手仕事を 日暮れが急かす 冬の口 [新通勤車組立て・その6]
手を掛けて 苦労を背負う 趣味の道 [新通勤車組立て・その5]からの続き
午前中に息子の野球の応援ポタリングを終えて、午後は自転車いじり。現在通勤車に装着しているホイールは、元々猛虎四號で使用していた軽量ホイールなのだが、後輪からキチキチという異音がするので猛虎四號から外して、遠出に使用するのを止めている。リムのハトメが一箇所割れて分離しており、異音の原因は恐らくそれ。ぶつけた凹み等もあり、長く使うのはいずれにしても危険。
ホイールを丸ごと組み直すことを考えていたが、短期的に金銭的な余裕がなく、当座しのぎに傷んでいる後輪リムだけを交換することにした。ネットオークションで1本だけ入手したのが、このアラヤCTL-370。現在使用しているCTL-385より、さらに15g軽い370gのカタログ値を誇る往年の超軽量アルミリムだ。
入手したCTL-370は中古品で、ラベルも剥がれかかっていて、キズもあちこちに付いている。一方でブレーキ当たり面のアルマイトはほとんど剥がれておらず、雨中走行はほとんどしていないようだ。
実測重量は380g。完組ホイール全盛の現在、単体のアルミリムでこれほど軽いものはKINLIN XR-200とそのOEM品くらいだろう(380~383g)。入手性が良くないのが難だが、将来的にはXR-200で新ホイールを組むことも候補のひとつ。
傷んでいるのは後輪だが、後輪の方に軽いリムを使用するのはバランスが悪い。面倒だが、(たぶん問題のない)前輪のCTL-385を後輪に移し、CTL-370を前輪に使用することにする。幸い、ERDは同じ609mmのようなので、スポークはそのまま流用できるはず。
まずは前輪からリム交換作業に入る。バラす前に現行の前輪の重量を計測してみると、QRなしで695g。
前輪スポークはやや短めだったようで、ニップルの底から少し奥に引っ込んでいる。ベストの長さではないが、実用上問題ないだろう。
ニップルをゆるめてスポークを外していくのだが、バラす前にスポークテンションを計測するのを忘れていた。せっかくテンションゲージを借りてきたのに、失敗した。今まで手の感覚でテンションを判断していたが、たまにしかホールを組まない私の感覚は全く当てにならない。客観的な数値を残して比較しようと思っていたのだ。
全てのスポークを外し、めったにないこの機にスポーク(星)もハブ(サンツアーSLマイクロライト)もよく拭いておく。ベアリングはカートリッジタイプなので、グリスアップまではしない(できない)。
CTL-385(上)とCTL-370(下)を比較してみる。仕上げが同色のアルマイトで、パッと見は両ハトメか片ハトメかの差だけじゃないのかとも思えた。が、よく見ると370は内側に段がある。外側の形状も370はやや丸みを帯びているようだ。
バラしたCTL-385の実測重量は390g。後輪リムは未計測だが、個体差がないと仮定すると10gの軽量化につながる(笑)。わずかとは言え、ホイール外周部の軽量化は通常の3倍の効果があると言われているので、30g相当ということで・・・いずれにしても体感はできまい(-_-;)。
ついでにSLマイクロライトのハブも重量計測。結果はQRなしで、ちょうど100g。軽合金製中空シャフトやカートリッジベアリングの採用で、1990年代前半の製品としては非常に優秀な数値。最新の9000番台デュラエースよりも20g軽いのだ。いつか破断するだろうと思っていた軽合シャフトも、約20年間問題なく使用できている。
ニップルスターター「Mojohand」でCTL-370で前輪を組み始める。リム以外のハブ、リム、ニップルは基本的にそのまま流用。傷みが疑われるニップルはいくつか交換した。軽合ニップル(DT)なので、本当は全取替が望ましいのだろうが、私の経験ではスポークが破断することはあっても、軽合ニップルが「走行中に」破損したことはない(ホイール組みや振れ取りの際に「角をナメてしまう」ことはある)。意外と丈夫だし、当座しのぎなので出費は最小限に。
片側を組み上げたところで気がついたが、組換前とスポーク穴がひとつずれている。組換前はタイヤバルブを下にした時にハブのラベルが上を向くように、というセッティングだったのだ。もっとも走行性能には何ら影響が無いので、今回は組み直しまではせず、そのまま続行。
スポークのねじ山やニップルの肩(リムへの当たり面)にはグリスを塗布しながら組み上げていく。理想を言えばスポークプレップを使いたいところだが、滅多に使わない割に高いので手が出ない。まあ、使ったことがないので、知らぬが仏。グリスでもさほど不都合を感じてはいない。
仮組みを終えて、振れ取り台にセット。さてテンションを上げていこうかというところで、参考に後輪のスポークテンションを計測してみた。近所の友人から借りたテンションゲージの出番だ。何本か計測してみると、後輪左側はゲージ上の目盛りで16~19程度。#15プレーンスポークなので、添付の換算表によると59~80kgfとのこと。でもネット上の換算表だと64~85kgfと、同じパークツールのTM-1用なのにちょっと数値が違う・・・なぜ?。取り敢えず、添付の表の数値を記載していく。
後輪右側は目盛りで22~24(=111~138kgf)。この数字が適正なのかどうか、今の私にはさっぱりわからない。
参考数値を頭に入れ、前輪のニップルを締め込んで、テンションを上げていく。締め込みながら、何度かスポークに体重を乗せて握りこみ、ねじれを取っていく。
超軽量リムの中古品なので心配していたが、縦横共に振れは小さく、修正も容易。比較的簡単に組み上がった。
過去はテンションを上げすぎて、使用するうちにリムが割れたこともある。超軽量リムだし闇雲にテンションを上げるのは怖いので、ひとまずは少し余裕を持たせて締め込みを終了(手の感覚でだが)。テンションゲージで計測すると、概ね21~24(99~138kgf)程度。これでも振れ取り台のガイドをよく見ると、リムが左右のスポーク引っ張られて、交互に波打っているのがわかる。ここからさらにテンションを上げるかどうかは、もうちょっと勉強して、実走してから判断しよう。
前輪の組み換えが完了したので、重量測定。リムのみ交換で10g差だから685g・・・のはずが、実測値は675g。想定より10g軽い(^_^;)。表示が5g単位なので、最大5gの誤差は起きうる。2つ測れば最大で10gの表示差が出ることも無いとはいえないが・・・。
今日は後輪を組み替える時間の余裕はなさそう。取り敢えず自転車に戻す必要があるが、外した通勤車ではなく、猛虎四號にセットすることにした。一時的に前後不釣り合いになるが、どうせ最終的には猛虎四號に戻るホイールだ。タイヤ交換やブレーキ調整の手間を少なくしたい。
ナロータイヤを重量ホイール(MA40+シュパーブプロ)から外して、組み直した軽量ホイールに装着。猛虎四號にセットして、(リム幅が異なるので)ブレーキクリアランスの調整。
重量ホイールには28Cタイヤを装着し、通勤車にセット。同じくブレーキクリアランス調整。これにて本日の作業終了。日が落ちるのが早い季節とはいえ、気が付くと外は真っ暗。片輪の組み換えに半日かかってしまった。
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