旧き友 逝かしたくなし 秋立つ日 [猛虎参號にクラック]
昨日、ヨメさんが階段で転び、足首を痛めたりで車の運転が難しくなった。仕方ないので、今日はノリクラ直前水曜朝トレを中止して、子供を予約していた病院に連れて行った。
間の悪いことが続いていたが、本当の悲劇はその後に待っていた。第一線を退き、通勤に使用している前主力機「猛虎参號」だが、このところBB周りのきしみ音に悩まされていた。色々調整したりでそちらに気が取られていたが、先週辺りからヘッド周りからもきしみ音がすることに気付いた。
たぶんステム周りからの音だろうから、BBの問題が片付いたらグリス塗り直して再セットだな、と思っていたのだが、今日勤務先で何気なく猛虎参號を見ると、ダウンチューブのヘッド近くに違和感が・・・。
ん~、なんか付いてる? と思ったら、パイプが割れてる・・・(@_@;)。
すでにクラックはパイプの半ばに達し、左側はめくれ上がるような状態になっていた。
ヒエ~。しばし茫然自失・・・。そう言えば、きしみ音と同時にフロントが妙にぐにゃぐにゃする感覚があった。
そりゃあね、作ってから22年近く経つし、いつこんなことになっても不思議じゃないとは思ってましたよ。だから猛虎四號を作ったんだし。でも、再塗装して半年ちょっと。いろいろ新しいパーツも入手して、さんざん手間と費用をかけ、前の通勤用MTBを手放した途端にこれですかい。
まあでも、考えようによっては四號が完成した後で良かった。もし四號をまだ作っておらず、ノリクラ本番の迫るこの時期にこんなことになっていたら、どうしようもない。完全に破断する前に気付いたのも幸い。高速走行中に完全に破断したら大事故にもなりかねなかっただろう。
とは言え、通勤用自転車は必要だ。これからどうするか、ぱっと思いついたのは3案。
- ダウンチューブを交換して猛虎参號を再生させる
- 代わりの完成車かフレームを入手する
- 死蔵している小径車を活用する
1案なら、思い入れのあるフレームとパーツを活かせる。破損した部分だけ交換できるのはクロモリフレームの強みだが、22年経過したフレームは他も経年劣化と金属疲労が蓄積しているだろし、剛性も落ちているように感じる。費用をかけてパイプ交換と再塗装をした挙句、すぐに他が破損したら悲劇だ。
2案は完成車にせよフレームにせよ、新調すれば相応の費用が必要。安物は不満が残るだろうし、猛虎四號を作ったばかりの今の時期に、多額の出費も難しい。今のパーツを活かせる中古のスチールフレームを、ネットオークション等で探す方法も考えられるが、かなり特殊な仕様の猛虎参號のパーツをそのまま活かせるフレームは、既成品では存在しないだろう。
3案は、商品撮影用に勤務先に置きっぱなしにしている小径車KHS F20-AS(2005年型)を活用すること。とりあえずはすぐにでも使える。ただ、折りたたみ部のガタやフレームの剛性不足が気になって、あまり乗らない状態になっていた。恒常的に使用するなら多少手を入れないと使いづらいし、走行性能は正直言って不満足。長距離走行や荒れた路面に弱いので、猛虎参號の代わりになる使い方は難しい。
いずれにしても、一長一短で、まったく悩ましい。できることなら猛虎参號を復活させたいのだが、22年走り倒したフレームはすでに寿命と考えるのが普通だろう。修復が妥当なのか、知識と経験のある方の助言を仰ぎ、お財布と相談して、最終結論を出すつもりだ。
クラックの入ったフレームで走るわけにはいかないので、今日はさっそく小径車で帰宅。こいつをドロップハンドル化して、サンツアーパーツで組み直すなんてことも、頭をよぎるのだが・・・。
と、ここまで、経年劣化による破損を前提に話を進めてきたが、実は真の原因は他にあるのではないかという気もしている。
と言うのは、今回クラックの入った猛虎参號をオーダーした22年前、その完成直前にそれまで乗っていた猛虎弐號のシートステイのフタにクラックが入った。その時には「虎の名を背負ったものは、二義的に使われることを拒否する」なんてことを半分冗談で言っていた。
半分冗談ではあったが、それが頭にあったので、今回は参號は再塗装などの手間を掛け、毎日通勤で使用することで充分に可愛がってやったつもりだったのだが、またも新フレームをオーダーしてまもなくこの始末だ。
非科学的なことではあるが、人形など思い入れのこもった物に魂が宿るという話は、古来から良く聞く話だ。オーダーフレームもビルダーやオーナーの思いがこもり、苦楽を共にする相手だけに、やはり魂が宿るのではないだろうか? 偶然とは思えないタイミングが二度も続くと、新しい主役の登場に身を引いたのか(はたまた単なる嫉妬か)、との感慨もよぎる。さて、単なる骨折と思ってリペアするか、それとも覚悟の最後を看取るか? 猛虎参號の思いに応えるには、どちらが良いのだろう。私としてはまだしばらく一緒に走って欲しいのだが・・・。
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