剣山山麓日帰り弾丸ポタ(後編) [高の瀬峡ポタリング]
12時頃四季美谷温泉を出発し、国道193号線から国道195号線に入って那賀川を遡っていき、高の瀬峡に到着したのは13:20頃。舗装路に迂回すると車でも剣山スーパー林道の西側出口まで1時間20分もかかったわけだ。かつては土佐中街道と呼ばれた徳島と高知を結ぶ主要道ながら交通量は非常に少なく、2車線区間が多いので走りやすいが、同じ町内の移動に約46kmも走らなくてはならない距離感に驚かされる。
高の瀬峡は紅葉の名所だが、すでに盛りを過ぎているとの情報を得ていた。それでもレストハウスのある駐車場には10数台の車が駐まり、周辺を散策している人は多いようだった。レストハウス「平の里」はコロナのため休業中とのことだったが、横に小さな売店があったので、今日ついたというよもぎ餅と柚子酢を土産に買った。
ここまで友人からの連絡が途切れていたが、LINEで高の瀬峡到着の旨を送信したところ、13:30に友人からあと2時間30分ほどかかるとの連絡が入った。14時頃到着の事前予想よりかなり時間がかかるようなので、結果としては慌てて移動しなくてもよかったのだが、逆に言えば高の瀬峡で走る時間が確保できたわけだ。
畳まずに載せていたTORACLE-COZ 2(CARACLE-COZ DB)を降ろして、再度サイクルウェアに着替えて出走準備を整えた。駐車場周辺には人工的に植えられたと思われる木々がまだ紅葉していたが、残念ながら周囲の山々の落葉樹はほとんど茶色く色あせてしまっている。
少し剣山スーパー林道を上ってみたが、すでに西に傾きつつある太陽は逆光になり、対岸の山肌は影になって暗く沈んでいる。
平家の落人が住みついた「平」集落の住民が高の瀬峡対岸の岸壁を見て天気を予想していたことから「日照磯(ひでりいそ)」と呼ばれているとのこと。午前中なら日に輝く姿が拝めたのかもしれない。
もう少し上ると、ようやく対岸に陽が当たるポイントがあった。山肌はほぼ茶色に色あせてしまったが、谷底に色づいた木々が残っている。
剣山山麓日帰り弾丸ポタ(前編) [徳島県道295号木沢上那賀線]
剣山スーパー林道は全長87.7kmの日本一長い未舗装路ということで、オフロードバイクや四輪駆動車、そしてMTB乗り憧れのルート。私は腰を痛めてからダートを避けているが、近所の友人はほぼ毎年秋に剣山スーパー林道に走りに行っている。ところが今年はGoToトラベルの影響か前後の宿が確保できないとのことで、アルバイトで往復の運転手をしてくれないかとの依頼があった。
そんな訳で、本日はサポートドライバーとして剣山スーパー林道日帰り弾丸ツーリングのために3:30ごろ堺を出発。阪神高速-神戸淡路鳴門道-徳島道を経て、山中に入る前にコンビニのある最後の集落、国道438号線に沿いの神山町に6:35到着。渋滞がなければ途中で朝食を摂っても3時間程度で四国山地の麓まで到達できるわけで、思ったより大阪から近い。
神山から数少ない四国山地を横断する車道で、ある国道193号線で四国山中に入っていく。隘路の多いつづら折りの急坂は落ち葉や枯れ枝も多く、車でもかなり大変なルート。標高が上がり風景が開けると、山肌に沿って上り坂が延々と伸びているのがはっきりわかる。なかなか大阪近辺では拝めない風景だが、自転車だったら間違いなく心が萎える。
そうは行っても車なら身体を痛めつけること無くピークの土須峠(雲早トンネル)を越え、南側へ1.5kmほど下った地点の剣山スーパー林道西コース入口に7:18到達。車から降りると、とにかく寒い。高標高だし、昨日までの季節外れの暖かさの反動もあるが、風が非常に強いのだ。迷っていたが、フリースシャツを持ってきておいて良かった。友人はMTBの組み立てや着替えなどの準備作業。隣の輪行袋は私のTORACLE-COZ 2(CARACLE-COZ DB)だが、もちろんダートの林道を一緒に走るわけではない。ここでは友人の準備のジャマにならないように、一時的に降ろしただけ。
友人は新車を29インチで組んだこともあり、工具も多めに携行している。リアリジッドながら、29×2.2インチ幅のタイヤは迫力で、見るからに走破性は高そうだ。林道に突入する友人を8:13に見送った。ここから友人が剣山スーパー林道の西側出口を抜けてくるまでは時間が空くが、午前中は万一のトラブルに備えてエスケープルートになる県道295号線にアクセスしやすい場所にいる必要がある。
大釜の滝や大轟の滝を見物しながら国道193号線を下り、県道295号線との分岐に向かったが、一気に高度を下げるつづら折りは凄まじく、自転車で土須峠を上り返す考えは消えた。林道の西側出口に移動するためには時間的に厳しいし、消耗して帰路の運転に差し支えると予想された。
そこで、国道193号線から県道295号線に入ってすぐの四季美谷温泉付近に車をデポし、坂州木頭川沿いに遡るポタリングをすることにした。高度は違うが友人と並走するのも面白いし、友人にトラブルがあっても短時間で車に戻って救出活動ができるだろう。
9:30頃に四季美谷温泉の入口近くに車を駐め、TORACLE-COZ 2を専用輪行袋(トレバッグCOZ)から取り出す。
風はまだ強いが、標高が下がって陽が高くなったので、かなり暖かくなった。見上げると、剣山系の山々が目の前に拝める絶景。ここからも出走状態に展開し、着替えをして9:56に出走した。
今年はボッチ串柿ツーリング [蔵王峠-大久保-神野-蔵王峠-大畑-竹尾-嵯峨谷-山田-紀見峠]
和歌山県かつらぎ町の四郷地区周辺は、正月飾りに用いられる串柿の産地。2011年からこの時期に串柿ツーリングを主催しているが、色んな事情で開催できない年も多かった。今年もコロナ禍に加えて、鍋谷峠と和泉葛城山牛滝ルートの通行止めが続いて集団で走れるコースの設定が難しく、広く募集して開催することを見送った。
それでも身近なメンバー数人で串柿見物を考えていたが、私はベストシーズンの11月後半に予定が入り、確実に動けるのは今週末しか無くなった。結局独りで赴くことになったが、いざとなれば同行者に気を遣わずに輪行で脱出もできるし、このところの体力低下でも気が楽になった。
数少ない現地入りルートである蔵王峠は路面が濡れていることが多いが、昨日のごく弱いにわか雨を除けば6日間晴天が続き、通行しやすいだろう。ついては蔵王峠を越えて現地入りし、あとは体力が保てば山中の間道を通って紀見峠を越えて帰阪するプランを立てた。途中で体力が尽きれば、紀の川沿いに降りて輪行で帰ろうという軟弱プランだ。
6:21にTORACLE-COZ 2(CARACLE-COZ DB)で自宅を出走。6kmも走らずにコンビニに立ち寄り、山中に入るとほぼ補給はできないので携行食の5個入りミニあんパンを入手し、カフェイン注入。脚の筋肉に少し張りがあってもうひとつの調子だが、不調というほどでもない。無理せずスロースタートで南下していく。
できるだけアプローチの距離を短縮し、なおかつできるだけ厳しい起伏を避けるため、泉北丘陵を乗り越えていく。府道38号線からよく使う天野街道でなく、より距離を短縮できる堺カントリーの入り口を通るルートに入ったが、序盤から急坂のアップダウンになってしまった。
激坂の関西サイクルスポーツセンター前は避け、府道218号線でまずは滝畑ダムへ。うっすらともやがかかっているが、よく晴れている。気温はひと桁のようだが一昨日までの冷え込みは少し緩んだ。今日は降水確率ゼロ%で、昼間は暖かくなるようだ。
ダム湖の一番奥から府道61号線を遡っていく。序盤は傾斜も緩く、渓流沿いの紅葉も前回10/25よりかなり進んでいる。
休業中の光滝寺キャンプ場の脇から激坂区間が始まる。滑り止め凹みの刻まれたコンクリート舗装に、早くもスーパーローギア34Tの出番。フロントも46Tシングルなので、700C換算ならほぼ1対1のギア比。お陰で、苦しみながらも余裕を持って上れる。
雨上がり 秋色染まる 峠道 [竹内峠-大口峠-千早峠(金剛トンネル)]
昨日は雨が降ったり止んだりの天気だったので、週末ライドは今日に持ち越し。6:29にTORACLE-COZ 2(CARACLE-COZ DB)で自宅を出走し、近所のコンビニで友人と待ち合わせた。昨晩まで降った雨でまだ路面が濡れており、ルートに迷ったが、竹内峠を越えて大阪府を脱出し、千早峠(金剛トンネル)で戻ることにして再出走。
富田林の丘陵地帯を越えて東に向かうが、もうひとつ脚が回らない。私が先行する時は良いが、友人が先に立つと置いていかれがち。何とか丘を乗り越えると、行く手にはこれから越える二上山が正面に見える。
二上山に向かって竹内街道を上っていく。今日は得意の上りでも友人に先行される場面が続いた。先週の京都山城サイクルスタンプラリーでも長距離ライドのスキルが落ちていることを実感したが、短距離でも褒められた状態ではない。
国道166号線に合流し、8:16に竹内峠に到着。雨上がりの青空が美しい。調子が上がらないなりに、この時点ではまだ余裕があった。
奈良側に下り、竹内交差点で右折して南下しようと信号を渡ったが、この先の県道30号線(山麓線)は上り気味のアップダウンが続いて交通量が多い。思い直してもう少し国道を東に進み、間道に入った。
景色が開けたところでは、雲のほとんどない蒼天の下で大和葛城山、金剛山が白雲を被っている姿が美しい。雨上がりは自転車が汚れるのが鬱陶しいが、天気の変わり目だからこそ見られた風景。
「2020京都やましろサイクルスタンプラリー」完全制覇
TORACLE-COZ 2(CARACLE-COZ DB)は、今後の油圧ディスクブレーキモデル商品化の検証のためにシマノGRXを装着している。走行面での実証試験はこのところの週末ライドで積み重ねてきたが、折りたたみに関する検証はまだ不充分。実際に折りたたみを繰り返す中で、何らかの支障が生じないか検証するために、輪行の機会を探っていたところ、2020京都やましろサイクルスタンプラリーの情報を知った。
京都の山城地域は自走でも到達できる距離だ(った)が、コロナ流行以来のトレーニング不足で走力低下が著しい。それでも、行き帰りに輪行を用いて体力を温存すれば、山間を含めたスタンプポイントを全て回りきれるかもしれない。6個以上回れば完走証がもらえるし、景品の抽選対象にもなる。その意味では12個あるスタンプポイントを全て回る必要は無いのだが、せっかくなら完全制覇を目指して、しばらく前から計画を練っていた。
ネックは山間や距離的に離れた4つのポイント。色々順番を考えてみたが、完全制覇のためにはどうしても距離が100kmを超え、獲得標高も1000mを超える。ピストンコースは面白くないが、極力、距離と獲得標高を抑えたコース案を立ててみた。
朝4時に起床して食事を済ませ、5:20頃自宅を出走。すっかり夜が明けるのが遅くなり、まだ真っ暗。4.1km走って、5:34に到着した地下鉄御堂筋線始発駅のなかもず駅では、珍しいことにロードバイクの方が先に輪行作業を始めていた。
挨拶してこちらも輪行作業を開始。まだ慣れていないスルーアクスル、ディスクブレーキ、ラージサイズフレームに手間取りながらも、10分かからずに輪行作業完了。ロードバイクの方には申し訳ないが、「お先に」と声を掛けて駅に入った。この辺りは折りたたみ自転車の面目躍如。
コロナ禍で自粛していたので、輪行は3/20のせち焼きライド以来。なかもず駅はホームまで距離があるが、ディスクブレーキモデルながら7kg台のCARACLE-COZなら、苦にならない。5:55発の車両に乗り込んで手すりに固定する。
淀屋橋で京阪電車に乗り換え、7:15に石清水八幡宮駅に到着。できるだけ乗り換えが少なく、短時間で朝早くスタートできる駅として、ここを選んだ。なかもず5:14発なら6:24に到達することも可能だったが、さすがに3時過ぎの起床は止めておいた。
トイレに寄って飲料を補給して、7:20頃から輪行を解く。油圧ディスクブレーキはローターのない状態でレバーを握るとパッドの間隔が狭くなってホイールを装着できなくなるため、パッドの間に付属するスペーサーを挟んでいた(オレンジ色のパーツ)。おかげで問題なく組立てできたのだが、「小さな車輪を使っている理由があるのか?」と質問してきた高齢男性に「原理的には径の大きな車輪が有利ですが、小径の欠点を補う工夫をしているので、ほとんど遜色ない」といったお返事。