続、息子の通学用車組み立て [THUNDER再生]
息子の通学用に組み立ての準備を進めている「THUNDER(稲妻)」のベース車だが、先週に続いてチェーンホイールとBBの検証を行った。
CARACLEシリーズ以前からテック・ワンが発売していた折りたたみ電動アシスト自転車のベース車なのだが、電動ユニットを装着しなければほぼ普通の26インチクロスバイクだ。電動ユニットを装着するダボ穴や、配線を固定するガイドはダウンチューブの下側に設けられているので、言われなければまず気が付かないだろう。
スギノ製らしきチェーンホイールは、インナー側のチェーンガードがチェーンステイに干渉したので、チェーンガードを除去することも考えたが、そもそも46Tは大きすぎるように思えてきた。他社製のフロントシングルクロスバイクのスペックを確認すると、リアトップが14Tなどのボスフリーでフロントが44~46Tくらいが多いようだ。一方、THUNDERはちゃんとフリーハブで、リアスプロケットのトップは12T。26インチであることを勘案しても40~42Tもあれば充分だろう。
そこで勤務先のストックを漁って、ペダルやチェーンといった他の不足パーツ共々、目ぼしいクランクとチェーンリングを強奪してきた。一応チェーン以外は中古品や新古品(完成車外し)なのは、配慮したつもり(^_^;)。
ところが、いきなり問題発生。アウター側のチェーンガードが一体化した41Tチェーンリングは、分不相応な高級品だったが、ギアをオフセットする構造が仇となってこのクランクへの装着は困難だった。
5アームの先端が干渉するので、クランクの形状が特殊なのかと思ったが、試しに装着した他のクランク(シュパーブプロ)でも同様だった。どうやら、取り付けできるクランクを選ぶチェーンリングなようだ。どうりで組み付け痕はあったのにギアは全く減っていない(恐らく未走行)まま転がっていた訳だ。
とりあえず手持ちのチェーンリングを漁ってみたら、古いシマノ製42Tを発見。1980年台後半には、こんな男前なインナーギアがロードのスタンダードだった。他にもシュパーブプロの歯も出てきたが、もったいなくて使えない。チェーンガイドがないので脱落防止とズボンの保護を考えるとこのまま使うのは厳しいが、まずはチェーンラインとフレームとの干渉の検証だ。
VP製のシャフト長122.5mmBBを仮装着。チェーンリングをインナー位置に装着してチェーンラインを計測すると約47.2mm。アウター位置だと約54.9mmだった。
心配していたフレームとの干渉だが、インナー位置でも42Tならチェーンステイの「つぶし」と位置が合うこともあってクリアランスはかなりある。シマノ推奨チェーンラインである50mm前後にギア位置を持ってくれば、さらにクリアランスが広がる。もっと大きい歯数でもシングルで使用する分には問題ないだろうし、ダブルやトリプルで使用する場合はインナーが小さくなるので、これもクリアランスが広がる要素。もっともワイヤーリードが無いので、FD装着はひと工夫必要だろう。
計算上、アウター位置にチェーンリングを装着するならシャフト長112.7mm前後のBBを装着すればチェーンラインが50mmの位置に来る。インナー位置なら128.1mm前後だ。手持ちのBBを確認してみたが、いずれも近いサイズの低グレード品が見当たらない。
スギノのシャフトにタンゲのカップ、ウォーターシースはシマノなんてごちゃまぜ品があったので、これはどうかとよく見たらシャフトに「SUGINO PT-68」の刻印。プロダイ用の高級シャフトだった(汗)。しかも、虫食いもなくキレイな一品だったので、大事に保管。
サイズが把握できたので、安いカートリッジ式BBの中古品でも探そうかというところ。ただ、インナー位置かアウター位置かを決めるには、どんなチェーンガードを使用するかにもよる。必ずしも50mmでないと使えないわけでもないし、うまくすれば仮装着のBB(インナー位置でチェーンライン47.2mm)でもそのまま使用できるかもしれない。引き続き、要検討。
ひとまず、仕様を確認がてら少しセッティング作業を進めておいた。リアホイールは26インチ1.5サイズのタイヤが装着されている。スポークは32本。チューブは一般車で主流のウッズ(英式)バルブだったので、古くなっているであろう虫ゴムを交換。そのうちスーパーバルブに交換しよう。
ちゃんとQR式フリーハブを採用しており、8Sのシマノ製12-32Tカセットスプロケットが装着されている。
アルミ製フロントサスペンションが付いているので、シャフトに薄くグリスを塗って動作状態をチェック。エラストマー式だろうが、一応スムーズに動作する。
ディスクブレーキはPROMAX製と思われるインターナショナル規格のメカニカル(ワイヤー)式。ディスクブレーキには慣れていないので、ちょっと心配だったが、案ずるより産むが易し。構造は大して複雑ではなく、ワイヤー長でローターとパッドのクリアランスを調整するのはキャリパー(サイドプル)やVブレーキと同じで、後はキャリパーを左右に動かして方効きを調整するだけ。可動部にちょっと粘度が高めのオイルを注油しておく。
ただキャリパーの精度の問題か、フロント側のパッドが完全に平行でなくクリアランスがシビアだった。ローターの振れを取ったりしたが、最終的には少しクリアランスを大きめにして接触を防いだ、ちょっと走行してパッドの平行が出れば調整しやすくなるだろう。
ブレーキワイヤーは左前になっていたので、日本で一般的な右前に入れ替えておいた。
ヘッド周りにグリスを追加しながら再組み立てし、ハンドルの角度や高さも仮決めして、しっかり締め付ける。その他、マッドガードやブレーキレバー、ディスクローターの止めネジ、RD装着ボルト、スタンド、サドルの固定ボルトなどを増し締めしながら、各部のネジの再確認。
変速系以外はほぼ組み上がってきたので、試しに折りたたんでみた。
折りたたむには、トップチューブとダウンチューブに設けられた関節のボルトをアーレンキー(六角レンチ)で緩めてやる必要がある。グリスの固着もあるのか、ちょっと関節は固かったが、力を込めてたたんでいく。
最終的に二つ折りにすると前輪と後輪がほぼ並ぶ。CARACLE-Sを見慣れた身にはずいぶん大きく感じるが、車のトランクに収納したりするには有効だろう。輪行するにはハンドル幅が広いし、重量もそれなりにあるので、ちょっと大変だろう。チェーンホイールを装着すると、恐らくギアが地面に当たるので、気遣いが必要だ。以前KHS製F-20ASを使用していた際にESGE製ダブルレッグスタンドを装着していたが、同じ手法を使えば折りたたみ状態でも走行状態でも使用できるスタンドになるかもしれない。
もっとも、息子の通学用に前カゴなどを装着するつもりなので、折りたたみ機能を活かすことは当面なさそうだ。
後はチェーンホイールさえ決まれば、変速系もセットアップして走行可能な状態にできそうだ。その状態で重量計測をして、前カゴなど通学用装備の装着をしていくつもり。
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
[…] 先々週、先週と組み立ての準備を進めていた息子の通学用自転車となる「THUNDER(稲妻)」のベース車。ゴールデンウィークに入って、いよいよ本格的に組み立てを行う。 […]