西吉野-富貴
【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】
今週は一気に涼しくなった。ようやく走りやすくなった今日は、午後も時間まで時間を伸ばし、遠出をすることにした。
夏の間の早起きは暑さを避けて午前中に帰宅するためだったので、この所少しずつ起床時間を遅らせている。今日は4:30起きで6:20自宅出走。季節が変わって雨具やアームウォーマーなどの準備にちょっと手間取った。
今日はR168を十津川方向に進んで見るつもり。どこまで進めるか、チャレンジだ。まずはR310金剛トンネル(千早峠)を越える。
河内長野駅ではこんな展示もあり、だんじり祭りのムードが盛り上がっている。ウチの近所もそうだが、南大阪は9月末から10月上旬にかけて秋祭りの地域が多い。
駅の裏手に回り、金剛トンネルに向けて上り始める。観心寺付近の温度計は15度を表示。いきなりここまで気温が下がると戸惑うが、暑いよりはずっと気持ちいい。・・・何てことを言ってられたのは上りだからだったが。
今日は長丁場なのでペースを抑え、上りでも心拍数は150~160くらい。いい景色があれば停まって撮影もする。先週まではほとんど実感できなかった「秋」が、今日はあちこちに目についた。
黄金色に実る稲穂を期待していたが、すでに稲刈りを終えた田んぼも多かった。彼岸花(曼珠沙華)とのコントラストは秋を象徴する風景だ。
上るに連れて雲行きが怪しくなってきた。出発前に見た天気予報では雨雲は見当たらなかったし午後には晴れてくる予報だったので、快復してくるだろうと上り続けた。さほど汗をかく事もなく、石川の橋から56分47秒で金剛トンネルに到着。
奈良側に下り始めると、これが寒い。アンダー、ジャージ、ウィンドブレークベストの3枚重ねにアームウォーマーを付けた防寒装備でも寒さになれていない身体にはコタえる。ふもとで15度と言うことは、峠付近は10度台前半の気温だったのだろう。
下る途中、行く手の吉野方面は雲が多く、どんよりとしている。晴れていれば絶景なのだが。
五條駅付近まで下りて、R24を越えR168に入る。すぐに吉野川を越える。
丹原交差点。いつもはここで右折するが、今日は直進(というか、ななめ左)。R168に入ってしばらくはほぼ平坦で、交通量もそれほど多くない。追い風もあってまずまずのペース。次第に、トンネルが増え その度に若干のアップダウンがあるので、徐々にペースが落ちていく。
以前から気になっているのが、このバス専用道。この写真は西吉野町神野近辺で、R168の脇の橋の上から見下ろしたもの。国鉄五新線として建設が進んだものの、結局鉄道として開通することなく終わり、五條-城戸の区間が路線バスの専用道として利用されている。鉄道線路用に設計されたのであれば傾斜やカーブが一般道路より少なく、特に自転車には恩恵が大きいと思われる。現に国道とこれだけ高低差がある。
五條駅そばの専用道入口には「一般車両進入禁止」との看板があったが、歩行者の進入に関しての記述はなかった。自転車は道路交通法規上は一応車両だが、一般的には歩行者に近いものと認識されている。通行してもよいのかもしれないとは思ったが、今回は初めてのルートでもあるので冒険はせずに国道を通行した。
その後も何度も国道とバス専用道は交差する。これは大日川付近だったと思うが、右側はトンネルになっている。考えてみれば、一般道でないのだから、トンネル内は照明がないかもしれない。たとえ照明があっても、独りで長いトンネルを通るのは恐いものだ。これは仲間がいないと、とても無理。国道を選んで正解だ。
途中で比較的にぎわいのある集落を過ぎたが、ここが城戸集落だったようだ。五新線軌道跡のバス路線の終点で、かつての西吉野村役場があったところだ。五新線の軌道跡は道路として利用されることもなく、その後も続いている。
県道49号線との分岐になる宗川野交差点。R168は、ここでずっと並走してきた丹生川から離れる。
この宗川野交差点の上空には五新線の鉄橋が通っている。朱色の塗装はまだきれいで、近年塗り直されたと思われる。この鉄橋は恐らく何も利用されていないのだろうが、国道が下を通っているので朽ちるに任せる訳にもいかないのだろう。私が気づいた五新線の施設はここまでだったが、この先坂本までトンネルなどの工事が進んでいたとのこと。
宗川野を過ぎると本格的な上りが現れた。雲行きが怪しいと思っていたら、ついにパラパラと雨が降り出した。天気予報をチェックする限りでは、まさか降られるとは思わなかった。本降りになってきたので、ちょうどそばにあった休憩所を兼ねた物産販売所「こんぴら館」に避難。
子供への土産にお菓子を買ったりしながら雨宿りをしていると、20分ほどで雨は止んだ。引き返すかどうか迷ったが、空に晴れ間が見えてきたので先に進むことにした。
急坂を上り切り、西野トンネルを抜けると、傾斜は緩いがまだ上り坂が続く。折り返しのメドにしていた10:30頃に、永谷集落の富貴への分岐に到着。事前のプランニングでは最低限ここまでは到達しようと思っていた。できれば坂本辺りまでは進みたかったのだが、雨宿りがなくても厳しかったかもしれない。
帰路は富貴を通ることを考えていたが、永谷からの道は五万分の一地形図では幅員3.0m未満の細道の表示。ダートでなければよいがと心配していたが、幸いそれなりに人家のある舗装路だった。
この近辺で見かけたのが、収穫後の稲穂を何層にも掛けた棚。稲垣というのだろうか? 関西では最初の方の画像にあったように、田んぼの中に竿を作り、一段だけ干すタイプをよく見かける。こんな風に道路端に壁のように干すのは、あまり見かけないタイプだ。
集落が途切れると急勾配が現れたが、ほどなく見晴らしのいい平坦路になった。急峻な谷の向こうに、五條、金剛山方面まで見渡せ、しばし見とれた。
県境と思われる付近にあった「熊出没注意」の掲示。新しいだけにちょっと緊張させられる。県境を越えると左に方向を転じ、谷沿いに下る道になる。
ちょっと上り返して県道732号線に突き当たる。これを橋本・五條方面に右折すると富貴の中心部。
以前から地図を見ていて、山深い山中に建物の連なる大集落があることが気になっていた。実際に来てみると富貴の集落は、結構長い商店街もある。現在は廃業した店も多く寂れた印象だが、林業が盛んだった時期には、大いに賑わっていたのだろう。
西富貴の辺りで雲行きがまた怪しくなり、小雨がぱらつき出した。先を急いで坂を下り始めた。県境を越えて奈良県に戻り、下るうちに雲の下を抜けたようで雨は上がった。前方の五條方面の空は晴れており、雨が降ったり止んだりしているのは吉野方面だけのようだ。
県道732号線の左手には深い谷が続いていたが、その急斜面の谷に人家と、ジグザグに下りていくコンクリ道が見えた。地図を見ると大深町の集落。写真では迫力が伝わりにくいが、実際の風景を見ると凄まじいものだ。
道は谷底に下りていき、対岸でまた急上昇している。対岸の尾根近くに人家があり、地図を見ると谷奥深との地名。名前もスゴいが、等高線を見るとわずかな距離で標高差120mを下り、300mを上るとんでもない道。すぐ目の前に見えるが、県境の川を挟んであちらは和歌山県だ。
その後も川沿いに下り、火打交差点で吉野川(紀の川)沿いの県道55号線に突き当たる。ここまでくると、すっかり晴天だ。
帰路は紀(伊)見峠越えで帰阪するつもりなので、橋本方面に向かう。そろそろ昼時なので、店の多そうな国道24号線に出ようと思ったが、この機会に前から気になっていた恋野の水道橋の上にある歩道を渡ることにした。画像中央にある赤い橋がそれだ。
恐らく恋野の住人が対岸の隅田駅に向かうのに利用されているのだろうが、車止めの柵は自転車も通過が難しい。持ち上げるしかないので、婦人車では通過できないだろう。
対岸に渡り、隅田駅の西側の踏切を越える。R24に出て西進し、道路沿いのうどん屋に入った。腹いっぱいだとこれからの上りで苦しいので、きつね(うどん)だけ食べた。ちなみに関西では「きつね」と言えばうどんのこと。「きつねそば」という呼称は東京系のチェーン店のみ見かける。関西で揚げの乗ったそばは「たぬき」と言う。では、東京で言うたぬきうどん(そば)を関西では何と言うかというと、一番安い「すうどん(そば)」にも揚げ玉は乗っているので、必要のない呼称なのだ。
橋本駅の手前で山手に向かって上り始め、R371の東側を進む。ひと山越えて相賀八幡神社にお参りすると、明日がだんじりの試験曳きのようで、祭りの準備が進んでいた。
御幸辻の北側でR371に入り、旧道紀見峠に13:30前に到着。その後、河内長野駅を経由して自宅には14:30頃帰宅した。走行距離125kmと久々の長距離ライドだったが、時間をかけた割にはあまり進めなかった。初めてのルートだし、雨宿りしたりというタイムロスはあったが、今日の経路は吉野の山の入口に過ぎない。この様子では、もし夕方まで走るとしても十津川日帰りは、難しいだろう。
脚にはまだ余裕があるが、ステムを5mmほど上げた長距離用ポジションにしても首や肩がこってツラい。いくら乗り込んでも無くならない悩みだ。
■本日の走行記録(自転車)
平均心拍数:126
最大心拍数:167
心拍数ターゲットゾーン:130-165
ターゲットゾーン内時間:3:19:22
ターゲットゾーン以上時間:0:01:57
ターゲットゾーン以下時間:4:32:00
消費カロリー:3495kcal
走行距離:125.0km
平均速度:20.4km/h
最高速度:54.4Km/h
平均ケイデンス: 76
最大ケイデンス:106
計測時間:7:53:20
走行時間:6:06:24
累計走行距離:1104.8km(2010年07月16日より)