柿色に 染まる山里 上り下り [串柿ツーリング2012本番]
昨年に続き企画した串柿ツーリングは、第一候補だった昨日は雨。本日11/24に順延して開催したが、残念ながら体調や順延により8人が参加できなくなった。それでも10人が参加してくれる大イベントになった。
まずは第一集合場所のJR鳳駅で、昨年に続きご参加いただいたアートサイクルティーエーズ常連のTさん、滋賀のランドナー団のにもさんと合流。
予定より少し早く8時前には出走。ひと走りして、8:15頃には第二集合地点の荒山公園西側駐車場へ到着。すでにK(ケイ)さんと、飛び入りのYYYさん、H野さんの3人の南大阪ポタリング倶楽部メンバーが到着済み。
自転車乗り同士ということで、初対面の方同士もすぐに打ち解けている。にもさんは差し入れの梅丹のサプリを皆に配っていただいた。
公園の反対側の駐車場にデポしてしまった、みわっちさんの車に乗ってきた4名も合流。みわっちさんは学生時代からの腐れ縁で、iwaさんは乗鞍開催時の同宿グループ「乗鞍連盟」メンバー。滋賀のランドナー団のメロー=イエローさん、なむさんはみわっちさんと共に滋賀にお住まい。iwaさんに至っては、奥さんのご実家が滋賀にあるため同乗しているが、実は東京からわざわざ来ていただいた。乗鞍連盟と滋賀のランドナー団の両方に属するみわっちさんがパイプ役になってくれ、自転車の輪が広がっている。
集合写真を撮って、8:45頃出走。堺市、和泉市を南下して、まずは鍋谷峠を目指す。やや雲は多いが晴れ間も覗き、雨が降るようなことは無さそうだ。
鍋谷峠道の玄関口、父鬼集落では10度の表示。まだ暖かいと思ったが・・・。
製材所前の鍋谷橋で停車。私自身は勝手知ったる場所だが、初めての方も多いので、諸注意の上、峠までのフリー走行開始。上る前にちょっと軽量化(?)している間に、みなさんスタート。
最後尾から慌てて追いかけると、すぐにiwaさんとみわっちさんが停車していた。自転車が倒れた際にリアメカをぶつけたらしく、変速の調子がおかしいとのこと。幸い、走行に大きな問題はなく、数分の調整の上で再スタート。
それはそれとして、みわっちさんは背後の看板「不法投棄者を見つけ通報し(抽選で)沖縄に行こう!!」に、受けていた。私も過去何度かネタにしているが、実際不法投棄はずいぶん多い。
iwaさんはメカトラをものともせず、スイスイと上って行く。地元民の意地で付いて行こうとしたが、とても無理。それでも何人かの参加者を抜くことができたので、幹事の体面は保てた(のか?)。
鍋谷峠に到着すると、4度の表示。冬場に麓と6度も違うのは珍しい。山中は随分冷え込んでいるようだ。
到着済みの参加者は峠の看板で写真を撮ったり、お互いの自転車談義に花を咲かせていた。参加者以外の自転車乗りも次々と上ってきて、反対側に下って行く。しんがりをお願いしていたみわっちさんもゴールして全員集合。
さて、皆さんお疲れ様でした。峠を上れば普通は当然下りですが、今日はそんなことは忘れて下さい。我々が進むのはこちらの上りです。
鍋谷峠から分岐して三国山に向かう道は、鍋谷峠の上りよりはるかに急傾斜。無理せず押すことを勧めていたが、取りあえずは乗って上ろうと試してみるのは当たり前。ところが、濡れた路面に落ち葉が積り、うかつに立ち漕ぎをすると後輪が滑る難路に、自転車を降りて押し始める参加者が次々。この辺で「こんなにひどい道だとは~」と思っている参加者もきっといただろうが、こんなのは序の口(笑)。
傾斜が落ち着いた辺りに、七越峠を経て三国山に向かう道と、東谷を経て堀越観音方面に向かう道の分岐がある。
はい、皆さん、ここが本日最高標高地点です。今日はこれ以上高いところには上りません。私の説明に、この先の厳しさを知るTさんが微笑んでいる。ガーミンのGPSサイコンにコースをインプットしているiwaさんも、ここが序盤であることに気付いていたが、多くの参加者は、まだこの後の過酷さを認識していない(ΦωΦ)フフフ…。
分岐で小休止していると、鍋谷峠の上りでも見かけたケルビムのランドナーが上ってきた。フロントバッグには串柿の里の地図が入っており、目的は同じだった。こんな道にはランドナーがいいですよね、としばしお話。
先行されたランドナーを追いかけるように、我々もスタート。コンクリート舗装の道は平均勾配13%と、上り以上の急傾斜。グレーチング(水抜き溝)も横切っており、ナロータイヤには過酷な道。ここを上るとなれば、押してでも至難の業だろう。逆コースを立案しなかったのは、企画者の親心(?)。
地元の方が掃除してくれているのか、不思議と落ち葉は少なかった。ブレーキを握りしめながら林間の暗い道を下っていくと、最後に傾斜が落ち着いて、パッと視界が開ける。
目の前には、紀の川沿いから高野山まで見渡せる絶景が広がる。これまでが暗く過酷な道だっただけに、参加者にはさぞ開放的に見えるだろう。
東方向には深い谷の向こうに、これから上るコースが見えている。なるべく教えないようにしていたが、カンがいい参加者から質問があり、仕方ないので「あそこを上ります」とお伝えしたところ、皆どよどよ・・・。まあ、ここから見ても本当の過酷さはわからないでしょう。
少し下った定福寺前には、吊るし棚に串柿が鈴なり。先日の下見より、だいぶ色が濃くなってきている。柿の木と吊るし棚に囲まれた集落の様子は、なかなか珍しい風景だろう。
皆で記念撮影をして、大久保集落内の道を先に進む。家の敷地内や道沿いのすき間というすき間に柿が吊るされている。
即売されている干し柿を買い込む参加者もいたが、10個を串に通した縁起物の「串柿」はさすがに持ち帰れないので、記憶と写真に残してもらいましょう。
集落を抜けて谷沿いを下る道は平均勾配14%と、さきほどより強烈な急傾斜。路面状況こそきれいだが、ここも上るとなれば、過酷極まりないだろう。
本日の最高標高地点から、大久保集落を挟んだ2つの急坂で一気に約450mも標高を下げる。文蔵の滝付近の分岐に着いたのは、正午近く。さあ、実はここからが本日最も過酷な区間。昼食場所まで2kmちょいですので、全部押しても40分で着きます。焦らなくて大丈夫ですよ。と声を掛け、フリー走行開始。
三々五々スタートしていく参加者と共に、私も上り始める。距離2.5kmで300m上る平均勾配12%の急坂。早速押し始める方もいたが、これでも逆コースよりは緩い傾斜なので、深慮の末の温情コースなのだ(?)。
坂と格闘する参加者は振り返る余裕のない方もいるので、いい景色ですよと声を掛ける。
道沿いの中畑の集落にも串柿が吊るされ、振り返ると先ほど走ってきた大久保の集落が谷の向こうに見える。ちょうどさっきと逆から見ているのだ。
私は12:20頃に昼食地点、茅葺き茶屋「月空」に到着。前後して到着した参加者は口々に「キツかった」との感想。2回目のTさんは、昨年より余裕を持って上れたことが嬉しそう。
急坂に慣れない方にはさぞ苦しかったコースだろうが、厳しい上りはこれで終了だ。古民家を活用した月空さんは、昨年もお世話になった。飲み物やスイーツが中心なのだろうが、チキンカレーや石窯ピザもある。
店員の多い店ではないので、全員揃うのを待たずに、着いた方から注文しておいてもらうことにしていたが、すでに座敷はほとんど埋まり、忙しそう。連休のせいか、昨年よりかなりお客さんが多い。
注文して座敷で待つうちに、残る参加者も続々到着。12:40頃には全員が揃った。
私はチキンカレーを注文し、石窯ピザをiwaさんとシェア。料理を待つ間や食べている間も、各テーブルで自己紹介や自転車談義に花が咲いていたようだ。
月空さんのご繁盛もあって、全員が食事を終えたのは13:40頃。店を出る頃にはカレーも売り切れていたので、人数が減ったのが幸いした。
食後はすぐそばの堀越観音へ。2週間前の下見では緑色に茂っていた大銀杏が、すっかり黄色くなって、かなり落葉していた
黄色い落ち葉が辺りを絨毯のように覆い、黄色いウィンドブレーカーの私は「保護色になってましたよ」と声を掛けられた(^_^;)。
堀越観音の後はほんの少し上るとピークで、あとはしばらく緩やかな下り坂。そして蔵王峠に至る。もはや厳しい上りはないが、実は幹事の私が一番緊張するのはここからの下り。
府道61号線の大阪側は急傾斜で道幅が狭く、路面も荒れている。しかも昨日まで雨が降っていたので、谷筋の道はかなり濡れているだろう。パンクや事故が起きやすいと予想されるので、くどくどと注意を呼びかけ、スローペースで下りはじめた。
コンクリート舗装に、積もる落ち葉や落石、水たまり、しまいには石畳も現れる過酷なルート。頻繁に止まって後続の無事を確認していたが、参加者の皆さんは、文句も言わずにうるさい幹事の言うことを聞いてくれた。
厳しいところでは無理せずに自主的に自転車から降りて押したりと、参加者の細心の安全走行のお陰で、トラブルもなく滝谷ダムまで降りてきた。
酷路の後の平坦な舗装路に今度はペースを上げて湖岸を走り、滝谷ダムサイトに到着。H野さんは膝に痛みが出たとのことで、ここで途中離脱されることになった。楽なペースとコースで帰宅されるとのことだが、無理なコースだったのではないかと心配。
滝谷ダムのダムカードをゲットしたしたり、ダム上から磨崖仏を見物したりと、それなりに楽しんでいただいた後は、いよいよ終盤。バテている参加者があれば川沿いに下ることを考えていたが、皆さんお元気な様子。少しアップダウンがあるが、距離が短く、天野山に立ち寄れる関西サイクルスポーツセンターの前を通るルートへ。
関西サイクルスポーツセンターは急坂の途中にあり、並の人間は自転車で到達できる場所ではない。大阪在住者には身近だが、滋賀在住者や東京からのiwaさんには結構興味を惹く施設とのこと。入場している時間はないが、ちょっと止まって見学。
坂を下りきると目の前が天野山金剛寺。女人高野として知られており、金堂の特別公開期間中とのことで賑わっているが、この時点で15:30。そろそろ日も傾いているので、入場料を払ってまで参拝するのは断念。
ロードシューズの方には申し訳ないが、川沿いに境内を自転車を押して抜けていくと、紅葉がきれい。
ここからは、この天野山金剛寺に続く天野街道を辿る。ウォーキング道として整備されている部分もあり、道幅が狭く車はほとんど通らないので、自転車でも走りやすい。ここは、古い道標が残る高野山と天野山との分岐。ここで男と女が分かれていく往時の姿を想像するのも面白い。
この地蔵尊付近は堺、大阪狭山、河内長野市が合わさる地点。周辺で一番高く、給水塔が設けられているが、見晴らしもいい。
この先は天野街道が未舗装路になるので、府道38号線を下る。ゴール近くなり、時間的な余裕もできたので、ちょっと桜井神社に立ち寄った。
拝殿が鎌倉時代の建物で、国宝に認定されているが、それよりインパクトがあるのがこの巨大な鬼の面。この面を用いる「上神谷のこおどり」が国の選択無形民俗文化財だそうだ。
第二集合地点の荒山公園に着いたのは16:30頃。ほぼ予定通り、暗くなる前に帰ってきた。皆、道はわかるそうなので、ここで解散とした。順延で参加者が減ったことと、H野さんの途中離脱が残念だったが、大過なくイベントを終えることができて、まずは何よりだった。今回の参加者は初めてご一緒する方も多かったのだが、皆さん協力的でスムーズに運営できた。感謝感謝だ
最後に拍手をしてくれたのが嬉しかった。少しでも楽しんでいただけたのなら、今後の張り合いになる。私の知り合いの知り合いという形で、色んな出自の方に参加いただけたので、今後の交流のきっかけになれば、それも嬉しい。
■コースマップ
■本日の走行記録(自転車)
Cyclemeterの記録 (鳳駅→荒山公園のイベントルート)
スタート: 2012/11/24 7:56:13
完了: 2012/11/24 17:17:52
バイクタイム: 4:24:51
停止時間: 4:56:42
距離: 66.46 km
平均スピード: 時速15.06 km
登り: 5767 メートル
カロリー: 1991 kcal
POLAR CS200CADの記録 (自宅→自宅の総走行距離)
走行距離: 86.9 km
消費カロリー:3318kcal(心拍計不調)
計測時間:10:16:07
平均心拍数:114
最大心拍数:—
平均速度:19.7km/h
平均ケイデンス: 73
最大ケイデンス: 108
心拍数ターゲットゾーン:130-152
ターゲットゾーン以下時間:8:40:31
ターゲットゾーン内時間:0:38:37
ターゲットゾーン以上時間:0:56:59
走行時間:4:25:00
累計走行距離:5319.5km(2010年12月10日より)
■本日のフォトアルバム