串柿下見ライド [蔵王峠-紀見峠]
以前は毎年11月に企画していた串柿ツーリングだが、仕事環境の変化や新型コロナの流行などでここ数年は小規模に仲間内で見に行くくらいだった。今年も一番アクセスしやすい鍋谷峠が6月から通行止めのままで、コロナ発症や仕事の多忙で私自身の体力が落ちており、参加者を募集する形式での開催は難しい。
とはいえ、先週の100kmライドである程度体力が回復したことを確認できたし、以前ご参加頂いた方から串柿ツーリングの問い合わせがあった。そこで身内や参加経験のある方だけで小規模開催ができないか検討するために、日曜にコース検討に行こうと思っていた。ところが日曜は天候が悪化しそうなので、本日急遽出走することにした。
6:19にTORACLE-COZ2(CARACLE-COZ DB)で自宅を出走。急な予定変更にも関わらず、友人が付き合ってくれたので近所のコンビニで待ち合わせて、まずは蔵王峠に向かって再出走。
集合地点の候補である荒山公園付近から行く手を見やると、空は雲の見えない晴天だが、少しもやがかかって和泉山脈がぼんやり霞んでいる。最低気温でも12度、最高気温は24度という11月と思えない暖かい(暑い)予報なので、ショート丈の上下にニーウォーマーにアームカバーで調整しやすい装い。走り出しに羽織っていたウインドブレイカーはすぐに脱いだ。
荒山公園の駐車場の利用時間は正式には7:30からだが、7:07に着いた時点ですでに開放されていた。今回もここを集合地にするかどうかは、今日の下見と参加者によって検討する。
府道38号線をひと上りして天野街道(府道217号線)に入り、堺、大阪狭山、河内長野3市が接する地点に穴地蔵がある。目、鼻、耳など身体の穴に関わる病気を癒す霊験あらたかで、子授けのご利益でも有名だそうで、祠にはよだれかけが奉納されている。
林間の尾根道を進んでいくと、右に行く天野街道と左の高野山に向かう府道217号線の分岐。今日は左の府道を進む。
府道と言っても田畑の間の細道で、西除川(といってもこの辺りは小川だが)を渡ると激坂が立ちはだかる。
ひと上りすると荘園町の新興住宅街をかすめて、小山田地区の丘をいくつか乗り越えていく。国道170号線バイパスに降りてきて、コンビニで小休止。今日は友人も荒れた路面に備えてシクロクロスバイクだ。
府道218号線に入って石川沿いに遡っていく。日野の集落を過ぎてひと上りすると、石川がはるか崖下を流れる峡谷になる。身近な絶景だ。
滝畑ダムサイトへ上る急坂を上り切ると平らなダム湖岸道路。なるほど、このダム湖の底には先ほどの峡谷の続きがあるはずで、ダムを作るのに適した地形だったわけだ。薄もやに煙っているが、上空は青空
ダム湖の先に続く府道61号線はキャンプ場などがある渓谷になっているが、まだ紅葉には早く、時間も9時過ぎなので人影は少ない。しばらく川沿いに遡ると、いよいよ蔵王峠に上る激坂区間。いきなりドーナツ状の滑り止めのコンクリート舗装が立ちはだかる。
さらに、石畳の激坂まで出現する。春のクラシックレースフレッシュ・ワロンヌなどの舞台になるベルギーの激坂にちなんで、私は勝手に「奥河内のユイの壁」と呼んでいる。
序盤の激坂区間を超えると傾斜は少し落ち着くが、ところどころ出現する急坂や、何日も晴天が続いているのに水が流れる路面が続く。とはいえ、谷底の渓谷に射す日差しに川の水が輝いて美しい。
道端のお地蔵様はいつ頃からのものだろうか? 木製の上モノはかなり傷んできているが、土台はコンクリート造りなので、祠はそう昔のものではない。祠と同時期に作られたにしてはお地蔵様の風化が進んでいるので、昔からある地蔵を祀り直したのかもしれない。こんな山中のお地蔵様に花を飾る方がいるのかと思ったが、さすがに造花だった。
脚力があった頃と比較するとかなりキツく感じたが、9:32に蔵王峠に到着。一発目からずいぶん時間を要しているので先が思いやられる。
蔵王峠から県道61号線を下るルートもあるが、串柿の里に向かうためにはさらに上る必要がある。記憶より苦労しながら、尾根伝いの山道と交差するピークに到達。標高650m程度の名前の知らないこの峠が本日の最高標高地点だろう。
峠のすぐ向こうに堀越の集落があり、以前はここでも串柿が吊るされていが、ここ数年は見かけない。年々串柿が減ってきているのが寂しい。集落を抜けて、堀越癪観音に到着したのは10:05。
境内の大銀杏は一部がわずかに黄色みがかった程度で、まだ青々としている。例年11月中~下旬には黄色い落ち葉のじゅうたんができるが、あと1~2週でそこまで変化しそうな気配はなかった。やはり暖かすぎるのだろうか。昨年訪れた際に庫裡の屋根の葺き替えをしていたが、見事に仕上がっていた。
堀越癪観音から、荒れた激坂を下っていく。こんな道では油圧ディスクブレーキの制動力がありがたい。しばらく下ると、今年も橙の帯が延びる絶景に出会えました。
しかも、今日は雲ひとつ無い青空で、まだ吊るしたばかりの柿がオレンジ色に輝いて引き立っている。毎年の解説だがこの串柿は10個(または5個)の柿を串に刺した縁起物の吊るし柿で、正月飾りに使われる。和歌山県かつらぎ町の旧四郷村地区は乾燥した冷涼な山おろしの風が串柿作りに適しているため、古くから特産地として知られ、毎年11月には和泉山脈の山間に点在する集落に串柿が吊るされ、一面がオレンジ色に染まる。太閤秀吉の体調不良を癒やしたことを喜んで正月の鏡餅に供えたことで、広まったとも言われている。
ここは東谷の中畑だが、谷の向こうに串柿の最大の産地である大久保集落が見える。遠景ではよくわからないが、今のところ串柿のオレンジはほとんど見えない。
東谷のバス停近くまで下って、大久保に向かうつもりで分岐を曲がって激坂を上りかけたが、時間はすでに10:24。これから大久保まで上って下りて紀見峠を越えて帰阪するつもりだったが、このペースでは午前中にとても戻れない。遠目には串柿があまり見えなかったこともあって、今日は大久保をパスして紀見峠に向かうことにした。
川沿いに下って国道480号線に合流し、さらに下っていく。北側橋東交差点を左折して県道125号線に入り、めのこ峠を乗り越える。ここに冬場の日曜だけ営業するラーメン屋さんがあったが、コロナ流行で数年休んでいる。倉庫の扉に貼ってあった張り紙も無くなっており、さてこの冬の営業はどうなるのだろう?
三連休の人も多いせいだろうが交通量が多く、京奈和道のIC付近も渋滞していた。紀の川沿いに下りて、今日は距離が短くペースも上げられる国道24号線を東に向かう。交通量はそれなりにあるが渋滞するほどではなく、追い風もあってそれなりにスムーズに走れる環境。だったのだが、私は久々の山中走行でかなり消耗したし、友人も今日はもうひとつの体調で私が先頭で走り続けたので、いつもの鬼引きハイペースは無かった。何より、紀見峠の上り口である橋本市にたどり着き、国道371号線バイパスに入るまでに13kmもある。
結局、国道371号線バイパスを上り始めたのは11:37。必要以上の晴天が、むしろツラい。
ノロノロと上ることしかできずに、紀見峠到着は12:20。2ヶ月以上高い峠に上っていなかったので、上り足がすっかり衰えている。
河内長野駅方面に下って、渋滞気味の国道310号線を辿って帰宅したのは13:22。串柿ツーリングの本番では一日かけて走るとはいえ、走り慣れた私達が見どころの大久保集落をパスして、それなりに一生懸命走ってもこれだけ時間がかかるとなると、経験の浅い参加者に楽しんでもらえる運営は難しい。メカトラや転倒などのトラブルでも発生すれば、さらにタイトになる。慣れてない人に荒れて濡れた蔵王峠を下らせるのはできるだけ避けたいし、かといって今回の紀見峠は、荒山公園集合だと走行距離が80kmを越えてしまう。紀見峠の反対側の和泉葛城山を越えるのは標高差と傾斜がかなり厳しいし、最短の牛滝ルートは未だに通行止め。やはり、鍋谷峠が通れないとかなり痛い。
もう少し考えてみるが、今年の開催するとすれば健脚者に限定せざるを得ないかもしれず、厳しい状況だ。
■STRAVA
串柿偵察ライド [蔵王峠-紀見峠] | ライド | Strava
■Ride with GPS
串柿偵察ライド [蔵王峠-紀見峠] – でのサイクリング 堺市, 近畿地方
■CyclemeterGPS
CyclemeterGPSの記録
スタート: 2023/11/03 6:19:37
自転車完了: 2023/11/03 13:22:50
バイクタイム: 4:27:31
停止時間: 2:35:42
距離: 91.34 km
平均スピード: 20.49 km/h
登り: 1033 m
カロリー: 3132 kcal
平均心拍数: 129 bpm
最大心拍数: 169 bpm
平均ペダルペース: 63 rpm
最高ペダルペース: 129 rpm
今月の走行距離: 137 km
今年の走行距離: 6769 km
先月の走行距離: 780 km
昨年の走行距離: 9256 km