150630の自転車いじり [CARACLE-Sフォークコラム延長]
先日、ハンドルポストを交換したCARACLE-Sだが、最初から短い突き出しで固定する設計の標準仕様のハンドルポストと比較すると、交換品はコラムの収納部分が深く、長い突き出しを要求する仕様。
実走すると、軽いきしみ音がするくらいで、剛性不足などは感じないが、フォークコラムとハンドルポストと充分に噛み合っていないことは長期使用を考えると不安があった。
上司に相談したところ、「コラムを延長しよう」という話になった。本業が金属加工(精密板金加工)の会社となれば、この手の加工はお手の物。社内に設備や職人さんがいるのは、とてもありがたい。
必要な延長サイズは22~23mmなのだが、試作品のフォークから切り取ったコラムパイプを溶接することになった。
私は見守るだけだったが、上司と職人さんが作業を進めていく。溶接前に、接合部分がすき間なく正確に合わせられることを確認し、付近の塗料をヤスリやサンドペーパーで丁寧に除去。
続いて、フォークを溶接台にクランプで固定し、延長側のパイプは重量のある重りで両側から挟んで位置を固定。
いよいよ溶接開始! まずはチョンと溶接して、固定位置を再確認。コンコンと軽くハンマーで叩いて微妙な位置調整。
そして本溶接でぐるりと溶接していく。一連の動きは繊細でありながら、流れるよう。さすがというところ。
これが溶接が完了したフォークコラム。このまでは表面が盛り上がっているので、ハンドルポストがセットできないし、ヘッド小物も通らないだろう。
きれいに削り取る必要があるのでどうするのかと思っていたら、無造作にサンダーを当てて削り取っていく。
これだけじゃキレイには削れないだろうし、まずは荒削りなんだろうな、と思っていたら、サンダーだけで見事な仕上がり。特に治具を当てたわけでもないのに、この精度にはおみそれしました。
表面を削って滑らかにしたので溶接面積が少ないように思われるかもしれないが、ちゃんとコラムの内側も溶接されているので、強度に不安はない。
CARACLE-Sに組み付けてみると、作業前と比べるとかなり突き出しが伸びているのがわかるだろう。
これにハンドルコラムを装着していくと、ハンドルポストの内側にほぼぴったり収まり、最大の固定力を発揮できる長さになった。
これで、安心してガンガン走れる仕様になり、ドロップハンドル化への大きな障壁が取り除かれた。
残る問題はステムだ。ドロップハンドルを装着する場合今より短い突き出しのアヘッドステムが必要になる(ショートリーチバー使用の場合でも計算上30~40mm程度)。とは言え、少なくともロード用ステムに短いサイズは発見できなかった。
MTB用であれば突き出し40mm程度のステムもあるようだし、31.8mm径のオーバーサイズならロード用ハンドルバーも装着可能だろう。とは言え、MTB用ショートステムはデザインがごつく、重いものばかり。最初はポジション確認のために安い中古品で試したいのだが、あまり流通していない。ましてコラム上に装着する特殊品を除くと、40mm未満のサイズは全く見当たらない。軽くて安いショートステムが、どこかにないものだろうか?
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性を保証するものではありません(自動車会社のF1やワークスマシンみたいなものと思って下さい)。大多数はすぐに発売を予定していませんが、安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品として発売する可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
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