ブルベDNF [BRM204泉佐野200km 榛原往復]
今回のBRM204 泉佐野200km 榛原往復は、正式には3回目のブルベ挑戦だった。結果として、仲間の事故と私のDNF(途中リタイア)いう、大いに反省すべき結果となった。あまり記事を書きたい内容では無いが、一方で完走した仲間もおり、自戒と警鐘のためにも記録しておく。
前回は自社商品のCARACLE-Sで参加し、序盤のパンク2連発や終盤の体調不良(ハンガーノック?)に見舞われながらも何とか完走認定を受けることができた。世界最小サイズの折りたたみ自転車ながらも走行性能に優れていることを、身をもって証明できたとは思うのだが、終盤の体調不良が自分の中で引っかかっていた。
私としてはCARACLE-Sでもう一度200kmに参加し、今度は万全の状態でゴールして、次のステップに進みたいと思っていた。
今回はテック・ワン従業員で構成するチームCARACLEから他に3名も初参加。近所の友人とは毎度のことながら一緒に参加。私を含め5人が協力できるところは協力して完走やタイム短縮を目指すことになり、事前に堺浜で2回に渡りシミュレーショントレーニングを行っていた。
前回は雨が不安なスタートだったが、今回の天候は一日中降水確率0%の見事なまでの晴れ予報。晴れ男のF永さんの面目躍如で、スタート地点のりんくう公園は放射冷却で冷え込んだが、清々しい朝となった。
受付で参加申込書を提出して、ブルベカードを受け取ると、気合が入る。
6:30からブリーフィング開始。チェックポイントや、ルート途中の危険箇所についてのレクチャーがあった。
私は当然CARACLE-Sだが、前回と異なり現在主力で使用している2016モデルのTORACLE(虎来る號)で参加。
6:50前から車検。友人とチームCARACLEのメンバーも準備を終え、いよいよ出走。
行けるところまでは5人一団で進むことになっていたが、スタート直後から健脚のメンバーが引っぱり、30km超のハイペース。
信号待ちで何らかの調整があったのか、友人が「先に行って」と言うので残り4人は進み続けた。
8km地点付近から始まる雄ノ山峠への上りでは、心拍数が179まで上がり、これは200km保たないと私は一旦ペースダウン。健脚のT田さんF永さんはともかく、競技系イベントの経験が少ないN岡さんもキツいだろうと思ったが、彼を含めた3人は他の参加者と一緒に先行していった。後で思えば、経験者の私がここで無理やりにでもペースを下げさせるべきだった。
上る途中で友人も追いついてきたので、先行してもらった。仲間みんなに先行されたが、傾斜のゆるい雄ノ山峠はあっと言う間にピークに到達。さほど時間差はないだろうし、下に降りて信号待ちでもあれば追いつくだろうと下り始めた。
雄ノ山峠の和歌山側は、いきなり急傾斜と急カーブが連続する。慣れている私でも緊張する区間が短いながらもあるので、仲間と一緒に走っていればひと声掛ける注意箇所だ。
これまた悔やまれることだが、今回は声をかけるべき仲間を先行させてしまった。
すると、下り始めてすぐに仲間4人が停車してた。N岡さんは地面に座り込んでいる。聞くと、連続カーブでN岡さんの後輪が滑って、道路壁にぶつかったとのこと。特に自転車や車と絡んだわけではないらしい。
私が到着したのが7:46。事故発生はその数分前と思われる。スネを強打して痛みがひどいとのことで、「しばらく休めば大丈夫だと思います」とのことだが、こういうときにケガをした本人の申告を鵜呑みにしてはいけない。仲間も確認していたが、私は私で確認すると、スネ以外に痛みはないとのことで、スネも折れ曲がったり変な方向を向いている様子はない。頭を打った様子はなく、意識もはっきりしている。
血がわずかにズボンに染みる程度で、大きな出血もなかったが、ズボンの下を確認すると、皮が大きくV字型に裂けて剥離し、中の組織が覗いている。出血が少ないのが不思議な状態だが、これは外傷だけ見ても自力で動ける状態ではない。
救急車を呼ぶ事を決め、私は119に電話。友人はブルベ主催者に事故発生の連絡とN岡くんのDNF(途中リタイア9を連絡。
何人も現場にいてもできることは限られるし、逆の立場なら仲間の足を引っ張るのは心苦しいことだ。現場には私だけが残って、残る3人はブルベを続行してもらうことにした。
救急車を待つ間に、現場を撮影し、位置や時間を記録。現場に自転車を置き去りにする事態を想定して、N岡くんと私の貴重品や身の回りの荷物をひとまとめにして運べるようにしておく。
15分ほどだったろうか、救急車が到着し、簡単な状況確認の上でN岡くんを収容。急傾斜の狭い道路でもあり、救急車は一旦現場を離れて峠の方面に向かい、方向転換をして戻って来た。
詳しい状況を説明し、頭を打っていないようなので、岩出市の整形外科に運ぶことになった。そうこうするうちに警察も到着し、現場検証。自転車の全長、高さ、車体番号などを記録し、現場にチョークで白線を引いて、事故現場の状況も記録していた。
幸いなことに、救急車にN岡くんの自転車を一緒に運んでもらえることになったので、結果として今回は慌てて荷物をまとめる必要はなかった。救急車を見送り、8:30前に警察の現場検証が一段落した所で、私は自走で病院に向かった。
現場から20分ほどで岩出市の整形外科に到着した時点ではN岡さんはレントゲン撮影や松葉杖を合わせているとのことで、話ができずしばらく待機。PC1タイムアウトの8:34を経過したので、事故後の状況報告がてら、主催者にDNF(途中リタイア)の連絡を入れた。主催者には迷惑を掛けたにもかかわらず、付き添いの礼を言われ恐縮だった。
ちょうど電話中にN岡さんのご両親が到着。まずはN岡さんをお誘いし、同行しながら事故を防げなかったことをお詫び。「本人の責任ですから」と言っては頂いたが、私も人の親だし、ご両親はさぞご心配のことだと思う。
私もまだ病院での診断結果を聞いていないので、現場での状況等をわかる範囲でご説明した。そうこうする間にN岡くんの処置が一段落し、本人から話を聞くことができた。結局、外傷は15針縫うもので、スネの細い骨を骨折していたとのこと。他に深刻なケガはなく、治療だけで帰宅してよいとのこと。「全部スネで受け止めてしまった」とは本人の弁。少なくとも表面的には元気に明るく振る舞っていたが、ショックも大きかっただろう。
N岡さんや彼の自転車を運ぶために車を取りに行くことも考えていたが、ご両親がいらしたのでここはお任せすることにした。
思いの外早く、9:30過ぎには手が空いてしまったが、ゴール後に車が必要なので自分だけ帰宅するわけには行かない。小腹が空いたので近くのコンビニでひと息入れながら、これからどうするか考えた。
せっかく天気が良いので、ブルベのルートや他を自転車で走ることも考えたが、一度緊張の糸が切れてしまうと長距離走る気合が出てこない。結局、今回は車で仲間を応援しに行くことにした。
そのため、まずは府県境の峠を越えて、スタート地点近くの駐車場に戻らなくてはならない。とは言え、同じ道を引き返すの面白くないし、事故現場を何度も通るのも気が引けた。
そこで、雄ノ山峠のひとつ東側を越える、県道(府道)63号線の風吹峠を越えることにした。距離的にももっとも最短コースとなるが、ただでさえ交通量が多い上に、沿道に採石場があるのでダンプが多く、埃っぽくて楽しい道ではない。天気が良かったのが幸い。
りんくう公園そばの駐車場に帰ってきたのは、11時前。予定では走行距離は200km超のはずが、約40kmで終わってしまった。TORACLE(虎来る號)を積み込んで、今度は府道(県道)62号線で府県境を越えて、再び和歌山県へ。
京奈和自動車道を一路東に向かい、御所市重阪でブルベルートに復帰(ただし車で)したのは、12:45ごろ。それに先立つ12:30ごろには、友人から折り返し地点の宇陀市榛原に到着した連絡が入っていた。
ルートを進んでいくとすでに折り返してきた参加者がと次々行き会う。せっかくの機会なので、できるだけ撮影して行くことにした。
記事中に掲載した写真以外にも、フォト蔵に高解像度画像を掲載した。ブルベで走行中の自分の写真はなかなか入手できないと思うので、必要な方はご自由にどうぞ。とは言え、ダッシュボードに固定したiPhoneで撮影しているので、人物が小さく、構図が同じなのはお許しを。また、掲載を希望されない方は、ご遠慮無くお知らせください。
明日香を通過し、桜井市に入ってさらに東に進んでいく。12:30に折り返しなら、そろそろすれ違っても良さそうだった、どこかで行き違いになったのか? と心配になってきた。
幸い、13:24に桜井市川西の奈良情報商業高校付近で、向かってくる3人の仲間を発見。
Uターンして追いかけると、まだ結構なスピードで走っている。とは言え先頭を引くのは主に友人とT田さんで、F永さんはちょっと疲れ気味か?
信号待ちで追いついて声を掛けた。すでに走行距離100kmを越えているが、この程度の距離は初参加の2人も経験がある。問題はこの先だが、私の経験では200kmは単純に100km×2ではない。2倍ではなく、3倍も4倍も辛く苦しいはずだ。
とは言え、ブルベでは伴走やPC(チェックポイント)以外でのサポートが禁止されているので、ここでできるのは声掛けと撮影のみ。
先行して明日香中心地で待ち構える。13:38にペースの会う参加者と5人の集団で走ってきた。iPhoneを向けると、参加者の方もピースサイン。
仲間が去った後すぐに後を追ったが、好天に観光客の車が多く、飛鳥駅前で渋滞してなかなか追いつけなかった。
ようやく渋滞を脱出し、県道35号線へ。壺阪山駅と市尾駅の間では、快晴の空の下で金剛山と和泉葛城山を正面に拝む景色のいい地点がある。まだ、往路の途中でこちらに向かってくる参加者がいるが、こんな中を走っている姿を見ると羨ましくなる。
ようやく仲間を追い越して、県道120号線の薬水駅を過ぎた田舎道で待ち構える。T田さん先頭で、仲間と参加者の一団が過ぎていった。
またも追い越して、136km地点のPC3、ローソン住川町店で待ち構えると、14:18に仲間たちはやって来た。PCなので、途中で入手したみかんと焼き餅をここで差し入れ。
F永さんは少し疲れた様子だが、この時間に136kmはかなり優秀なタイム。私は昨年ほぼ1時間遅かった。あと70kmないので頑張って下さいと伝えた。
T田さんはまだまだ元気な様子。胃腸も元気な様子で、差し入れのみかんと焼き餅の両方をゲット。
お二人の使用マシンはF永さんが、CARACLE試作451ホイール車。CARACLE-S以上の走行性能を目指して開発を進めているが、発売はまだしばらく先の予定だ。
T田さんは406ホイールのCARACLE-Sのカスタマイズドロップハンドル仕様。
車輪径の小さなCARACLE-Sだが、ちょっとしたロードバイクに負けない走りができるのは私も実感するところ。今日は序盤の事故でかなり順位を落としたが、ここまでの136kmで多くのロードバイクを抜いてきているはずだ。
14:38に3人の出走を見送って、ちょっと車内整理をしてから後を追ったが、またもなかなか追いつかない。3人とも疲れてきているはずだが、かなりのスピードだ。南海高野線の高架をくぐる橋本市市街地の対岸でようやく追い越し、今度は九度山町の道の駅「柿の郷くどやま」に車を止めて3人を待ちかえた。
15:29に3人と、同行の参加者2人は快調に通過していった。
さて、再び後を追うべく道の駅から車を出そうとしたら、前に自転車が立ちふさがって、止まれの合図。
えっ? と思ってよく見ると、和歌山市在住、旧知のにもさんだった。最近はなかなか顔を出せていないが、南大阪ぽたりんぐ倶楽部のイベントやスズカエンデューロで何度もお会いしており、私と同じコマンドシフター使いでもある。
「ヒサユキさん、何で車に乗ってんの? ブルベに出てるんと違うの?」と聞かれ、事情を説明。
今日はブルベが開かれている事に気づき、私が出場することも思い出されて、どこかで会えればいいなと思いつつ東に走って来られたそうだ。たまたま道の駅で車に乗り込む姿を見かけて、追いかけてこられたのだ。
何と、梅丹の梅エキスを中心とした補給食まで用意してくれていた。走っていないのが残念だが、ありがたく頂戴した。
ついつい長話になり、ガソリンを補給したこともあって、次に仲間に追いついたのは16:24、紀の川市の市場交差点付近だった。
県道130号線で貴志川を渡る手前の交差点で3人を待ち受け、撮影と声掛け。陽が傾いてきた中、さすがに3人共疲労の色が濃い。
とは言え、相変わらず3人(+他の参加者2人)は一団になって進んでいる。ここまでバラけずにいることには正直驚いた。
次は187km地点の通過チェックポイント、ローソン大垣内店で待っていると、仲間3人+2人が16:44に到着。
チームCARACLEのエース、T田さんもさすがにかなり疲れた様子。やはり初めての200kmはキツいだろう。
F永さんは「ブルベなめてました」「首が痛いです」と、かなり疲れている様子だが、ここまでくればゴールは近い。
しかも、今回はゴールが昨年より9km手前の202.5km地点に設定されている。あとたった15kmだ。
やや長めの休憩を取り、3人は最後の力を振り絞って、17:05に再出走していった。
この先はブルベルートがかなり細い道を通り、自動車の通行ができない踏切を通過したりするので、私は迂回して雄ノ山峠に向かった。途中で3人を追い越して、ゆるい坂を上っていくと西にちょうど夕日が沈んでいくところだった。
これは、と車を止めて3人を待ち受ける。夕日をバックに最後の難関雄ノ山峠に向かう3人を撮影することができた。
今朝の事故地点を複雑な思いで通過し、雄ノ山峠を超えた所で待ち受け。当たりはすでに薄暗くなり、ライトを点灯させた参加者が次々通過していく。
先程の休憩時にも話をしていたが、雄ノ山峠は各自のペースで上ったようで、まずは友人が17:42に通過。
あとはこの坂を下りきったコンビニがゴールだ。
3人を追い越してゴールで待ち構えていると、17:53に友人がゴール。事故対応で30分以上ロスしたと思うが、それでも11時間を切るタイムで202.5kmを無事に走りきった。
まずはお疲れ様。ここでのレシートが認定タイムになるので、友人は取り急ぎお買い物。
周囲ではゴールした多くの参加者が、食べたり呑んだりしながら休憩している。みな一様にホッとした表情をしている。
仲間が頑張る姿を応援することも新鮮な体験だったが、満足げな表情を見ていると、やはりうらやましい。
続いて、18:00ちょうどにT田さんとF永さんもゴール。チームCARACLEの2人も小径折りたたみ車で、200km以上を走りきった。
距離が約9km短いとは言え、私が昨年13時間近くかかった200kmブルベを、2時間近く速いタイムで完走したのだからこの2人の脚力も大したものだ。
できれば、私とN岡さんも完走できれば最上の結果だったのだが、我が身の不徳の致す所で、これは仕方ない。次の機会もまたあるし、あらためて頑張ろう。
ここがゴールとは言え、認定作業は昨年までのゴール地点である「温室」で行われる。時間の制約は無くなったとは言え、参加者はあと9km走る必要がある。先行して温室前で待っていると、18:35ごろに友人が到着。無事に完走の認定を受けた。
10分ほど遅れてT田さんとF永さんも到着。これで本当に走行は終了だ。
「キツかった」とは言いながらも、昨年ボロボロだった私に比べるれば初参加なのに2人共余裕がある。
F永さんも「もうブルベはイイです」と言っているが、私の経験から言えば、しばらくするとまた出たくなるのがブルベの不思議なところだ。
2人共無事に認定を受けて、ブルベ終了。T田さんはCARACLE-Sのブルベ記録を大いに短縮してくれた。今回のようなトラブルがなければ、約11時間のタイムはさらに短縮できるだろう。
記録としては満足の行くものなのだが、皆が無邪気に喜べないのは、やはり事故を招いてしまったから。もう少しペースを抑えていれば、余裕を持って下りに臨めたかもしれない。降る前に声を掛けられていれば、スピードをもう少し抑えていたかもしれない。
私自身が一昨年に転倒して大腿骨骨折を起こしているだけに、事故を繰り返したことは悔やまれてならない。ぜめて今度こそ事故を繰り返さないように、今後の行動を考えていこうと思う。
■コースマップ
■本日の走行記録(自転車)
CyclemeterGPSの記録
スタート: 2017/02/04 6:53:43
自転車完了: 2017/02/04 10:57:04
バイクタイム: 1:39:42
停止時間: 2:23:02
距離: 39.89 km
平均スピード: 時速 24.00 km/h
登り: 380 m
カロリー: 1309 kcal
平均心拍数: 144 bpm
最大心拍数: 179 bpm
平均ペダルペース: 78 rpm
最高ペダルペース: 124 rpm
今月の走行距離: 118 km
今年の走行距離: 913 km
先月の走行距離: 747 km
昨年の走行距離: 8860 km
※当ブログに掲載したものだけでなく、多くの写真を高解像度で下記のフォトアルバムに収録しています。ご入用な方はご自由にダウンロードして下さい。なお、掲載を希望されない方は直ちに削除しますので、ご遠慮なくお知らせ下さい。
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