カラクル-Sで行く輪行体験ポタリング 堺歴史散歩編
先日の淡路島ツーリングの際に自転車処ぽたりんぐぅ(當眞自転車店)の當眞さんが、「今度はCARACLE-Sの試乗と輪行を体験するイベントをしよう」と提案してくれ、企画を練ってくれた。
勤務先のテック・ワンが製造するCARACLE-Sは14インチ以上の自転車で世界最小の折りたたみサイズと、優れた走行性能備えた自転車で、メーカーの人間である私も便利さを実感している。
とは言え、全く未経験な人がスムーズに輪行できるかというと、少々不安もあった。そこで、少人数に限定して、地元堺の歴史散歩ポタリングと短区間の輪行を組み合わせた午前中イベントを開催することになった。
堺自転車のまちづくり・市民の会の方を中心とする5人の参加者対して、3人のサポートスタッフが付くという万全の体制(?)で臨んだが、いきなり主催側の一人が小トラブルに巻き込まれて遅刻(^_^;)。本人の落ち度ではないが、いきなり参加者に迷惑をかけてしまった。
それでも集合時間の8時ちょっと過ぎにはぽたりんぐぅさんの前に参加者+スタッフの8人が全員が揃い、注意事項や走行中の合図の確認するブリーフィングを開始。
8:15頃に出走し、まずは西に進んで方違神社へ。入り口には七五三の看板が立っていた。
摂津、河内、和泉の境の三国山に立地し、古くから方角に関する災難除けの神社として信仰を集めてきた。引っ越しや旅行の際にお参りすると良いとのこと。
現在は社殿の建替え中で、工事車両の出入りも多い。境内は自転車を押して通過し、裏手の出口からまた自転車にまたがる。
方違神社は反正天皇陵の堀に面しているが、ぐるっと回って御陵の正面へ。途中、ダートがあったが、當眞氏はわざとここをコースに入れたとのこと。ちょっとした地道なら安定して走れるCARACLE-Sの走行性能を、体験させたかったとのこと。メーカーの立場としては未舗装路や激しい段差の走行は保証外なので自己責任の行為となるが、標準仕様の1.5サイズタイヤであればダートでも不安感なく走行できる。
反正天皇陵正面の遥拝所はよく手入れされ、青空の下でキリッとした厳かな雰囲気。気温は低めだが風が弱く気持ちよく走れる天気だ。
TORACLE(虎来る號)シートポスト交換
先週は大和川サイクリング倶楽部の大阪市内渡船めぐり、今日はノボ・ノルディックの糖尿病患者支援のバイクツアーへの参加を予定していたが、2週連続の台風襲来でいずれも中止になった。土曜出勤が続いたこともあって、これで3週連続で週末に自転車に乗れていない。来週末もサイクルモード出展で走れないので、丸々1ヶ月走れないことが確定・・・。
スズカエンデューロまで1ヶ月もないというのに、この体たらくは困ったものだ。肉体のトレーニングが進まない中、せめてものスズカエンデューロ対策でシートポストを交換することにした。
通勤用のCARACLE-S 2015試作車のサドルポジションを前乗りにしてからペダリングに力を加えやすく具合がいい。元々CARACLE-SはBBの前側にシートポストを下ろす構造に加えて、セットバックゼロのシートポストを採用しているため「前乗り過ぎる」と言われる事がある。私自身も最初は違和感を感じてセットバックのあるシートポストを装着していたが、具合の良いポジションを探るうちにだんだんサドルを前に出してきていた。何のことはない。結局は初期仕様のセットバックゼロの方が良かったのだ。特にツーリング系の方は最初は違和感を感じるかもしれないが、CARACLE-Sの前乗りポジションにしばらく乗り込んでみて欲しい。きっと、思いのほか楽に坂を登れる事に気付くだろう。
そんな訳でTORACLE(虎来る號)にもポジションを移植したいと思っていた。そのためにセットバック(後退量)ゼロのシートポストを探していたが、ただ単にカーボン製というだけなら意外と軽くない。
今装着しているシマノXTR(SP-M910)がアルミ製の骨董品ながら未カットでも215g程度の超軽量品で、それをカットして使用しているのでもっと軽いはず。通勤用CARACLE-S 2015試作車に装着したシートポストのような、Woodman方式の固定方法を採用したモデルならアルミ製でもかなり軽いが、これはサドルレールに幅の狭いプレートが食い込む構造なので、決戦サドルのカーボンレール装着もあることを考えると不安だ。構造上やぐら部分の高さが高く、CARACLE-Sでは折りたたみサイズが大きくなるという問題もある。こうなると、かなり高価なモデルでないと、200gを大きく下回るモデルは見当たらない。
悩んでいたところ、チームCARACLEのF永さんが使わなくなったRXL SL製のカーボンシートポストを譲ってくれた。
XTRと比べるとやぐらの造りは少しチープだが、パイプ部分にデザインが施され、全体としてそこそこの高級感がある。
オフセットゼロのこのシートポストは、実測でサドルレールまで410mmで235g。カーボン製にしてはちょっと重いようには思うが、カットすれば200gを切ることはできるだろう。
ただし、唯一引っかかるのは、黄色と黒を基調にしたTORACLEのカラーにそぐわない水色のラインだ。
そこで、水色を黄色で塗りつぶすことにした。久々にマスキングテープを本来の用途で使用するべく、水色のラインの周りをカバーしていく。
ラインがカーブしたやぐら付近はテープをカットしてカーブを作ったが、ハサミのフリーハンドカットなので精密なものではない。
そして、車用の黄色いタッチアップ塗料を塗っていく。誤算だったのは思ったより塗料が薄く、一回塗った程度では下地の水色が透けてしまうこと。止む無く、乾燥させては塗り重ねる作業を繰り返した。
乾燥の早いラッカー系とは言え、気温の低い雨の日なので、夏場のように数分で乾くと言うわけにはいかない。他の作業(通勤用CARACLE-Sのメンテ)をしながら間を作ったが、ついつい乾燥する前に塗り重ねてしまい、ムラになる箇所も発生。平筆でない丸筆で均一に塗るのも難しい。
出来に不満はあったが、下地の「透け」が目立たなくなったところで塗装作業を終わらせ、半乾燥状態のうちにマスキングテープを剥がす。完全に乾燥させると塗料が割れることがあるし、塗ったばかりだと糸を引いたり、流れることがある。テープを剥がす方向にも注意が必要だ。この辺りは、その昔にプラモデルで学んだテクニック。
それでもテープに引きずられたり、密着しきっていなかったことで、少しはみ出し箇所が生じた。これはカッターナイフで削って修正。
TORACLEへあてがってカット長を検討。先端から100mmの位置にリミットラインがあったが、これに従うとしても普段使いのブルックス製スイフトなら200mm位カットできそう。決戦用軽量サドルの装着を考えて40mm余分を確保して約160mmカットすることにした。
都合、約250mm長になるということだが、超軽量サドルに交換しても40mmも伸ばす必要はないだろうし、ここまで短くするなら100mmもシートチューブに収めなくても良いだろう。一般的に直径の2倍程度収めればよいと言われているので、60~70mmで充分かもしれない。となると、あと50mmくらいはカットできそうだが、ひとまずは長めに残して検証する。
ソーガイドを当て、金ノコで切断する。焼入れをしたアルミ製のXTRと比べると、あっけないほどサクッと切断できた。
切断後250mm長となったRXL SL製シートポストは190g。目論見通り200gを切った。10mmカットするごとに約2.8g軽量化できるということだ。
とは言え、改めてXTR(約220mmにカット)の重量を測ってみると、なんと165gだった。
あと30mmカットして同じ長さにしたとしても、RXL SLは計算上181.5g程度であり、XTRに及ばない。セットバックがあるにも関わらず、アルミ製でこの重量は驚きだ。骨董品とは言え侮れない。
横に通勤用CARACLE-S(2015試作車)を並べて、概ね同じポジションに調整できた。サドルが違うので、最終的には乗り込んで微調整が必要だが、調子の良いポジションが実現できそうだ。。
ちょっと重量増になったのは残念だが、しばらく実走してポジションを固め、問題なければあと50mmカットしてみよう。計算上は176g程度になるはずで、わずかな重量差に持ち込めるだろう。
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
「折りたたみ自転車&スモールバイク旅」掲載
9月に辰巳出版さんが自転車旅のエピソードを募集していたので、娘と行った南淡路ツーリングを投稿していた。
その記事がムック本「折りたたみ自転車&スモールバイク旅」に掲載された。なんと1ページを丸々使って全文が掲載され、送った写真も5枚とも掲載された。辰巳出版さんには、公私ともに過去何度もお世話になっている。深く感謝申し上げます。
CARACLE-Sの超コンパクトサイズを活かして鉄道と船で洲本港に上陸し、走行性能を活かして3年ぶりの遠乗りだった娘も南淡路を一周できた。旅のツールとしての有効性を示すことができたと思っていたが、書面に大きく取り上げてもらえたなら娘に付き合ってもらった甲斐があった。
じゃあ、娘へのご褒美は自転車でお出かけ(自転車脳のオヤジ)。
自転車だらけの南淡路水仙ライン [2017淡路島ツーリング]
4年ぶりに自転車処ぽたりんぐぅ(當眞自転車店)さんの淡路島ツーリングに参加させてもらった。前職時代に娘と一緒に参加したこともあったが、ここ数年はなかなか参加できなかった。その間に小学生だった娘は高校生になってしまった。クラブ活動などに忙しい娘は今回も不参加で、今回は一人で気楽な参加(?)。
参加者は6:30にぽたりんぐぅさんに集合し、自転車はトラックに積み込み、参加者は乗用車に分乗して淡路島を目指す。
トラックのスペースには余裕があったので、必然性は全く無いのだがTORACLE(虎来る號)を折りたたみ。元々折りたたんであったぽたりんぐぅさんの貸出車のTyrell IVEと比較すると、
CARACLE-Sはタイヤ幅からはみ出さないサイズに収まっている。少なくとも折りたたみサイズに関しては大幅に小さいことがわかるだろう。走行性能については好みの問題もあるが、引けは取らない自信があるし、少なくともカスタマイズを加えたTORACLEはかなり上を行っているはずだ。
三連休とは言え中日のせいか途中で大きな渋滞もなく、明石海峡大橋を渡って淡路島入り。薄雲が漂う程度の快晴で、今日は素晴らしい天気。
洲本港近くのすいせん苑駐車場にデポしたのは8:20ごろ。1日300円(乗用車)という料金が魅力だ。
自転車を下ろし、出走準備。
あらためて集合。ここから出走するのだが、2コースに別れる。當眞店長が起伏の少ない内陸ルート(約50km)に同行するので、私は南岸の起伏のあるルート(約70km)のコースリーダーをすることになった。
こちらは、私と同じ海班(?)の皆さん。私を合わせて5人の自転車はロードバイク2台に折りたたみ自転車3台と、走る班なのに折りたたみの方が多いというのがぽたりんぐぅさんらしいというところか。
8:43に出走。前半は、7月に娘と走ったコースとほぼ同じなので勝手知ったるもの。追い風気味の県道76号線(南淡路水仙ライン)を、気持ちよく南下していく。
CARACLE-S 2015 1万キロ走破
今日は通勤車のお掃除。チェーンクリーニングをメインに、各部に注油して拭き上げた程度だが、これでまたしばらく気持ちよく走れるだろう。
この白いCARACLE-Sは初年度(2015)モデルの試作車であり、テック・ワン入社の2015年初めから乗り始めたもの。標準シートポストだと私にはシート高が低く、最初はもうひとつ性能を実感できなかった。ところが、テレスコピックシートポストでサドル高さえ合わせれば、他はほぼ未改造でも水越峠に上れてしまった。ギア比がワイドでBB周辺の剛性感が高いので、グイグイ上れるのが驚きだった。
こうなるとちょい乗り程度ではもったいない。エンドバー一体型ハンドルバーでハンドルポジションを前に出し、ビンディングペダルで足を固定すると断然走りやすくなった。ナロータイヤを装着すると、日頃の峠越えトレーニングでも全く問題なく使用できるようになった。
さらにドロップハンドル化後は、ノリクラからスズカエンデューロ、ブルベ200kmまで走破し、CARACLE-Sのロードバイクに匹敵する走行性能を証明できたと思っている。