乗鞍2009 本番 その2
【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】
「乗鞍2009 本番 その1」からの続き
7:30からチャンピオンクラス、女子クラスと順次スタート。我々の男子Dは8:02スタート。mp3プレーヤーもスイッチ・オン。毎度のことながら、六甲颪もが流れ始めると、周りから失笑が漏れる。どうも気持ちが乗り切らないが、とにかく走るんだ。
我々の後、ビギナークラスのスタート。確かに人数は少ない。S我さんは先頭に並んでいる。
8:22にスタート。S我さんはガッツポーズでヨメさんのカメラ前を通過。
一方私はというと、今回は(も?)ペースをなかなか掴めないでいた。スタート直後は例年以上に混雑していてペースが上げられない。ようやく集団がバラけてきたので、ペースアップ。省エネダンシング主体でテンポ良く、と意識してはいるのだが序盤は傾斜が緩めなこともあって、ダンシングだと脚にかかる負荷が軽すぎてギクシャクする。
昨年は負荷が軽くてもダンシングでスムーズにペダルを回せていたのに、今年はうまく行かない。結局、シッティング主体のペダリングなってしまい、どうもトレーニングと勝手が違う。まあ、昨年は腰が痛くてシッティングを長く続けることができなかったのだから、ある意味調子はイイのかもしれないが・・・。
血中ヘモグロビン量(赤血球)が少ないせいか、私は高度が上がるとガクンとパフォーマンスが落ちる。従って、酸素の濃い前半に飛ばせるだけ飛ばしておくことが基本戦略。とは言え約1時間半の長丁場なので、心拍数は170前後を目標にした。ポラールの心拍計は例によってときおり異常動作をするが、目安程度にはなる。
上るにつれて霧がますます濃くなり、5メートル先の選手も霞む幻想的な風景。今回はセイフティライトを点灯させている参加者も多かった。画像があればわかりやすいのだが、今年は1秒でも早く走るために、走行中の撮影はしなかった。
上り続けていると、あちらこちらから声がかかる。「今年も来ましたね」「元気出ます」「負けませんよ」等々。目立つ格好をしている甲斐がある。ただ、六甲颪を歌いかけてこられると、私も応えて合唱しないわけにはいかない。うれしいことだが、ただでさえ呼吸に余裕がないので、ペースも落ちてしまうのが難点。
コース中盤、ときおり急傾斜があらわれる。相変わらず、どうもペースに乗れずテンポが悪い。とにかく必死で走るのだが、昨年と比べて早いのか遅いのかよくはわからない。どうも昨年ほど速く走れていないのでは、と感じていたところで参加者の一人から声がかかった。
「どうしたんですか? 今年は遅いじゃないですか」
心が折れた・・・。
やっぱり遅いのか、と思うと脚がさらに動かなくなった。例え昨年を下回っても、今の全力を出し切るんだ。と自分に言い聞かせるのだが、苦しさに負けてつい楽をしてしまう。
もっとも傾斜がキツい冷泉小屋付近。つづら折りのカーブをそれなりに上っていくのだが、昨年ほど自分を追い込めない。その後もタイムロスを避けるために素通りするつもりだった第二チェックポイントで、水をもらってしまったり、カメラマンがいたら笑顔を向けたり、余裕のある行動をとってしまった。
昨年は周囲の参加者に「早い」と声を掛けられ、後半その気になって頑張った。今年は逆だ。目立つ格好をしていると、長所、短所が両方ある。
第二チェックポイントを越えると森林限界を超えて風景が開けてくる・・・例年なら。
今年は濃霧で風景は全然見えないが、傾斜は緩くなる。とは言えここまで来ると空気が薄いので、さっぱりペースを上げられない。それでも、まだ今年は力を出しきっていないのか余裕がある。
すっかり諦めモードになっていたが、ゴールまであと3kmの表示があらわれ、腕時計をみると9:20。
えっ! そんなに遅くないやん。
昨年のタイム1時間32分まで、あと14分。頑張ればまだタイム短縮の可能性があるかもしれない。慌ててペースを上げるものの、やはりこの高度でムリはきかず、すぐ息切れ。
大してペースアップはできないが、とにかく必死で残り3kmを走り、ゴール。自己計測タイムでは1時間34分弱。残念ながら、記録更新はできなかったようだ。
ゴールの畳平も濃霧の中。荷物運搬車や自転車ラックが設けられた待機所に進んでいると、汗をかいた身体があっと言う間に冷えていく。ここ数年では低い気温だ。
待機所で先にゴールしていたハッスルHKことH多くんに再会。彼は、その場では記録が落ちたと思っていたが、実は記録を更新されてました。
荷物を取りに行く前に走行時のウェアで撮影してもらった。霧は濃くなったり薄くなったりしていたが、この時は割と風景が開けていた。
待っていると、次々仲間たちがゴールしてくる。K原(兄)さんは昨年に続いて自己記録更新とのこと。
右のY上君はメンバーで最も若い24歳。M輪の前職場の先輩の息子さん。彼の属する男子A(16~25歳)は完走者が170人。片や私の属する男子D(36~40歳)は680人、来年からの男子E(41~50歳)は1100人を越える完走者。あらためて中高年中心のスポーツであることを思い知らされる。
本人は完走を心配していたが、M輪もちゃんとゴール。3時間半もあれば、いくら練習不足でも経験者が登れないはずはないと思ってました。
10:30頃になると、ごった返していたゴールも少しすいてきた。霧も薄くなっている。
「乗鞍2009 本番 その3」に続く