娘と自転車デート [堺ポタリング]

入学祝いにCARACLE-Sを組立て、娘は(晴れた日の)通学用に使い始めている。「時々モデルになってもらうこと」が条件なので、CARACLE-Sがキレイなうちに(笑)一緒に走る機会を持ちたいと思っていたが、お互いに多用でなかなかタイミングが合わない。

ゴールデン・ウィークも、前半は私の福岡出張で、後半も娘のクラブ行事などの用事があり、一日一緒にいられるタイミングが取れそうにない。やむなく、娘のクラブが終わった午後から出かけることにしたが、娘も午前中に疲れているし、スポーツライドもご無沙汰。さて、どうするか? 

考えた末に、地元堺の街を巡ってみることにした。堺に越して13年経つが、身近すぎて実はちゃんと観光名所に入ったことがない。これなら他所から来た自転車乗りの参考にもなるだろうし、CARACLE-S活用事例としても、商売的にはよっぽどアピール度が高いと思われる。

170503_131226小学生時代のノリクラトレーニング以来約4年ぶりの娘との自転車デートは、13時前に堺の深井の自宅を出発。15分ほどでまずは大仙公園へ。前職では毎日外周を走って通勤していたので、勝手知ったる公園だが、実は園内にある堺市博物館に入ったことがなかった。

170503_131834この機会に入場して、堺の歴史をあらためてお勉強。拝観料は大人200円。

特に隣接する仁徳天皇陵を始めとする古墳に関する展示が多かった。シアターで上映された仁徳天皇陵を紹介する映像は、再現CGも迫力があり、往時の姿を想像することができた。

・・・が、クラブ活動で疲れた娘は居眠り寸前。

170503_133812気を取り直して展示を見学。ネット上で多くの情報が得られる時代だが、実物の大きさや風格を見ると、歴史をより身近に感じられる。

170503_134102実際に触れる複製品も多く配置されていたが、バーチャル情報との差別化のためには、良い取り組みといえるだろう。

(ちょっと前の?)流行りというか、イケメンのアニメキャラ風展示も(^_^;)。甲冑には堺市章入り。

歴史にさほど興味のない娘だが、自分の住む地域でもあり、多少は興味を持って展示を見ていたようだ。それでもあまり私がじっくり見ていると退屈になるだろうと、早足で30分ほど見学して退場。

170503_140130お次は公園に隣接する仁徳天皇陵の正面遥拝所へお参り。

多くの人が訪れ、車道も近くにあるのだが、二重の堀の内側は不思議と荘厳な雰囲気が漂う。初めての方なら周囲を一周して、最大の古墳の大きさを実感するというのが、お勧め。

私たちは2人ともその大きさをすでに体感しているので省略し、次の目的地へ。

170503_1414122kmほど西進して堺の旧市街を取り囲む堀である土居川を渡り、3つ目は南宗寺

170503_141822他のお寺と塀に囲まれた敷地を共有しており、その総門前に自転車を置き、新緑と花に溢れた参道を歩いていく。

寺の入口で拝観料(大人400円)を支払いって境内に入ると、10人位ずつにガイドが付き、見どころを案内してくれた。

残念ながら境内は撮影禁止とのことで、画像はないが、ガイド付きでなかなか充実した見学だった。

170503_144226戦国武将三好氏が建立し、利休一門の供養塔や、隠れキリシタンだったのか、マリア像や十字架とも取れる意匠がある津田家・半井家の墓、どの方向から見ても目が合う八方睨みの龍等々、多くの著名人に縁のある名刹であることがわかる。

中でも驚いたのが、徳川家康の墓。実は家康は大阪夏の陣で討ち死にしており、その墓がここに建てられたという伝説があるそうだ。太平洋戦争の空襲で消失した「東照宮」跡の碑の建立には、松下幸之助も協力したとのこと。歴史の異説に基づいた、面白い遺構だ。

170503_1456464つ目は、すぐ近くにあるくるみ餅の有名店「かん袋」へ。「くるみ」とは胡桃のことではなく、お餅を餡でくるんでいることからそう呼ばれている。前々から機会を狙っていたのだが、一人で入るのはちょっと恥ずかしいし、かといって売切れ次第閉店なので、人を誘いづらかった。

170503_145754今回は15時直前という、絶好のおやつ時に訪れることができた。やはりかなり混んでいたが、さほど待つこともなく頂くことができた。15時を過ぎた途端にどっと来店客が増えて行列になったので、良いタイミングだった。

私は普通のくるみ餅、娘はかき氷をかけた氷くるみ餅。いずれもシングル360円。うわさ通り、素朴な味わいながら、とても美味しい。一口もらった氷くるみ餅もまた絶品で、これからの暑い季節にはぴったりの甘味だ。

170503_151214スイーツで娘のご機嫌を取った後は、チンチン電車(阪堺電軌)の通る大道筋に出て北上。1km足らずで5つ目のさかい利晶の杜へ。

170503_151200宿院交差点近くに2015年にできた新しい施設で、堺ゆかりの「千利休」と「与謝野晶子」を中心に堺の歴史・文化を発信する観光文化施設とのこと。

駐輪場にはサイクルラックも設けられているので、スタンドのないスポーツ自転車用でも訪れやすいだろう。

千利休茶の湯館と与謝野晶子記念館の入場料が大人300円(JAF、鉄道系カードなどの割引あり)。学割は学生証が必要とのことで、娘も大人料金(残念)。

170503_151244茶の湯を体験できる、立式呈茶や茶室お点前体験などのメニューもある。小学生までお茶を習っていた娘に、「やってみたいか?」と聞くと「別にいいやろ」とのこと。二人分だとそれなりに費用がかかるので、ホッとしたような残念なような(^_^;)。

170503_1519381階は、千利休茶の湯館。中世~近代の堺と茶の湯を取り上げた展示は堺市博物館と被る部分もあるが、千利休とそれを取り巻く人物にスポットを当てて、より深く掘り下げている。

170503_1523322階は与謝野晶子記念館。「君死にたまうことなかれ」が最もよく知られているが、それ以外にも晶子の言葉は現在も様々な創作物に引用されており、瑞々しさを失っていない。

マンガやアニメで使われることもあるので、娘にも親しみが持てるかと思ったが、反応は「ふ~ん」といった程度。まあ、そんなものだろう。

170503_15350230分ほど見学して、6つ目はさかい利晶の杜の向かいにある千利休屋敷跡。現在は井戸やちょっとした手水鉢や灯籠があるくらいで、往時を想像するのは難しいが、普段ウロウロしている場所も歴史上の著名人と共有していると思うと楽しいものだ。

170503_154854大道筋に沿って2km近く北上し、7つ目は堺市立町家歴史館「山口家住宅」へ。入場料大人200円。

170503_155042こちらにも堺市のガイドさんがおり、由来や見どころを解説してくれた。

江戸初期に建てられたと思われ、築約400年を経過した町家。家主の山口家は庄屋さんだったそうだ。

170503_1553505つもかまどがある土間は、多くの家族や使用人が暮らしていたことを伺わせる。

170503_161342客をもてなす茶室の外廊下は、珍しい一枚板で作られている。

明治以降も名家として存続し、大正期には立憲政友会の幹事長になった山口義一の生家でもあり、昭和期まで現役の住宅として使用されていたとのこと。

170503_161432庭園の手水鉢は枡の中に枡があり、「ますます繁盛」を願った縁起物とのこと。

170503_155928直接山口家とは関係ないが、堺で作られている五月鯉幟「高儀」が展示されていた。

印刷ではなく刷毛で手書きしたもので、鯉に金太郎がまたがったユニークな図案。

170503_160242街中と思えない、静謐な空気が流れる空間で、少しのんびり。花や五月飾りも置かれて、変わらない伝統と、変わる季節感の同居が不思議に感じる。

170503_161516娘も座り込んで庭を眺めながら、ほっこりしている。

受験勉強ですっかり体力が落ちているところに、午前中のクラブもあったので、眠たくなってきたようだ。

170503_163110まだまだ近隣に著名な寺社や名所はたくさんあるが、そろそろ陽も傾いてきた。娘も疲れ気味なので、そろそろ締めを意識して動くことにした。

山口家住宅の鯉のぼりで思い出したが、この時期は土居川に鯉のぼりが吊るされている。2kmほど南西に走って南海本線堺駅近くに来ると、今年もたくさんの鯉のぼりが吊るされていた。8つ目のポイントは、もちろん無料。雲が多く、青空をバックと行かなかったのが残念。

170503_163836終盤に持ってこようと思っていたのが、堺駅のすぐ西側にある堺旧港。傾いた夕陽が絵になることを期待したのだ。

堤防上に上がって9つめのポイントに到達。海まで自力で走ってきたというのが、嬉しいのだろう。娘はCARACLE-Sを置いて水際まで降りていった。

170503_164118その先の旧堺燈台まで進むと、西に向かって海が開ける。堺が輝いていた往時はこの先に世界に繋がっていたのだ。

これまで曇っていたが、このタイミングで太陽が姿を見せれくれた。

170503_164636とは言え、17時前とあって5月の太陽はまだ高い。逆光で撮影が難しいが、灯台とCARACLE-Sと女子というシチュエーションで、多少は絵になる風景だったろうか? 娘も後ろ姿ならいい引き立て役になれただろう。

この後、堺市役所の展望ロビーに上ることも考えていたが、娘は高いところが苦手で乗り気ではなかった。まあ多くは私も見たことのない堺名所を9つも回れたのだから、今日はこれで良しとしよう。狭い旧市街とは言え、自転車でなければなかなかここまで効率的に回ることはできない。

170503_165432港の反対側に立っている龍女神像をバックに、帰路についた。17:20過ぎには帰宅して、走行距離は約20km。疲れ気味で、久々の娘には、このくらいでちょうど良かっただろう。

帰路は寄り道せずにあっという間だったので、娘も「意外に、海近いな」との感想。歴史的な名所はJKの興味をさほど惹かなかったようだが、スイーツと港の風景は喜んでもらえたか。

と思ったが、続いて「地震来たら、ウチも津波ヤバイな」。・・・関心を持ったのはそっちかいな。

なかなかスケジュールが合わないし、二人分となると結構出費もかさむが、できればそのうち輪行で遠出をしてみたいものだ。とは言え、その前にちょっと郊外を走ってみるか? JKが付き合ってくれるだけで嬉しいものだが、できればイヤイヤでなく娘も楽しんでくれるようなところが良い。しばらく、デートのシミュレーションを楽しんでみよう。

 

■コースマップ

 

■本日の走行記録(自転車)

CyclemeterGPSの記録
 スタート: 2017/05/03 12:57:23
 自転車完了: 2017/05/03 17:23:57
 バイクタイム: 1:09:03
 停止時間: 3:16:39
 距離: 20.93 km
 平均スピード: 18.19 km/h
 登り: 12 m
 カロリー: 448 kcal
 平均心拍数: — bpm
 最大心拍数: — bpm
 平均ペダルペース:  56 rpm
 最高ペダルペース: 106 rpm
 今月の走行距離:  109 km
 今年の走行距離: 2832 km
 先月の走行距離:  716 km
 昨年の走行距離: 8860 km

 

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これまでのコメント

  1. […] ひとつめの立ち寄り地、南宗寺に到着。昨年、娘と訪れたことがあるが、ここは私としてもお薦めのポイントだ。 […]

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