部屋籠り 天高き空 我れ誘い [新フレーム乗せ換え作業その3]
【遅々として 進まぬ作業 日は短か [新フレーム乗せ換え作業その2]】からの続き
未だ走れぬ状態の新フレーム「猛虎四號」。今週末も組立作業は続く。
今日の作業に先立って、昨晩、堺の自転車店ALMASさんに行ってきた。猛虎四號でも使い続けるワールドクラスのチタンBBのベアリング交換の方法に悩んでいたところ、店長の新名さんがfacebookを通じて、工具を使って良いと声を掛けてくれたのだ。
お言葉に甘えて仕事の帰りにおじゃまして、万力とハンマーをお借りした。新名さんの助言のもと、もう一つ所持している軸長の違うワールドクラスBBで予行演習としてハンマーで叩いてみたが、電解溶着しているのかベアリングは全然外れない。
途中からは、もっぱら新名さんが作業してくれ、いろんな方法を試してくれたが、専用工具なしではやはり難しい。
終いには、中心部のスリーブに穴を開けてネジを立てて固定するなんでアイディアも頂いたが、あまりに大げさになってきた。
作業の途中で、新名さんは私が交換用に持参したNTN製のベアリングを当てがってみた。すると、BBシャフトが抵抗なく入り、しかも少しガタがある。規格は同じISO6903なのだが、新名さんいわくインチ規格の国とミリ規格の国の微妙な差で、こんなこともあるそうだ。
ともあれ、例えベアリングを外せても、マッチする交換品がないのでは仕方ない。ひとまず、交換は断念することにした。これから、マッチする交換用ベアリングの入手に努め、合わせて交換方法を検討していこう。色んなことが判り、協力していただいた新名さんに感謝だ。
明けて今日は早朝のジョギングと食事などを終えて、8:30頃から作業開始。まずは、ベアリング交換を一旦断念したワールドクラスBBをグリスアップ。
シールドベアリングのシールを外して中のグリスをパーツクリーナーで飛ばし、シリコングリスをびっちり充填した。
新名さんによると、一番良いのはオイルヒーターにつけて古いオイルを溶かして除去し、ポリリウム(?)グリスを充填するのが良いそうだ。いずれ、もっと理想的な形で再度グリスアップしよう。
続いてクランクを装着するが、ついでに左右のクランクを一度同じ向きに付け、Qファクターを計測。結果は157.7mm。
チェーンラインを調整できるワールドクラスBBの機能を活かして、できるだけ短いBBシャフトを選択しているので、現在でもそこそこ優秀な数値ではないかと思う。
続いて後輪から今まで使用していたスプロケット(コグ)を外す。最近のシマノ等とは異なり。ねじ切りのあるトップコグで締め付けて固定するタイプなので、2本のスプロケ外しを使用。
今まではコグを組み替えて13-24Tで使用していたが、今回は新品の13-23Tセットをひとまずそのままインストールする。
あとは実走してみて調整していく。変速性能の劣化を気にせずに自由にコグを組み換えられるのが、この時代のパーツの気楽さだ。
フリーボディが軽合金のSLマイクロライトフリーハブに装着する際は、コグ固定の3本のピンを抜いて一枚ずつセットすることが、マニュアルに記載されている。フリーボディが変形しやすく、一体化したままでは入りにくいせいだろうか?
7枚のコグをセットして交換終了。ハブはしばらく前に、前後ともシールドベアリングを交換し、バラ玉ベアリングのリア右側はグリスアップ済み。ペダルも最近グリスアップしたので、回転系は全て新品か、整備済みだ。
いよいよディレーラーの装着。リアは新品のシュパーブプロ8S最終型。もっとも、私は7Sで使用するが。
Rメカはひとまずは台座にねじ込むだけ。
フロントは同じく新品のシュパーブプロだが、直付用なので、バンド式台座を介して装着する。
ルックスは今ひとつで不本意。ひとまずはこのままセットするが、そのうち他の台座を物色するか、それとも使い古しのバンド式を装着するか?
いっそのことXC-PRO(MD)のバンド式にする方法もある。アウター42Tでシュパーブプロを使用するのはそもそも無理があるので、性能的にはこちらが正解だが、ルックスと重量増が気になる所だ。
BB下のリードにはアウターワイヤーのインナーチューブを通しておく。これをアウターから取り出すのが大変な作業だった。何かコツとかあるんだろうか?
ダブルレバーなので、シフト用のアウターワイヤーはRメカそばのわずかな長さのみ。近所に住む友人から借りた独製KMIPEXのワイヤーカッターが活躍した。潰れやすいシマノのアウターシフトワイヤーもキレイにカットできる。
シフトワイヤーを仮止め。インナーは、勤務先のSCS ナノテフロンコーティングシフトワイヤー。商品テストで猛虎参號に装着したら、シフティングが格段に軽快になり、手放せなくなった。
本来は新調すべきだが、社員販売でも結構値が張るので、ひとまず猛虎参號から流用することにした。カラーは商品として流通しているブラウンでなく、特色のグリーン。この辺は職務特権だ(実はメーカーからテスト用に提供された余り物)。
チェーンはSEDISPORTS ATB。ATB(マウンテンバイク)用ということで、何となくお蔵入りしていたが、この度再発見。寿命の短い消耗品をより好みしている場合ではなく、使用することにした。
とは言え、外見でマウンテンバイク用とわかるようなものではなく、今まで使用していた真っ黒の低グレードサンツアーチェーンより、はるかに高級感がある。
脱脂のため、ビニール袋に入れて、灯油とガソリンを混合した液体にしばし漬け込み、その後シェイク。キレイに油が落ちた。
この時代のチェーンはコネクティングピンなど不要で、元々のピンで自由に着脱できるのがありがたい。年代物のUGチェーンカッターで切断しようとするが、SEDISPORTS ATBはピンのヘッドが面取りされて平面ではないのでニードルが滑り、悪戦苦闘。チェーンをプライヤーで抑えこんで固定して、何とか切断した。
リアセンターを短くしたので、今までとチェーン長が変わってしまうのだが、コマ数は2個単位でしか調整できないため問題発生。2コマ長くするとインナー×トップでRメカのゲージに接触し、短くするとアウター×ローで張りが強すぎる。
元より、両端にチェーンをかけるこの位置はできるだけ使用しないようにしているが、一段ずらしたアウター×6thやインナー×2ndは多用する。Rメカの角度調整ネジをいじったりもしたが、両立するのは難しい。
ひとまずは、接触より過張力のほうがマシだろうと、短めの設定とした。とは言え、無理のある設定を何とかしたいし、ローギアを24T以上にすることも難しいだろう。困った困った。
さらに困ったことは、なぜかインデックスが合わない。先週のダブルレバーのグリスアップで何か間違えたかと、再度バラしてみたが、よくわからない。6S用(ノーマル)設定にしてみたりしたが、改善せず時間ばかりが経過していく。あと考えられるのは、純正品でないSEDIのチェーン、サンツアーと構造の違うシマノのシフト用アウター、8S対応のRメカが、猛虎参號と違うといえば違うのだが・・・。
順番に取り替えてみようかとも思ったが、ひとまず後回しにしてブレーキのセッティングを先にすることにした。
ブレーキワイヤーはレバーに付属していた「SUNTOUR HARDLINER」ロゴ入りの純正品・・・にしようかとも思ったが、色が合わないのでインナーのみ使用。アウターはシマノのブラック。あちこちに「SHIMANO SLR」と入っているのが不釣り合いだが、信頼性と価格のバランスでこれに優るものはない。
インナーワイヤーには薄くグリスを塗布し、アウターワイヤーには粘度の低いオイルを流し込んでからセットする。
フレーム内臓のリア側も、インナーワイヤーの少し先を曲げただけで、難なく通過。
それなりに時間はかかったが、ブレーキ系はさほど悩まずセッティングできた。
しかし、BRSでない時代のシュパーブプロは、ブレーキの引きがかなり重い。
これは主にスプリングのテンションによるものなので、インナーワイヤーをナノテフロンにしても、効果は限られるだろう。BRS対応のスプリングだけでも手に入ると嬉しいのだが、今となっては望み薄だ。とりあえず、慣れられるか試してみよう。
タイムリミットが迫ってきたので、ペダルを装着して、最後にチェーンプロテクターシールを貼り付けて17時頃作業終了。
シールはフレームカラーをスポイルしないように透明なものにした(ホントは余っていた手持ち)ので、写真ではほとんどわからないと思うが・・・。
これで延べで丸3日間作業を続けているが、いまだにこんな調子。後はバーテープを巻けばひとまず走れそうな形状になってきたが、インデックスの問題を片付けないと、それもできない。明日も引き続き組立作業の予定だが、まずこれの原因追求だ。
それと、せっかくセットしたが、フロント側のブレーキワイヤーが短すぎたように思える。これもやり直すか?
折角のいい天気なのに、自転車で走れないのは残念。早いところ形にしたいのだが、相変わらずなかなか進まない。
【新しき 友駈け出した 秋の午後 [新フレーム乗せ換え作業その4]】に続く
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