その後の通勤用CARACLE-S

新通勤車(CARACLE-S 2015試作車)は、9/21に 組み立てた途端に小雨や雨上がりの走行が相次いだ。9/22に前マッドガードにフラップを装着したものの、完璧に水しぶきを防げる訳ではなく、上からの雨も当ってチェーンに早くもサビが浮いてきた。

そんな訳で10/2の堺浜練習の後、再使用開始からわずか11日目でチェーンクリーニング&注油。シマノの9速用チェーンCN-HG53は、これまで通勤に使用していたサンツアー製(7S)に比べるとサビが生じやすい。雨に当たる可能性が高く、メンテナンスをすぐにできない通勤用には、防錆製の高い、上級グレードチェーンを使用したり、チェーンルブを耐雨性に優れたものに変えたほうが良いだろう?

現行シマノではCN-HG93というワングレード上の商品もあるが、どこまで防錆製が高いかは不明。いっその事、通勤用にはKMC製の防錆チェーンを装着するか?

また、このところ車体中央部の下部から、ギシギシというきしみ音が聞こえるようになってきた。この手の異音の原因を突き止めるのはただでさえ厄介だが、CARACLE-Sは折りたたみ自転車なのでさらに発生源の候補が多い。

160930_081021それでも真っ先に思い当たったのは、専用工具がなく無理やり装着したサンツアー製シールドBB。手持ちの工具で可能な範囲で増し締めしたが、異音は消えない。そこで、専用工具が手に入るまで代替えのBBを装着することにした。

ピンチヒッターなのでグレードは低くてよいのだが、問題はシュパーブプロはISOテーパーを採用していること。シマノが採用しているJISテーパーに比べるとかなり流通量が少ない。主にカンパニョーロ製品やピスト系クランクで採用されているため、高グレード品(高価)な品が多いのも難点。軸長を限定すると、新品ではかなり高価な商品しかなく、手頃な価格のTOKEN製は輸入元で在庫切れのようですぐに入手ができない。

ネット情報を漁っていると、MICHEがISOテーパーとの記述があった。私が以前入手したMICHE製BBはJISテーパーBBだと判断したのだが、私の計測ミスで実はISOテーパーだったり、シマノと互換性を持たせたJISテーパーも存在するがメインはISOということあるかもしれない。イタリアメーカーなのだから、ISOテーパーが自然だ。

160930_075923そこでMICHE製のスクエアテーパーBBを探してみたところ、中古品が安く売られていたので、検証用に入手した。時間を逆上るが、9/30に勤務先で作業開始。

BBシャフトは貫通穴もなく、シルバーではあるが表面処理は安っぽい。ワンは「MICHE」「BSC(JIS互換)」「MADE IN ITALY」と大きくプリントされて、結構高級感のある軽合金製。

160930_075959内側のベアリングホルダーには「B098(9?) SLOVAKIA(スロバキア) KINEX NE 107 ISO」の刻印があり、軸長107mmのISOテーパーであることは間違いなさそうだ。

ワンにでかでかと「MADE IN ITALY」と記載しているので自転車に取り付けた状態では一見イタリア製だが、主要部分は実はスロバキア製という、まあ「らしい」と言えば「らしい」仕様。

160930_080130一回転ごとにコリッと軽く引っかかるところがあるので、(今ではないが)ベアリングを打ち替えできるかと確認してみたが、どうも既成の規格のシールドベアリング(カートリッジベアリング)を圧入しているのではなく、ベアリングホルダーと一体化している様子。シールを引き剥がしてグリスアップはできそうだが、玉当たり調整はできない可能性が高い。

ワンだけ使用してサンツアー製シールドBBが装着できないかとあてがってみたが、シールドベアリング6903とは径が違い共用はできそうにない。

ともあれ、サンツアー製と交換してみた。フィキシングボルトを締め込むと純正同士のようなあるところでぐっと重くなる手応えがなく、どこまでも入っていきそうなズルズル感。それでも適当なところまで締め込み、装着完了。

160930_082847どちらもチェーンラインを動かせるタイプなので比較しづらいが、できるだけ左右対称に装着してみると、チェーンフォールプロテクターが近付き、わずかにチェーンラインが内側に入ったようだ。元々のサンツアー製の軸長が108mmで、交換したMICHE製が107mmなので、ほぼ軸長の違いがそのまま反映されたように思える。

交換後も変速性能に大きな変化はなく、わずかなチェーンラインの変動で問題は生じなかった。しかしながら、ギシギシ言う異音も大きな変化はなく、相変わらず響いていた。どうやらBBが原因では無く、貴重なサンツアー製シールドBBを損傷した訳ではないようなので、ある意味ホッとした。クランクを組み付けたら回転の引っ掛かりは認知できなくなったし、少なくとも専用工具が入手できるまではこのBBをしばらくそのまま使用しよう。

とは言え、異音はし続けている。そこで10/2にチェーンクリーニングの後で、フレーム折りたたみ部分に再度グリスを塗布した。分解するのが大変なシャフト部分に前回は手でグリスを押し込んだが、今回はグリススプレーを用いた。パーツクリーナーで奥の方の油分が落ちたのなら、同じスプレーで再注入できるだろうという目論見。

結果はまずまずで、ギシギシ音はかなりマシになった。少なくとも原因の折りたたみ部分のシャフトだったということだ。完全解消はしないので、まだ注油が不足しているか、他の部分にも原因がある可能性がある。ペダル、シートポスト、フィキシングボルト、チェーンリングボルト等々、疑わしい箇所がたくさんある。とりあえず致命的なトラブルを生じるような不具合ではなさそうなので、余裕がある時に順番にパーツを交換して消去法で原因を探ってみよう。

161002_133650続いて、BB交換による嵌合具合の変化の確認のため、フィキシングボルトを外してみた。ノギスを当ててみると、BBシャフトの先端からフィキシングボルトの座面までの距離は2.3mmだった。

161002_134727比較のために左クランクだけを外し、サンツアー製シールドBBのシャフトに装着して同じように計測したらこちらは 2.6mmだった。

同じISOでも(JISでも)メーカーやグレードにより微妙な差があることもあるようだが、わずか0.3mmの差であれば、締め込みトルクで簡単にずれる範囲と思われる。ほぼ同じ嵌合具合と言って良いだろう。

あと気になるのは以前JISテーパーだと判断したMICHE製BB。本当にJISテーパーだったのか、いずれ同じように検証しよう。

161002_130535もうひとつ、ちょとした変更。中古で購入したカセットスプロケットにロックリングが欠損していたので、間に合わせにCS-6700のものを装着していた。

161002_131430SRAMの中古のロックリングを入手できたので、こちらに交換した。アルミ製からスチール製に変わったので少し重量増だが、ブランドが一致したので違和感がなくなった。

まあ、本人以外まず気付かない場所なので、自己満足だけだが(^_^;)。

10/2の新通勤車いじりは、これで終了。この後は続けて、TORACLE(虎来る號)を平常仕様に戻す作業に入った。

 

ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません(自動車会社のF1やワークスマシンみたいなものと思って下さい)。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。

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