2013台湾自転車事情 [台北國際自行車展覧會]
今年も、台北國際自行車展覧會(以下「台北ショー」)に行ってきた。台北ショーは世界最大級の自転車展示会で、私も自転車業界の一員として、毎年新商品探しに出張している。昨年はサボってしまったが、今年はレポートを再開。
全体の傾向としては規模はほぼ昨年同様、というか展示ホールだけでなくロビーや屋外、さらにはバスで20分ほど離れた別会場まで詰め込んだ展示ブースの収容量はすでに限界。しかも出展待ちの業者がかなりいるようなので、当面はこのMAX状態が続くだろう。
会場の賑わいを見る限り、来場者も来場人数は昨年と大きな変化は無さそう。世界中から業者が集まるのはもちろん、ここ数年は一般入場者も受け付けて大いに賑わっている。変化といえば、日本人の姿を例年以上に多く見かけるように思われた。
数年前であれば電動自転車、一昨年、昨年は懐古調自転車の増加といったその年のトレンドが強く感じられたが、今年は「これぞ今年のトレンド」という強い印象を受ける流れはなかった。あえて言えばロードバイク中心の状況は変わらない中で、29erや650Bを中心にマウンテンバイクの展示台数が増えているのと、シクロクロスバイクの展示が増えているように感じられた。ロード系は電動変速対応やロード用ディスクブレーキやVブレーキ、MTBは3つのホイールサイズやシングルスピードといった細かい種類の増加が見受けられる。これは車種の「多様化」というほどのインパクトはなく、「細分化」という表現が適しているように思われた。
懐古調の自転車が見直されているのはここ数年の流れを引き継いでおり、フレームパイプやラグなどのスチールバイクのパーツメーカーが息を吹き返しているように思われる。また単なる「復活」ではなく、ステンレスパイプを採用したフレームの展示が増えていることなど、完成し尽くされたように思われたスチール系バイクも新たな進化を迎えつつあるように感じられた。
以下、撮影した画像にそって、台湾と台北ショーについて具体的にレポートしていく。
やや古臭かった桃園國際機場の第1ターミナルは、改装されてキレイになっていた。
台北市街地はそれほど大きな変化はないが、日本よりスクーターの姿が多いのが特徴だが、これでも十数年前に比べればずいぶん減り、代わりに車が増えた。
一時期よりスポーツ自転車の姿は減ったように思われる。シティファッションとしてのピスト系ブームは、日本より早く弾けていた。一方で、自転車道の整備や自転車イベントの増加は顕著で、スポーツとして郊外を走る愛好家は定着してきているようだ。
台北ショーのメイン会場は数年前から南港展覧館に移った。一昨年(だったと思う)からは、収まり切らない出展者を収容するため、以前のメイン会場である世界貿易中心に衛星会場が設けられている。
メイン会場も屋外にまで展示スペースが設けられている。勤務先のユニコもここに出展。
会場内は例年通りの賑わい。日本のサイクルモードの何倍もの規模だ。
具体的な展示について触れていく。
包帯や点滴されているMTB。オイル式ディスクブレーキの整備をモチーフにした思わず笑ってしまう展示。
今年もスチールバイクの復権が目立ちますが、インテグラルヘッド、BB30対応などの最新規格に対応したものも。
革サドルの一枚革の代わりに、プラスチック板を装着したサドル。
丹下ブースで展示されていた、オンロードダウンヒルバイク(^_^;)。流されているビデオが凄かったです。
個人的大注目の5ピンクランク。見た目はクラシックでも、スパイクピンもつき、軽く感じます。ベロオレンジに似てるような…。
今年もこんなクラシック風自転車が目立ちます。ブルックスのバッグ類を装着しています。
赤い水玉(山岳賞?)のサドルやサドルバッグ。でもなぜキノコ?
直接関係ありませんが、台北のコンビニに、「なめこぱらだいす」のコーナーがありました。台湾でも流行中?
ミヤタのクロモリスポルティーフとランドナー。ル・マンやMT1000を思い出します。
三ヶ島ペダルさんの新商品。ワイヤー製トゥクリップとハーフクリップのカラーモデル。
閉会後も接待というお仕事があるのでしょうか? 初日から閉場20~30分前から店じまいしているブースが結構ありました。
右は初日の夕食を摂ったお店のメニュー。「松坂鶏」って・・・(^_^;)。
小径車ならこれもあり? ロングサイズのシートポストに内蔵したポンプ。普通のフロアポンプ並みの長さがあります。
GIANTの女性向けブランド、LIV GIANT。
GIANTのホイール等のパーツ、アクセサリーブランドGLM。
トラキチの私に個人的ズバピタのカラーリング。
シマノブースは電動デュラを中心に人だかり。
シマノ、カンパ、スラムの三大コンポーネントメーカーが並び、壮観。
漆塗りの自転車。隣にはクラシックな街乗り自転車も。
シクロクロスバイクが増えています。MTBも29erや650Bを中心に復活傾向の様に見受けられます。
かわいらしい車型サドルバッグ。ヘッドライトが光ります。
双胴フレームが特徴の懐古調自転車。後方には木と組み合わせたものも。
もちろん最先端の自転車もたくさん展示されています。懐古調が多いのは確かですが、半分は私の趣味です。
上層階から見下ろした展示ホール前のロビー。
3種類のPCDに対応するフロントギア。他社でも2サイズに対応するものがありました。
放熱フィン付きディスクブレーキパッド。
つぶれてしまったクランクのペダル穴を再生するツールセット。ヘリコイドコイルを圧入する仕組み。
電動変速クロモリ車(^_^;)
これは我が愛車、猛虎四號に採用しているシートラグでは!?
最近提唱されているロードバイク用Vブレーキ。TRP社製。
丹下ブースで展示されていた、オンロードダウンヒルバイク(^_^;)。流されているビデオが凄かったです。
塗装やメッキが不要なので環境負荷が少ないこともあって、最近アメリカのビルダーを中心に増えているステンレス製フレーム。完成され尽くしたかに見えるスチールバイクもまだまだ進化中。
雪道用スパイクタイヤ。
2日目の台北ナイト。歩き疲れて夜遊びする元気もありませんでしたが、夕食はホテル裏の湖南料理を頂きました。美味しくて、一人1000円ほどでお腹いっぱい。
電動変速用バッテリーの装着を想定してでしょうが、ダウンチューブの下側に第三のボトル台座を設けたフレームが増えています。
中にはバッテリーを横倒しして装着できるようにしたフレームも。
1フロアだけでこの面積。同規模のフロアがもう一つあり、それ以外にも小規模の展示をしているフロアが2つに建物の外の展示コーナー、さらには別会場にも展示コーナーがあります。日本とは桁が違います。
海外の業者が続々訪れている勤務先、ユニコのブース。屋外とはいえメイン会場に出展できて幸いでした。
試乗コーナー 。この辺は日本のサイクルモードの方が充実してます。
「Oh! Ninja bike」とか言ってる来訪者もいましたが、これは忍者刀じゃないですね。外国人には武士の刀との違いもわからないんでしょうが。
他のブースにも忍者の顔をデザインしたライトとか、ワイヤーロックなどが展示されていたので、今シーズンは世界の自転車乗りに「Ninja」が流行るかも?
ネット上で話題になっていたタイガースカラーのTREKバイク(違うって?)の実物を拝んできました。
回帰は4日ありましたが、私は3日目の昼過ぎに台北サイクルショーを離れました。
3日目の気温は30度近く。やはり台湾は暑いです。
ギリギリまで会場を回り、会場から高速バスで直接桃園国際機場(空港)に向かいました。
夜20時前には関西空港に無事帰着。今回は(も?)会場とホテルを往復するだけの慌ただしい出張でした。
■今回のフォトアルバム
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