病室にて(06/30)
[この記事は日時を遡って掲載しています(実掲載2014/07/08・修正07/15)]
今日はようやく手術日。朝から絶食絶水で、まずは手術に先立って、骨折部位が変化していないか、機材を持ち込んで病室でレントゲン撮影。結果、骨折部位が動いている様子もないので、予定通り手術を行うことになった。「手術までは動かすな」と指示されていたが、今にして思えば、骨折箇所を動かすのは相当に痛い。動かそうとしても動けないのだから、過度に気を使う必要もなかったのかもしれない。
状況がはっきりせず、私も余裕のなかったので、保証人になってもらわなければならない両親以外に事故を伝えるのを避けていたが、工具を借りている近所の友人には一報をいれておいた。来てもらうもりはなかったが、手術前に慌てて駆けつけてくれた。
友人と話しているうちにお呼びがかかり、14時ごろ移動開始。友人やヨメさん、両親の見守る中、手術室に入った。
いわゆる「手術」は初めての体験。手術室に入るのも初めてだったが、宇宙船の中のように最新の機器があちこちに配置されている。体に掛けられるタオルが温められていたり、心遣いは行き届いているが、やっぱり緊張する。
まずは下半身麻酔のために腰椎に注射をする。麻酔の効きを確かめるために冷たい金属を肌に当てられるのだが、なかなか感覚がなくならない。私は麻酔が効きにくいことを歯医者などでも経験していたので、麻酔医に「えっ、まだ冷たいの感じる?」と言われると、効きが中途半端なまま手術にならないか不安になる(^_^;)。
本格的な処置に入る前に、皮膚の消毒を始まったが、腰の擦過傷にしみることを伝えると、「痛いんですか!」と意外そうな声。結局、腿に局所麻酔を追加で打ったが、不安はさらにつのる。
続いて、足に強い力を掛けてこられたのは、骨折でずれた箇所の整復を試みておられたのだろうか? 幸い、痛みは感じない。「う〜ん」という不満足げな声や、「いいよ、このままいこう」という声から、『ずれたままで固定するということか?』と、不安を感じたが、レントゲンで見ても素人にはずれがわからないくらいわずかだったし、どうせ「ある程度は接合箇所が沈んでくる」と聞いていたので、少々のずれにこだわらなくてよいということだろうか?
足をしっかり固定し、リアルタイムで骨の位置がわかる画像を見ながら、ボルトを通す位置や角度を決めておられる様子。そして、いよいよ本格的な処置に入る。直接見えないのだが、事前に聞いた話ではチタンボルトをねじ込むために、股を2cm×2箇所切り開くと聞いていた。想像だがメスで切り開くような感触が伝わり、続いて、ハンマーでタガネでも打つような振動、さらには電気ドリルでボルトをねじ込むような音が響き渡る。
芯まで麻酔が効いてなかったらどうしよう、とドキドキしていたが、幸い痛みを感じることはなかった。最後に傷口を縫い合わせて、消毒などの処置をして、終了。前後の処置を合わせても1時間もかからず、無事に終了した。麻酔の効き以外は大きな問題はなかったようだ。
ホッとしたところで、手術スタッフがちょっとざわざわした。「これは?」「ああ、ロードバイクやってはるから」といった声が飛び交った後に、「すごいですね」と、話しかけてこられた。どうやら、心拍数が40台まで落ちたので、ちょっと心配したらしい。自転車に乗っているので、安静時の心拍数が低いのだが、逆に言うと手術でムッチャ緊張してたのが、丸わかりで恥ずかしい。
病室に戻ったが、下半身が全く動かない状態が夜まで続いた。麻酔が切れても、今度は手術跡がジクジクと痛む。絶食が解除されたのは面会時間も消灯時間も過ぎた21時過ぎ。点滴で栄養を補給しているとは言え、お腹はペコペコ。27時間ぶりの食べ物は、ヨメさんが置いていってくれたコンビニのおにぎり。今日は身を起こしてはいけないし、暗い病室で寝たまま一人で食べるのはちょっと侘しい。
まあ、明日からは車イスで動けるし、早速リハビリも始まる。寝たきりの生活が今日で終わりと思えば、気も楽だ。
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