続・第8回スズカ8時間エンデューロ春SP直前整備 [TORACLE、チームCARACLE機材]
日曜の作業で週末のスズカエンデューロに向けて、TORACLE(虎来る號)をほぼ決戦仕様に仕上げたが、内側(リム側)からのパンク発生もあり、不安材料や積み残しがいくつかあった。
CARACLE-Sの初期型リム(ASU製)は軽量で、仕上げ等のグレードも高い。しかもチューブレスレディ形状であり、タイヤとの密着度が高く外れにくいため安全性が高い。
反面、外れにくいということは、出先でのパンク修理時などに外しにくいということでもあり、特にスチールビードのタイヤでは素手で外すのに苦労する事がある。そんなこともあってKINLIN製のリムに仕様変更したのだが、ケブラービードやアラミドビードの軽量タイヤならさほどの苦労はないので、個人的にこの点でのデミリットは感じない。
チューブレスリムということで、リム底にビードを落とし込む凹みが設けられている。この凹みの分、幅の広いリムテープが必要になるのだが、市販品でなかなか都合のいいサイズが見つからなかった。接着式リムテープでも、接着力の弱いもの(ゼファル製)はズレてしまうし、薄いもの(NO TUBES)は重ね貼りしてもパンクが相次いだ。
ようやく、ベロプラグとTIOGA製の27mm幅リムテープの二重防御で内側からのパンクを根絶したと思ったのだが、チューブを通常肉厚からR-Airに交換した途端に再びパンクした。
ということはリムとタイヤの相性が悪いか、たまたまチューブが傷んでいたのではないかと予想している。チューブはすでに新品に交換したので、リムも交換して原因を根絶し、不安なくスズカエンデューロに臨むことにした。
5/24の晩に、職場で作業開始。まずは前輪をバラす。タイヤを外し、リムテープとベロプラグを外していく。
ばらしたハブやスポークを再使用するので軽くクリーニング。スポークのネジにはグリスを塗布しておく。
かねてから用意してあったゴールドのアルミニップル(SAPIM製)に交換する。
現行リムで前輪を仮組みしていく。KINLIN製の現行リムはわずかに重い(約10g)が、上手く行けばベロプラグだけで使用できるかもしれない。そうなればむしろ軽量化になる。
仮組みした前輪を振れ取り台にセットして、テンションを上げつつ振れ取りをしていく。
KINLIN製リムも精度や強度が高く、比較的作業性が良い。さほど苦労すること無く前輪の組み上げ完了。
今回のスズカエンデューロでは、安全策で二重防御のままとする。ベロプラグを再セットして、リムテープを重ねる。
ただし、リムテープはTIOGA製からCARACLE-S純正品に交換。
続いて、後輪も組み直し。ただし、時間が惜しかったのでスプロケットを外さず、スポークを抜かずにそのままリムを交換した。
前後のリムを交換して、想像しうるパンクの原因は全て対処できたはず。
長らく準備していたゴールドニップルを装着できたことも、自己満足を高めてくれた。こうなると、チェンリングボルトやホイールクリックなど、他の軽合金パーツもゴールド化したくなってくる(^_^;)。
私に生じたリム側パンクの多発は、低圧タイヤをセットしているCARACLE-S初期型では発生事例がない。現在は高圧タイヤをセットしたモデルもあるが、こちらは現行リムを使用しているので、これまた類似事例は報告がない。初期型リムに高圧タイヤを装着した時にだけ発生するか、私の環境の個別の問題のようなので、出荷状態のCARACLE-Sを使用しているユーザーはご心配なく。
翌5/25の晩には、先端が折れて脱落したリアブレーキのインナーワイヤーを交換することにした。リードパイプのブーツも劣化して途中で分離していたので、こちらも交換。
ブレーキレバーからアウターケーシングへの挿入も上手くいき、バーテープを剥がす必要もなく交換自体はスムーズに完了。ところが、ワイヤーの動きがスムーズでなく、ブレーキレバーが戻りきらない。
CARACLE-S純正のアウターケーシングは、アルミとケブラー繊維で構成されている。構造も一般的なコイル状でなく、シフトケーブルと同じように細いワイヤーを束ねたもの。超軽量でたわみの少ない手応えを実現しているが、難点は屈曲に弱いこと。
ドロップハンドルに内蔵加工したことで屈曲が厳しくなり、組み付け時にも苦労した。今回もPRO GOLDのチェーンルブを注入してから交換したのだが、の同じ型のテフロンコーティングインナーワイヤーながら、何らかのバランスが崩れたらしい。
インナーワイヤーにグリスを塗布して再度組み付け、少し改善。最終的にブレーキテンションを上げて無理やり引き戻す措置を施した。取りあえずはこれで何とかなるが、より低抵抗のコーティングを施したインナーワイヤーに交換するなどの対策が望ましいだろう。・・・高価だが。
さらに5/27には、残る課題であるハンドル周りからのきしみ音対策。
チームCARACLEのT田さんから借用したカーボン製品のすべり止め剤、フィバーペーストをステムとハンドルの合わせ面に塗布して再組付。
結果は・・・変化なしorz。
やっぱり発生源はここではないようだ。
もう一度ハンドル周り各部のボルトを増し締めしていったら、フォークコラムを締め付けてハンドルポストを固定するボルトを締めた際に音に変化があった。ずっとハンドル周りだと思っていたが、異音の発生源はヘッド周辺で、ハンドルは反響していただけのようだ。
取りあえずはガタもないので、この場では増し締めだけ。スズカエンデューロが終わって余裕ができたら、ヘッドをグリスアップしよう。
これにてスズカエンデューロに向けてのTORACLE(虎来る號)整備は、全て完了(のつもり)。CARACLE-S 2016試作車(没カラーリング)をベースにしたTORACLEは、ノリクラ出場時とは違い、走りに影響の出る「遊び」は一切なしのホンキ仕様だ(カラーリングやステッカーは走りに影響しない・・・はず)。後は本番を待つばかり。
チームCARACLEの仲間も連日出場車に手を入れている。話題になっている他社の赤い自転車の影響を受けたわけではないと思うが、N岡さんはフレームを赤いCARACLE-S 2016に新調。あえて黒にした前フォークが意外とカッコよい。ローラー台にも乗り込んできたし、これで3倍早く走れるか?
チーム二番手のスプリンター、F永さんも愛用の白いCARACLE-S 2015を入念に手入れしていた。
手前のシルバーの自転車はもう一台のF永さんの愛車、451ホイールの試作CARACLE。
毎日ローラー台トレーニングを欠かさず、鍛え上げてきた成果を見せることができるか?
S池さんもドロップハンドル化した白いCARACLE-S 2015で、毎日のように朝はジョギング、晩はぶどう坂でヒルクライムと、トレーニングを重ねてきた。
単純に力比べをすると、もはや私も敵わないレベルに上がってきたので、後はテクニックが身についてくれば、まもなくチーム3番手を私と交代するだろう。
そして、段違いのレベルでステップアップしていくチームエースT田さんの使用車は・・・これはディスクブレーキ!? 詳細はまだ秘密。
CARACLE-S製造元のテック・ワン従業員で構成するチームCARACLEメンバーの使用する機材は、実のところ試作車や検品でハネた規格外品など、売り物にならないものばかりだったりする。
市販品に劣る機材でも、手を入れて(トレーニングを重ねれば)、ロードバイクに匹敵する走りができるのがCARACLE-Sの面白いところ。今回は皆の気合の入り方も半端ではなく、昨年以上の成績を残せるように努力を重ねてきた。
唯一の心配は私自身(^_^;)。春先から思うようにトレーニングができなかった(しなかった?)ことに加えて、このところ体調が落ちている。毎年6月ごろにはアレルギー症状と思われる体調不良に悩まされているが、先週の最終チームトレーニングでも、調子が上がらなかった。月曜には自転車に乗るのも苦しいほど体調が落ち、めまいもして来た。
病院に行って抗アレルギー剤やめまいの薬を出してもらい、かなりマシにはなってきたが絶好調にはほど遠い。私個人は今回を最後のチーム参加と考えているだけに残念な展開だが、ここまで来たら仲間の足を引っ張らないように精一杯走るしかない。もちろん、安全第一で。さあ、いよいよ明日はスズカ入りだ。
ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。
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