雨男伝説実証
2008【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】
来週の乗鞍に備えてぜひとも走っておきたい今週末だが、昨日土曜は雨で一日メンテ。今日も早朝までの雨で路面が濡れている。天気予報では一応曇り。雨雲レーダーをみると小さな雲がチラホラ漂っている程度。時間が遅くなるほど天候は回復するようだ。
天候の回復を待つのと、猛暑が一段落したこともあって、やや遅めの6時過ぎに家を出た。路面も乾きつつあり、これなら締めにふさわしいトレーニングができるかもしれないと、いうことで自分の力を検証するために定例の鍋谷峠に向かった。
昨日の整備で、キャリアを外したので、荷物を減らしてウエストバッグに。ケージを減らした分、飲料の携帯も減っている。ホイールはまだ練習用のままなのに、自転車が軽く感じる。遅く家を出て身体がちゃんと起きているせいもあるのだろうか、アプローチはいつもより1段くらい重いギアで快調に飛ばした。
ところが、山が近づいた横山から鍋谷方面をみると、山の上の方はかなり白い霧、というか雲に覆われている。悩みながらも、天候の回復を祈って取りあえずは自転車を進めた。
仏並、父鬼と進むうち徐々に霧が出て来たが、雨が降ってはいない。路面も乾きかけているので、これは行けると判断して、上着を脱ぎ、グラスをしまってヒルクライムの準備。ちょっと停車してそんな作業をしているうちに1台の青いロードバイクが追い抜いていった。上からも1台降りてきてすれ違った。そして、いつもの製材所前の橋からアタック開始。
心拍数はすぐに170を突破したが、息苦しさがさほどひどくなく、脚もよく回る。速度を見てもいつもよりいいペースで登っているようだった。ちょっと荷物を減らすだけで、随分と自転車の印象が違う。ところが、霧がどんどん深くなり、路面も濡れてきた。
「コリャ、やばいかな?」と思いながらも、ここまで来たらそう簡単には引き返せない。登り続けるうちに、1台の赤いロードバイクが路肩に止まってパンク修理らしき作業をしているのが目に入った。声を掛けたが、「大丈夫」との返事だったので、そのまま登り続けた。
それにしても調子がいい。心拍数は175近辺から、時に180を越えることもあるが、破綻することなくペースを維持して走り続けられる。
ますます霧が濃くなってくる中、停車中に追い抜いていった青いロードバイクに追い抜いた。恐らく本気で走っていなかったのだろうが、見た目そこそこ走り込んでいる様子の自転車を抜けると、ちょっと嬉しい。
鍋谷峠が近づいてくると、とうとう雨が降り出した。舌打ちしながらも、ここまで来たら峠までは行くことにした。ラストスパートを掛け、心拍数は本日の最高値187に達した。雨のそぼ降る中、鍋谷峠に到着してタイムを見ると、27分43秒! 腰痛を患ってからのベストタイムを2分近く更新した。アタック中の平均心拍数も174と、(私としては)驚くほど高いレベルを維持できたことになる。
平均心拍数が上昇しているということは、自転車が軽くなったお陰ばかりでないだろう。腰痛を患う前は25分前後のタイムで鍋谷を登っていたので、まだまだなのだが、乗鞍に向けてまずは幸先のよい結果を出すことができた。この調子で本番に望めれば、少なくとも(自己最低記録の)昨年よりタイムダウンすることは防げるだろう。
さて、嬉しい結果を残せた今日の鍋谷峠だったが、雨は振り続けている。実は、高校生の頃から「雨男」と呼ばれ続けて久しい。特に私が自転車を整備すると、次の日は必ず雨というジンクスがあったが、今日はまさにコレ。せっかく本番に向けて整備した自転車が汚れてしまった。
峠でしばらく雨宿りしていたが、さっぱり雨がやむ気配はない。さて、平地は止んでいることを期待して和歌山側に降りて距離を延ばすか、それとも大阪側に引き返すか? 悩んでいるうちに、先ほど抜いた青いロードバイクが上がってきた。
彼も雨でコースに悩んでいるようだったが、意を決して和歌山側に降りて行った。ヨメさんに電話してみると、堺では今は降っていないが、さっき小雨が降っていたとのこと。どうも、平地もすっきり晴れとはいかないようだった。メンテのやり直しもしなければ行けないし、レインウェアもないのに雨の中を長時間走りたくない。物足りないが、今日は引き返すことにした。
ここで事故っては、何のためにトレーニングを重ねてきたのかわからなくなるので、時速20km程度の超低速で下る。これなら、跳ね返りによる自転車の汚れも最低限にできる。ちょっと下るだけでも雨は弱まり、すぐに霧雨程度になった。「雨が降っているのは峠近辺だけか?」とがっかりさせられた。
下る途中で、登りに見かけたパンク(らしき)赤いロードバイクがまだ停まっていた。今度は停止して「大丈夫ですか?」と改めて尋ねてみたが、「はい、大丈夫です」としっかり返事が返ってきたので、下りを再開した。
父鬼の集落に着く頃には、雨は完全に上がった。「和歌山側に降りるべきだったかな」と後悔したが、その後も家にたどり着くまでに何度か通り雨に降られたので、結果としては、早く引き上げて正解だったかもしれない。
さすがに走り足りないので、山麓をちょっと遠回りをして家にたどり着いたのが10時頃。早速、整備のやり直しを開始。長期間かけてこびりついた汚れではないので、スムーズに作業が進み、ついでに、ホイールも決戦用をセット。リム幅が違うのでブレーキ調整を行い、より細いタイヤに合わせて、マッドガードのクリアランスもスペーサーを増やして狭めた。
もっとも、今回は天候が良ければマッドガードは外して出場しようかとも思っている。乗鞍に参加を始めたころの数年は、やたらと雨が多くマッドガードに実用的な意味もあったが、最も大きな理由はツーリストとしての最後の意地だ。金に飽かせた軽量化だけでタイムは決まらない、ということを証明してやろうと言うわけだ。
タイガースはっぴを着て出場するのは、お祭り好きの目立ちたがり屋だからというのが最大の理由ではあるが、そんな格好で高級ロードバイクを抜いていくのが、快感だからでもある。
もっとも、私の記録は腰痛を患う前のベストタイムでも1h35m程度で、しょせんはチャンピオンクラスに出場することもできない貧弱な脚力。しかも私の自転車はフレームこそ時代遅れのクロモリ製(丹下No.2)だが、それ以外のパーツのお陰で実のところ結構軽量だ。今年はGEL280という反則的な超軽量ホイールを投入するし、入門クラスのロードバイクには充分張り合える軽さだ。そんな自転車に乗っているヤツが、ロードバイクを批判しても説得力がない。
加えて、腰痛で運動能力が低下している中、以前に比べて大幅なタイムダウンは必至だ。少しでもタイムダウンを抑えるために、なりふり構ってられないというところだ。実用的な意味でも、晴れ女のヨメさんが同行するようになって3年、まったく雨が降らない(^^;。「雨の多い日本ではマッドガードがあった方が、自転車ライドは快適だ」なんて意見は戯言にしか聞こえない。
そんな心境の変化で、今年はマッドガードなしで登る予定。ただし、雨が降りそうなら当然装着する。
取りあえずは運搬のためにも、マッドガードを装着した状態で決戦仕様に組み上げ、持ち上げてみた。恐らく約9kg。この自転車としてはすごいことだが、やっぱ、最近の高級ロードバイクよりは相当重い。
■本日の走行記録(自転車)
平均心拍数:137
最大心拍数:187
心拍数ターゲットゾーン:132-165
ターゲットゾーン内時間:1:05:50
ターゲットゾーン以上時間:0:27:28
ターゲットゾーン以下時間:1:16:10
消費カロリー:1664kcal
走行距離:57.2km
平均速度:20.3km/h
最高速度:47.7km/h
平均ケイデンス: 79
最大ケイデンス:108
走行時間:2:49:07