エミコ&スティーブ壮行会
本日は、大阪難波の居酒屋奴で、エミコ&スティーブ(シール夫妻)の壮行会が行われました。
シール夫妻は12年間に渡って自転車で世界一周旅行は続けてきたが、2001年にエミコさんのガン発病で中断して日本に帰国。しかしお二人の不屈の頑張りでガンを克服し、断続的に世界一周を再開。度々のガン再発で世界一周は中断しているが、今も前向きにガンと戦っておられます。日本では受けられない治療に取り組むため、この度スティーブの母国であるオーストラリアに旅立つことになった。お二人を見送るために、多くの友人や応援者たちが集まりました。
私はサイクルスポーツの連載当初から20年以上エミコさんの軌跡を追い続けているが、直接の接点はイベントで立ち話をさせて頂いたり、facebookで友達になって頂いたくらい。はっきり言って、一ファンに過ぎないのだが、自転車業界に棲んでいるお陰でお誘いを受けることができた。
私が存じ上げない方のほうが多いのだが、自転車関係者だけでなく、エミコさんが最初にオートバイで世界に飛び出した頃から縁のある方も集まっていたそうだ。
まずはエミコさんが登場し、会場は拍手。一見すると元気そうで、あの笑顔をそのまま。苦しいこともあるのかもしれませんが、皆の前では明るく振舞っておられます。
司会の松坂さん。今回の壮行会の発起人の一人で、数々の自転車イベントに関わる仕掛け人。現在はモトクロスインターナショナルに勤務されている。今は商売敵でもあるが、同じ日大出身で大学時代からご縁がある頼りになる先輩だ。この場に出席できるのも松坂さんのお陰だ。
テレビ大阪の田上さん。サイクルモードを立ち上げ、発展させてこられた功労者。この度の異動でサイクルモードの運営からは離れられるとのこと。残念だが、これからは私人として自転車を楽しんでいくとのことだった。
自身もエミコさんとご縁がある、居酒屋奴のオーナーの音頭で乾杯。続いてご縁のある方のスピーチが続く。
連載当時にサイクルスポーツ編集長だった宮内さん。連載当時は、手書きの原稿用紙でやり取り。写真はポジフィルムなので、一度日本に送って現像し、プリントした写真をエミコとスティーブの行く先に送り返す。そこでようやく撮った写真を確認できるので、個別の写真にコメントができる。といった、デジカメやインターネットの普及していない時代の、苦労について裏話を披露していただいた。
タイヤ等のサポートをしていたパナレーサー(パナソニックポリテクノロジー)の宮路さん。
今回、お隣の席に座ることができた、元自転車選手の上阪卓郎さん。20年ほど前、ニューサイクリングに連載されていた頃から軽妙な文章のファンで、直にお話できて感激だった。現在は玉出でダイニングバー タクリーノを経営されながら、「たくりーの」ブランドのケミカル用品などもプロデュースされている。
1時間近く遅れてもう一人の主賓、スティーブさん登場。引越しの準備が手間取ったそうだ。英語と日本語を交えた挨拶に、場も盛り上がる。
エミコさんもスティーブも笑顔で会場内を歩きまわり、いろんな方々とお話をされる。
前のお席に座った、すうらいさん。お二人とお話したり写真を撮ったりされていた。
私もスティーブさんとツーショット。直接お会いしたのは昨年の「みんなの輪チャリティーライドin奈良」だけなので、憶えてはおられないだろうが気さくに撮影に応じていただいた。
ロンドンパラリンピックセーリング日本代表選手の西山克哉氏。ビルの7階からの転落事故で障害を負ったが、諦めずに力を取り戻した方だ。
両親が奄美大島の南にある加計呂麻島出身のシンガー、シーガン山下さん。「例え1%の可能性があるなら前に進んでいく」とエミコさんの生き方を歌い上げ、参加者の感動を誘った。
壮行スピーチのトリは英語落語の大安吉日ことダイアン吉日さん。最も遠方であるイギリスからの参加者と紹介されたが、今日は大阪市内(天六?)からお越しとのこと。
そして時間はあっという間に過ぎ、エミコとスティーブの締めの挨拶。シーガン山下さんの歌の通り、可能性は決して高くないのかもしれないが、お二人は諦めることなく前に進み続けて奇跡を起こしてきた。これから向かうメルボルンにはスティーブの家族がいる訳でもなく、病院が決まっているわけでも、住む家や仕事が決まっている訳でもないそうだ。ゼロからのスタートですと決意を語るエミコさんには、それでもずっと笑顔。
スティーブは「私たちのウェディングパーティーをありがとう」とジョークを飛ばし、挨拶を明るく締めくくった。
エミコさんは周囲の応援に感謝していたが、お二人の頑張りが私に力を与えてくれている。感謝したいのは私の方だ。お二人の進んできた、そしてこれから進んでいく歩んでいく道を考えると、小さなことに悩んでいる自分が情けなくなる。お二人の真似はとてもできそうにないが、その何十分の一でも小さな奇跡を起こせればと思う。
一人一人、エミコさんに朝顔の種をもらって会はお開き。図々しいことだが、退出の際に2002年に発売されてすぐに入手していたエミコさんの本「ガンを越え、めざせ地平線!!」に、サインをしていただいた。今までも苦しい時に時々読み返していたが、「ずっと走り続けます」と一筆入れていただいた本は、これからも私の人生の道標になるだろう
嬉しいことに私の名前を憶えておられ、「これからもよろしくお願いします」と声を掛けていただいた。そう、これからまだまだ二人の戦いは続く。下世話な話だが、治療には多額の費用も必要になる。今回の壮行会の会費の一部もお二人への支援金としてお渡したが、まだまだ支援は必要だ。
お二人を支援するお気持ちのある方にはぜひ、モンベルさんの実施しているシール・エミコ支援基金にご協力をお願いします。そして二人を応援するメッセージや、「気」を送ることもよろしくおねがいします。
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