塀を越え 梅香る庭 寺内町 [富田林ポタリング]
堺市民マラソンで足の甲の関節を痛めてしまい、強くペダリングすると痛むため先週末は大人しくしていた。これから本格的な自転車復活を目論んでいただけに残念な展開。完治まではかなり時間が掛かりそうとのことだが、2週間を経過して少しは痛みも和らいできた。そこで今日は様子見がてら、軽くポタリングに出ることにした。
どこに行くかで、ちょっと考えたが、mixiで友人のにもさんが1月に訪れていた富田林寺内町を訪ねてみることにした。
今日のお供は猛虎参號。すでに通勤には活用しているが、再塗装を終えてからは初めての遠出だ。組み直し後に履かせている勤務先の商品GMDタイヤ G701(前輪はG701リフレクティブ)は、28Cサイズ。程よい太さで、のんびり走るポタリングに最適だろう。
7時過ぎに家を出発し、まずは南下して自宅から4kmほどの梅の名所、荒山公園へ。品種によっては咲いているものもあるが、まだつぼみの木も多く、園地全体が華やぐほどではなかった。まあ、桜と違って一斉に咲くわけではないので、ちらほら見える花を愛でるのが観梅の作法だろう。
今日は曇りがちではあるが、お陰で冷え込みもまだマシ。リハビリライドにはありがたい天候だと思っておこう。
荒山公園を西から東に抜け、泉北ニュータウンの中を通って府道38号線に入り、方向を東に転じてちょっとした峠越え。通勤仕様からペダルはビンディングに交換したが、ビンディングだと足の痛みが少なく、重踏みをしなければ結構上れる。足がしっかり固定されるせいだろうか?
加えて、大幅に重量増の猛虎参號が意外とよく上るのも、意外な収穫。さすがにスピードは遅いが、太いタイヤは路面の状態にさほど気を使わずに気楽に走れるのがありがたい。
堺、大阪狭山、河内長野の三市が接する峠は、天野街道が尾根伝いに横切る。天野街道のこの峠より南側は狭いながらも全舗装なのでナロータイヤでもよく通るが、北側はこの先でダートのハイキング道になるので、かなり前にMTBで通ったきり。28Cタイヤを付けていれば少々のダートは走れそうなので、足が治ったら突入してみるのもいいかもしれない。
峠の反対側に下ってR310を越え、さらに新旧R170を越えて、滝谷不動駅前の高橋で石川を渡る。
石川の東側を北上していると、葛城山(左)と金剛山(右)がよく見えるが、梁山共に山頂付近は雲が被っており、雪が降っているのかもしれない。
R309を超えると、南河内サイクルラインに入る。相変わらず雲が多いが風は弱く、走りやすい。
金剛大橋で再び石川を渡り、富田林駅前へ。しょっちゅう近くを通過していたが、富田林駅付近に来るのは実は初めて。
見上げる高さの巨大な楠氏遺跡里程標に少しオドロキ。名前の通り、楠木正成ゆかりの遺跡への距離が刻まれていた。
ここから本日の主目的地、富田林寺内町に入っていく。中世以降に自治都市として栄えた往時には、この境界に高い土塁が築かれていいたのだろうが、今はその気配も伺えない。
町中に入って行くと、風情のある歴史的な家屋があちこちにある。下調べしていた富田林じないまち散策絵図をiPhoneで表示しながら、モデルルートをたどって行くと、嶋田家に続いてじないまち交流館前へ。
時刻は9時前。交流館の開館が10時からなので当然閉まっていたが、どこからかパンの焼ける香りが・・・。
辺りを見回すと、交流館の向かいにパン屋さんが。にもさんの行ったパン屋さんは昼から営業との事だったし、今開いているこのパン工房 泰(YASU)さんでアンパンをゲット。あんがたっぷり詰まって、生地はフワフワ、美味しくいただきました。
パンを賞味した後は、モデルコースを先に進む。早朝のせいか、風情ある町家が次々と現れる道に人影は少なく、ゆったりと雰囲気を味わえる。
寺内町に入った頃から晴れ間も多くなり、青空の下で気持よく散策できた。
趣きのある筋と交差する際にパシャリ。
塀の向こうに、梅の大木。邸内には立派な庭園があるのだろうか、と想像。
明かりとりと通風のために開けられた虫籠窓は、建てられた時代で異なる形とのことだが、家屋によって趣きが異なり、面白い。
モデルルートに従ってジグザグに進んで行くと、先ほど「趣きある筋」と述べた筋が日本の道百選に選ばれていることを示す碑が立っていた。この城之門筋は寺内町の中核である富田林御坊(興正寺別院)に面しており、往時のメインストリートなのだろう。
さらに進むと、眼下に石川を望め、金剛、葛城、二上の山々の眺望も抜群とのじないまち展望広場にたどり着くが、ここも10時から。
仕方ないので、そばの階段や駐車場で撮影。富田林駅側から来ると気づかないが、寺内町が急な崖に囲まれた高台にあることがわかる。
立派な庭木が塀の向こうに見える橋本家を過ぎると、見覚えのある看板に気付いた。にもさんの立ち寄った、mame-ten-cafeさんだ。
やはり12時からの営業との表示があったので、いつか午後に再訪してみたいものだ。
その隣の工房前に置かれていたのが、このランドナー。ダウンチューブのステッカーが剥がれ、パーツ類も交換されているようなので確かなことがわからないが、ダウンチューブのポンプペグ、ミツバのダイナモ、前期型スギノPXのクランク、ソリッド棒のフロントキャリアの形状などから、80年台後半のブリヂストン製ではないかと思われる。つまりは私の乗っていたユーラシアとよく似ているのだ。
ただ、ブリヂストンのリアマッドガードは分割ではなく、ステーもダルマネジを使用しないループ状の末端処理がされていた。ヘッドランプの形状も丸型だったはず。ユーラシアの前期モデルでさえスーパーマキシィを使用していたし、ユーラシアより後のトラベゾーンは5アームクランクになったので、PXをつけているこのモデルはユーラシアとしか思えないのだが・・・。ガードステーはダルマネジを使用せずに針金で留めてあるし、ひょっとするとユーラシアに他社のマッドガードをライトごと装着したのだろうか? サイドに補強の溝がある形状はミヤタのルマンやMT-1000のガードによく似ているような気もする。
自分以外は見向きもしないであろう謎を抱えたまま先に進むと、唯一内部が公開されている旧杉山家。やはり10時からなので、外観だけ味わった。
向かいには寺内町センターがあるが、こちらも10時から。開場準備中の女性に声を掛けられ、ちょっと立ち話。「どこから来はったん?」から始まるお約束の展開だが、地元の方との交流は楽しいものだ。
「今度はゆっくり来ますわ」と辞去して、モデルルートの最後までたどり、富田林西口駅へ。そこから、今日のもう一つの目的地、狭山池博物館に向かった。
最短距離の府道202号線は路肩が狭く交通量が多いので、途中でちょっと脇道にそれて狭山湖畔へ。
日本最古の人造湖と言われる狭山湖の堤防上に上がると、すぐに狭山池博物館入口に到着。狙い通り、開館の10時直後。
ここに来たのは、狭山ダムのダムカードをゲットするため。昨年11月にmixiの友人であるiwaさんやK(ケイ)さんに代行入手を依頼されて、しょっちゅう近くを通っていたので安請け合いした。ところが、その後マラソントレーニングに力を入れたので、さっぱり狭山方面に足を運ぶ機会がなかった。
三ヶ月近く経ってしまったが、今シーズンのマラソンは終了したので、早速狭山湖に向かうルートを取った訳だ。
自転車を駐めて館内に入ろうとしたが、館外の通路が長く、水のカーテンが落ちるそばを右に左にジグザグに歩かされ、階段を上り下り・・・さっぱり建物に入れない。
ようやく最後の階段を上った先に入り口らしきドアが・・・。いや、これもフェイクかもしれん、と用心したが、幸いこれで館内に無事突入。
入り口のすぐそばに受付があり、そこでダムカードがもらえるのかと思ったが、せっかく苦労して館内に入ったのでちょっと見学。
実物の遺跡などが展示され、この狭山湖の水が往時は現在の大和川より北の方まで、非常に広い範囲に灌漑されていたことなどがわかり、なかなか興味深い。ただ、どうもおかしいと思ったのは現代から古代へと展示が並んでいる・・・。どうやら私が入ったのは出口だったようで、順路を逆にたどっていたのだ。
そんな訳で私は最後にたどり着いたが、本当の入り口そば巨大な堰堤の復元模型は圧巻。上の方の人のサイズと比較して下さい。
本当の入り口側には人がいる受付は見当たらなかったので、館内を戻って私の入った(本当は出口)側の受付でダムカードについて聞くと、無事ゲット。
iwaさん、大変お待たせしました。ご近所なので待ちくたびれて自分で入手されてるかもしれませんが、K(ケイ)さんの分もあります。
あとは勝手知ったるルートで家路をたどり、11時頃帰宅。終わってみれば大した事はなかったが、痛めた足に、1ヶ月以上のブランク、重い自転車に、太いタイヤと実は色々心配していたのだ。
40kmにも満たないのんびりポタだったので当然かもしれないが、体力的には余裕があるし、足の痛みもそれほど感じなかった。何より、猛虎参号が実に気持よかった。ずっとナロータイヤで遠出していたので忘れかけていたが、太いタイヤとクッション性に優れたフレームを、大いに見直した半日ライドだった。
■コースマップ
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Cyclemeterの記録
スタート: 2013/02/23 7:09:21
完了: 2013/02/23 11:02:49
バイクタイム: 1:44:27
停止時間: 2:08:58
距離: 36.02 km
平均スピード: 時速 20.69 km
登り: 1569 メートル
カロリー: 872
■本日のフォトアルバム