手を掛けて 苦労を背負う 趣味の道 [新通勤車組立て・その5]
気紛れな 時雨吹き込む 扉閉じ [新通勤車組立て・その4]からの続き
本日も新通勤車の組立作業。近所の友人がCN-HG91に対応するコンクティングピンを持っていたので、朝イチに分けてもらった。 お陰で、買い物に出ずに作業を継続できた。
早速、チェーン長をチェックしてみたが、予想通りやや長い。パーツ構成が変わらずに猛虎参號よりリアセンターが短いので、当然といえば当然。シュパーブプロのリアディレイラーは、フルトップで本体側(プラ部品上)にある2つの突起の間に、プーリーケージの丸印が収まるチェーン長が適正。
チェーンを最小単位の2コマ詰める。懐かしのUGチェーン用のチェーン切りだが、8S用までなら特に支障はない。細かいことを言えば、新品のチェーンならこっち側の端を切るのはNG。ピンを抜いたアウタープレートはかしめる力が弱くなっているので、できるだけインナープレートが残るように切断したほうが良い。もっとも、一度装着したチェーンは、アウタープレートの再使用は避けられないので、まあいいかというところ。
短くしたチェーンをコネクティングピンで接続。この時に、アウタープレートが車体の前側に来るように繋ぐのが良いそうだ(ギアの下側で繋ぐ場合)。こちらは再装着チェーンでも意味がある。8S用程度ではさほど気にしなくても良いかもしれないが、薄型の10~11Sチェーンでは気をつけた方が良いだろう。
なんて偉そうなことを書いているが、このあたりはのむラボさんの受け売り。
チェーンを再接続して、リアディレイラーのインジケーターを見ると適正範囲に収まっていた。
チェーンが装着できたので、ようやく変速周りの調整に入れる。前後ディレーラーのハイ・ロー調整や、ワイヤーの張りを調整して、本固定。末端は念のため少し長めに残して熱収縮チューブでほつれ留め処理。
これで、ひとまず走行可能になった。近所を軽く走ってみたが、変速は特に問題なく良好。
ブレーキも大きな問題はない。直付台座でない往年のセンタープルブレーキなので、剛性感はやはり乏しいものの、たわみの少ないアウターワイヤーのお陰で、かなり改善しているように思える。それと、フロントの効きが少し物足りない。なぜかリアはよく効くので、シューの当たりを調整してみた。少しは改善したが、リアほどには効かないまま。いずれ、シューを高性能のものと交換したいと思っている。
ハンドル等のポジションは、思ったより違和感がない。しばらく乗り込んでみないと断定はできないが、ステム交換などの大きな変更はせずに済むかもしれない。
変速周りの調整が済んだので、チェーンウォーッチャーも装着。
続いてはバーテープ巻き。まずはシフトワイヤーをハンドルバーに沿わせて、プラスチックテープで固定していく。適度の剛性感があり、長年巻いていてもべたつくことのないプラスチックテープは使い勝手が良いが、難点は高価なこと。以前、STRAIGHTのハーネステープが安くて良いと教えてもらったので探しているのだが、近所のホームセンターなどでは売っていない。通販だと送料がかかるので、少量だとプラスチックテープより高くついてしまうし、いきなりまとめ買いもためらわれる。価格が安ければ、画像のようなスポット留めでなく、隙間なく巻いて下地として使うこともできるのだろうが。
ポジションが確定するまでは新品を使うのはもったいないので、バーテープも猛虎参號の再利用品。コマンドシフターを装着したハンドルへのバーテープ巻きは、猛虎四號に続く二回目。ワイヤーを無理に押さえつけるとシフティングが重くなるし、浮かせると見栄えが悪い。
ともあれ、ポジション調整のために剥がす可能性もあるので、ある程度いい加減に巻いて、バーテープ巻き終了。
左バーエンドにはキャップを被せ、右エンドには自社商品のBIKE’N ROLL バーエンドミラーを装着。大きすぎず小さすぎず、ミラーの制度がよく見やすいので気に入っている。
これで走るための最小限の装備は完了。次は何にかかろうかと思ったが、マッドガードを付けてからでは面倒そうな、スタンドの装着を先にすることにした。猛虎参號で使用していた自社商品のセンタースタンドESGE オプティマを取り出す。
車体をひっくり返し、チェーンステイ基部に装着しようとしたが、猛虎参號に比べてリアセンターが短いために、余裕が少ない。スタンド自体は装着できそうだったが、留めボルトがチェーンステイブリッジの貫通穴に食い込む状態。かといって、装着位置を前にずらすとラグの段差やシフトワイヤーが干渉する。これではマッドガードとの併用が簡単にいかない。チェーンステイブリッジの穴が隠し留めなら良かったのだが・・・。
悩んだが、とりあえずは走る時に役立つマッドガードを優先して装着することにした。スタンドについてはあとで考えよう。
マッドガードは20年近く前のESGE製。当てがってみるとチェーンステイの間にすっぽり収まるが、これはアルミの芯をプラスチックでサンドイッチした柔軟な構造だから。画像でもチェーンステイに挟まれた部分が狭くなっていることがわかるだろう。これでは28Cタイヤを装着するとクリアランスが厳しい。
このフレームはラージサイズブレーキ用で、太めのタイヤやマッドガードの使用を想定してツブし加工を施しているのだろう。ところが、残念ながら位置が後ろすぎて、28Cタイヤの最太部はほとんどツブしのない位置に来る。これでは全く意味が無い(^_^;)。
クリアランスをかせぐために、マッドガードの先端をシェイプすることにした。ニッパーとヤスリで簡単に整形できたのは幸い。
なるべくチェーンステイとのすき間がなくなるようにカーブを付け、当てがってみる。いい加減なフリーハンド作業だが、目立たないところだし、これでいいでしょう。
貫通穴の位置に穴を開け、元から空いていた穴はプラスチックテープで塞いだ。
ぎりぎりの長さのボルトを用い、薄手のナットで装着したが、ナットの当たり面を平らにする軽合金パーツもあるのでチェーンステイブリッジの前側にかなり突き出す。このままでは、やはりセンタースタンドの装着は難しい。何か方法を考えねば。
シートステイブリッジ部分は、ブレーキシャフトに吊り金具で装着。こちらは切った張ったの加工する必要もなく、ナットで留めるだけ。ナットの二段重ねは不細工なので、用途を通勤だけに絞るならナット一つで共締めした方がよいが、太いタイヤを装着できる自転車はこれだけだし、走行性能次第では輪行や車で遠出ということもあり得る。そんな時にはブレーキの位置をずらさない二段重ねナットの方が使い勝手が良い。
ロードエンドなのでダボ穴の相対位置がずれるのか、猛虎参號で使用していたままの設定だとマッドガード後部のクリアランスが広くなりすぎ。しかし、松葉ステーなので調整は簡単。
これで、リアマッドガードの装着完了。ステーの余りがかなり突き出しているので、いずれカットしよう。
フロントマッドガードも一応二段重ねナットでフォーククラウン後部のブレーキシャフトに装着。
フロントはクリアランスの微調整のみで、全く加工なしで装着できた。ステーの付き出しも大きな変化なし。
前後マッドガードを装着すると、自転車のイメージががらっと変わる。一応はロードレーサー(ロードバイク)フレームなのだが、太めのタイヤなどのパーツ構成もあって、もはやその面影はない。センタープルブレーキを採用しているし、後はフロントキャリアがあればスポルティーフと名乗ってもよいのかもしれないがその予定はない。猛虎四號ともども、私の自転車は既成の車種に当てはまりにくい。
マッドガードという難物を片付け、その後は一気に作業が進む。仮付していたサドルとペダルを外し、猛虎参号で使用していたブルプロのサドルとXC-PROペダルに交換。
これらは猛虎参號から間に合わせの通勤車(小径車)に移していたが、明日から通勤に使用できるメドが付いたので、入れ換えた。
さらに、ライト類、ボトルケージ、ポンプ、ベルも装着。予備チューブや携帯ツールを収めたツール缶もボトルケージにセットした。ただ、このフレームはボトル台座が1つしかないので、ツール缶で塞いでしまうと不自由。サドルバッグにするか、後付け台座を装着するなどの対策を考えよう。
これで、ひとまずは通勤に使用できる状態になった。さっそく10kmほど走って見たが、幸いなことに乗り心地は結構良い。厚いパイプの重量級フレームだが、今はCTL-380を使用した軽量ホイールを仮装着していることや、スタンドも未装着なので、持った感じもさほど重くなく、走行感もキビキビして意外に軽い。この辺の優位点はいずれなくなってしまうが、ホイールベースが短いなど、スケルトンがレーシーなこともあるかもしれない。
もちろん、カーボンバイクなどには到底及ばないだろうし、同じクロモリの猛虎四號と比較しても鈍重で、乗り心地も劣る。とは言え、間に合わせで使用していたアルミフレームの小径車と比較すると、かなり改善。体に堪えるゴツゴツした突き上げがなく、マイルド。これは、太めの28Cタイヤを装着していることも理由だろう。
それでいて、立ち漕ぎや、下ハンでのダッシュもしやすい。やっぱりダブルダイヤモンドの700Cバイクは挙動が自然。前述の前ブレーキの効きや、ハンドリングがクイックでないなど、違和感が無い訳では無いが、通勤用には充分。1万円で入手したフレームにしては上出来だ。
取りあえず使えるようにしたが、まだ課題は残っている。最大の問題はホイール。今装着しているのは猛虎四號用の軽量ホイールで、問題があるから使用を止めたものだ。リムのハトメが一箇所割れており、そのせいかは定かでないが走行中にキチキチという異音がする。本来、通勤用の重量ホイールは、現在猛虎四號で使用中。長期間の使用は不安なので、早いところ代わりの軽量ホイールを組んで、通勤用ホイールをこちらに戻したい。とは言え、予算がないけど軽くしたいことや、他のパーツと整合性の問題で、まだ方針が決められずにいる。
スタンドをどうするかも大きな課題。リアキックスタンドを使えば簡単に解決するが、費用もかかるし、できれば走行性能に影響が少ないセンタースタンドを使いたい。パッと思いつくのはスタンドの取り付けパーツを削ることや、チェーンステイブリッジの貫通穴にナット付きリベットをカシメて隠し留め(風)に加工することなど。いれにしても、リスクを伴い手間のかかる作業。
他には、手元変速化でよりシビアになったハンドル周りの小物をどう配置するかも課題。取りあえず、ライトとスマホルダーを装着し、サイクルコンピューターは後回し。ハンドルポジションを確定したら、ワイヤー長の再調整も必要。ハンドルを切ると、リアのブレーキワイヤーがヘッドナットに当たるのも問題。今はステムからタイラップでワイヤーを吊っているが、見栄えのよい対策はないか? そこだけ黄色で不自然なトゥクリップも、交換しなければ。
余談だが、今回は580mmというかなり大きいフレームサイズを選択した。さほど前傾姿勢が深くない私の場合、既製のホリゾンタルフレームでは、このくらいのサイズがステムが上方に突き出さず格好が良い。では、なぜフルオーダーの猛虎参號(550mm)や猛虎四號(560mm)で、わざわざ小さめのフレームサイズにしたのか? それは、軽量化や輪行袋に収まりやすいように、という理由もあるが、最大の理由はヒザが当たるからだ。
私は骨格の問題で内股気味のペダリングなので、油断するとトップチューブにヒザが当たる。それを少しでも回避するために小さめのフレームサイズ(シートチューブ長)にしているのだが、既成品だとトップチューブ長など、他のサイズも小さくなってしまう。そこで、オーダーフレームでシートチューブ長を短くしながら、他のサイズは体型に合わせて長めにし、ハイコラム仕様にしてポジションを確保していた。ただ、これは正直格好悪い。
今回は既製品だし、通勤用ということで、アップライトポジションとスタイルを重視した選択をしてみた。結果としては、やっぱりヒザは当たりやすい。若干気を使いながらペダリングをする必要があるので、ヒルクライムレースなどには向かない。まあ、そんな用途に使うこともないだろうが(^_^;)。
もっとも、スローピングフレームで前上がりステムという最近の自転車なら、全然問題はない。ホリゾンタルにこだわって不自由を抱え込んでいるが、実は解決法はとっくにわかっている。今回の表題は俳句ではなく、季語無しで自分の気持を詠んだ川柳。
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