初アワイチ [淡路島一周]
前々からアワイチ(淡路島一周)をしたいと思っていたが、「淡路島サイクリングマップ」を入手したり、サイクルスポーツ誌のウェブページで2011淡路島ロングライドの紹介記事を見たりで気持ちが一気に高まった。
数日前まで天気予報が良くなかったこともあり、今週の実施は見送りかと思っていたが、いい具合に天候が回復してきた。
03:30過ぎに起床。なかもず駅から朝5:09発の地下鉄御堂筋線に乗車。
梅田駅に05:39着。JR大阪駅で6:00発の東海道・山陽本線快速に乗車。
淡路島に渡る淡路ジェノバラインの乗り場まで徒歩10分とのことだったので、輪行袋を担いで走れば1本早い便に乗れたかもしれない。とは言え腰痛持ちの私は無理が利かない。エスカレーターやエレベーターを使うので、大阪駅でも乗り換えにずいぶん掛かった。駅前で輪行を解いて自転車を組み立てるが、取りあえず走れるようにだけして、出航5分前にジェノバライン乗り場に到着。
初めての乗るので勝手がわからず、あたふたと切符を買い(大人450円、自転車200円)乗船。自転車は乗車状態のまま載せられるが、デッキに固定されたので海水を被るのではと不安。私より先に来た自転車は船室内に固定していたので、運がよければその心配もないのだろう。
7:20明石港を出航。高速船なので、かなりのスピードで海を疾走していく。
船上でヨメさんからメールが届いた。
「淡路島サイクリングマップ、テーブルの下に落ちてましたよ」
しまった! 肝心なモノを漏ってこなかったようだ。
わずか13分で淡路島の岩屋港に到着。運航中は近寄れなかった自転車を確認してみたが、目に見えて濡れている所はない。ホッとしたが、海が荒れている日や雨の日は、塩水に濡れることを覚悟しないといけないだろう。
岩屋港でドリンクを準備して、ストレッチ。幸い、サイクリングマップは岩屋港にも置いてあった。やれやれだ。
7:45いよいよ一周約150kmのアワイチがスタート。右回りのルートは島一周の基本通り。道路の海に近い側を走るので、より景色が楽しめるし、陸側に比べて横断する道路が少ないのでスムーズに走れる。
景観のよい小島があったので、出走して数十メートルで停止。国生み神話のオノコロ島とも言われる絵島だ。じっくり見たいところだったが、先が長いことを思い出して撮影だけで再出走。
5分ほどでコンビニを発見して、また停止。停止して実感したが、今日は北風が強い。天気予報で知ってはいたが、帰路が向かい風になるので不安。
携行食にミニチョコパンを購入。ホントはあんパンが良かったのだが、見当たらなかった。
ようやく安心して走れる装備が整った。ミニチョコパンを早速1個口に放り込んで、再々出走。
気温は20度くらいで、自転車に乗るには最適な気温。追い風に乗って、足も快調に回る。30km/h超のペースで海沿いの平坦路を、一路南下する。キラキラ輝く海原の向こうには、大阪が見えるので不思議な感じだ。
なぜか(当然?)観光ガイドには全く載っていない「世界平和大観音」。地元出身の金持ちが立てたモノらしいが、周辺にも不釣り合いな造形物がいくつも立っている。現在は閉鎖されて荒廃しており、地元でも問題化しているそうだ。倒壊したらエラい事ですからね。
海沿いの県道76号線を進もうとしたら、大浜公園の脇でガードマンに遮られた。この先が災害復旧工事で通行止めとのこと。
仕方無しに案内された迂回路を進んだら。いきなり急坂。今日初めての本格的な上り坂が予定より早くやって来た。
峠らしき所で、やれやれ。日も陰ってきたので下りに備えてアームウォーマーを付ける。「迂回して山越えしてもらっているんです」って言ってたけど、大したことなかったな。
と思ったら大間違い。標識に従って左折した先は、まだまだ上りが続いていた。
結局、洲本城址のある三熊山を越えて、通行止め区間の反対側のバリケードに到達したのが9:43。海沿いを走れば6~7分で越えたであろう区間に、30分近くかかってしまった。
海沿いの南下を再開したが、交通量は激減し、相変わらずの追い風で走りやすい。とは言え、由良の手前辺りの海岸では風が強いせいか、波しぶきが道路にまで飛んできて路面を濡らしている場所がいくつもあった。クロモリ製フレームの自転車に乗っている者には気が重い事態。その度に徐行したり、道路の反対側に寄ったりしていたが、たまたま車がいると左端を走り続けるしかないときもある。
「サビる~!」と叫びながら、危険地帯をいくつか突破しているうちに左手に成ヶ島が現れ、この島が防波堤になって落ち着いた。
由良の集落(約45km地点)を越えるとやや内陸に入り、細い山道になる。激坂と言うほどではないが、思ったよりペースは上がらない。ノリクラから一ヶ月余、すっかり登坂能力が衰えてしまった。
ムリせずだらだら上っていると、「ナゾのパラダイス」という看板が現れた。板が打ちつけられた右半分に何か書いてあるのかもしれないが、詳細はわからない。
結局、そんな看板を5~6個も過ぎた辺りでひとつ目のピークを過ぎ、下っていく途中で・・・でかっ! 巨大な「ナゾのパラダイス」のゲートが現れた。「探偵ナイトスクープ紹介」との文字も踊っている。うさん臭さ全開だ。
閉鎖されたこのゲートに「入口はドライブイン」と書かれているが、ドライブインも閉まっていた。ドライブインの脇に、はるか下の方に続く道があるが先の長い今日は寄り道するつもりはない。地図では「立川水仙郷」のある辺りだが、一体どんなパラダイスが待っているだろうか?
後で調べたら、やはり立川水仙郷「でも」あったようだ。公式ウェブページは意外とまともな作りだが、「でも」と書いたのには理由がある。公式ウェブページの「パラダイス」はさらっとしか書いていないが、少し検索すればどんなところかわかるだろう。
もうひとつのピークを越えて、海岸沿いに降りてくると中津川組の集落。この辺りで50kmを過ぎ、ようやく三分の一を突破。時刻は10:30頃。ここからは淡路島の南東岸を進むが、平坦で海沿いの道が飽きるほど延々続く。空も海も青く、交通量は寂しいほど少ない。実に気持ちのよいロケーションだ。ただし、追い風はやや弱くなり、コンクリート舗装の区間が多いので、スピードを上げきれない。
10:42、約57km地点。南あわじ市に入る。この辺りからはアスファルト舗装になり、振動が減ってスピードが一段上がる。
ずうっと沼島が沖に見えていたが、渡船がある灘の集落で真横に並んだ。
11;07、約65km地点。渡船乗り場のそばにあった灘ターミナルセンターに立ち寄り、ひと休憩。
約15km続いたまっ平らな道はここで終了。ほどなく、やや急な坂が現れ、内陸に入りながら標高を上げていく。
峠を越えて下っていくと、阿万の集落が近づいてくる。ふと目についたのが田んぼの稲垣が井桁状に組まれていたこと。初めて見る形で、淡路島でもこの辺りでだけ見かけた。
県道25号線に入って、針路を北向きに転じると、先ほどから見えていた風力発電の風車が針路と同じ方向を向いている。ついに、向かい風だ。平らな道でもスピードを上げられずもどかしい。巨大な風車は、遠くからでも強い存在感。
阿万塩屋町の長い直線路の先に急坂が現れた。大きなカーブを描く道を上っていくと、さっき通ってきた直線路が見下ろせる。
11:52、約77km地点。峠を越えると、これから降りる福良の街が見える。約30km、コンビニ一つなかったが、福良はかなり大きな街のようだ。
造船所などが立ち並ぶ福良の街は、アワイチのほぼ中間地点とのこと。もっと先に知人が営んでいるレストランがあるのだが、まだまだたどり着けそうにない。朝食も早かったのでこれ以上遅らせるとハンガーノックが怖い。やむなく、福良で昼食にした。
iPhoneで検索して、手打ちうどん鼓亭に入店。12:06、約80km地点。
鶏うどんを頂いたが、麺は腰があってうまい。タマネギが入っているのが淡路島らしいと言えるかもしれない。
昼食後は福良の海沿いを走って、街の外れで県道25号線に合流。食後にいきなりひと上りさせられたが、鳥取海岸の景色は最高。遠くに先ほどの風車も見える。
「鳴戸岬3.0km」の小さな矢印が分岐にあり、地図を見ると県道より海沿いを走る道があるようだ。一度標高ゼロ付近まで降りるようなので悩んだが、そちらの道に入ってみた。途中の集落を過ぎると道は細い山道になり、かなり荒れている。
ちょっと心配になったが、無事に県道25号線の先にある237号線に合流した。
合流点にあった廃墟。料金所らしきゲートなどもあり、もともとなにか公共の施設があったように思える。今は駐車場だけが開放されているようだ。
13:19、約89km地点。ちょっとしたアップダウンを1kmちょい走ると、大鳴戸橋が間近に見える鳴戸岬の先端、道の駅うずしおに到着。ここからは本格的に北上コース。そろそろ疲れも出てきた身体で向かい風の中を走ると思うと少し気が重い。できれば無風か南風の時に走りたいものだ。
なんて事を考えていたら、ノリクラ仲間のみわっちさんから電話がかかってきた。仲間内のメーリングニュースに報告を入れていたりしたので、激励の連絡をくれたのだ。折しも、関東のノリクラ仲間の一部も日光方面を走っている最中。そちらにも連絡したそうだ。今日は、自転車ツーリング日和だ。
さあ、先はまだ長いので、のんびりはしていられない。鳴戸岬付近のアップダウンを終えればあとはほぼ平坦のはずだが、県道25号線に戻って北上するうちに、徐々に向かい風が強くなってきた。遮る山陰から出てきたからだろうが、もろにくらうと、20km/hを切る有り様。
丸山の集落で知人のレストランを探しウロウロ。結局、ネット上に掲載されていた住所が誤っており、どうやら海沿いの集落ではなく、山の上に見える別荘地にあるようだと判明。すでに20分ほどロスしており、先の見えない向かい風の中ではさらに寄り道するのも不安だ。残念ながら、今回は立ち寄らずに失礼することにした。近いうちにリベンジしたいものだ。
丸山漁港付近から見えた小島と、それを繋ぐ橋(?)。こちらも、今回は立ち寄らずに素通り。
丸山を過ぎると先ほど見えた風車群の真下を通る。その後も所々に風車が立っていた。
14:50、約110km地点。ようやく道のりの三分の二を過ぎた。湊の集落で県道31号線に入る。湊は瓦の生産地らしく、瓦の博物館なども見かけたが、橋にも鬼瓦(?)が埋め込まれていた。
そろそろ夕方の気配を見せる海岸、五色浜。15:02、約114km地点。海沿いは相変わらずの向かい風がツラい。
15:30、約121km地点。向かい風との格闘に疲れきって、都志のコンビニで大休止。豚まんを頬張り、ストレッチ。
再スタートして、高田屋嘉兵衛翁記念館を通過。司馬遼太郎 の『菜の花の沖』で知られた回船問屋、次の機会には寄ってみたい。その先のトイレに寄ったら、そこが生誕地だった。
北淡路では、あちらこちらで秋祭りを見かけた。話しには聞いていたが、淡路島は地車(だんじり)ではなく、ふとん太鼓のようだ。
16:46、約142km地点。浅野付近。明石、加古川辺りの海岸が、ようやく近付いてきた。もう、疲れきって首や肩も痛い。ロングライドをするなら、少しステムを上げておけば良かった。
淡路島の最北端付近。明石大橋の全景が見え、風が向かい風から追い風に変わってきた。あと少しだ。
17:45、約157km。ちょうど10時間で、スタートした岩屋港に戻ってきた。向かい風の後半はかなりツラかったが、ともあれ、無事にアワイチ完了だ。
18:00発のジェノバラインに乗り込んだが、行きよりも船が大きい。今回も船の後部のデッキに自転車を固定した。
出航すると、また明石大橋の下をくぐる。ライトアップが始まり、キレイだが、デッキにいると寒い。つい先々週は暑さに苦しんでいたのに、一気に季節が進んでしまった。
日が沈み、西の空には残照が残っている。今日のがんばりのごほうびになる、きれいな景色だ。
行き以上にスピードを出しているのか、波しぶきが上のデッキにまで飛んでくる。海面に近い自転車を積んだデッキはもっとひどいだろう。面倒だが、明日は塩をふき取る掃除をしなければ。
明石に上陸して、18:20頃明石駅に到着。輪行して駅で夕食を摂り、帰路についた。自宅についたのは21時頃。長い一日だったが、関西の自転車乗りのお約束のひとつであるアワイチを無事終了できたことに大満足。
意外と上陸が簡単な事もわかったので、そのうち再訪してみるつもりだ。次はもう少し寄り道して、観光もしてみたい。仲間を連れていくのもいいだろう。ただ、大人数だと一日で完全一周するのは難しいかな?
■コースマップ
(序盤約4km未記録)
■本日の走行記録(自転車)
・Cyclemeterの記録
スタート: 2011/10/01 7:45:52
完了: 2011/10/01 17:46:50
バイクタイム: 7:11:59
停止時間: 2:49:00
距離: 153.62km
平均スピード: 時速 21.34 km
最高スピード: 時速 53.15 km
登り:782 メートル
カロリー: 3297 kcal
POLAR CS200CADの記録
走行距離: 155.1km
消費カロリー:4714kcal
計測時間:9:59:59
平均心拍数:124
最大心拍数:164
平均速度:21.3km/h
最高速度:53.7km/h
平均ケイデンス: 82
最大ケイデンス:120
心拍数ターゲットゾーン:130-152
ターゲットゾーン以下時間:6:47:14
ターゲットゾーン内時間:2:54:21
ターゲットゾーン以上時間:0:18:24
走行時間:7:17:55
累計走行距離:2601.3km(2010年12月10日より)
■本日のフォトアルバム