2015ノリクラ参戦記・走行日
「2015ノリクラ参戦記・受付日」よりの続き
夜中に何度も目を覚ましたが、その度に窓の外からはザーザーと雨音が聞こえた。気の休まらないまま全日本マウンテンサイクリングin乗鞍走行日の朝を迎え、4時前に起床。仲間たちもボチボチ目を覚まし、玄関から外を覗いて「しっかり降ってますね」orz。
基本は雨天決行だがこれだけ本格的な雨が長時間降っていると、中止やコース短縮もありうる。気が滅入る展開だが、決行と決まってからバタバタすると力を出し切れないので、ストレッチや着替え、飲料や預け荷物の準備、そして軽量化(トイレ)と準備を進めていく。ところが仲間の多くは戦意を消失し、すっかり様子見モード。
ともあれ、5時から朝食。テレビの天気予報では、ほぼ終日雨予報・・・。
一縷の望みを抱きながら準備を続ける。ウェット路面なので、自社商品CARACLE-Sのノリクラカスタムに装着したパナレーサー エリート・ライトの空気圧はやや低めの前6気圧/後6.5気圧に設定。ボトルも装着して出走体制完了。
6:00の主催者発表がある予定だが、荷物預けの締め切りが6:30なので、のんびりはしてられない。発表を確認次第出発できる準備をしていたが、アクセス集中で主催者発表はなかなか確認できなかった。仕方がないので私はスタート地点に向かうことにした。結局、私を含めて数名だけが先行し、残る大多数は寿家に残った。
スタート地点までは標高差約170m上る。振り続ける雨の中を20分ほどで到着。雨だが気温はそれほど低くなく、アンダー+タイガース応援ユニフォーム+レインウェア+虎ハッピの4枚重ねでは暑すぎて、ここまで走るだけでも汗ばんだ。そこでタイガース応援ユニフォームを預け荷物に入れ、3枚重ねに抑えたが、あとで考えればこれが失敗だった。
到着早々、あちこちから声が掛かり、facebook友達のH山さんとも再会。毎年、ノリクラでお会いするのがお約束。
荷物を預けてスタートグループごとの集合場所に並ぶが、参加者はかなり少ない。会場を押さずに乗車して移動するなど例年なら考えられない。
到着早々、「三本滝付近で道路を水が流れ、水深10cm以上になっているため自転車の走行が不可能になった。フルコースでの開催はできないので、現在短縮コースでの開催を検討中」とのアナウンスが流れた。3年連続で畳平に上れずがっくり。この時点でぞろぞろと会場を引き上げる参加者の姿も多かった。
7:00前に再度アナウンスがあり、CP1までの短縮コースでの開催が決まった。元々ショートコースのゴール地点であるCP1までは、わずか7km。キング・オブ・ヒルクライムと名乗るにはあまりにもの足りないが、天候は主催者にコントロールできるわけではないので、仕方ない。なぜかこのアナウンスを聞いてから会場を去る参加者も結構いた。その前からフルコース開催の見込みはなくなっていることは何度もアナウンスされていたのに、なぜだろう?
寿家で待機している仲間たちも状況を確認したが、多くはそのままDNS(出走断念)を決めた。雨の中で短縮コースを走ることに意欲が湧かないのは私もわかる。ただ、一部はこれから上がってくるとのことだった。
開会式は7:30から、スタートは8:00からと1時間遅れで進行するが、逆に制限時間は10:30までと、1時間短縮される。参加者の多くは手近なテントや建物の軒下で雨宿りしながら待機していた。私もテントで待機していたが、薄着(?)で雨に打たれて身体が徐々に冷えてきた。荷物預けも1時間遅れて7:30までとなったので、荷物を一旦取り返して着こむことも考えたが、走る時に暑いのは先ほど体験済み。脱いだウェアの始末が難しいのでためらっていた。
少しでも温めようと会場を歩いてうろついていると、開会式が始まった。かなり減った参加者の多くも屋根の下で待機しているのでステージ前はガラガラ。司会者が2回も「それでは『閉』会式を終了します」とアナウンスしてしまい、周囲では「終わっちゃったよ」と失笑。
その頃には身体がさらに冷え、やはり服を着ようと荷物預けのトラックに向かったが、ちょうど目の前で扉が閉じられるところだった。一歩遅かった。
はぐれていたnorikura1059さんや、後から上がってきた近所の友人と合流し、雨が小止みになったので自転車のところに移動した。
このまま上がってくれれば、という甘い期待を抱いたが、8:00が近付き「チャンピオンクラスまもなくスタートです」とのアナウンスが流れた途端に、またザーザーと降りだした。どうやらチャンピオンクラスに強力な雨男がいるようだ。
またテントに戻って雨宿りをしていたが、我々のスタートも近づいたので自転車の元へ。そこでfacebook友達のM脇さんと再会。こちらも毎年の恒例。
8:30過ぎにスタート地点への移動を開始。例年に無く参加者が少なく、かなり前の方からのスタートになった。
2時間以上の待機で身体が冷えきって、この頃にはヒザがプルプル震えていた。スタートすれば温まるだろうが、すぐに身体が動くかどうか・・・。
同じグループになった近所の友人やnorikura1059さんとスタートを待つ。結局、今回同宿の仲間で走ったのはこの3人と、むらよしさん、それと日大工学部の現役生(及び若手OB)の4人のみだった。全体でも半分以上が棄権したようだ。
norikura1059さんは雨中の短縮コースを本気で走るつもりはないそうで、「今日は一緒に走ってアシストやります」と言ってくれた。ノリクラのクラス入賞経験者にアシストしてもらうのは恐れ多いので遠慮したが、「 こんな機会は二度と無いかもしれないので」と言われると断れない。
我々エントリーしたロード男子E(41~50歳)は最大派閥で、5つのスタートグループに分かれている。8:43、やや湿気た号砲と共に我々のグループがスタート。昨年まではここでスピーカーから六甲颪もスタートとなるのだが、今年から大音量を発する機器が禁止された。ノリクラでのスピーカーの使用はほぼ間違いなく私が始めたことで、ノリクラを盛り上げているつもりだっただけに誠に残念だが、規則になった以上仕方ない。軽量化になるので悪いことばかりではない、と思うことにしよう。
DNSせずに今回出場するのは、それなりに気合の入った参加者ばかりなのだろう。しかも7kmのショートコースとあって、周囲のスタートダッシュは例年以上のハイペース。あおられないように心拍計を確認し、序盤は160前後のペースを保ち、身体が動き出したら心拍を170前後まで上げるつもりだった。ところが、CARACLE-Sは非常に軽快なのに、冷えきった身体はなかなか調子が上がらない。セオリー無視ながら「上りはダンシング主体」というのが私の流儀だが、さっぱり腰が上げられないのだ。これではペースも上がらない。例年に比べて抜くことが少なく、抜かれるばかりのように感じる。
今回は沿道の観客も少ないが、「阪神がんばれ~」「タイガース、ファイト!」と声を掛けてくれる人もいる。休暇村付近で手を差し伸べてきた観客とハイタッチしたが、ちょっとふらついてしまった。応援はありがたいが、万一落車したら周囲の迷惑になるので、今後は自重しなければ。
苦しいばかりでなかなかペースが上がらないが、雨の悪影響はさほど感じない。以前、ウェット路面でミニッツライトのグリップ不足を感じたが、空気圧を下げたせいかダンシングで急にトルクを掛けても空回りしない。norikura1059さんは私の前や後を守り、サポートしてくれる。車載カメラを装着しているので、動画撮影もしてくれた。ヒルクライムで風除けの意味はあまりないだろうが、仲間がそばにいるのは心強いものだ。
距離が短いので身体が温まるのを悠長に待ってはいられない。1.5kmほど走ったところで心拍数を無理矢理上げた。4.0km地点辺りまでは時折170を越える辺りまで追い込むことができたが、力尽きて一旦失速。5.5km地点辺りから再び心拍を上げ、180近くに達することもあったがそれがペースアップに繋がっている手応えがなく苦しいばかり。
それでも、参加者からの励ましの声が次々と掛けられる。途中からは、先にゴールして下山中の参加者からもすれ違いざまに「タイガース、がんばれ~」と声が上がる。名前を呼ぶ方もいたので知人がいたはずだが、こちらに余裕がなくその時にはどなたかまではわからなかった。六甲颪が流せないのは残念だが、励ましの声は力を与えてくれる。(自称)ノリクラの有名人としては、このまま終わる訳にはいかない。
調子が上がらないままゴールのCP1が見えてきたが、ここが今年の新ネタの披露の場だ。毎度のごとく、ゴール前で悪魔おじさんが参加者を励ましていたが、彼を通り過ぎたところで一旦停止。ゼーハー言いながらCARACLE-Sを折りたたみ、担いでゴールに向かった。ヒルクライムレースに出場できる実力を持った折りたたみ自転車という演出だ。そして六甲颪を歌いながらゴールラインを越えた。肉声なら文句はあるまい!
・・・まあ。これらのネタはどちらも友人の発案だが。
せっかくの新ネタだったが、ギャラリーが少なく、あまり多くの人に見てもらえなかったのが残念。息の落ち着かないうちに歌った六甲颪も、大声が出せず途切れがちだった。それでも、テレビカメラを抱えたレポーターに声を掛けられ、norikura1059さんと共にインタビューされたので、まずまず成功だったと言えるだろう。
相変わらず雨の中、再度CARACLE-Sを組立て、預け荷物を引き取る。norikura1059さんと一緒に記念写真。
テレビカメラがいたので近寄ってみると、NHKの自転車番組「チャリダー☆」の取材陣だった、その中心には坂バカ俳優として知られる猪野学さんがいた。
「タイガース頑張ってるね」と声を掛けていただいたのは、私のことか、本家のチームのことか? 握手してもらったのは、いい思い出になった。
さあ、記念撮影だけしたら、雨だし身体が冷える前にさっさと下ろう。と、思ったら前輪に違和感。・・・あれっ、パンクだ。
実は前日の宴会壮行会で、JCFの審判資格を持つ大先輩から「(機材にトラブルが発生した場合などに)、選手本人が押す、担ぐといった『自力』の前進は認められる」という話を聞いており、「ということはパンクしたことにすれば、ゴール前で自転車を折りたたんで担いでゴールしても全く問題ないなあ」なんて話していたが、「嘘から出た真」になってしまった(^_^;)。
もっとも、ノリクラはJCFのレースではないので、必ずしも規則に準拠しているわけではない。起きたのがゴール前か後かわからないが、とにかくゴールまでは辿りつけた。雨の中のパンク修理は気が滅入るが、競技中はパンク修理道具も携行していないので、ラッキーだったとも言える。
チューブを交換していると、声を掛けられた。ハシケンさんだ。funride誌、ランナーズ誌を経て、現在はフリーランスライターとして各誌で活躍する橋本謙司さんは、自身もヒルクライムレースやマラソンで好成績を上げている。今年ももちろんこの大会に参加し、チャンピオンクラス20位。
毎年お会いする河合さんにも声を掛けていただき、ブログ記事にしていただきました。今年は何と私と同じロード男子Eの優勝者です。たった7kmで、私と10分以上差がつくって・・・(^_^;)。
ゴールしていたむらよしさんと再会。雨の中の健闘を讃え合う(「みんな走れよな」という愚痴?)。
例年の3分の1ながら、雨の下りは長く感じた。スタート地点に戻って、山盛りになったリンゴにぱくつき、完走証を受け取れるか確認したところ10:30からとのこと。あと15分ほどだったが、身体も冷えているので一旦寿家まで下った。
宿でDNS(出走断念)の仲間に「ずるいぞ、お前ら」と文句を言いながら、まずは温泉に入る。身体を温めて着替えたころに、11:00から昼食。
ようやく人心地ついたが、パンクで時間を食ったので、同行の2人はとっくに帰り支度を終えている。バタバタと後始末にかかり、CARACLE-Sはざっと水気を拭きとって、チェーンやリアスプロケットなど鉄の部品にオイルスプレーを吹きかけてサビ防止の処置をして輪行袋に収める。本格的なクリーニングは来週末だ。ずぶ濡れのウェア類をビニール袋にぶち込み、自転車と一緒に車に積み込む。iwaさんにジュニアロードを引き渡したので、往路より余裕があり、荷造りがいい加減でも楽に積み込めた。
お待たせをしたが、12:00前には寿家を辞去した。多くの仲間もボチボチ出発していくが、連泊を楽しむメンバーもおり、見送ってもらった。また来年の再会が楽しみだ。
上高地乗鞍スーパー林道を使う我々は、再びスタート地点の観光センター前を通る。完走証はこのタイミングで受け取った。
タイムは比較のしようのない短縮コースだったが、今回は実力を出しきれなかった感が強い。いい感じで最終トレーニングを終えることができたのに、アブに刺されて直前に身体を動かせなかったことや、スタートが遅れて身体が冷えきってしまったことが原因だろう。せっかくの目立つ機会ながら、スピーカーを使えないことで、周囲の注目度も例年より低かったようにも思える。フルコースを登り切って、CARACLE-Sの走行性能の高さをアピールする目論見も果たせなかった。色々と悔いは残るが、この悔しさをバネに来年の大会に向けて、また日々精進だ。
ゴール前の折りたたみ作業でのタイムロスは、記録を見るとどうやら1分半程度。酸欠で朦朧とした頭ではなかなか難しいが、これも短縮するようにしなければ(来年もやるんかい!)。
折しもステージでは表彰式が行われていたが、二連覇を決めた森本誠選手の名前が呼ばれた途端に、後方から一段と大きな歓声と拍手が上がった。
振り返ると、森本選手の所属するGOKISO(近藤機械製作所)の出展ブースだった。もちろん、森本選手はGOKISOの製品を使って優勝したのだ。
方向性は違うが、GOKISOと同様に私の勤務先テック・ワンもCARACLE-Sを擁して自転車に挑戦する日本の製造業。先輩の成功には、素直に拍手。
貼り出されていた順位速報にはギリギリ掲載されていなかったが、昨日お会いしたteam SONICのWさんはチャンピオンクラス8位。一昨年の5位には及ばなかったが、あまり体調の良くないのに一桁順位とはさすがだ
これにて今年のノリクラは終了。また次回に向けての一年が始まる。私にとっては今日が大晦日だ。
雨に泣かされた大会だったが、例年より終了が早かったため、約2時間早く帰路につくことができたのは不幸中の幸い。加えて大阪までは全く渋滞がなく順調に進行し、明るいうちに大阪に辿り着いたのは初めてのことだった。もっとも、大阪で一般道に降りた途端に渋滞の連続だったが・・・。
その日のうちに、GIOSのジュニアロードをお渡ししたiwaさんから、画像が届いた。早速、お子さんをまたがらせてくれていた。満足気な笑顔なのが何とも微笑ましい。まだちょっと大きいかもしれないが、子供の適応力はすごいのですぐに乗り回せるようになるだろう。
最後に、来年に向けての重要な問題。
3年連続のコース短縮は非常に残念なことだったが、このことには痛切に責任を感じている。私は自他共に認める強力な雨男なのだが、妻はそれを上回る晴れ女。妻が同行した2005~2012年の8回は競技中に雨は降らず、かかあ天下を証明する展開になっていた。
単独で参加していた2001~2004年は雨の確率50%で、2003年に至っては中止になってしまった。そして、息子が野球を始めたために妻が来られなくなった2013年以降の3回は、見事に雨の確率100%で、全てコース短縮・・・。トータルで見ても、妻を同行しない場合の降水確率は70%以上になる。こうまで見事だと単独で参加することが、申し訳なくなってくる(^_^;)。何とか妻を連れていける展開にならんもんだろうか?
年 | 天候 | 妻同行 |
---|---|---|
2001 | 曇 | × |
2002 | 晴 | × |
2003 | 雨(中止) | × |
2004 | 曇/雨 | × |
2005 | 晴 | ○ |
2006 | 晴 | ○ |
2007 | 晴 | ○ |
2008 | 曇/晴 | ○ |
2009 | 曇/晴 | ○ |
2010 | 晴 | ○ |
2011 | 曇/晴 | ○ |
2012 | 晴 | ○ |
2013 | 曇/雨(コース短縮) | × |
2014 | 雨/晴(コース短縮) | × |
2015 | 雨(コース短縮) | × |
・ルートラボ http://yahoo.jp/ON_H-W
■本日の走行記録(自転車)
Cyclemeterの記録
スタート: 2015/08/30 8:43:00
自転車完了: 2015/08/30 9:14:06
バイクタイム: 0:27:40
停止時間: 0:01:34
距離: 6.66 km
平均スピード: 時速 14.43 km/h
登り: 322 m
カロリー: 466 kcal
平均心拍数: 166 bpm
最大心拍数: 180 bpm
平均ペダルペース: rpm
最高ペダルペース: rpm
今月の走行距離: 694 km
今年の走行距離: 4454 km
■本日のフォトアルバム
※本ブログ、及び下記のフォトアルバム(フォト蔵)に掲載の画像に差し障りがありましたら、ご遠慮なくお知らせください。速やかに対処します。
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