晴天の 空で逢瀬か 七夕や [猛虎参號のBB、前ギア、前後メカ交換]
猛虎参號のBB(ボトムブラケット)がヤバい。再塗装後は間に合わせにワンが虫食いのスギノBBを使用していたが、このところペダリングの度にコリッコリッというかなり強いガタツキを生じるようになった。どうやら限界のようだ。
装着予定のワールドクラスのチタンBBは、なんとかベアリング交換をしたものの、回転がスムーズでない。とは言え、再度のベアリング交換はさらにダメージを与える恐れがあるので、気軽に取り組めない。回転のムラに実用上問題があるかどうか確認するためにも、ひとまずテストを兼ねて組み付けてみることにした。
今のBBを外す前に、チェーンラインを比較するために、BBシェルの外側からチェーンホイールのアームまでの寸法を計測しておく。
交換作業開始。まずは、クランクキャップを外し、フィキシングボルトを外す。
続いて、純正(スギノ製)コッタレス抜き締め工具で、左右のクランクを外す。
クランクが外れたら、これまた純正(スギノ製)BB工具で左ワンのロックリングを外す。
続いてカニ目レンチ(これまた純正)で左ワンを外す。まあ、左ワンはさほど苦労なく外せる。
BBシャフトごと抜いてみると、半年も経っていないのにデュラエースグリスが真っ黒。おまけに金属粉が多量に混ざり。「チタンプレップを使ったっけ?」と思うような状態(^_^;)。シャフト、ワン共に虫食いがヒドイ。
右ワンは緩みを防止するために固く締め込んでいるので、外すのも一苦労。闇雲に力を入れても工具が滑ってしまうので、不要なBBワン等をBBシャフトに固定して工具のずれを防ぐ。高価な右ワン抜き締め工具を買えない貧乏人の工夫だ。実はこの手間を惜しんで最初はBB工具だけをあてがってみたが、見事に滑った勢いでアゴをフレームにぶつけ、口の中を切ってしまった。まったくバカだ。
右ワンは左ワン以上に虫食いがひどいだけでなく、なんとリテーナーがバラバラ。これではガタツキも生じるはずだ。コリコリ感を取るために何度が玉当たりを締め込んでいたが、それも適正で無かったのだろう。
雨中走行や洗車をした憶えもないのだが、BBシェルの内側にサビの粉が積もっていた。これもBB異常の原因のひとつかと思ったが、ウォーターシースもあるので、BB内部がサビている様子はなかった。
パーツクリーナーで拭き取るときれいになったので、BBシェルが錆びたというより、上から落ちてきたサビの粉が積もったという状態だったようだ。再塗装作業の過程で行ったサビ取り作業(酸漬け)で、パイプ内部のサビがゆるみ、走行の振動で最下部にあるBBに集まったのかもしれない。
ワールドクラスのワンにはそれぞれ「RH」「LH」の刻印があり、「RIGHT(右)」「LEFT(左)」の意味だろうが、なぜかBBシェルの右に「 LH」、左に「RH」となるので、以前も戸惑った。よく考えてみると、これは「右(正)ねじ」「左(反)ねじ」の意味だろう。これで納得。
グリスを塗布してBBをセットし、シマノのBB工具で両側から締め込んでいく。ロックリングがない構造で、自由にチェーンラインを調整できるのだが、ひとまず左右均等のど真ん中位置で装着。
構造的にワンを締め込むとベアリングの外枠を内側に寄せる力がかかる。これによりあるポイントで内枠との位置が揃って、回転がスムーズになることを期待していたが、ハッキリ体感できる効果はなかった。締め込むに応じて回転は固くなるので、少しゆるめに固定。ロックリングがないのでゆるみが心配。もし緩むようならネジ止め材を使おう。
BB交換のついで変速関係の再構築。再塗装後はスギノXPのチェーンホイールを復活させ、トリプルギア(46-34-24)で使用していたが、今の私の走り方ではのアウターをほとんど使わない。アウターを小さくしてクロスレシオにすることも考えたが、フロントダブルにしてしまえばロード用ディレーラーも使えるので軽量化になる。毎日マンションの三階まで担ぎ上げる猛虎参號の重さが気になっていたこともあって、軽量BBを使用するのを機に周辺の軽量化に取り組むことにした。
で、用意していたのが40Tギア。これをセンター位置に装着し、アウターを廃する算段。引き続き使用する24Tのインナーとの歯数差を、シュパーブプロ前ディレーラーのキャパ16Tギリギリにしたのだ。
チェーンホイールを仮付け。元々のスギノ製よりBBシャフトが長いので、左右均等位置でクランクが1.7mm外側に付くことを確認。ギア間隔が7mmくらいなので、アウターを廃すると3.5mmくらい外にずらすとチェーンラインがトリプルの時と同じくらいになるはず。1.7mmだとちょっと内寄りの位置となるが、元々はもっと内寄りの状態で問題なくセンターとインナーとして使用していた。ダブル化してもほとんど40Tのアウター(センター位置)で使用することになるだろうし、左右均等のペダル位置で使えればそれに越したことはない。ひとまずこれで試してみる。
仮付けのチェーンホイールを外し、センター位置に40Tを装着し、インナー位置に24Tを再装着。
ギアを装着したチェーンホイールを、再度BBシャフトに装着。フィキシングボルトが安っぽいので、目隠しにクランクキャップも装着。
続いてフロントディレーラーの交換。XC-PROから、以前使用していた使い古しのシュパーブプロ(バンド式)に。骨董品ながら、100gを切る軽量が魅力だ。
さらにリアディレーラーもXC-PROからシュパーブプロに交換。こちらも再塗装前まで使用していた使い古しだが、200gを切るという現在でも充分軽量なリアメカ。
ついでに長過ぎるのが気になっていたアウターワイヤーを短くカット。
チェーンも6コマ短く。シマノHG チェーンはコネクティングピンを使う必要があるのがちょっと面倒。
シフトワイヤーを貼り直してディレーラー調整。試走してみたら、ペダリングはとても滑らか。BBの回転ムラは全く体感できず、少なくとも今までより大幅に改善だ。
チェーンラインの問題も全く感じない。アウター×ローでもインナー×トップでも、問題なく使用できる。しなやかなシマノHGチェーンのお陰かもしれないが、これはちょっと意外な好材料。と言うのは、アウターとインナーの歯数差がワイドなので、現在のリアコグ(13-21T)では両者のギア比の重なり全くない。リアを少しワイド化することも考えているが、一応は現在のコグでもギア比の断絶なしにそのまま使用できる訳だ。
今回のパーツ交換で、変速周りはかなり軽量化しただけでなく、チェンジレスポンスも体感できるほど向上した。アウターギアがなく、径の小さなセンターギアが露出している姿は決してカッコ良くはないが、使いやすいギア比になった。ダミーのアウターギアやチェーンガードを装着することも考えていないわけではないが、重量的には現在の構成が有利。さて、どうするか?
軽量化を始めてしまうと色々気になる箇所が出てくる。時代の統一性にこだわらなければ、チタンステムや軽量シートピラーも以前装着していたストックがある。何より重いのは革サドルだが、これは変えたくない。それ以外にも、コマンドシフターの装着など猛虎参號もまだまだいじるところがある。
今日は七夕だが、見事な晴天。ちょっと試走するだけでも、汗だくになった。今年は牽牛と織女も出会えただろう。
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