惜別の 思いは尽きず 五月晴れ [お宝たちとの別れ]
私は学生時代から実走派を自称し、コストパフォマンスの高い現行国産パーツを使用していた。今、サンツアーパーツ中心で走っているのは、正直な所まとまった出費ができずにシマノに乗り換えるタイミングを失っただけだとも言える。
とは言え、欧州製のツーリング系パーツにも大いに魅せられていた。学生時代には手の届かなかった憧れのパーツだったが、社会人になってから数年間、20代の前半は多少なりとも懐に余裕があったので、おフランス系パーツを買い漁った。自転車業界に入ってからは買い増す余裕がなくなり(これが現実ですよ)、結婚時にはかなりのパーツを手放したが、これぞというパーツはずっと手元に置いていた。
漠然と「40歳くらいになったら、このパーツ類を活かせるフレームをオーダーできるんじゃないかな」と思っていたが、現実は厳しい。20年ぶりにメイン自転車を新調するのが精一杯で、とてもではないがクラシックパーツを活かすメドは立たない。完成車にするには不足しているパーツもあるし、消耗パーツの予備も充分ではない。床の間自転車の置き場所もない。
どうやら、この先何十年たってもこの状況が改善することは期待できないし、目先の問題として猛虎四號の製作途中で小遣いが尽きた。この20年間、時折り取り出してはニヤニヤしながら眺めていた。心の栄養になっていたので 残念だが、活かしてもらえる人に譲り、その代金で実走マシンを仕上げようと決心を固めた。
ひとまずは第一弾、マキシカのLFハブ、TAのロードペダル、ユーレーのサクセスRD、マファックのコンペティションにライド、カンパニョーロのレコードFDにコルサレコード前ハブ・・・。さらば、我が青春のツーリングパーツたちよ。