嵐の日 出師は先の 四代目 [新フレーム完成?]
木曜日に自転車工房エコーの唯さんから連絡が入った。新フレーム「猛虎四號」が完成したが、問題があると言うのだ。台風で今日の自転車ライドを断念したので、様子を見にエコーさんを訪問した。
開店直後にオジャマして、早速フレームを拝見。フレーム自体には全く問題なく、塗装も遠目には黄色と黒が塗り分けられ、注文通りの見事なタイガースカラー。
ところが、トップチューブの上面に塗装ムラがあるのだ。どうせ使ううちに傷はつくものだし、少々のことならそのまま引き取らせてもらおうと車でやってきた。とは言え、ワイヤー内蔵工作をしたこともあって、スムーズなこの位置の塗装ムラはかなり目立つ。乗車中に下を向く度に目に入るので、さすがに気になるだろう。
そんな訳で、責任のない唯さんには申し訳ないが、再塗装をお願いすることにした。有名な塗装業者さんの手によるものなので意外だが、たまにはこんなこともあるのだろう。それ以外の部分はラグといい、胴抜きといい、キレイに仕上がっていただけに残念だ。
(塗装以外は)完成したフレームを見るのは初めてだったが、やはりコンチネンタルカットラグは存在感が抜群。ちなみに、トップチューブには「猛虎四號」のロゴも入っている。
シート部は集合ステーになっており、幅の狭いシートステイブリッジには貫通穴だけでなく、マッドガードを隠し留めするためにボルトを付けていただいた。
リアキャリアも同時作製。シートステイブリッジの貫通穴と、シートステーにロウ付けしてもらったダボを利用して装着する。リアエンドのマッドガードのステー用の右側ダボは、将来ダルマネジを使用する可能性に備えて、外側にオフセットしてもらっている。これにより、留めナットがトップコグやチェーンと接触しない。
これが、最終的な猛虎四號のスケルトン。純ツーリング車の猛虎参號よりは、やや戦闘的なポジション。ツーリング、ロングライド、ヒルクライムレースと、1台でオンロードのいろんな用途に使えるように、汎用性のある設計を意図している。
再塗装には、恐らく3週間くらいかかるだろう。猛虎四號の出師(出陣)はもうしばらくお預けだ。
猛虎四號の後ろには、店内の工房スペース。猛虎四號もここで作られ、今も製作中のフレームが見える。フレームが作られる所を間近で見られるお店は、他にはなかなかないだろう。
唯さんは自転車に限らず物造りや機械いじりの得意な方で、お手製のプラモデルや、ウクレレも飾られている。店内の本棚などもご自分で作製され、車も全て自分で整備されるそうだ。
これも手作りのステンドグラス。しかし、唯さんではなく、唯さんの奥さんの手によるものだそうだ。ご夫婦そろってモノ作りの得意なのに驚かされる。
余談だが、エコーさんで買い手を探しているのが、このトライアルバイク。サドルこそ破損しているが、それ以外は傷みが少なくあまり使われていない様子。
フレームも使用しているパーツも本格的で、リアブレーキはマグラ。この仕様で2万5千円程度というのはかなりお買い得と思われる。腰を痛めてなければ、私が欲しいくらいだ。興味のある方は、エコーさんにお問い合わせ下さい。
台風の迫る中ではあったが、朝から何人も修理のお客さんや、常連さんが訪れていた。居心地のいい雰囲気に、自転車談義が盛り上がり、今回も長居してしまった。
帰路はちょうど台風の最接近しており、荒れた天気だったが、もう一件寄り道。東淀川のイトーサイクルさんに立ち寄った。特にツーリング系の造詣が深いお店で、自転車業界に入る前からお世話になっていた。
枚方に住んでいた結婚前には度々おジャマしていたが、住まいが遠くなって10年以上ご無沙汰していた。しかし、今回はイトーさんでなければという要件があった。TAの5ピンクランク用替ギアを手に入れたかったのだ。新フレームでも現在使用中のクランク、スギノPXを流用するつもりだが、5ピンクランク用替ギアはなかなか入手できない。歯数バリエーションが多い5ピン替ギアを常時在庫しているのは、大阪ではイトーサイクルさんくらいだろう。
希望のアウター42T、インナー26Tの組み合わせを無事ゲット。今使用中のギアがかなり消耗していたので、新フレームへの組み付けを機会に交換するつもりだ。
久々の訪問にも関わらず、仕事絡みの情報も色々教えていただき、店長さんは親切に応対してくれた。ありがたい限りだ。今日は嵐の中ではあったが、2つの親切な自転車屋さんとの交流に心が暖まる一日だった。
■本日のフォトアルバム