2014ノリクラ参戦記・走行日

2014ノリクラ参戦記・受付日」よりの続き

 枕元でアラームが鳴る。

 身を起こそうとして、頭の重さに気付く。

 ・・・やってしまった。ノリクラ前夜だというのに深酒をして、水分も摂らずに寝入ってしまった。頭痛がする程ではないが、完全に宿酔いだ。

140907_055232 ノリクラ当日の早朝4:00。とにかく水分を摂取して少しでもリカバリーするために、重い身体を起こして起床。気持ち悪くて朝食はロクに喉を通らなかったが、周囲には私よりひどい顔色のメンバーも数人。学生時代の合宿じゃあるまいし、宿酔いでレースに出場なんて褒められたものではない。昨夜楽しかった代償は高く付いた(^_^;)。外からは雨音がしており、その意味でも気分は落ち込む。

140907_055248 幸い、6時前は雨は止んだ。次の雲が乗鞍岳の向こうから迫ってきているので油断はできないが、準備を進めていく。荷物をパッキングし、猛虎四號のタイヤにエアーを注入して、ウェアを羽織り、出走準備完了。今年もタイガース応援旗とスピーカーを装備し、ウェアもタイガースハッピのノリクラ決戦仕様(?)。

 昨年までのスピーカーを子供に壊されてしまったこともあって、ボトルサイズでワイヤレス接続のスピーカーboomBOTTLEを新たに導入した。

140907_061106 少しずつ体調は改善しているが、スタート地点までの4kmちょいの上りが例年になく苦しい。大腿骨骨折から2ヶ月余では体力が回復していないが、それに加えての宿酔いで、決戦仕様の猛虎四號でさえ重い。

140907_062602 雨が予想される展開にDNS(出走断念)や様子見が多いのか、出場者は例年より少なめのようだ。それでもスタート地点は大混雑。預け荷物をバスに放り込んで、集合場所に並ぶ。

 例年より前方に並ぶことができたものの、6:30過ぎにはまた雨が降りだした。革サドルにカバーを被せ、屋根の下に非難した。防水仕様のスピーカーを導入し、iPhoneホルダーも防水仕様にしておいたことが、幸いだった。

140907_064634

 ゴール地点の畳平は気温9度、風速15mの荒天とのことで、「開催について協議中」とのアナウンスが何度も流れた。やきもきはしたが、雨のノリクラの大変さはわかっているので、無理矢理雨の中を走りたいとも思わない。特に下りは非常に苛酷になる。宿酔いもだいぶ醒めては来たが、体調も万全でないし、半分は中止を期待する気持ちもあった。もし、中止となれば昨日たらふく呑んで楽しんだことが、大正解になる(^_^;)。仲間内でも、不安ながらもやけくそ気味にワイワイと盛り上がっている。

 結局、コースを大雪渓まで2kmほど短縮し、スタート時間を30分遅らせるという決定が下された。幸か不幸か、中止にはならなかった(^_^;)。仲間内でも「え~走るのかよ」と、残念そうなつぶやきが漏れる(お前らは何しに乗鞍まで来とるんや)。

140907_072436 開会式が終わるころには雨がまた上がったので、集合地点に戻った。毎年のことながら、カメラマンの取材を受けたりしながら、待機するうちに、facebook友達の森脇さんと再会。お互いの健闘を祈る。

140907_074956 近くにはこちらも毎年お馴染みのAKBスタイル。カメラを向けるとわざわざウィンドブレーカーを脱いでくれた。結構寒い中、申し訳ありません。

 私と同年代の男子E(41~50歳)はエントリー1374名の最大派閥。スタートグループも5つに別れる。一方でMTB女子は15名、ジュニア(10~15歳)は24名。完全におっさんのスポーツになっている。

140907_080914 30分遅れのスケジュールで、スタートは8:13。長い待機で身体が冷えて、ヒザがブルブル震えていたが、ようやくスタートゲート前に移動。

 今年は完走目的なので、気分的には楽、というかゆるみすぎている気が自分でもした。気を引き締めて、スタート前にやるべきことを忘れていないか、チェック。シューズバックルを締め直し、メーター類のセット、走り出しやすいギア比にセット、スピーカー類の準備も完了。よしっ、と思ったが、忘れていたことがひとつあった。

 スタート30秒前からミュージックスタート。六甲おろしの前奏とともに、周囲から失笑が漏れるのは毎年の恒例。湿気の多い中、やや弱々しいスタートの号砲とともに、走りだす。例年より少なめのギャラリーではあるが、「タイガースがんばれ!」「阪神がんばれ!」の声があちこちから寄せられる。

 スタートから間もない地点で道路脇の広場に、ドローン(カメラ搭載のラジコンヘリ)が見えた。そう言えば今年は上空に有人ヘリコプターが飛んでいない。経費節減で今年は無人ヘリなのか? でも、チャンピオンクラスは今頃ゴールしているんじゃ?

 序盤は身体も暖まっていないし、完走を最優先して、様子を見ながら抑え目のペース。と考えてはいたが、走り出してすぐに心拍計が正常に機能しなくなったので、心拍数を目安にはできなくなった。それでも、今年はギリギリまで追い込む必要はないので、体感で抑えめのペースで走り続ける。次第に身体が温まり、宿酔いもほぼ抜けたようで、そこそこ身体が動き出した。例年とは比べるべくもないが、骨折痕が痛み出すこともなく、順調に走り続けられた。

 周囲は霧で見通しが悪く、路面はまだほとんど濡れているが、立ち漕ぎしても後輪がパワースリップすることはない。19Cの極細サイズに12気圧の高圧ながら、TUFO S3 LITEのグリップ力は素晴らしい。空気圧を下げるか迷っていたが、下げ過ぎが怖くて処置しなかったことが幸いした。

 身体が動き出したので、少しペースを上げていき、例年ほどでないにせよ、低いギア比を活かしてカーブのインコースをショートカットする走法もできるようになってきた。ところが、息が荒くなってくるとわき腹にイヤな気配が生じてきた。・・・忘れていたことを、思い出した。毎年のようにわき腹痛に悩まされていたので、スタート前にストレッチを入念にしておくべきだったのだ。ペースもうかつに上げるべきではなかった。

 走りながらマッサージをし、ペースを少し落としてやり過ごそうとするが、時すでに遅し。一度痛みが生じれば、しばらくはペースがガタ落ちになる。負荷を減らしていると痛みが少し収まってくるので、再びペースを上げていくが、また痛みがぶり返すのでペースを下げる。こんなことを3回繰り返して、ようやく痛みは落ち着いた。

 そうこうする間にも、「タイガースがんばれ!」「今年も来ましたね」「元気出るわ」と、多くの参加者から声を掛けて頂いた。そして、「報道」の札をつけたワゴン車から、テレビカメラを向けられた。カメラを向けるだけでなく、女性レポーターからマイクを向けられ、走りながらインタビュー。「今流れているのは何という曲ですか?」「阪神タイガースの応援歌『六甲颪』です」「この曲を流すことでどうなるんですか?」「パワーが3倍になります」といったやりとり。例年のように、ぎりぎりまで追い込んだ走りをしていたら、とてもこんな受け答えはできない。完走優先でペースを抑えているのが、ある意味幸い? 別の報道車からもカメラを向けられたので、今年はNHK BSでも放映されるという乗鞍特番が楽しみだ。

140907_091144 今年はタイム更新を諦め、軽量化より完走を再重視して、パンク修理剤も携行した。例年は携行しないカメラもウエストポーチに収め、時々撮影しながら走った。直前に祈祷してもらった成田山のお守りも携行。

140907_092038 前半は霧の中だったが、CP2の位ヶ原山荘が近づくと、上方に青空が見えてきた。写真映えのする風景に、撮影枚数が増える。

 位ヶ原山荘前では、前方には乗鞍岳の雄姿が姿を現した。ここで、すでに下山を始めた先スタートしたグループとすれ違った。

140907_092058 そして、その中から私を呼ぶ声がした。アートサイクルティーエーズさんのチーム(team SONIC)のWさんだ。

 Wさんはヒルクライム大台ケ原を連覇し、富士ヒルでは年代別クラス優勝(総合2位)のタイム。他のヒルクライムイベントでも表彰台の常連だ。私の主催したヒルクライム入門イベントを手伝って頂いたこともあり、上位入賞は間違いないと注目させていただいていた。結果として、今回はチャンピオンクラス15位という成績でいらしたようだが、三連覇のかかるヒルクライム大台ケ原の前週でもあり、ノリクラは調整レースだったのかもしれない。一瞬のすれ違いだったが、ノリクラでお会いできて光栄だった。

140907_093404 森林限界を越えると風景が開け、眼前に大きく乗鞍岳が立ちはだかる。傾斜は少しゆるくなるのだが、この辺りまでくると酸素が薄く非常に苦しい。それでも周囲の参加者とともに、ゴールを目指し上り続ける。

 今回は約1kmのコース短縮で、大雪渓付近がゴールになる。毎度のことながら、あとわずかな距離が遠く、スパートを掛けるどころではない。次第にギャラリーが増え、下山の参加者からも次々応援の声がかかる。やがて、前方にゴールが見えてきた。

140907_094308 折しも搭載したスピーカーからは、坂克彦選手の応援歌が「坂~飛ばせ~坂カツヒコ」流れていた。「坂で勝つ」とはある意味ヒルクライムにはぴったりだが、ゴールはやはり六甲颪でしょ。iPhoneをゴニョゴニョ操作しているうちにもゴールが近づき、結局は前奏が流れる中途半端な状態でゴール。選曲操作でバタバタして、サイコンやiPhoneアプリを止めるのも、しばらく忘れていた。

 最後はちょっとごちゃごちゃしたが、ゴールしてしばらくして止めたタイムは1時間28分台。まあ、大腿骨骨折から2ヶ月ちょいでこれなら上出来だろう。幸いなことに、最後まで骨折痕が痛むようなことはなかった。

140907_094710  ゴールの先に駐めてあるバスまで、預け荷物を取りに行く間にも色んな方に、次々と声を掛けて頂く。まずはfacebook友達のT田さん。大和川サイクリング倶楽部のイベントでご一緒したことがある。

140907_095248 続いて、毎年お会いするBicycle Land Sakataniチームの河合さんにも声を掛けていただいた。今年は男子Dクラス6位入賞。

140907_100540 そしてサイクルセンター吉岡副店長の吉岡しのぶさん。こちらはMTB女子3位! 仕事でいつもお世話になっています。

 その他、何人もの方に声を掛けていただき、一緒に撮影をしたりで荷物を受け取るまでに結構時間が掛かった。幸い、晴れて気温も上がり、スタート地点より暖かいくらい。例年ほど汗をかいていないこともあるのか、寒さは感じなかった。

140907_101342 待機するスペースのある駐車場まで戻ると、数人の仲間がいた。ようやく落ち着いてゴール記念撮影。くっきりした稜線、そして青空と白い雲のコントラストは最高の景色。どこを撮っても絵になる。

 スタート前には「上は寒いだろうから、待たずにそれぞれ下ろう」と話をしていたが、雨は上がった。こんなきれいな景色を共有しないのはもったいないので、できるだけ仲間を待つことにした。

 やがて、仲間が次々とゴールしてきた。上るのは苦しくても、ゴールすれば、皆いい笑顔だ。今年のようないい景色を拝むと、また来年も着たいと思ってしまう。

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140907_105604 集合しきれなかったメンバーもいたが、大方揃った所で集合写真。後は大雪渓。コース短縮にはなったが、毎年下山途中に止まって撮影する場所だけあって、大雪渓をバックにした景色は素晴らしい。

 11時ごろになると、まもなくゴールを締め切るので下山するよう促された。スタート時間は30分遅れだったが、タイムアウトの時間は変わらないらしい。まだゴールしていないメンバーもいたが、健闘を祈りつつ下り始めることにした。

140907_110456 ゴール地点には、毎度おなじみの悪魔おじさん(日本版)が、まだ頑張っていた。ゴール前でコースに入って参加者を槍で刺して(励まして)いるのに、スタッフも止めない。すっかり大会公認キャラ(^_^;)。再会を喜び、「キクミミさんが同じ日に開催のThe Peaksに行っちゃったのが、残念ですね~」などとしばし歓談。キクミミさんは、初音ミクのコスプレをしてママチャリでロードバイクをブチ抜きまくる有名人だ。

140907_110840 下りは事故防止のために、先導者に従って集団でゆっくり下山する。まだ競技が続いているので、邪魔にならないように時々止まって調整。悪魔おじさんと歓談している間に先に行った仲間が、カーブの下方に見えた。

140907_111636 少し下ったところで目にゴミが入ったので、一時停止。振り返ると乗鞍岳がガスに隠れようとしている。

 途中で、まだ競技を続けているメンバーとすれ違ったが、回収車が後ろに迫っていた。何とかタイムアウトの11:30までにはゴールできそうなペースだったが、例年よりタイムアウトまでの時間が30分短いので、最終スタートのMTBグループの参加者には厳しかっただろう。回収車に乗っている参加者も、例年より多かった。

140907_113950 上りよりはるかに早いペースとはいえ、標高差約1400mを下るのは時間がかかる。特に私は事故から間もないこともあり、下りに恐怖心がある。緊張で身体がギクシャクするし、左ヒザは骨折の影響でまだ大きく開かないので、左カーブでバランスが取りづらい。

 かなりくたくたになって、CP1近くまで下ってきた。途中でガスったりしたが、天気は概ね回復してきたようだ。

140907_120400 さらに下って、ようやくスタート地点まで帰ってきた。時刻は12時過ぎ。結局、今年は下るのに約1時間もかかった。すっかり青空で、朝の寒さがウソのよう。

140907_120528 スタート地点では疲れた身体にありがたい、りんごのサービス。今年はスイカではなかった。開催が一週間ずれて9月第一週になったが、こんなところからも晩夏というより初秋を感じる。

 正確には昨年から9月第一週開催だったが、昨年は走行日が9/1だったので子供は夏休み中だった。私の娘が出場しなかったのは、この日程の変化も一因だ。

140907_120632 完走証を受け取り、公認タイムを確認すると1:27:05とのこと。1km短縮分を換算すると、フルコースなら1:31:05ということになる。猛虎四號は、いまだフルコースのゴール、畳平を見ていない。来年こそは、猛虎四號でフルコースのタイム更新を果たしたいものだ。

140907_121146 今回、完走重視で携行したのが勤務先の新商品。瞬間パンク修理剤「リパラ75」だ。

 決戦ホイールはチューブラなので、予備タイヤとポンプ(もしくはCO2インフレーター)を携行するとさすがに大荷物。リパラ75なら、ある程度の空気も入るのでポンプは携行しなかった。自転車装着用アタッチメントを合わせても、わずか100g程度でパンクへの備えができる。実際に使用することはなかったが、安心して走ることができた。

140907_122054 宿へ戻る道で気づいたが、すすきの穂が伸びてすっかり秋の風情。緊張が溶けてようやく周囲を見渡す余裕ができた。

140907_134900 毎年のごとく、お風呂と昼食を頂いて、最後に同宿の皆で記念撮影。また、来年もご一緒しましょう。

 帰路も交通渋滞はほぼなく、20:30には帰宅できた。開催週がずれたことは良いことも悪いこともあるが、行き帰りが楽なことは確かだ。

※本ブログ、及び下記のフォトアルバム(フォト蔵)に掲載の画像に差し障りがありましたら、ご遠慮なくお知らせください。速やかに対処します。

 

■コースマップ

・ルートラボ http://yahoo.jp/DrAoFu

 

■本日の走行記録(自転車)

Cyclemeterの記録
 スタート    : 2014/09/07 8:13:16
 完了    : 2014/09/07 9:42:04
 バイクタイム    : 1:28:21
 停止時間    : 0:00:00
 距離    : 18.81 km
 平均スピード    : 時速 12.78 km
 獲得標高    : 1162 メートル (ルートラボは1193mを記録)
 カロリー    : 725 kcal
 今月の累計走行距離    :  23 km
 今年の累計走行距離    :4213 km

POLAR CS200CADの記録
 走行距離    : 18.3 km
 消費カロリー    :—- kcal
 計測時間    :1:27:57
 平均心拍数    :—
 最大心拍数    :—
 平均速度    :12.4 km/h
 平均ケイデンス    :73
 最大ケイデンス    :101
 心拍数ターゲットゾーン    :130-152 
 ターゲットゾーン以下時間    :-:–:–
 ターゲットゾーン内時間    :-:–:–
 ターゲットゾーン以上時間    :-:–:–
 走行時間    :1:27:56
 累計走行距離    :10214km(2010年12月10日より)

 

■本日のフォトアルバム

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