150614の自転車いじり [CARACLE-Sヒルクライム仕様検討]

 ノリクラは2年連続のコース短縮で、いまだ猛虎四號にゴールの畳平を拝ませていない。今年こそは、の思いもあったが、周囲(友人や得意先)から「CARACLE-Sでノリクラに出場するんだよね」と言われることが多くなった。入手以来「CARACLE-Sは、走れる、上れる」と言いふらしている私が、他の自転車を選んでは説得力がない。

 今年は骨折や転職でトレーニングも満足にできていないので、どちらにしてもタイム更新は難しいだろう。それなら、いっそCARACLE-Sで上ってみるかという気になってきた。

 CARACLE-Sは基本性能が高いので、今程度のカスタマイズでも間違いなく完走はできる。とは言え、できることならドロップハンドルを装着したいし、重量も軽くしたい。少しでもタイムを短縮する仕様に持って行きたいのが、ノリクラに出続けている者の(かつトレーニングをロクにやってない者の?)心理だ。

 入社したころは上司から「これはそういう(レースに出ることを目的にした)自転車ではない」「半年はノーマル仕様で乗ってもらわないと」言われていたが、意向に反して3ヶ月もしないうちに色々いじり出してしまった・・・。

 上司は恐らく内心渋い顔をしていたと思われるが、「外堀が埋まってきた(周囲から「CARACLE-Sで出場」と言われている)」ことを伝えたところ、苦笑いしながら「それじゃあ責任取らないかんな」と乗り気になってきた(ありがたいことです)。

150614_100904 まずはドロップハンドルをどうやって装着するか? ノーマルのハンドルポストはシンプルな構造で相対的に軽量(630g)。前方にややオフセットした(10度?)構造とは言え、前後、上下ともに調節機能はない。フラットバー装着を前提とした25.4mm径なので、そのままではハンドルの選択も限られる。

150614_100824 近い将来に角度や高さが異なるオプション品を販売する計画もあるが、ドロップハンドル用という訳ではないし、当座は今あるもので何とかしなくてはならない。そこで、上司が社内にあったいくつかのハンドルポストを見せてくれた。

 その中で、ひとまずこのハンドルポストを試してみることにした。

 社内の試作車に付いていた アヘッドステムが装着可能なテレスコピックタイプだ。重量的にはノーマルタイプよりかなり重くなってしまう(単体で780g+ステム)が、ポジションを調整しやすく、上限機構を無効化すれば、テレスコ部分からワンタッチで着脱できる。幅をとるドロップハンドルを使用しながら折りたたみ機能を殺さないためには最適と思われた。前後のオフセットはない(0度)ので、好きな方向にポストを倒すことができるのも、折りたたむ車体の内側にハンドルポストを倒すCARACLE-S向き。

 試しにこのハンドルポストを装着しようとしたが、フォークコラムの収納部分が長いため、突き出しの短いCARACLE-Sのフォークコラムではコラム内ナットの位置が遠すぎて引き上げボルトが届かない。

 取りあえずはポジションの確認だけなので、引き上げボルト無しで仮固定。長い引き上げボルトを調達すること自体は難しくない。問題はフォークコラムが少ししか挿入されないこと。長く挿入することを想定したハンドルポストなので、充分な固定力が確保できるか心配だ。

150614_101946150614_101616 この件は上司も事前に気付いており、いっその事フォークも変えて451サイズのホイールを装着するか、などと・・・(^_^;)。

150614_102328 手持ちのアヘッドステムとハンドル(日東Mod.55)を装着し、猛虎四號と並べて比較してみる。

 BB軸の前後位置を揃えて並べてみると、意外なことにハンドル位置が猛虎四號よりはるかに前にくることがわかった。CARACLE-Sはホイールベースが長いことで、安定した走行感を得られることはわかっていたが、予想以上にフロントセンターが長い。

150614_103254 手持ちの一番短いステムを装着しても、ハンドル位置はかなり前に出てしまう。ハンドルの高さも猛虎四號より低くセッティングできるので、充分に前傾姿勢が取れることがわかった。しかも、BB軸の地上高がCARACLE-Sの方が高いので、落差は猛虎四號以上になる。

150614_104058 ハンドルクランプ部分を猛虎四號同様のポジションにする場合、ステムの突き出しは4cm程度で良いことがわかった。逆に短すぎて、ロード用の物は少ないかもしれない。

 もちろん、ステム長はハンドルの形状によっても調整が必要だ。猛虎四號に装着しているのはリーチが65mmしかないTNIネオクラシックバーなので、リーチの長いものならさらにステムが短い必要が出てくる。

150614_105056 ひょっとして、と思ってノーマルハンドルポストに戻してみると、10度オフセットしているので、突き出しゼロでもハンドルクランプ位置は猛虎四號より5mmほど前に来る。高さは上になるが、BB軸の地上高を差し引くとほんのわずかに高いだけだ。

150614_105228 いっそ軽量なノーマルポストをそのまま使うのも選択肢かもしれない。問題はクランプ径がフラットバー用の25.4mmで、ハンドルの選択が限られることと、QRレバー留めでは固定力が弱いこと、そして折りたたみが面倒になることだ(工具なしでできるが、QRを分解してハンドルを外す必要がある)。あと、突き出しゼロは見栄えが悪いというのもあるだろう。

 クランプ径は加工してもらって26.0mmにすれば、選択肢が増え、軽量ハンドルも装着できる。QR留めはアーレンキーボルト固定に改造すれば固定力は増すだろうが、折りたたみがさらに面倒になる。

 さてさて、いずれにしても課題がある。取りあえずは長い引き上げボルトを調達して、テレスコピックハンドルポストの固定力を検証しよう。

150614_122524 ポジション検証を終えて、ドロップハンドル装着のためのその他のパーツの準備。ブレーキレバーはSTIだと重くて大きいし、フロントシングルなので、左側のシフター機能は無駄になる。何より高い(^_^;)。

 そこで、以前使用していた3ペア目のシュパーブプロのクリーニングと修理。レバー軸を固定するボルト用のネジ穴がバカになっていたのでワンサイズ大きいネジ用にタップを切り直そうかとも思ったが、そうするとレバー内スプリングの固定が難しい。

 結局、ネジのゆるみ止め剤を塗布して、何とかごまかせないか試してみることにした。大きな力のかかる部分ではないので、なんとかなるだろう(なって欲しい)。

150614_131524 シフターについては、どうせなら10~11速化とか、手持ちのサンツアーパーツで猛虎四號同様の時代錯誤仕様にするとか、色々迷っている。

 取りあえず段数を選ばないフリクションのサンツアー製バーコンのメンテ。友人から以前頂いたものだ。

150614_095722 試用中のテレスコピックタイプシートポストの上部は、社内に転がっていたSAKAE製。シムの関係で26.8mm径なのだが、重いし見栄えも周囲のパーツとそぐわない。しかも、高さの低いサドルの座面に突き当たっている。そこで、猛虎参號時代に使用していた26.8mm径のデュラエースをインストール。

150614_100508 これ自体も1990年代の古いパーツだが、イーストン製焼入れアルミパイプを使用した軽くて高級感のある仕様だ。すでに先端をカットしているが、軽量化を徹底するなら、さらに短くするか? ちょっっとももったいないなあ。

150614_095544 それと、微々たる軽量化だが、後付ボトル台座に装着するボトルケージをカーボン製に交換した。

 充分な予算を掛けられるわけではないが、ノリクラまでに精一杯工夫して見よう。

ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません(自動車会社のF1やワークスマシンみたいなものと思って下さい)。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品として発売する可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。

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