雪の鍋谷峠
【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】
バイパスの短いトンネルを抜けると雪国であった。「駅長さあん、駅長さあん」
いや、こんなとこに駅はないない。道の駅さえ、ない。
見慣れた道の、見慣れぬ雪景色に、少々錯乱したようだ。頭の中に川端康成「雪国」の冒頭(をもじった一節)がよぎり、自分でツッコミ。R480バイパスの逢野トンネルを抜けると和泉市大野町の集落が目に入るが、そこは家の屋根や周囲の山々が雪を被り、すっかり雪景色だった。
話は戻る。
年末年始や天候不順で三週間も自転車トレーニングをご無沙汰していたので、今週末こそ走りに行くつもり。が、土曜日(1/10)はときおり雨や雪が舞い散る荒天で、断念。今日も昨日の風雪で路面が濡れているようだが、明日は来客があるので今日しかチャンスはない。
しかも今日も午後から新年会。来客に供えた片付けをする時間が午前中しかないので、早々に帰宅する必要がある。久々のライドだが、今日は近場の鍋谷峠往復で済ませることにした。
天気予報で堺の最低気温は0度。峠に向かえば氷点下の可能性が高い。今日はさすがに防寒装備をフル動員。最初からレインジャケットをはおり、下半身は厚手の起毛レーサータイツをはき、シューズカバーをかぶせた。下りに備えて、耳当て、ヘルメットカバー、ネックゲイター等々をサドルバッグに入れて、6:40頃出走した
すでに薄明るくなってきていたが、西の空にはまさに沈もうとする大きな月が見えた。やはり相当に気温が低いようで、顔に当たる風が冷たい。久々のライドだが、その割りにはスッスと自転車が前に進む。「おっ、意外と脚力落ちてないんか?」と、思ったが、月の撮影をするために停車すると、後方からかなり強い風が吹いていることに気付いた。追い風に乗っていただけのことだったのだ。
鍋谷峠に向けて、府道61号線の堺・和泉市境の峠を上っていると、路肩にチラホラ雪の溶け残りが見えた。寒いが、路面はほぼ乾いており、走行に問題はない。と思ったが、横山の集落に降りてくると、行く手の和泉山脈の山々にちらほら白い雪が見えた。それでも、横山近辺では路面に雪はまったくなかったので、とりあえず進み続けた。
そして、いよいよ鍋谷峠に向けて、大野町交差点を左折。R170旧道からR480に入り、逢野トンネルを越えたら、冒頭のようにいきなり雪景色が目前に広がった。一旦、自転車を停めたが、家々の屋根や路肩には雪があっても、道路に雪はまったくない。まあ、何とかなるだろう、と進み続けた。
父鬼の集落辺りからは路面も濡れがちになってきたが、マッドガードのついた私の自転車は、大した影響はない。いつものごとく、製材所前の橋からアタック開始したが、3週間ブランクの空いた身体は、やはり随分能力が低下している。普段より抑えめのペースでも、心拍数があっと言う間に180近くまで跳ね上がってしまう。
トレーニングを怠ると筋力も落ちていくのだが、心肺能力はさらに早いペースで衰えていく。年末年始もランニングこそしていたが、かなりペースを上げたつもりでも心拍数は150ちょい程度。足腰への負担に配慮すると、平地のランニングでは心拍数を数十分単位で上げ続けるのは難しい。やっぱり坂を上らなければ、効果的に心配能力のトレーニングができないようだ。
恐らく自転車でなく、ランニングで坂を上っても効果的だろう。ただ、長い上り坂があるところまでのアプローチと、下り坂での足腰の負担を考えると、一人でできる自転車でのヒルクライムに軍配があがる。
ともあれ、上り始め早速にフルインナーにギアを落とし、170前後の心拍数を目標に上り続けた。空はどんよりと曇り、木立の深いところでは、かなり暗い。対向車に備えてライトを点滅させながら上ったが、今日は車の通行もほとんどない。自転車もR170旧道で一台のMTBにすれ違っただけで、R480の峠道に入ってから一台の自転車も見掛けない。
上るにつれ、峠道の周辺に雪が次第に増え、やがて路面にも日陰や橋の上にチラホラ白い物があらわれ出した。雪の出現率はどんどん増え、峠が近づくと路面のほとんどが白くなってきた。細タイヤ(23C)なので心配したが、積雪は数センチとわずかで、意外とグリップして上り続けられる。
とは言え、ペダルの踏み込みには気を遣う。路面への力が一定になるようスムーズに脚を回し続け、ハンドリングも慎重さを強いられる。要はダートの上りと同じ走行テクニックだ。ヒルクライムにはまり出してからはご無沙汰だが、久々にダート走行の気分を味わった。でも、腰には結構コタえる。
何とかたどり着いた鍋谷峠は路面も含め、完全な雪景色。これではロードバイクはまず上ってこないだろう。タイムは31分41秒と前回(12/20)よりさらに1分近く落ちたが、雪上登坂を強いられた割には頑張ったというところか。アタック中の平均心拍数は、172とやはり前回(168)より高い。
自前の温水放水銃で除雪作業(小用)の後、すぐに上着や防寒装備を身につけたが、あっという間に身体が冷えていく。補給食のミニ羊羹を慌てて食べ、途中で下に落としてしまった。普段ならもう口にするのは難しいが、今日は雪上に落ちたので拾って口にほおばった。雪まみれの羊羹は、「小倉かき氷」の風情。
長居せず、元来た道を下り始めた。上りで気付いていたが、路上の雪に動物の足跡が残されていた。タヌキか、キツネか、それとも他の動物だろうか?。
最初は雪が多いので、ゆっくりと慎重に下ったが、手足の指先が冷えきってツラい。時々止まって首筋に手の指を当て感覚を取り戻す。下るにつれ、徐々に雪が少なくなってスピードが上がってくる。でも、橋の上などは残雪があるので要注意。
父鬼の集落近くまで降りてくると、路面の雪は完全になくなる。そこで、2台のロードバイクが上がってきた。すれちがいざまの「上、どうですか?」との質問に、「結構、積もってますよ」と返事した。取りあえずは上り続けていたが、車さえ数台行き会っただけの峠道を、彼らは峠まで上れたのだろうか?
久々の雪中ライドの後は、まっすぐ家路をたどり、10時前には帰宅した。来客に供えた片付けを午前中に済ませ、午後から外出。乗鞍仲間の一人が、千葉から滋賀に越してきたので、新年会がてら大阪で会うことになったのだ。
十日戎でにぎわう今宮戎を皮切りに、道具屋筋、なんばグランド花月、千日前、道頓堀界隈、心斎橋筋商店街と、コテコテの大阪名所をそぞろ歩きし、夕方からは、もう一人の乗鞍仲間(彼も昨年春に関東から出身の大阪に帰還)を加えて居酒屋で新年会となった。彼も
大学サイクリング部時代の思い出話(=バカ話)が主体だったが、これまた乗鞍仲間のnorikura1059さんが発案したビワイチ(琵琶湖一周)も話題になった。いずれ、関西在住メンバーを中心として実現しようということになったが、いきなり一周はきついので、まずは琵琶湖大橋より北側を回ろうかなどと話していた。
もっとも、3人とも家族持ちで、そうそう好き勝手に走り回ってもいられない。実施は乗鞍後の秋かな、との話も出ており、実現までにはもう少しかかりそうだ。
■本日の走行記録(自転車)
平均心拍数:143
最大心拍数:182
心拍数ターゲットゾーン:131-165
ターゲットゾーン内時間:1:24:16
ターゲットゾーン以上時間:0:33:10
ターゲットゾーン以下時間:0:41:33
消費カロリー:1770kcal
走行距離:48.9km
平均速度:18.5km/h
最高速度:57.3km/h
平均ケイデンス: 84
最大ケイデンス:152
走行時間:2:38:20
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