2019ノリクラ決戦仕様 [TORACLE-COZ]
今年のノリクラ(マウンテンサイクリングin乗鞍)は8/25(日)が走行日。30、31日に開催される年も多かったので、同じ8月最終週といっても感覚的には一週間早い。開催前週の来週末は休みが日曜だけだし、お盆休みのうちに決戦仕様への組み換えとクリーニングをできるだけ進めておくことにした。
出場車は昨年と同じくTORACLE-COZ(CARACLE-COZ RB試作フレーム)。写真は平常仕様からサドルバッグやツールバッグを外した状態。すでにしばらく前から試用している高強度ホイール(ちょっと重い)は、標準のホイールZ-LIGHTに戻し、チューブをR-AIRに交換してある。裂け目が入ってパンクの続いたタイヤ、ミニッツ・ライトは、他もトレッドが傷んでいる箇所があったので新しいものに交換した。
カーボンファイバー製フレームにコンポはデュラエースDi2、パーツ類もできるだけ軽量なものをセレクトしたTORACLE-COZは、この状態でも車重7.05kg。ロードバイクに匹敵する走行性能を備えた折りたたみ自転車がこの重量なら、充分に驚異的。
いわゆるカタログスペックを計測するために、ペダルを外すと約6.8kg。昨日も峠越えを混じえた100km超ライドを楽々こなした走行性能を備えながら、6kg台の重量は他に無いだろう。
まずは機械式チェーンクリーナーでチェーン洗浄。湿式フィルタークリーナーと水洗いでチェーンの内側まできれいにした後は、フロントシングル化のためにチェーンリングを外す。ついでにリアのカセットスプロケットも、クリーニングするために外す。
フィルタークリーナーをギア類に塗布し、汚れの酷いところは歯ブラシで擦ってから水で洗い流す。
軽量化のための肉抜きの多いデュラエースのギア類は汚れが溜まりやすいが、この機会に徹底的にきれいにすることにした。リアのカセットスプロケットは、そのまま再度組み直し。
昨年と勝手が違ったのが、チェーンを切らないとFDを外せないこと。FD-9070は左右のプレートのつなぐボルトを外せばすき間からチェーンを通せたが、FD-9150はカシメてあるので左右のプレートを分離できない。仕方ないのでクイックリンクを外してチェーンを切断して外した。かなりしっかり噛み込んでいるので、なかなか外れなかったが、走行中に外れないための仕様だろう。
再装着時の角度調整が面倒だが、軽量化の徹底のため、FD台座も外す。
FD用のエレクトリックケーブルも外したいところだが、BBを開けないとジャンクションBにアクセスできない。BB工具は調達済みだが、さすがに面倒。そこで、コネクター部分をテープで覆って防水と絶縁をしておく。
その上で、先端をRD用ワイヤー出口に差し込んで、目立たないようにしておく。
クリーニングしやすくするためにも、決戦に不要なパーツを外していく。わずかな重量だが、折りたたみ関節(小BB)のチェーン噛み込み防止プレートも、走行時には無くても良いので外す。
マッドガードの台座も取り外す。撮影していないがリアディレイラー(RD)も、一度外してクリーニング&注油。Di2なので、チェーンさえなければエレクトリックケーブルをコネクターから外すだけで簡単に取り外せる。シフトワイヤーがほつれる心配がなく、先端キャップを付け外しする手間もない。
車体前部は後回しにして、車体中後部をクリーニングして、パーツ交換を進めていく。折りたたみジョイント(Quick-it)のエラストマーはこのところ装着していたソフトタイプ(緑)から、少しでもパワーロスを少なくしようとハード(赤)に交換。
昨年はフロントシングル化のためにナローワイドの46Tチェーンリングを装着したが、ノリクラの後半はほとんどローギアに入れっぱなしだった。チェーンリングがアウター位置にあるので、ロー側ではチェーンが斜めになり、ゴリゴリという異音も気になった。効率も悪くなっていただろうし、もう少しロー側のギアレシオを下げたいので、42Tのナローワイドチェーンリングを入手していた。平地を捨てたヒルクライム専用仕様だ。
PASS QUESTという無名ブランドだが、始めから新世代4アームクランクに対応した切り欠きが設けてあるので、昨年のように切削加工は必要ない。
チェーンリングボルトも付属していたが、こちらは昨年も使用したゴールドカラーを使用して、簡単に装着完了。
とりあえずクイックリンクを再使用してチェーンを装着。とはいえ、シマノ製クイックリンクは本来使い捨てで再使用禁止。本番までに数回の再使用が認められたKMC製ミッシングリンクに交換するつもりだ。悩んだのはチェーン長。チェーンリングが11T小さくなっているので、2コマ単位のチェーンも10コマは短くできるのだが、まだ新しいデュラエースチェーンを切断する覚悟がつかずに、ひとまずそのまま接続した。これでもインナーチェーンリングで使用していると思えば許容範囲だろうし、10コマ短くしても20gちょっとなので、ミッシングリンクが入手できるまでに試走して考えてみよう。
予算があれば、Wolftooth製チェーンリングなら本来のアウターとインナーの中間に来るようにオフセットされているらしいし、SRAM製はロー位置でもゴリゴリ音が少ない。とはいえ、これらは高価過ぎる。今回のチェーンリングもアウター位置なのでロー側では異音が大きくなるが、昨年よりはマシな気もする。これはチェーンが長くてテンションが弱いせいかもしれないが、ロー側を使う頻度も減ると思うので、快適性の向上に繋がることを期待したい。
FDが無くなったので、左のSTI(デュアルコントロールレバー)でもRDを操作できるように機能を割り振った。ワイヤー巻取り機構の不要なDi2用デュアルコントロールレバーは元々軽量だが、これでフロントシングルでも左レバーを無駄にせずに済む。ブラケット上部の隠しスイッチを合わせると、3箇所でRDの操作が可能な過剰仕様(^_^;)。
車体中後部が一段落したので、前側に移る。こちらも決戦に不要なパーツを外していく。まず、ダウンチューブ下側の前輪装着プレート(兼チェーンプロテクター)を外す。
いつもフロントブレーキのそばで頑張ってくれている虎にも、今回は休んでいてもらう。
iPhoneマウントに装着したライトをGo-Proマウントごと外し、ハンドルバーに装着したベルも取り外す。
iPhoneマウントの台座固定ボルトをゴールドカラーに交換。付属ボルトが長すぎてステムから飛び出していたので、5mm短いチタンボルトを調達しておいた。
コラムスペーサーに挟んでいたモバイルバッテリー用マウントを抜き、ちょっと低く感じていたハンドルバーを約5mm高くなるよう調整。フォークコラム側のステム固定ボルトもチタン製に交換。
そろそろ細かなことになってくるが、クラックの入っていたシートクランプも交換。同じ商品が在庫切れになっていたので、類似形状のものを入手して交換した。もちろんイエローカラーを探した。
カーボン製クランプを頻繁に開閉するのは無理があるようなので、日常用にはアルミ製のゴールドカラーQRクランプを用意してある。CARACLE-COZ標準添付モデルの色違いを入手できた。ちょっと重量はかさむが、これなら折りたたみを工具無しで気軽にできるし、締め付け力もかなり強くカーボン同士のシート部をしっかり固定できる。
もうひとつの小ネタはこのホイールスキュワー。チタンシャフトでわずか35gという公式スペックだが、実測値はそれより軽い30g。ただし、この秤は5g単位なので、ぴったりではない可能性が高い。
ちなみに、元々使用していたCARACLE-COZライトモデル添付QRは45gの表示だった。こいつもかなりの軽量モデルなので、わずか15g程度の軽量化にしかならない。
OLD135mm共用モデルなので、リアはシャフトの飛び出しが特に長い。フロントも5mm以上飛び出しているので、両方とも余分を切断したいところだ。とはいえ、軽量化効果は1~2g程度だと思われるので、ひとまず先送り。
今日の軽量化作業は一段落とし、ペダルとボトルケージを外した状態で計測したカタログスペックは6.3kg。正確な比較ではないが昨年より約0.1kgの軽量化を達成できたようだ。誤差程度の軽量化でしか無いが、前進は前進。
今日の作業で外したり、交換したパーツは画像の通り。折りたたみ機能に関するパーツを含め、ノリクラに必要のない贅肉は、落とせるだけ落とした。
ボトルケージとペダルを再装着して、近所を試走。車重だけでなく、サドルバッグ等を含めた携行品が一切無いので、非常に軽快。ロードバイクでも、この重量と走行性能を達成しているモデルは稀有と言えるだろう。どこまでも、坂を登れそうな気にしてくれる。パーツ類のセッティングも、ハンドルの角度を微調整したくらいで、大きな問題はないようだ。天気さえ良ければ、本番前に峠で試走するつもり。
これで概ね決戦仕様が仕上がった。できればくたびれてきたバーテープも交換したいところだったが、腰が痛くて今日はこれで力尽きた。あとはチェーン長の検討や、昨年のようにモバイルバッテリーを携行するか、などの詳細のツメ作業。より良い結果に繋げるために最後まで考え続けることになるだろう。
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
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