峠道 色付き始め 走り初め [新フレーム試走]
新フレーム「猛虎四號」は、今朝の作業で何とか遠出できる状態になった。昼前だったが、早速試走にに出かけた。
いつもの装備でいつものコースを走り始めると、最初はあまりに違和感がないので驚いた。ブレーキだけは、引きが重く、効きが今ひとつという問題を抱えているが、それ以外のシフトチェンジやカーブ走行、乗り心地といった部分では、これまでの猛虎参號から劇的な変化がなく、良くも悪くも本当に違和感がないのだ。
ややもするとフレームを変えたことを忘れてしまい、フッと下を向くとフレームが黄色なので乗り換えたことを思い出すという始末。ところが、少し走りこんでいくと、徐々に変化したところに気づいてきた。
まず、いつものコースをリアのスプロケットがいつもより1段ほど重い状態で走っている。変速系統を総取替したことや、昼前で身体が暖まっていることもあるかもしれないが、いずれにしてもいつもより重いギアが踏めている。また、猛虎参號では平地でダンシングをすると大型サドルバッグを積んだ車体後部がヨれる感じがあったが、猛虎四號はしっかりついてくる。
(今となっては)剛性の低いスチールバイクでは、ダンシングすると踏み込んだ後に車体がたわみ、その後に反発がやって来る感触がある。慣れてしまえば、それに合わせてペダリングできるし、たわんでも戻ってくるので力が逃げるわけではなくプラスマイナスゼロ。ゴールスプリントやアタックを多用するロードレースならともかく、ヒルクライムやツーリングなどの持久系走行では欠点とは思っていなかった。
ところが、猛虎四號はこれまでの参號より、少し早く反発が来る感じ。最初はリズムが狂ってちょっと戸惑ったが、タイムラグが少なく加速していくので、やっぱり気持ちいい。
気持よく走っているうちに、通いなれた鍋谷峠へのアプローチルートを辿っていた。昼時になったので、いつもは開店時間に通ることが少なく、素通りするばかりの大野町の農産物直売所、葉菜の森に立ち寄った。
あまり重いものは避け、出店のひとつで、きつねうどんを頂いた。予想外に麺に腰があり、美味で安い(350円?)。
軽く腹を膨らましたところで、さてこれからどうするか? トラブルが起きても困るし、今日は軽く山麓を走るくらいのつもりだった。とは言え、これだけ気持よく走れると、峠の上り下りの性能も確認したくなる。
「ここまで来たら、行っちゃうか!」と、鍋谷峠を上ることにした。
いつもの鍋谷橋。慣れぬ新車だし、昼食を摂ったばかりでもあることから、アタックはせず、のんびり上った。驚くほど走りが軽快になるわけではないが、変速を含めて自転車の反応がよく、ストレスが少ない走りができる。ギアも、いつもより重いものが踏めている。
変速に関しては組み付け時に、一部の組み合わせで異音が生じることが気になっていたが、走行中はほとんど気になるほどのものではなく、抵抗も感じなかった。静かな山中で速度の落ちたインナー×ローに近い状態では多少耳障りだが、意図せぬシフトが起きるようなこともなく、大きな問題は無さそう。
BBを低く設計したことが、登坂性能に影響しないかちょっと心配していたが、私に体感できるようなデメリットもなく、登坂でも「違和感のない改善」がなされている。
山々はそろそろ紅葉が始まり、色づき始めている。しばらくご無沙汰しているうちに、夏からいきなり冬が近づいてきた感じだ。
鍋谷峠には32分ちょいで到着。ノリクラ以来丸2ヶ月、まともに峠に上っていなかったし、のんびり上った割にはタイムは上々。これは期待できそうだ。
久々で意外と疲れたし、さすがに和歌山県側に降りて何かトラブルが起きると怖いので、ここで引き返した。
下りでは、やはり重くて効かないブレーキにストレスを感じる。走っているうちにわかったが、どうやらストッピングパワー自体はそれほど低いわけではない。ところが、軽く握っただけではそのパワーが発揮されない。弱く握れば弱く効き、強く握れば強く効く、昔風のコントロール性を優れたブレーキ性能と言うこともできるだろう。
とは言え、引きが重いそんなブレーキを使いこなせるのは鍛えたプロ級の選手だけだろう。効き出すまでのタイムラグがもどかしく、やはり怖い。私のような低レベルの愛好家は、最初からガツンと効く最近のシマノ風ブレーキの方がありがたい。何とか改善する方法があるだろうか?
ダウンヒルを終えて、ちょっと寄り道。昨日、アートサイクルティーエーズにお邪魔した際に、常連のS野さんが鍋谷峠に上った帰りに美味しいフィナンシェ手に入れたと、持ってこられていた。ひとつ頂いたが、絶品だったので、私も家族のおみやげを買いに立ち寄ることにした。
父鬼集落下から府道225号線に入って、尾根をひとつ乗り越え春木川へ。集落の中ほど道端に、目印の看板を発見し、脇の坂道をちょっと上る。
そこにあるのが森のパティシエールますこさん。
敷地内に入ると、パンプキンのお化けがお出迎え。ハロウィンが近いので、色々な飾り付けがされていた。
母屋と別に作られた建物がお店らしいので、お邪魔してみた。中は、喫茶スペースになっており、持ち帰り用のお菓子もそこで買えるようになっている
壁には店内用の美味しそうなお菓子のメニューが掲示されていたが、男一人で頂くのもさすがに抵抗がある(^_^;)。今日はお土産にフィナンシェの詰め合わせを購入。
お店の方と立ち話をする中で、頂いたフィナンシェが美味しかったので、と伝えたところ、昨日訪れたS野さんのことも話題となった。家族へのおみやげと伝えたところ、子供用にハロウィン用のお菓子もサービスしていただいた。
ますこさんに立ち寄った後は、一路家路を取り、15時過ぎには帰宅した。
試走は思いの外の長距離となり、峠の上り下りまで試すことができた。
ブレーキには不安があるが、フレーム性能は感心することばかり。剛性が上がることで高速でも安定しており、少々路面が荒れていても車体の挙動に不安がない。ハンドリングも低速時にはやや不安定さを感じるが、少しスピードの出たカーブ走行で思う通りのラインが取れる。フォーク角度を立ててオフセットも小さくした効果が出ているようだ
それでいて、剛性アップで乗り心地が悪くなったかというと、ほとんどその印象はない。少なくとも走っている間は挙動の安定などの効果が大きく、とても快適に走れるので、50km超程度の距離ではデメリットをほとんど感じない。
猛虎四號は全体として、純ツーリング車だった猛虎参號より、ややレース向けの乗り味で、これはまさに注文通り。違和感をほとんど感じさせず、乗り味が少し快適で、気がつくと早く走れているという、理想的な仕上がりだ。
ただ、家に帰ると予想外に疲労していた。気持ちよく走れるだけに、ついつい踏み込んでしまうのだ。決まった距離をできるだけ速く走るというレース用機材なら、これはデメリットでなく大正解。ただ、乗り心地がよりソフトで、スピードを上げようとしてもなかなか上がらない猛虎参號は、結果として走った後も余力が残りやすかったのだろう。走行後の宴会や、翌日の仕事に全開で望めるという意味では、猛虎参號的なツーリング車の味付けも不正解とは言えないだろう。
ダートを交えたツーリングが主体だった猛虎参號の製作時に比べると、現在は峠越えを伴うオンロードのヒルクライムトレーニングが中心になっている。それに合わせて制作した猛虎四號は、今のところ予想以上の仕上がりを見せている。
性能の片鱗を見せた今日の試走だったが、まだマッドガードやヘッドマークも装着しておらず、船で言えば進水式は終えたが艤装が済んでいない状態。早いところこの2つを終えて、完成に持って行きたい。近い将来にはブレーキを改善し、ステムもスチールバイクに合うノーマールサイズ(1インチ)コラムのものを調達したい。
■コースマップ
■本日の走行記録(自転車)
Cyclemeterの記録
スタート: 2012/10/27 11:11:19
完了: 2012/10/27 15:15:21
バイクタイム: 2:38:58
停止時間: 1:24:57
距離: 55.79 km
平均スピード: 時速 21.06 km
登り: 2714 メートル (明らかに異常値(^_^;))
カロリー: 1390 kcal
POLAR CS200CADの記録
走行距離: 49.7 km
消費カロリー:1855kcal
計測時間:4:03:53
平均心拍数:126
最大心拍数:171
平均速度:18.7km/h
平均ケイデンス: 76
最大ケイデンス: 111
心拍数ターゲットゾーン:130-152
ターゲットゾーン以下時間:2:43:44
ターゲットゾーン内時間:0:37:53
ターゲットゾーン以上時間:0:42:15
走行時間:2:40:08
累計走行距離:5109.9km(2010年12月10日より)
※序盤計測不良
■本日のフォトアルバム