2002乗鞍参戦記
【旧ホームページから、修正の上で転載したものです】
今年も参加してきました。昨年よりさらに参加者が増えていたようで、完走者だけで3850人もいました(昨年は3680人完走)。申し込みの受付は5/1に始まったのですが、M輪によれば5/10に申込書を発送してもアウト(定員オーバー)だった人もいたようです。昨年は5月いっぱい位は大丈夫だった様ですが、今年は定員を増やした(と思われる)にもかかわらず、えらいことになってました。来年はいったいどうなることやら・・・。とにかく速攻で申し込むことですな、これは。
さて、8/24(土)の受付日、昨年と同様に島根から参加のA本(神大OB)が大阪までお出迎え。AM5:00過ぎには大阪を後にしました。名阪-名神-中央-長野道を経由してAM10:30には松本駅に到着。新宿から特急で到着したH田君(東京理科大OB)と合流して乗鞍高原を目指しました。途中で立ち寄ったコンビニはヴァームやエネルゲンなどのスポーツフード&飲料が山積みで、乗鞍は年に一度の稼ぎ時のようです。昼過ぎには乗鞍高原の受付に到着して一年ぶりにM輪(日大工学部OB)らと再会。受付と記念品(Tシャツ)の引き取り、ゴールセンサーの取り付け&チェックなどを行いましたが、今年は新たに総合成績表掲載のための写真撮影がありました。手続きを済ました後、各協賛業者のテントを覗いてみる。即売会をしているブースも多く、H多君はスペシャライズドのジャージを購入。私たちがいた頃にはお見かけしませんでしたが、インターマックスのブースには今中大介さんも顔を出されていたようで、知り合いはサインをもらったりしていました。キャノンデールのブースを覗くと同社社員のM坂氏(日大法学部OB)が、参加者のモノらしき自転車をいじっている。同社はさらに軽量化された新型ロードの試乗会を実施しており、盛況の様子でした。
受付会場から少し下り、PM2:00頃には本日のお宿「寿家」に入りました。こちらはM輪が毎年お世話になっている宿で、M輪と同じ日大工学部OBのH川、W田の両氏、M輪の会社の後輩S水君とその出身校同志社大学の現役&OB諸氏、そして今年はM輪を通じて我々3人もお世話になり合計18名の大所帯、さらにW田氏の所属するNEC府中サイクリング同好会の方々約10名も同宿ということで総勢約28名、知り合いの知り合いでほとんど宿を占領した状態でした。料金も、朝晩2食とレース後のお風呂、さらに昼食おにぎりつきで\7,000足らずとリーズナブル。過剰なサービスや豪華な美食を望む方には向かないかもしれませんが、開放的で家庭的な宿が、乗鞍出場者(おそらく全員)で溢れ、久々に合宿気分でくつろがせてもらいました。宿に入った後は、ほとんど知り合いの知り合いということで、そこここの方々と話をしながら、自転車の整備などをしてのんびりと過ごしました。
夕食後、同じ部屋の4人で軽く呑んだが、翌日に備え早々に就寝。夜遅くまでたらふく飲んでも翌日元気に走れるサイクリング部現役の学生さんとはすでに異なる30代・・・。
いよいよ乗鞍当日。早朝AM4:30に起床して準備開始。AM5:30に朝食開始、AM6:30前には各グループスタート地点に向かい出発する。我々年寄りグループは車でスタート地点に向かい、AM6:40頃には近くの宿指定の駐車場にデポした。標高差180メートルは登らなきゃならんというのに、同志社大の現役生は自走・・・元気だ。自走といえば、前回MTB女子部門2位のNEC府中のM本女史は皆よりずいぶん早く朝食を取り、スタート地点確保のため早々に出発していたようです。
一般車はスタート地点近くに駐車不可とはいえ、私たちと同じように乗鞍の宿の団体の駐車場にデポする参加者、家族や知り合いの運転する車に送ってもらっている方、そこらの路肩に強引に止める車などでそれなりに渋滞。下りのための防寒着などを運搬車に預けたが、ここも大渋滞。自転車をA本にまかせて先行してもらったが、少々出遅れてしまった。参加者が多いので、列の後ろの方になるとスタートラインを通過するまで何十秒もかかることになるんです。
ようやく荷物運搬車を離れ、「ロードレーサー男子C(31~35歳)」の列の後尾を目指したが、同グループの先頭付近の方から声がかかる「えっと、確か経済の・・・名前なんだっけ?」。見ればどこかでお見掛けした顔だが、グラスとヘルメットでもうひとつピンとこない。「久行ですけど、えーどなたでしたっけ?」「理工のA野です。いや、目立つカッコしてるから・・・」おお、10数年ぶりの再会、日大理工学部の先輩でした。日本大学は各学部が離れており、サイクリング部も各学部ごとにあるので、直接同じ団体の先輩ではありませんが、学生時代は色々と交流があったのだ。目立っていた私のカッコとは、上記の写真の通りです。自転車、ウェアとも黄と黒の阪神カラーで統一し、タイガースハッピを着て出場しました。学生時代は黄と黒の縞模様の自転車にタイガースの旗をたなびかせて日本中を走り回っていたので、交流のあった方は名前はともかくカッコを記憶していただいているようです。乗鞍初参加で勝手のわからない昨年は「まだ」おとなしめでしたが、「目立てば勝ち」のコミックエントリー狙いの方をたくさんお見かけし、今年は派手にいってみました。昔の仲間との再会は来年も期待できそうです。
スタート前のことゆえ、手短な挨拶となりましたが、思わぬ再会を喜びつつA本を探す。ようやく合流はしたものの、やはり列のかなり後ろとなりました。まもなく、AM7:00より開会式が始まり、お偉いさんの挨拶や選手宣誓、そしてゴールレポート。昨年一桁だった頂上畳平の気温も今年は14度(だったと思う)と晴天に恵まれ絶好のコンディションとなりました。雨におびえながら走った昨年と異なり、実にすがすがしい気分で大会に臨みました。我々「ロード男子C」のスタートはAM7:48ということで結構時間があき、ちょっと緊張感がゆるんでしまいます。昨年はパンク修理に追われ冷や汗タラタラだったことを思うと雲泥の差でした。
さて、いよいよスタート。前のグループがスタートした後に移動して並びますが、スタートラインは遥か彼方。同じグループに約650人もいりゃ仕方ないですが、来年はもう少し早く動きましょう。メーターや腕時計の高度計をリセット、スタートの瞬間を撮るためデジカメを手に持つ。AM7:48予定通りスタート。前が詰まっているので私の周りが動き出すのにかなり時間がかかると思っていたが、予想より早く動き出したので私もあわててスタート。撮影はし損ないました。スタートラインは号砲後、約50秒で通過。スタート直後は集団から抜けるためにスピードを上げて右に左に進路を激しく変える人が目立つが、私の位置からはあまりに前が詰まっているので、そんなことをしていたらかなり消耗しそう。少し早めの人を盾にして、徐々に集団がバラけるのを待ちました。数分を経過したところで徐々にペースを上げ、少しずつ追い抜きにかかります。高度が上がると空気が薄くなるので前半でできるだけ飛ばすのが私の計画。まずまず調子よく足も回り、順調に高度を稼いでいきました。
少し落ち着いたので走りながら何枚か撮影するが、さすがに自分を撮る余裕はない。失敗したのはボトルの中身。補給時のタイムロスを少なくするため今年は大容量のボトルをつけたのですが、中身のエネルゲンが濃すぎてノドがべたつき、咳き込んだりして苦しい思いをしました。周りの評判がよかったので初めて使ってみたのですが、もっと薄くすればよかった(トレーニングや前回の本番ではヴァームを使用)。結局、チェックポイントの度に水をもらってのどの渇きをいやす始末。昨年のように止まって飲んだわけではないのでそれほどのロスにはなりませんでしたが悔やまれます。
さて、ノドの渇きを除いては順調に登っていたのですが、「チェックポイント2」を過ぎたあたりで、突然わき腹のケイレンに襲われました。激痛をこらえペダルを踏み続けたもののペースは大幅にダウン。抜いていく二人連れから「あのタイガース、さっき勢いよく抜いていったのに、失速してるな」との声も聞こえました。派手なカッコをしているだけに、こういうときにも恥ずかしいことになってしまいます。高度が上がり息がかなり荒くなっていたことで、身体に負担がかかっていたようです。
苦しみながら走り続けているところに追い討ちを掛けたのが、ママチャリに乗ったセーラー服の女子高生・・・ルックの男性。痛みに脂汗を流しながら登る私の横をすざまじい勢いでぶち抜いていきました。昨年もゴールしてくるところを目撃しましたが、かなりタイムが遅かったはず。しかし今年は「もうだめ」「もういっぱいいっぱい」と口でだけ呟きながら、あっという間に前方に消えていきました。恐らく私たちの後にスタートのグループ(ロード男子B)だったのでしょうが、かなりの好タイムだったはずです(ゼッケン番号見ておくんだった)。私だけでなくロードレーサーの参加者のやる気も削ぐ一撃で、一瞬周囲がヨタついたように見えました。まったく自転車は機材やカッコじゃありません。
恐らく十数分苦しんだ後、ようやく痛みが少しずつ薄れてきました。これなら今年の目標1h35mはまだいけそう。とはいえムリをするとまたケイレンがやってきそうな気配があり、全開とは行きません。少しずつピッチをあげていくと、ようやく森林限界を突破。周囲が開け、青空が大きく広がってくる。ゴール地点まであと3km、セーブしながらもさらにピッチを上げる。あと2km、わき腹の違和感が大きくなってくるがさらにピッチを上げる。観客から「タイガースがんばれ」と声がかかる。「オオッ」と言う声と小さなガッツポーズを返す。息が苦しい。あと1km、もうケイレンを起こしてもかまわない、全開だ。あと300m、最後のカーブを曲がりゴールが見えてくる。あと300m、周囲が混雑してくる。あと100m、急に前方のペースが落ちてシフトチェンジが追いつかず前の人が足を着く。その人をかわして前に出るが、ゴールへの誘導路に入るあたりで完全に渋滞。やむを得ず、押しながらゴールを目指す。ゴールは目の前、しかしなかなか前に進めず時間だけが無常に過ぎる。「ピピッピピッ」腕時計のアラームが自己計測1h35mを知らせる。万事休す、目標達成はならなかった。わずか十数秒後、ゴールラインを通過。
ゴール後、まずは大混雑の中を荷物運搬車へ向かう。昨年よりはずいぶん暖かかったのですが、標高2300mの畳平はやはり気温が低く、風もあるため、汗をかいた身体はすぐに凍えてしまいます。途中で先にゴールしたH多君がおり、例年会う理科大OBと無事再会を果たした様子でした。すっかり凍えた頃に荷物を受け取り、ウインドブレーカーを着込みました。撮影をしたりウダウダしているうちにM輪がゴール。彼は防寒着も含め全ての荷物を自分のフロントバッグに詰めており、ツーリストらしい走りをしていました。その後、知り合いのゴール風景を撮ろうとカメラを構えていたら、中日新聞の取材を受けてしまいました。カッコがカッコだけに目を引いたようです。掲載されたかどうかは定かではありませんが、中日さんには星野監督をお譲りいただいたお礼を申し上げておきました。その後もしばらくゴール地点で撮影して、M輪のところに戻ってみるとH川さんやNEC府中の方々も集まっていました。例のM本女史はロードレーサー女子A(16~35歳)6位のすばらしい成績(1h19m)。最後にA本とW田さんがゴールしてきたところでサイクルスポーツ誌の取材を受けた。4台(私、M輪、W田氏、H川氏)もマッドガードつきのツーリング車がそろっていたので珍しかったようだ。とはいえ、知り合いの知り合いが集まったこのメンバーは「皆さんはそういうグループなんですか?」と聞かれても返答に困る。結局「同じ宿に泊まったメンバーです」としか言いようがなかった。ともあれ掲載されるのが楽しみです。
全員そろったところで、名残惜しいが山を下りました。よく登ってきたなあ、と余韻に浸りながらゆったりと下っていたが、途中の山荘に白地に黒線の新タイガースカラーのロードレーサーが止まっているのを先行してしたH田君が発見。持ち主の方に伺うとわざわざ大阪の業者に塗装してもらったとのこと。一緒に写真を撮って来年の再会を楽しみにすることとしました。距離22km標高差1400mのダウンヒルを経て、正午頃スタート地点に戻ってきました。ゴールセンサーを返却し、健闘を称えて記念撮影。帰路の長い我々は表彰式や抽選会には参加せず、早々に宿に戻りました。
風呂に入って汗を流し、昼食のおにぎり(というか自家製寿司)をいただいて、相談の上、早くも来年の予約。M輪をはじめとするメンバーと再会を約し、寿家さんをおいとましましたのはPM1:30位だったでしょうか。若干の渋滞はあったもののPM3:00前には松本駅に到着し、H多君ともお別れ。彼が自転車を下ろそうとしたところで、後ろの駐車車両のブレーキが甘くて動き出し、我々の車との間に挟まれかけた。あわててボンネットを叩いて運転手に知らせ、何とか直前で停止。運転手は頭を下げていたが、AT車をドライブモードに入れたままでよそ見をしていたようで全くシャレになりませんでした。私とA本は往路と同じ道を戻り、PM9:00頃大阪へ帰着。A本はさらに松江まで戻りました。
少しだけ不完全燃焼を残して私の乗鞍が終わりました。後日発表された正式タイムは1h35m17s、ロードCグループ294位、総合1503位。ゴール間際があんなに渋滞しているなら、もっとピッチを上げておけばよかったと悔やまれるところですが、それも乗鞍。みんな同じ条件なのですから、理由にならないのでしょう。「走りがダメだから、ウケ狙いのカッコをしている」と思われるのはシャクなので、それなりにトレーニングも積んできました。8分以上のタイム短縮を果たしましたし、10年落ちのツーリング車でこの結果はまずまずで、ブザマな走りはしないですんだかなというところです。今年は足はまだ残っているのに息が苦しくてペースが上げられなかった面がありましたので、来年は水泳を併用して心肺能力を高める努力をしましょう。
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■『2002乗鞍』仕様車
2002年も『乗鞍』で使用したのは、700Cツーリング車「猛虎参号」。乗鞍前に昨年とほとんど同様の軽量仕様に組み替えた。今年進歩したのはホイールを組みなおしてニップルをアルミ化したこととリアスプロケットを12-24Tから12-22Tにクロス化したくらい。ほんとはシートピラーを短くしようとしたんですが、イーストンパイプ製デュラエースのシートポストはアルミ合金にもかかわらず、非常に硬くてパイプカッターの歯が立たない! 恐るべし焼き入れアルミ合金。
それはさておき今回は軽量化、というか実はかなり重量増になってます。昨年、バッグを落としただけのキャンピング車にぶち抜かれ、軽量化より身体造りの大切さを実感したこと。そして資金難もあって自転車より身体の軽量化に勤めました。マッドガードをつけたのは、M輪君を見習ってツーリストらしくするため。今年のメインはコミックエントリーなので、これ見よがしの軽量化はやめて、一見古臭いツーリング車に仕上げた訳です。ボトルも大容量のものをつけて補給所を当てにしない走りを目指す。さらにデジカメを持って撮影しながら走るということで装備重量が確実に1kgは増えている。キャリアもつけようかと思ったが、今回はさすがに見送り。最終的に体重を昨年より3.5kg落としたのでトータルでは約2.5kg減。結果としては昨年よりタイム短縮もできたし、ブザマな走りはしないですんだかと思います。来年はキャリア&バッグ装着か・・・やっぱそれはつらいな。とりあえず、タイガース旗をつける方法を考えよう。
フレーム | Velo, Wood Bell製オーダー 550mm(丹下チャンピオンNo.2) |
ヘッド小物 | 丹下精機 バンテージ |
ハイコラムスペーサー | カーボン製20mm |
ハンドル | TNI ネオクラシックバー 410mm |
ステム | 日東 UI80 110mm |
バーテープ | プロファイル コルク |
ブレーキレバー | サンツアー シュパーブプロ |
ブレーキアーチ | ダイアコンペ 987 チタン仕様 |
チドリ | マファック |
シフトレバー | サンツアー シュパーブプロ |
クランク | スギノPX 170mm |
フロントギア | TA 42×26 |
BB小物 | ワールドクラス チタンBB |
フロントメカ | サンツアー シュパーブプロ |
リヤメカ | サンツアー シュパーブプロ |
チェーン | レジナSL シルバー |
ペダル | シマノ PD-747 |
シートピラー | シマノ デュラエース SP-7410 |
サドル | ブルックス スイフト |
シートピン | アルミナット+スチールボルト |
ボトルゲージ | ミノウラ AB100-4.5mm |
ボトル | キャノンデール 0.95L |
ヘッドプレート | アルミ タイガースロゴ |
ハブ | サンツアー SL 32H |
リヤギア | サンツアー シュパーブプロ 7段 12-22 |
クイック | メーカー不明 スキューワー |
リム | カンパニューロ ストラーダXL グレーアルマイト |
マッドガード | 本所 NH-27K |
タイヤ | パナレーサー ストラディアスクライマー20C |
チューブ | コンチネンタル 軽量ブチル |
リムテープ | ナショナル ポリライト |
スポーク | 国産 #15(リアフリー側は#14×#15バテッド) |
ニップル | DTアルミ |
※赤字は今年の変更点