TORACLE-COZ組立て その11 [フォークコラムカット]
[TORACLE-COZ組立て その10]からの続き
TORACLE-COZ(CARACLE-COZ RB試作フレーム)は今のところワンサイズで、トップチューブ長は530mm(ホリゾンタル換算)。私の体型(身長176cm)と極端な前乗りポジション、そしてダンシングを多用するという特殊事情からヒザがステム後端に接触しやすいという問題を抱えていた。
干渉を軽減できるか試すために、ステムの上下をひっくり返していた。何度かの峠トレーニングで、「解消」はしないまでも、「改善」することが検証できた。前上がりのステムは美しくないため迷っていたが、やはり機能的に走りやすいことが望ましい。意を決してフォークコラム(ステアリング管)をカットすることにした。
強度的にはステム上に薄いコラムスペーサーをセットする長さにカットすることが望ましい。ステムが上から下まで完全にコラムと嵌合するからだ。とは言え、COZのロゴマーク入り純正トップキャップと純正プレッシャープラグ(アンカーナット)の間は、隙間ゼロでも6.4mm。引き上げで持ち上がってくることを考えると、余裕を見て8~10mmのスペーサーを挟む必要が出てくる。
ヒザとの干渉を軽減することが目的なので、ステム上方にこれだけ飛び出すのでは意義が薄れてしまう。強度的にベストではないが、トップキャップがステムに直接載る高さにカットすることにした。
その場合は、逆にステム上端から8~10mm引っ込んだ位置でコラムをカットする必要がある。少しでもステムとの嵌合部分を長くしたいし、軽量化の意図もあって、猛虎四號に装着していたHIRAMEのプレッシャアンカーと比較してみた。
引き上げボルトの無い本体部分で重量を比較してみると、HIRAMEは約25g、COZ純正アンカーは約30gと重量差があったが、COZ純正は全長がかなり長く強度的な安心感がある。カーボンコラムの場合、内側からステムの締め付けを支える機能も重要なので、全長が短いと不安だ。
一方で上部に「つば」がある分、COZ純正品はコラムをより短くカットしなければならないという不利がある。とは言え、つばの部分もコラム同様に外側からの圧力を支えることができるはず。ここは、やはり純正品を使用することにした。上下を逆さにしてもなお、ステムの装着位置はかなり高いこともあって、約5gの軽量化のために全長の短いアンカーを採用するのは怖い。
現在のポジションでコラムの飛び出しは21mm。最近は、ここに30mmのスペーサーをはめてヒザとの干渉を検証していた。
トップキャップとプレッシャープラグの隙間を考えると、21+6.4=27.4mm以上のカットが必要。
引き上げによる持ち上がりを考えると、恐らく30mm以上のカットが必要だろう。それでも少しでも長く残しておきたいし、不可逆の作業なので、まずは28mmカットすることにした。
ソーガイドをセットして金ノコで切断。カーボンは楽に切断できるから良いが、スチールなら何度もカットして微調整するのはゴメンだ。
カットしたフォークを再度組み立てて検証してみる。純正外のクリアランスの小さいトップキャップを用いて引き上げると、段差は3.2mm程度しかなかった。これでは純正キャップのクリアランスを埋められない。
そこで、もう一度切断作業。あと3.2mmは段差を作る必要があるが、余裕を見て約4.0mm切断した。切断面はヤスリでできるだけ平らに仕上げる。
念のため、再度純正外のトップキャップで引き上げ、ステムを固定。その際に少しアンカーが持ち上がったので、一度アンカーを緩めて沈め、再度締め付けた。
その後、純正トップキャップに交換したら、ひとまずクリアランスを埋めてガタのない状態で固定できた。クリアランスがシビアだが、これ以上コラムをカットしたくない。そこで、トップキャップの底部をアンカーと接触しにくいテーパー状に削ってやろうかとも思っている。クリアランスの小さいキャップを使用すれば話が早いのだが、純正キャップは軽量だし、COZのロゴが入っているので、できるだけこちらを装着したい。
これでステム上に30mm以上のクリアランスを稼いだので、ヒザの干渉はマシになるはず。これでも頻繁にぶつけるようなら、ステムパッドを作製することを考えよう。
[TORACLE-COZ組立て その12]に続く
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
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