが判明。パンク神、前輪に降臨。
タイムロスになるトラブルなのだが、なぜかみんな大喜び。慌てて修理しようとするS池さんに「バカ、撮影が先だ」と、手を止めさせる(^_^;)。
お約束のイベントを楽しんで、再出走。さらに山に向かって走っていると、山麓の父鬼集落でも、温度計の表示はすでに29度に達していた。
いくつかのアップダウンを繰り返しながら山に近づく。鍋谷峠トンネル前の新旧道分岐で一時停止し、ここからいよいよ本格的に鍋谷峠アタック開始。
・・・の、つもりだったが、やや遅れて上ってきた乗鞍連盟のM輪は「先、上っとくわ」と、停車せずに上り続けた。足を引っ張りたくないという配慮だろう。
一拍置いて、チームCARACLEのエースT田さんが出走し、N岡さんが追う。
この先も長いし、のんびり上ろうと思っていたが、うだうだしていたら、すっかり他のチームCARACLEメンバーに置いて行かれた。
前に姿が見えるとついついペースを上げてしまい、心拍数はどんどん上がっていた。鍋谷峠直前でスパートを掛けて、心拍数は197まで上昇(恐らく今季最高)。それでも先行した4人に峠まで追いつけず、最も経験の少ないS池さんと同着というところ。セーブしなければいけない序盤で、すっかり消耗(^_^;)。
今回参加のチームCARACLEメンバーは、2年前まで私以外ほとんどスポーツ自転車の経験がなかったが、今では全員が峠で私を置き去りにする力をつけた。レース活動に関しては、後は任せられる。
トンネル開通で車のほとんど通らなくなった旧道は、やはり走りやすい。上り途中は汗だくになったが、鍋谷峠は23度の温度表示。止まると、下界よりはだいぶ涼しい。
峠で休んでいるとアートサイクルティーエーズのチームジャージを着たWさんが上がって来た。ヒルクライム大台ヶ原の連覇や富士ヒルのクラス優勝など、表彰台の常連である方だが今日はお連れさんと鍋谷2本とのこと。今年もノリクラでの活躍を期待したいところだが、奥さんの出産予定日がノリクラ開催日のすぐ近くとのことで、ちょっと微妙らしい。
奥さんもヒルクライムやシクロクロスで上位入賞の常連であり、さて2人のベイビーはどんな選手になるのか、今から楽しみだ。
鍋谷峠の和歌山側を下っていくと、肌を過ぎる風がとても気持ちいい。見晴らしのよい場所で一時停止。これから向かう高野山の方向には山々が連なっている。
途中に道幅が細くなった区間もあるが、基本的に広い2車線道路が続き、旧道から新道と合流して国道480号線を気持ちよく下っていく。
広口集落の下で、国道を離れて近道。下りの勢いで、一気にめのこ峠を上る。冬場の農閑期の日曜にだけ開店するラーメン屋があるこの峠で、ボトルを落としたN岡さんを待って、もうひと下り。
紀の川沿いに降りてくると、やはりかなり暑く、陽射しがコタえる。
国道24号線を越えて、大門口橋で紀の川を渡る。見た目は涼し気な川面だが、周囲は熱風が吹き抜けている。
山に入る直前でコンビニに寄り、飲料や食料を補給。すでに10:45ごろだが、高野山まではまだ2つ長い上りを上る必要がある。
遠回りしてきた国道480号線に再び戻り、南の山を上り始める。
T田さんに続いてN岡さんが先行するのは鍋谷峠と同じ。今回は私もそれを追ってペースを上げた。
それでも距離はどんどん開いていく。着いていくのはとても無理なので、自分なりのペースで上り続ける。私の後をS池さんがピタリとついて来た。
交通量はやや多く、傾斜もそれなりに厳しいが、道幅が広くて路肩のある区間が多く、比較的上りやすいルートといえるだろう。少なくとも、先月上った際には体調不良の状態でさえ、そう思った。しかしながら、今日はとにかく暑い。道幅が広いことが災いして日陰が少ないことも、体感温度の高さに拍車をかける。
汗みどろになりながら、ピークの市峠に到達。S池さんは最後までピタリと着いてきた。
F永さんと友人もほどなく到着。ちょっと間が開いたが、M輪も上がって来た。
M輪はかなり消耗してハンガーノック気味のようだが、ともあれ一段落。
峠を越えてひと下り。川沿いの平坦路を経て、梨ノ木峠の下を抜ける志賀高野山トンネルは涼しく気持ちが良かったが、路面が濡れておりかなり自転車が汚れてしまった。
トンネルを抜けて花坂集落できしや本舗に立ち寄り、やきもちを頂く。花坂名物のやきもちは周囲にも数件販売店があるが、中にあんの入った餅を薄くして両面を焼いたもの。腹持ちもよく自転車の補給食にはぴったりだ。
すでに12時を過ぎ。小腹を埋めて高野山までもうひと頑張り。花坂からは先月のように国道370号線に入るのではなく、手前で右の間道に入ってみた。
mixi上の自転車グループ「南大阪ぽたりんぐ倶楽部」さんのイベントが明日7/16に予定されており、逆コースながらこの道を通る予定をされていた。距離は少し伸びるが交通量の多い国道より走りやすいのではないかと期待して初挑戦。
途中までは川沿いのゆるい上りで、日陰も多く気持ちのいいルートだった。すれ違う車も数台程度で、ゆったりとした気分で走れる。
とは言え、こんなゆるい傾斜のままでは高野山の標高まで上るのは無理だろうと思っていた。案の定、道はやがて川沿いから離れ、傾斜が急になってきた。
ここまでの2つの上りですっかり消耗していたので、私は追い込む元気もなかったが、元気な仲間たちは前方に消えていった。
まだ後ろにはM輪と友人もいるし、とのんびりと上っていたが、それでも急傾斜と暑さでかなりしんどい。
ようやく高野山ヘリポート付近の尾根筋まで上ってきたのは、13:15ごろ。だいぶ待っていたであろうチームCARACLEの4人はお腹も空いているだろうし、先行して高野山に入ってもらうことにした。
暑さと急坂に空腹。これは時間がかかるかも、と思っていたが5分も経たずに2人は上がって来た。M輪は足が攣ったりで大変だったようだが、学生時代から約30年。少々の事は自分で対処できる経験と判断力があるので、あまり心配はしない。高野山ルートは山深いようだが、いざとなったら輪行で脱出できるのがよいところだ。
合流して、後は軽いアップダウンですぐに高野山大門。予想通りの苦行だったが、何はともあれ目的地の高野山に到着だ。近くの気温は26.7度と表示されており、下界よりはかなり涼しいのだろうが、日なたはやはり暑い。
先行していた4人もまだ店に入っていなかったので、合流して先月と同じ丸万へ。
14時近かったが、満席で少し待ってようやく昼食にありついた。
うどんと巻きずしと稲荷ずしがセットになった炭水化物のかたまり、すし定食を注文。汗をかいた身体に塩気がとても美味しく感じた。
ひと心地付いて、皆を強引に生麩販売店麩善に連れて行った。ここも南大阪ぽたりんぐ倶楽部さんの衣父さんが上げておられた情報で知ったお店。
精進料理に欠かせない生麩を使った「笹巻あんぷ」は、よもぎを混ぜた生麩でこしあんをくるんだまんじゅう。
包まれている笹の葉の香りは清々しく、ふわふわしながらもツルッとした食感で、なかなかのもの。これはオススメだ。
寄り道しておいてなんだが、すでに15時近くなっており、のんびりしている場合ではない。高野山の東側から国道371号線で下山する予定だったが、予定を変更して最短距離の国道370号線で下ることにした。
観光らしい観光も一切ない状態だったが、高野山訪問時のお約束で根本大塔の下で記念撮影。CARACLE-Sを3台並べて、ちょっとしたプロモーションに使えそうな写真が撮れた?
大門に戻って高野山に別れを告げ、一気に下っていく。ペダリングはほとんど必要なく、かといってブレーキをかけっぱなしという訳でもなく、要所々々でブレーキングをしながら下れる傾斜は「操ってる感」があって楽しい。交通量もほどほどで、自分たちのペースで下ることができた。
とは言え、高野山はやはり山深く、紀の川沿いの九度山までほぼ1時間掛かった。楽しい下りもこれだけ続くといい加減飽きてくる。
紀の川沿いに降りるとやはり気温は上がるが、すでに15:30を過ぎて暑さのピークを過ぎたのか、恐れていたほどではなかった。九度山のコンビニで小休止して、再出発しようとしたらT田さんの後輪に違和感・・・。
本日2回目のパンク神、後輪に降臨。またも皆は大喜びで、撮影大会(^_^;)。一時期、パンクの連発に悩まされたT田さんは手早く修理して、再出走。
疲れた身体ながらも追い風に乗って、いいペースで国道370号線を東に向かう。橋本市街地手前の橋本高野橋で、紀の川を渡って北上。国道371号線バイパスは国道24号線を越えると、いきなり直登の急坂が立ちはだかる。
いよいよ紀見峠に向けた、本日4つ目の上り。元気なメンバーはまた飛び出していくが、いい加減くたびれた私を含めた年長者(年寄り?)数名は広い歩道をのんびり上る。暑いのは暑いが、16時を過ぎて陽射しはかなり弱くなってきた。
林間田園都市駅を過ぎて旧道と合流し、紀見トンネルと旧道が分岐する手前で最後の峠に備えたコンビニ休憩。
すでに食欲も沸かないくらいに疲れているが、ガリガリ君を投入して気力を奮い立たせる。
紀見トンネルの手前で旧道に入ると、若手はまたもダッシュ。こちらはダラダラと上る。17:20ごろ最後の峠、紀見峠に到着。
何はともあれ、大きな上りはこれが最後。ここまで来れば、個人的にはかなりの安心感がある。もっとも、これから吹田まで自走で帰るT田さんにとってはまだまだ先は長いが。
河内長野駅付近まで降りて、国道170号線(外環)で帰宅するN岡さんとは18:00ごろお別れ。帰宅まで気を抜かずに安全走行を呼びかけて見送った。
もはや飲料や冷菓のネタも切れるほど飲んで食べてきたが、私は取っておいたやきもちを胃袋に収めて、国道310号線をラストスパート。
自走で住吉方面に帰るF永さんや吹田方面に帰宅するT田さんとは、亀の甲交差点でお別れ。
残る4人は西進して泉北丘陵を乗り越え、18:50ごろ夕闇迫る荒山公園に帰ってきた。
もはや地平線に近い夕陽をバックに、約120kmの真夏の修行ライドはようやく終った。
私と友人はあと3~4km走れば帰宅できるが、M輪はこの後滋賀県の野洲まで輪行で帰ることになる。松原在住でここまで車で来ていたS池さんが鳳駅まで送ろうと申し出てくれたので、この場で輪行袋にロードを収めていった。
19:30ごろ帰宅したが、iPhoneのバッテリーが紀見峠で切れてしまい、その後のログが取れていない。モバイルバッテリーを携行していても、一日中2つのログアプリを走らせるのは無理があったようだ。手動でログを作製し、紀見峠までのログと合わせると本日の走行距離は129kmだった。
結果として、主要なルートはほとんど先月同じになったが、9時間半で走破した前回に比べ、今回はほぼ12時間かかった。人数が多かったことや、パンクがあったこともあるが、暑さで頻繁な休憩が必要だったことが大きいだろう。水分を4L以上飲み干し、本当に修行のような一日となった。初めての高野山でも若手は充分に元気で、置いて行かれてばかり。今日完走できれば、ノリクラなんか怖くないだろう。
■コースマップ
■本日の走行記録(自転車)
CyclemeterGPSの記録
スタート: 2017/07/15 6:46:04
自転車完了: 2017/07/15 19:36:59
バイクタイム: 5:09:21 + ?
停止時間: 5:33:30 + ?
距離: 103.72 + 25.4km
平均スピード: 時速 20.12 km/h (103.72km地点まで)
登り: 1683 m (103.72km地点まで)
カロリー: 3866 kcal (103.72km地点まで)
平均心拍数: 137 bpm (103.72km地点まで)
最大心拍数: 197 bpm (103.72km地点まで)
平均ペダルペース: 60 rpm (103.72km地点まで)
最高ペダルペース: 133rpm (103.72km地点まで)
今月の走行距離: 481 km
今年の走行距離: 4943 km
先月の走行距離: 1032 km
昨年の走行距離: 8860 km
[…] そのまま国道480号線を進んで、山中に入っていく。このルートは2年前にも7月に大勢で上ったことがあるが、この時点で11時を過ぎていた。今回は9時前と2時間以上早いのだが、暑さは尋常ではない。汗をポタポタ落としながら上っていくが、お盆のせいか以前より交通量が多く少し気を使う。 […]