頂でほんの暫しの暑気払い [鍋谷峠-三国山]
いつものごとく出走したものの、本日は絶不調。今日も暑い予報だったので、少しでも早くと5:30過ぎには出走したが、ダラダラとしか走れない。そろそろ距離を伸ばしたい時期ではあるが、大事を取って一番手近な鍋谷峠へ向かった。
カツ入れに、横山のコンビニでコーヒー(カフェオレ)を購入して。カフェイン注入。普段コーヒーをあまり飲まないので、たまに飲むと効くことは経験的にわかっている。
多少は元気が出たような気がするので、そのまま鍋谷峠へ向かう。R480に立っていた真新しい道標。ここは建設中のバイパス(トンネル)が開通すれば、旧道になる場所。トンネル工事も、交通量からすれば絶対にペイしないと確信しているが、重ね重ね無駄なことに金を使っているように感じる。
早朝から自転車乗りが多く、南横山小学校付近ではアートサイクルティーエーズさんのチームジャージを着た方に追いぬかれた。
父鬼集落下の定点観測地点では23度。まだ、マシな気温だが・・・。
いつもの製材所前の鍋谷橋からタイム計測こそ開始したが、LSD強度で上り続けるのが精一杯。途中で引き返したい気持ちを抑えながら、何とか鍋谷峠に到着。タイムは31分台で思ったより悪くない、と思ったが計測方法にミスがあり帰宅して再チェックすると34分51秒だった。27分台のベストタイムからすると2割以上のダウン。
峠の気温は22度。小休止の間にも次々自転車が上がってくる。体調からするとここから和歌山側に下って、帰路で府境の峠を上り返すのはとても無理。
そこで、今日は久々に三国山に上ることにした。鍋谷峠から尾根伝いにさらに上って行くルートだ。
脇道に入るとミミズがたくさん道路上を這っており、それ以上の数が干からびている。みんなデカい。
ミミズを避けながら急坂をダラダラと上っていき、現れた分岐を左へ。「堀越観音」の表示のある右側へ下ると平の集落に降りる。サイスポのベストロードに載った串柿ツーリングのルートだ。
さらに急坂を登り続けると、七越峠。かつては茶屋もあり、紀泉を結ぶ交通の要衝だったとのこと。今は記念碑とお地蔵様があるだけの静かな峠だ。
こちらは尾根上を進んでいるので、七越峠を越えても下りになるわけではなく、さらに急坂を進んで標高885mの三国山頂に到達。
山頂といっても、一番高い所には三国山航空レーダーが陣取っており、もちろん中には入れないの。お陰で展望は開けないが、レーダードーム自体はかなり遠くからでも見えるので、一度上ってみたいものだ。
山頂で小休止していると、下界に比べてかなり涼しい。鍋谷峠より涼しいので、恐らく20度前後。そのせいで展望が開けないのだが、杉木立に覆われたルートは夏向きだ。しばし、ボーとして暑さを忘れた。
鍋谷峠まで戻る途中で、ちょっと道の脇に入ると、広場があり展望が開ける。今日は雲ひとつない凄まじいばかりの青空なのに、下の方は霞んでいるのか、街が見えない。まるでものすごい山奥に来たような、不思議な風景が広がっていた。
三国山~鍋谷峠間では、車1台とすれ違っただけで自転車とは1台も出会わなかったが、鍋谷峠からR480に戻ると、次々と自転車とすれ違った。みんな暑い中ガンバっている。
父鬼まで下ってくると、温度計表示は33度。三国山頂と比べると、10度以上の温度差で、もう現実に引き戻された。
帰路は、往路以上に身体の調子がおかしい。自転車を操っていても、一枚紙をはさんだような違和感があり、意識が集中できない。できる限り、操作にはできる限り慎重を期して、水分補給も充分にしながら家路を急いだ。
暑さを避けて泉北ニュータウン内の遊歩道(泉北緑道)を経由した。いつもなら、人通りが多くて下りに使うのは危険だが、暑すぎる今日は人影もまばら。こっちも元気が無いので、のんびりと下っていった。
最後はフラフラになりながら、何とか無事帰宅。10:30に帰宅というのはかなり早いが、疲れ方はロングライドをやったようだ。シャワーを浴びたら、へたり込むように15分ほど仮眠。しんどいが明日の来客に備えて家の片付けをしなければ・・・。
昨日から身体がだるかったが、一晩寝ても大して回復せず、今日の体たらくだった。ここ連日の猛暑で夏バテかとも思ったが、水曜のトレーニングでも調子が悪かった。タイミングからすると、ひょっとしたら漢方薬の服用をやめたことが影響しているのかもしれない。週明けまで回復しなければ、もう一度薬を処方してもらおう。
■コースマップ
■本日の走行記録(自転車)
Cyclemeterの記録
スタート: 2012/07/28 5:36:43
完了: 2012/07/28 10:33:12
バイクタイム: 3:17:17
停止時間: 1:39:06
距離: 61.13 km
平均スピード: 時速 18.59 km
最高スピード: 時速 45.33 km
登り: 1520 メートル
カロリー: 1485 kcal
POLAR CS200CADの記録
走行距離: 60.7km
消費カロリー:1700kcal
計測時間:4:56:24
平均心拍数:110
最大心拍数:155
平均速度:16.8km/h
最高速度:46.5km/h
平均ケイデンス: 66
最大ケイデンス:103
心拍数ターゲットゾーン:130-152
ターゲットゾーン以下時間:4:00:30
ターゲットゾーン内時間:0:54:13
ターゲットゾーン以上時間:0:01:41
走行時間:3:36:02
累計走行距離:4278.9km(2010年12月10日より)
■本日のフォトアルバム
坂稽古雲さえ見えじ夏の空 [鍋谷峠往復]
今日から、水曜早朝の峠トレーニングを開始した。ここ数年、ノリクラ直前に行なっている恒例行事だ。
コースは一番手近な鍋谷峠。今日は序盤に脚が回るように感じられたが、勘違いだったようですぐに電池切れ。鍋谷アタックも心拍数が思うように上げられず、170未満でウロウロ。
タイムは29分10秒と、6/30の記録より2分以上遅い。毎度のごとくCyclemeterでログを録ったので、今日の記録をベースに次回以降ガンバっていこう。
初回の平日トレーニングはさっぱりだったが、まあこれからだろう。雲ひとつない夏空に早朝から暑かったが、かなり汗が出るようになってきたのは収穫。身体が徐々に夏に順応してきているのだろう。
■コースマップ
■本日の走行記録(自転車)
Cyclemeterの記録
スタート: 2012/07/25 5:33:59
完了: 2012/07/25 8:39:02
バイクタイム: 2:25:40
停止時間: 0:39:08
距離: 52.31 km
平均スピード: 時速 21.55 km
最高スピード: 時速 61.21 km
登り: 915 メートル
カロリー: 1306 kcal
POLAR CS200CADの記録
走行距離: 59.8km
消費カロリー:1643kcal
計測時間:3:04:47
平均心拍数:130
最大心拍数:182
平均速度:23.4km/h
最高速度:51.7km/h
平均ケイデンス: 79
最大ケイデンス:115
心拍数ターゲットゾーン:130-152
ターゲットゾーン以下時間:1:49:02
ターゲットゾーン内時間:0:37:19
ターゲットゾーン以上時間:0:38:12
走行時間:2:33:12
累計走行距離:4218.1km(2010年12月10日より)
■本日のフォトアルバム
サイクルスポーツ誌ベストロードに掲載されました
サイクルスポーツ9月号別冊付録「あなたが選んだベストロードを走ろう!」に私の投稿したコースが掲載されました。
これは昨年11月26日に行った「串柿ツーリング」を元にしたもので、和歌山県かつらぎ町にある串柿の里として知られる四郷を回るルートです。
コース投稿に伴うアンケートがかなり膨大で、結構苦労しました。とは言え、お陰でタイガースネタを中心とした私のコメントや似顔絵が、ルートのページやそれ以外のコーナーにいくつも掲載いただきました。
目立ちたがり屋としては大成功の巻。次回(ありますよね?)もガンバって投稿するぞ!
若き日の旅路に戻る雨宿り [千早峠(金剛トンネル)-水越峠]
梅雨明けと同時に暑い日が続いている。いよいよノリクラ本番まであと1ヶ月余りとなったが、今年は天候や体調のタイミングが合わず、なかなか思うようにトレーニングが進んでいない。
それでも鍋谷峠のタイムで見る限り、今年の調子が悪い訳ではなく、むしろ昨年よりよい成績が出ている。ソロだけでなく、仲間と走る機会が増えていることが好影響を与えているのかもしれない。
遅ればせながら、そろそろトレーニング強度や回数を増やしていかなければいけない。とは言え、いきなりの暑さに身体が慣れていないので、ムチャもできない。年寄りは回復に時間がかかるし、大阪近辺の暑さは真剣に熱中症になりかねない。
そんな訳で今日も午前中ライドを予定して自宅を出走。今日は例によって近所の友人と一緒。未明まで雨が降っており心配したが、出発の6時ごろには日も射す天気となり、朝から暑い。
まずは河内長野駅経由でR310千早峠(金剛トンネル)にアタック開始。雨上がりの峠道は自転車乗りが多く、序盤の上りでいきなりSakataniさんのジャージを着た方にぶち抜かれた。
観心寺でSakataniさんのチームの方々が集合しており、これから同じルートを上るようだった。先行して上っていると空模様がやや怪しくなったが、雨は降ることなく、むしろ日が陰って少しでも涼しい分助かった。
まだ本調子ではないが、汗もだいぶ出るようになってきて、ポタポタ落ちていく。暑さに慣れてくれば、それこそ流れるように汗が出てくるようになるが、まだそこまでは行かない。
8:10頃に千早峠(金剛トンネル)到着。石川を渡る諸越橋からのタイムは49分10秒。序盤で信号に引っかかったりした割りには、かなり良いタイムだ。
峠に着いてしばらくすると、先ほどのSakataniさんのチームの方が次々到着した。やがて、友人も到着。
全員揃ったらしいSakataniさんのチームは、先に奈良側に下っていく。
下る途中のいつもの撮影地点。今のところかすみがちで、下界の展望はもうひとつ。
高度が低くなると尋常でなく暑い。五條道路に沿って北上していると、ひまわり畑が目に入った。気分はツール・ド・フランスだ。
交通量の少ない県道120号線に入って北上を続け、R309に入って大口峠をパス。
コンビニで水分を補給して小休止。走りだして帰路に超える水越峠方面を見ると真っ黒な雲。そこで雨雲レーダーを確認すればよかったのだが、天気は回復に向かっていると思っていたので、そのまま進み続けてしまった。
R24を超えた辺りでポツポツと雨が降り出し、「引き返すそう」と友人が言ったが時すでに遅し、ほんの一瞬で大粒の雨が一気に振り出した。たまらず、すぐそばにあった吐田神社の拝殿に飛び込んだ。
あらためてiPhoneで雨雲レーダーを見てみると、さほど大きくはないが大雨を伴った雲が南東に進んでいくところだった。しばらく待てば通り過ぎそうなので、しばらく雨宿りすることにした。
不意の雨を避けて雨宿りというシチュエーションに、学生時代のキャンプツーリングを思い出した。何十日も日本各地を放浪したのは、私も友人も同じ。「あのころは贅沢な時間の使い方をしていた」との友人の言葉に、なす事もなく過ごす今日の雨宿りの時間が重なった。気持ちがその頃にタイムスリップして、約20年前の思い出話に花が咲いた。
40~50分くらいで雨は止み、水越峠への上りを再開。大型車が水を跳ね上げるR310は早々に離れ、旧道を上っていく。序盤こそ雨上がりで涼しかったが、峠に着く頃には日も射して、やはり汗だく。
水越峠は相変わらずハイカーの駐車が列をなしている。暑いのにご苦労なことだと思ったが、こちらも人のことは言えない(^_^;)。峠の水場で顔を洗い、一時の清涼。
雨宿りで時間をロスしたので、その後も急ぎ足で堺に向かったが、暑さでなかなかペースが上がらない。道路の渋滞もあって、帰宅したのは13:20頃だった。雨を恐れてiPhoneの充電をしなかったことや、バッテリーの節約のために画面を消していたことで、3つのトラブルが発生。
- バッテリー残が少なくなったため、ログが途中で停止
- 13時を過ぎていることに気づかず、自宅に連絡していなかった
- 昼ごはんがいるのかどうかわからず、ヨメさんがおかんむり
特に3は大問題だった(^_^;)。
■コースマップ
※途中で計測終了
■本日の走行記録(自転車)
Cyclemeterの記録
スタート: 2012/07/21 6:11:01
完了: 2012/07/21 13:18:44
バイクタイム: 3:33:04
停止時間: 2:28:27
距離: 68.54 km
平均スピード: 時速 19.30 km
最高スピード: 時速 76.72 km
登り: 1887 メートル
カロリー: 1628 kcal
※途中で計測終了
POLAR CS200CADの記録
走行距離: 83.0 km
消費カロリー:2932kcal
計測時間:6:42:43
平均心拍数:128
最大心拍数:185
平均速度:20.1km/h
最高速度:54.5km/h
平均ケイデンス: 78
最大ケイデンス:116
心拍数ターゲットゾーン:130-152
ターゲットゾーン以下時間:4:26:55
ターゲットゾーン内時間:1:10:01
ターゲットゾーン以上時間:1:05:47
走行時間:4:07:01
累計走行距離:4158.3km(2010年12月10日より)
■本日のフォトアルバム
四代目は 夏に吼えるか 猛虎號 [新フレームオーダー]
スチール製オーダーフレームの愛車「猛虎参號」には、気が付けば20年間乗り続けている。メーカーランドナーの「猛虎壱號」が1年ちょい、初めてのオーダーフレーム「猛虎弐號」が2年半で乗り換えていたので、猛虎参號も3年くらいで乗り換えだろうと思っていたが、どうしてどうして。
製作当時は入門クラスのロードレーサー(当時はロードバイクという呼び名は無かった)なんかには負けない軽さだったし、700C車輪を採用してファストライドからダート走行まで幅広い用途に使えるように設計したので、多少乗り方が変わっても乗り換える必要がなかった。
10年も経つとさすがに世間一般の自転車と比べて見劣りするようになったし、ノリクラへの参戦を始めて、軽い自転車が欲しくなった。当然、乗り換えも考えたが、すでに結婚して子供もできていたので金銭的余裕はなく、少ない予算で購入できる自転車ではスペックが気に入らないし、アルミやカーボンのロードバイクは一様に乗り心地が悪くて、とても乗り換える気にならなかった。もちろん、ノリクラ専用に1台購入するなど到底不可能。
結局、今に至るまで使い続けることになったが、さすがにこの数年は限界を感じていた。フレーム各所の塗装が劣化して剥がれだし、剛性不足も感じてきた。自分のスキルが上がって剛性不足を感じるようになったのならうれしいが、恐らくは通勤等に使用している他の自転車との比較で感じるようになったのか、ひょっとするといくらスチールといっても20年の酷使でさすがに「ヘタリ」が起きている可能性もあるだろう。
そんなこともあって乗り換える自転車を何にするか考えていたが、昨年辺りから次の自転車もスチールオーダーフレームにしようと決めた。お金に糸目を付けないなら他の素材でもっと軽くて乗り心地の良い自転車はあると思う。とは言え、子持ちのお父さんが現実的出せる金額を考えると、入門クラスのロードバイクがせいぜい。一方、スチールフレームなら丈夫で長持ちするし、これ以上流行遅れになる心配もない。なにより、オーダーフレームなら、自分好みの世界でただ一台の自転車を創り上げることができる。
ただし、スチールでありさえすれば良いわけではない。猛虎参號以外にも、同じタンゲNo.2で組んだ吊るしのロードレーサー(LIBRA号)を持っていたが、乗り心地はまるで違った。剛性が高く、確かに早く走れるのだが、長距離走ると疲れきって余力が残らない。少しでも早く走ることが目的にしたレース本番ならそれがよいのだろうが、長距離走るメインバイクにするには至らなかった。
一方、猛虎参號は平地のダッシュなどで剛性不足を感じることもあるが、不思議と上りではそれを感じない。元々低トルク高回転型のペダリングスタイルだし、フレームがたわみ、元に戻るリズムを身体が憶えていたのだろう。何より長距離を走った時の疲労感が軽く、ツーリングなどでは走行後の重要行事である反省会(宴会とも言う)にも、余力を残して参加できる。
いずれにしても、設計やビルダー次第で全く同じスチール素材でも、全く別物になることは体感している。最近のスチールバイクブームではその辺の事情を無視して「スチール=乗り心地が良い」とひとくくりにされている傾向があるので、警鐘を鳴らしておきたい。
余談はさておき、用途ごとに自転車を用意するのが難しいので、1台で多用途に使える仕様を今回も引き継ぎつつも、猛虎参號よりはややレース志向にシフトさせて、オンロード専用にすることにした。腰痛持ちとなった今となっては、ダートで押し担ぎをする機会も当分無さそうだし。
4月に猛虎参號で転倒し、継続使用に不安を感じたこともあって、フレームの新調を急ぐことにした。猛虎参号は学生時代に埼玉のビルダーさんに作ってもらったが、遠すぎて現行車を持ち込んで相談するのが難しい。大阪近辺で顔を合わせて相談できるビルダーさんがいないかと思っていたが、今のところ顔見知りの方もいない。唯一接点があったのがfacebookで友達になっていただいた吹田の自転車工房エコーの 店長、唯陸奥男さん。
ブログやfacebookで次々と公開されるフレームは、型にはまらずユニークなものに思えたし、エンスーな床の間自転車ではなく、「乗って楽しい」親しみやすい仕様の自転車が多かった。
ルネルスやTOEI系のラグジュアリー自転車も決して嫌いではないが、当面そんなものを作って活かす余裕はない。床の間自転車は老後の楽しみに取っておいて、今はとにかく気を使わずにガンガン走れる自転車が欲しい。そんな私の希望にも合うように思えたし、facebook友達になったのも、何かの縁。「訪問して相談したい」とは言ったが、即日オーダーする気で連絡した。
勝手にまとめたオーダーシート(1,2)と構想メモを持ち、猛虎参號に乗ってエコーさんに押しかけたのが7/8(日)。直接お会いするのは初めてだったが、唯さんはにこやかに迎えてくれた。
ニュータウンの一角にあるご店舗は10年になるとのこと。一般車もスポーツ車も扱われている比較的小規模な店だが、すっかり地域に根付いておられるようで、次々と常連さんや修理客がやってくる。
店内の一角はフレーム製作用の治具が据え置かれた工房があり、見本代わりのフレームや完成車も展示されている。唯さんやお客さんの手によるプラモデルや、ウクレレも展示されており、根っからモノ造りが好きなお人柄が伺えた。
来客の合間に相談を進め、基本的な希望を伝えていった。
- 普段はリアキャリアと大型サドルバッグ、マッドガードを装着してトレーニングやツーリングを行い、ヒルクライムレース参加時には上記装備を外して軽量化する(レース時のみフォークをカーボン製に交換することも検討)。
- 700Cホイール、サドルバッグ用キャリアという仕様は現行フレーム同様。ただし、使用目的はツーリング主体からレース(とトレーニング)寄りに少しずらす。ヒルクライムレースを早く上れる軽量化と剛性向上を実現したい。スモールサイズのサイドプルブレーキの調整幅を目一杯活かすクリアランスに設定して、700×23Cタイヤ使用時にマッドガードを装着したい。
- 現行フレームよりキビキビ走れる「軽量化と剛性向上」を希望。ただし、他の新素材でなくスチールにこだわるのは、乗り心地の良さと、寿命の長さ、飽きの来ないスタイルが魅力だから。従って、ただ単にガチガチの剛性にするのではなく、ツーリングでも使いやすい、ほどほどの剛性にお願いしたい。既製品で言えばロングライド用ロードバイク的な乗り味を希望。
- 長く乗り続けたいと思っているので、今後もパーツ供給が途絶えることがない標準的な規格を基本としたい。
かなりわがままな要求であるが、唯さんは前向きに検討していただき、猛虎参號を採寸して比較しながら話を詰めていった。オーダーシートには一応の寸法を記入しているが、素人がロングライド系ロードバイクの既成品を参考に考えたものなので、強いこだわりはないことをお伝えした。
ヘッドについては現在主流のオーバーサイズ(1-1/8インチ)インテグラル化を狙っていたが、ヘッドパイプ以外とのバランスを考えてノーマルサイズ(1インチ)にすることに。アヘッド化のみ果たすことにした。
唯さんが主に採用しているのは台湾パイプメーカーエコーのクロモリチューブ。唯さんによると熱処理施した「ストロングライト」パイプを採用しても、軽量化効果は限られるし、薄すぎて凹みやすいというデメリットもあり、価格増に見合うだけのメリットを実感しにくいとのこと。多くの場合スタンダードパイプで製作されるようだったが、坂好きとしてはやはり少しでも軽いものにしておきたい。ここはわがままを通して、ストロングライトパイプを採用することにした。
ラグについては猛虎参號同様にイタリアンショートポイントのつもりでいたが、こんなのどうです? と唯さんが見せてくれたのがコンチネンタルカットのシートラグ。ロストワックス製で、集合ステーの受けがあるタイプ。残り少ない在庫だそうだが、せっかく高価な焼入れパイプを使ってくれるから、とのこと。高級感が増す思いがけないプレゼントを、ありがたくお受けすることにした。
その他、リアキャリアやマッドガードの装着方法について色々話したが、最終的には現物合わせということで、唯さんにお任せした。
塗装については、イエロー一色で考えていたが、当初覚悟していた予算よりは安くつきそうなので、ブラックを交えた2色構成を検討することを考えている。具体的にどう塗り分けるかはフレームを作製している間に検討することにして時間をもらった。
私を知る人はおわかりだろうが、これはもちろん阪神タイガースカラー。他にない自転車を実現する私なりのやり方だが、大阪以外のビルダーさんには頼みづらいし、大阪でも自転車にプロ野球の要素を持ち込むことを嫌う方もあるだろう。
そんな私のふざけた要望も、唯さんは笑って受け入れてくれた。というか、唯さんと常連さんが、
「白をベースに青と赤と、あとは黄色を入れるんだったけ」なんて話をしており、
「?」となった私に
「実はこれが78号機なんですよ」
ますます「??」な私だったが
「ガンダムですよ」
そうそう、初代ガンダムの型式番号はRX-78なのだ(笑)。うーん、タイガースカラーにしてしまっていいのだろうか? ちなみに百号機(百式)はお店の展示用に作製し、金色になる予定だそうです。
大まかなプランを決定したところで失礼したが、気が付けば約3時間の滞在。オーダー以外の自転車談話でも盛り上がり、時間を忘れてしまっていた。
その後も細々した確認作業をやり取りしながら、進行していただいている。フレーム製作に1ヶ月かもう少しかかるそうなので、それまでにカラーリングを決める必要がある。塗装を終えて完成するのは1ヶ月半後くらいだろうか? 例え早めに完成したとしても、組み付けや、ポジション合わせ、そして慣れるための時間を考えると、今年のノリクラに新車『猛虎四號』で参戦するのは止めておいたほうが良さそうだ。
来年のノリクラに向けて、1年かけて完成度を高めていこう。