道連れの 故障も嬉し 夏の坂 [鍋谷峠-和泉葛城山(中尾ルート)]

 ノリクラ本番が迫る中、実施した激坂リベンジライド。リベンジというのは昨年は雨で中断したので、和泉葛城山の最難関、中尾ルートに再挑戦しようという企画だ。かなり脅しをかけた募集をしたせいか、参加人数は6人と少なめだったが、終わってみればこれが正解だった。

130727_074116 まずは第一集合地、鳳駅に朝8時集合。のはずが、7:40頃到着すると、すでにランドナーが2台。滋賀から遠征してきてくれたパワードSさんとみわっちさんだ。私の猛虎四號と合わせ、3台のマッドガード付き自転車がずらっとならんだ。

 どう見てもヒルクライムレースの練習会という雰囲気ではない(^_^;)。

130727_074138130727_074132 mixi上のコミュニティ「滋賀の自転車好き!ランドナー団」の団長、パワードSさんとは昨年4月の和歌山市周辺の未踏峠ライド以来で、今回2回めのご参加。自転車は古き良き国産ランドナー。

 スリーアームクランクに、ブレーキはMAFACクリテ、ソービッツのダイナモ、シマノ600のハブ、ディレーラーはサンツアーサイクロンと、70年台後半から80年台前半の雰囲気でまとめている。ニス塗りのバーテープなどの加工も見事。

130727_074200 パワードSさんに感化されてか、学生時代からの旧友みわっちさんも学生時代に乗っていたランドナーを復活させた。こちらは80年台後半の日米富士オリンピック。ほとんどは当時のままだが、革サドルはパワードSさんとお揃い。バーテープもパワードSさんの手ほどきを受けたニス塗り。

 最近乗っていたロードバイクと比べると、重量が重くハンドルが近いが、思ったより走りやすいとのこと。名前と裏腹にランドナーは団長のパワードSさんだけだった時期もあったが、彼の熱意は団員に伝染し次第にランドナー(とキャンピング車)率が高まっている。

130727_074732 90年前後のパーツ構成で組んだ私の猛虎四號と合わせ、かなり特殊なノリになっていたが、キャノンデールのロードバイクでにもさんが現れ、ようやく時代が現代に戻った。にもさんとは昨年の串柿ツーリング以来。大阪に単身赴任中で滋賀と行き来しているにもさんは滋賀のランドナー団のメンバーであり、同時にこちらもmixi上のコミュニティ「南大阪ぽたりんぐ倶楽部」のメンバーでもある。

130727_090404 さらに、キャノンデールのクロスバイク乗り、yyyさんも登場。南大阪ぽたりんぐ倶楽部の主力メンバーで、自転車歴は2年ほどだが、その豪脚ぶりは後ほど発揮された。

130727_075146 皆さんが集合時間前に集合してくれたので、予定より20分も早く出走。写真を撮って第二集合地点の荒山公園に向かった。パワードSさんとみわっちさんはここに車をデポしたが、早く着いたので鳳駅まで来てくれたのだ。

130727_090408 荒山公園では南大阪ぽたりんぐ倶楽部の管理人、K(ケイ)さんがすでに待っていた。K(ケイ)はかなり以前の丸石エンペラーのロードレーサーのフレームを塗りなおし、最近のパーツを組み付けている。

130727_081636 都合、6台中4台がクロモリバイクという時代ハズレの集団は、皆さん自転車好きの話し好きで、初対面同士の方もいるのにいきなり盛り上がる(^_^;)。

130727_082214 しばらく話し込んでしまったが、改めて全員集合写真を撮って出走。

130727_085410 いきなり怪しげな黒雲が行く手に現れて心配したが、幸い降り出すことはなく、まずは勝手知ったる鍋谷峠に向けて府道61号線を南へ。市境の(私称)南楽園峠は縦列走行で一気に乗り越えたが、重量級のランドナー組にはちょっとキツかったか?

130727_091742 R170を越える地点のコンビニで買い出しをして、府道228号線と226号線をつなぐバイパスへ入る。ピークの小川大野トンネルまでちょっとした上りだが、交通量が少なく走りやすい道なので、皆でのんびりと上って行く。

130727_093414 トンネルを抜けてひと下り。R480に入り、いつもの父鬼集落下の温度計は27度。薄曇り気味で日差しが弱いだけまだマシなのだろうが、今日は山麓まで来ても蒸し暑い。特に滋賀からのお二人は大阪の暑さに参っている様子だが、大阪在住の私にとっても今日はツラい。

130727_094038130727_094044 鍋谷峠への計測スタート地点、製材所前の鍋谷橋に着いたが、またも話が盛り上がってなかなかスタートしない。走るペースは結構速いのに、意外とペースが遅いのは休憩の度に話が盛り上がってしまうから(^_^;)。

 9:50頃、ようやく本日のヒルクライム第一弾開始。本気でタイム計測をする方も、のんびり上る方も、三々五々スタートを切る。私は午後の和泉葛城山に備えて抑え気味に上るつもりだったが、にもさんにあおられてついつい本気走。後で、かなり後悔した・・・。

130727_102200 汗だくのバテバテで、鍋谷峠に到着。多少のためらいはあったにせよ、そこそこ追い込んでもタイムは29′38″。30分超えの前回ほどひどくはないが、まだまだだ。

130727_102324 皆さんも続々とゴール。まずは今日は鍋谷峠に賭けているマジモードのにもさん。何でも、前回達成できなかった30分切りを目指していたそうだ。

130727_102458130727_102756 続いてKさん。ここまでは順当にロードが上位に。

 さらにyyyさんが、他のグループのロードバイクをぶち抜いてゴール。うーむ、フラットバーにノーマルペダル仕様のクロスバイクでこれなら、ロードに乗せたらどんなスピードで上るんでしょう、この方は。

130727_103808 続いて余裕しゃくしゃくで上ってきたのは、ランドナーのパワードSさん(すみません、写真撮り損ないました)。そしてみわっちさんもゴール。やっぱりランドナーは、ペースが上がらないそうだが、タイムを競う自転車ではないので、のんびり上れば良いのだろう。

130727_104044 気温24度と下界よりはずっと過ごしやすいまたもあってか、またも話が盛り上がり(笑)、しばしのんびり。残念ながら、用事のあるKさんはここで引き返すので、お別れ。

130727_110018 見送られて和歌山側に下っていくと、景色の良い所で止まったりしながら、気持ちのいいダウンヒル。

130727_112238 yyyさんオススメの串柿の里ふれあい販売所に立ち寄り。ラムネを飲んだりしていたら、カゴひと盛りのすもも(プラム?)が、なんと100円。パワードSさんが皆に振舞ってくれた。

 疲労回復にも役立つ果物を美味しくいただいたが、他にも格安の農産物が販売されており、車できていたら、買い込んで帰ったこと間違いなし。

130727_114612130727_114410 さらに下リ続ける途中で川を越える川(用水路)、龍之渡井に立ち寄り。江戸時代に作られた小田井用水の一部だが、この水道橋は大正時代に作られたものでアーチが美しい。満々と水をたたえた流れが、暑い中で涼やか。

130727_115058 紀の川沿いまで下り、R24をくぐって堤防上を走る。

130727_115832 ほとんど無意味な寄り道だが、紀の川の風景を楽しむために、麻生津大橋を渡って紀の川南岸に渡り、すぐ西側の麻生津橋を渡って北岸に戻る。

130727_120026 支流沿いにある堤防上の道をのんびり走り、R24に突き当たったところにあるのが二代目よなきや。今日のお昼は和歌山ラーメン。

130727_120516 12時ちょっと過ぎに到着したがすでに満席。とは言えラーメン屋なので、少し待つだけで席に着くことができた。

130727_121936 私は本日のランチ、ラーメンと鶏丼セットを頂いた。見た目はこってりしてそうだが、口に入れると意外とスッキリしていて、魚介系のダシが効いている。暑い季節でも重たくなく、美味しく頂いた。

130727_125826 昼食後はスーパーで飲料などを買い出しして再出走。大和街道を進むと、名手本陣の前を通る。

130727_130336 いよいよ和泉葛城山に続く県道127号線に入る。途端に河岸段丘に上る急勾配。パワードSさんのチェーンがインナーのインナーに落ちたりで、自然に集団がバラけたが、一本道なのでほとんど迷う心配は無い。

130727_131350 ここを上りきると、しばらくはダラダラ上りが続く。車もさほど多くなく走りやすいが、暑い。

 山麓に至って急坂が断続的に現れたが、鍋谷峠アタックの疲れが残り、かなりツラい。とは言え、前に何度か来た時の記憶では、こんなものは序の口。先にコンクリート舗装の急坂が現れた地点で、一旦停止。

130727_133056 ここまでいいペースで距離は稼いでいったが、実は標高は3分の1程度しか上っていない。逆に言うと、これからの勾配は尋常でないのだ。

 これからが本番であることを参加者に伝えると、悲鳴のような声が上がる。意を決して、まずはにもさんがスタート。残るメンバーも上り始めようとしたら、yyyさんの様子がおかしい。さっき音がしたので気になっていたが、後輪のスポークが折れていたとのこと。ひとまず、折れたスポークの両側のニップルを緩めてブレーキシューに当たらないように応急処置。

130727_135334 改めて上り始めたが、谷沿いにほぼ直登していく道の傾斜はやはり尋常でない。フルインナーにギアを入れ、全身の筋肉を使ってしがみつくように上って行く。前26T×後23Tという反則ギアだから何とか上っていけるが、普通のロードバイクだったら、私にはとても無理。やはり鍋谷峠でセーブして力を残しておくべきだったと本気で後悔。

 少し傾斜の落ち着いたところで振り返ると、クロスバイクのyyyさんが自転車に乗ったまま上り続けている。ランドナー組は切り替えが早く、早々に「押し」の体制に入っていた。

130727_141606 激坂を汗をダラダラ流しながら必死で上り続けていると、折り返して谷筋から離れ、少しだけ傾斜がマシになる。眼下を見下ろす風景も広がるが、足を着かずに激坂区間をクリアしようと思っていたので、止まって撮影はしなかった。ところが一息ついたのもわずかな間で、中尾の集落に入ると最大勾配25%という、更に厳しい急勾配が立ちはだかった。

130727_150054 足こそ着かないがさすがにペースが落ち、ここでyyyさんに抜かれる。ジグザグに斜行しながらもグイグイと上り続けている。ところが、少し先行したyyyさんが、突然停止した。

 スポークがまた折れたそうだ・・・。足を着く言い訳ができて、半分ホッとしながら私も停止。思わず表題の句が浮かぶ。

 折れたのは先ほどのと同じフリー側。反フリー側の1本を挟んだ隣のスポークだ。1本抜けたことで負荷がかかって折れやすくなっているのだろうが、yyyさんのパワフルなペダリングに負けてしまったのだろう。実は数カ月前にも1本折れたそうで、2年足らずこうパキパキ折れるとは全体的に限界が来ているようだ。できれば#15から#14番に番手を上げて全てのスポークを張り替えることをおすすめした。ひとまずは折れたスポークを取り去り、また周囲のニップルを緩めて調整。さらに折れるとやばそうだったが、幸い今日は最後まで保った。

130727_143124 超級の激坂は、あと少し。再出発して集落を抜けると、だいぶ傾斜が落ち着いた。やれやれだが、足を止めたことでむしろ疲れが出てしまい、もうペースを上げる余裕もない。まだ余裕のyyyさんに先行され、バッテリー切れ寸前のiPhoneに外部バッテリーを繋ぐために停車している間に、完全に引き離された。

130727_150107 バッテリーだけでなく、名手で500ml×2を満タンにした飲料も残り少ない。ダラダラと走り続けて14:52、ようやく和泉葛城山山頂に到着。小休止したコンクリート舗装手前からほぼ1時間の戦いは、ようやく終了。

 一番に着いていたにもさんが一言「キツい!」。豪脚のyyyさんもかなりコタえたようだが、二番手でゴール。ホントにこの方をロードバイクに乗せてみたい。

 三番手の私はもちろんボロボロ。腰痛を患ってから数年間は激坂を避けていたので、中尾ルートのキツさをすっかり忘れていたが、記憶以上のハードな傾斜に加え、暑さが体力を奪った。傾斜自体は昨夏上った暗峠に及ばないが、標高が倍近い(暗峠455m/和泉葛城山858m)のだから、飲料がほぼ底をついたことはといい、備えが甘かった。

130727_145518 岸和田ツーリンクラブの掲示板に記入したが、9時台以降だけでも自転車乗りがこんなに和泉葛城山に上ってきている。もっとも、中尾ルートは我々しか見当たらない(^_^;)。やっぱり、この時期に多くの人が上るルートじゃないようです。

130727_150350 押し体制に入っていたはずのパワードSさんが、私と10分ほどの差でゴール。重量級のランドナーでこれはスゴイ。さすが団長。

130727_152140 山頂には以前あった売店がなくなり、飲料を補充できるところがない。自販機があればなあと皆で話しながら、私はスポーツドリンクを飲みきったボトルに残った氷をかじる。家を出てから猛暑の中をすでに8時間、飲みきった飲料を入れ換えながら、まだまだ氷が残っているとは自社商品ながら優秀さに感心。今日はこれのお陰でずいぶん助かった。

130727_154412 残るはみわっちさんなのだが、なかなか上がってこない。経験豊富な彼たが、パワードSさんが上がってきてから40分を経過して、さすがに心配になってきた。レスキュー隊出すか? という話も出たが、私ももう一度上ってくる余裕は、まったく無い。とりあえず電話をかけようと、電波の届きにくい山陰から出ると、みわっちさんから数分前にメッセージが入っていた。

 山頂のすぐ近くの分岐まできているが、かなり消耗しているようなので、出迎えに行った。ハンガーノック気味で、かなりツラいとのこと。久々にランドナーで激坂ということもあったかもしれないが、私自身も飲料を飲み切るほどのハードな上りだったので、飲料は携行食の準備についてもっと配慮すべきだった。主催者として反省。

130727_165013130727_161352 取り急ぎ、手持ちの水ようかんを食べてもらい、自販機のあるところまで山を下った。いつもは急だと感じる牛滝ルートの傾斜も、今日は緩く感じる。牛滝のキャンプ場で、ほとんどの参加者が炭酸入り飲料を購入。喉にしみる。みわっちさんもかなり復活。

 さらに手近なコンビニまで走って、補給。皆、アイスや飲料を買い込み、私はガリガリくん梨味。これでかなり回復し、残る道のりを快走。というか、中尾ルート上りに比べれば、どこでも楽な道だ。

130727_174120 事前に想定したよりはかなり遅くなり、17:40頃荒山公園に帰着。色々あったが、非常にハードな道のりを、全員完走できたのでホッとした。人数が多かったり、経験の浅い方がいたら、もっと遅くなっただろうし、重大なトラブルに繋がっていたかもしれない。脅し気味の募集にしておいて良かった、と胸をなでおろした。

130727_174434 ともあれ、終われば皆笑顔。またの再会を約してお開きとなった。ご参加の皆さん、ありがとうございました。

 

■コースマップ


・ルートラボ http://yahoo.jp/u0GSS6
・Googleマップ http://goo.gl/maps/k0X0h (一部中断あり)

 

■本日の走行記録(自転車)

Cyclemeterの記録 http://p.tl/LwJ6
 スタート: 2013/07/27 7:54:39
 完了: 2013/07/27 17:40:58
 バイクタイム: 4:14:26
 停止時間: 5:31:49
 距離: 87.04 km
 平均スピード: 時速 20.53 km
 登り: 3342 メートル (より正確と思われるルートラボは2062mを記録)
 カロリー: 1987
 ※一部中断あり

POLAR CS200CADの記録
 走行距離: 88.5 km
 消費カロリー:3022cal
 計測時間:9:46:14
 平均心拍数:119
 最大心拍数:185
 平均速度:17.3km/h
 平均ケイデンス: 67
 最大ケイデンス:108
 心拍数ターゲットゾーン:130-152 
 ターゲットゾーン以下時間:7:41:24
 ターゲットゾーン内時間:0:56:13
 ターゲットゾーン以上時間:1:08:37
 走行時間:5:06:37
 累計走行距離:6563.8 km(2010年12月10日より)

 

■本日のフォトアルバム

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これまでのコメント

  1. […] 道連れの 故障も嬉し 夏の坂 [鍋谷峠-和泉葛城山(中尾ルート)] […]

  2. […] 。いずれも厳しい傾斜の和泉葛城山を一日で7回も上るのは、私には考えられない。特に中尾ルートは傾斜25%の区間もある超難関で、これを上ったら他のルートを上る体力は残らない(^_^; […]

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