POLARスピードセンサー分解と海外通販

shin01 7月半ばからPOLAR CS200 CADのスピードセンサーの調子が悪くなった。冬場にケイデンスセンサーが不調になり、今回はスピードセンサーだ。センサー位置を調整しても検知せず、スピードがゼロのままという症状だ。

 CS200はすでに4年と9ヶ月という長期間使用しており、本体修理が2回、心拍トランスミッターとそのセンサーバンド、そしてケイデンスセンサーも最終的に交換した。

 スピードセンサーは密封構造で、電池交換は基本的に不可能。実質的に新品と交換するしかないのだが、その前にケイデンスセンサーと同じく強引に分解して電池をチェックしてみることにした。

shin02 スピードセンサーのケースの合わせ目である溝に添って、カッターの刃を当てて切れ目を入れていく。

shin03 しばらくゴリゴリやっていると、ケースが開き、内部パーツにアクセスできるようになった。

shin04 電池の電圧を計ってみると、3.03V(汗)。電圧降下は全くなく、新品同様。どうやら今回も電池消耗が原因ではないらしい。念のため、他の電池に交換してみたが、やはりセンサーは動作しないようだった。

 こうなると、素人修理は難しい。やむなく、スピードセンサーも購入することにしたが、例によって楽天などの通販サイトでは安くても5,000円前後。ケイデンスセンサー購入したときにはYahoo!オークションを利用したのでチェックしてみたら、即決価格3,740円が最安。

shin05 そこで今回は某海外通販業者を利用してみた。注文から12日経った8/8に荷物が到着。時間はかかったが、かなり割安な2,858円で購入できた。

 新しいスピードセンサーを装着し、8/10のトレーニングで使用してみたが、一応動作した。ただ、上りで低速になると検知せずに、スピードゼロになることが多い。センサー位置を微調整したりしているが、なかなか改善しない。一番最初のセット購入時にも悩まされた症状で、その時は長時間を掛けて(1~2年くらいだったか?)徐々に調子がよくなってきた。

 これはあくまで憶測だが、ひょっとすると内蔵されたパーツが「なじむ」のに時間がかかるのだろうか? ケイデンスセンサーもそうだったが、数ヶ月使用すると徐々に調子が上がり、さらにある程度の年数を経過するとまた調子が下がって使用不能になるという傾向があるように感じる。こうしたアナログな動作は物理的可動部分のあるパーツで発生しやすい。

 となると、基盤先端にある磁気を検知するセンサーらしきパーツ内部に、磁気で動くと思われる部分が見えるので、ここに原因があるのではないかと推測している。そうであれば、電池交換が不可能な設計も腑に落ちる。ほとんどの場合、電池の寿命より先にこのセンサーの寿命が尽きるので、電池交換の必要性がないということだ。

 ともあれ、今回のスピードセンサーで、主要部品がほぼ入れ替わった。交換していないのはセンサーのマグネット類と、本体のマウントくらいだ(これも今回のスピードセンサーに付属していたので、交換することもできる)。

 セット品の購入当初から動作不良に悩まされ、長期間使用するうちにトラブルが相次いだ。消耗品といってしまえばそれまでかもしれないが、私にとっては安くない買い物だったので、追加でこれだけの出費が必要になったのは誤算だった。他メーカーも試してみたいが、購入には一時に多額の出費が必要で、簡単には乗り換えられない。

 ワイヤレスセンサーの混信や不調には常々悩まされているので、個人的にはスピードやケイデンスといったサイコン部分は動作の確実なワイヤー式で、心拍モニターだけワイヤレスといった安価な商品がないかなあと思っている。

 余談ながら、今回利用した海外通販に関して一言。

自分が利用しておいてなんだが、海外通販は時間がかかるし、トラブル発生時などに不安もある。日本での保証を受けられない商品も多いだろう。そもそも自転車や自転車用品は家電のように、メーカー保証が受けられれば良いというものではない。

 自転車の性能を維持して安全に使うためには、必ず整備(調整、消耗品交換、修理)が必要になるが、それには専門的な工具や技術が必要になる。多くのユーザーにとっては自分で整備を行うことは負担が大きいし、修理にだけ近所のサイクルショップに持ち込むと割高な料金になることが多い。従って、最初から通いやすいショップで購入することが、最も安心できる選択だろう。

 リアル店舗を構えるサイクルショップでの販売価格は一見高く見えることが多いが、多くのショップは使いこなしのノウハウや、トラブル発生時の対応などの専門知識を蓄積し、仕入先(メーカーや輸入代理店)とのパイプも持っている。それらのアフターサポートの基本料金が含まれていると考えれば、納得できるものだ。他店で購入した商品の修理料金が割高なのも、当然ということになる。いくら自転車や用品を安く購入しても、トラブル対処を自分で行うことができないなら、長く使用するうちにかえって高くつく可能性が高い。

 また、スポーツ自転車は「どうやって楽しむか」というソフト面が大事であり、自転車や用品といったハードさえあれば100%楽しめるというものではない。現在、ソフト面の普及にはサイクルショップが大きな役割を果たしており、無料、あるいは少額の参加費で、整備講習会やサイクリングイベントなどを実施しているショップさんも多い。こうした自転車を楽しむノウハウは自分ひとりで身につけるのは困難であり、特に初心者や女性が「安いから」と、通販を利用するのはお勧めしない。

 では、私はなぜ通販を利用するのか? 一番大きいのは自転車業界で糧を得ている立場上、特定のサイクルショップの世話になりづらいからだ。それと、ヘタクソなりに一応はほとんど全ての自転車整備を自分でできるから。

 つまり、自分で整備ができるユーザーなら通販の低価格を有効に享受できるということだ。もっとも、私自身、自転車いじりに少なからぬ時間を費やし、高価な専用工具を揃え、失敗して多くの部品をパーにしている。曲りなりにも自転車をいじれるのは、過去に高い授業料を払った結果であり、トータルで見れば損得勘定は微妙だ。

 結局、自転車いじりが好きでなければ、通販はあまりお勧めはできない選択だ。ただ、通販も、アフターサポートに力を入れる業者が出てきた。中には近隣のリアル店舗で整備が受けられるところもある。とは言えこうした業者はまだまだ少数派だし、少なくとも海外通販に関しては、まだまだリスクが高いと言わざるを得ない。低価格と引き換えにリスクも背負うことを承知でなければ、海外通販は利用すべきでないだろう。

shin06 ちなみに、今回の海外通販で購入した他の商品は下記の通り。

 レーパンは、今使用中のものがだいぶ傷んできたので購入。まだ試着していないが、サイズは大丈夫そう。

 指切りグローブは、サイズ表を見てLサイズを注文したが、大きすぎた。しかもフリース状に起毛した生地を使用しており、暑い夏場は使える代物ではなかった。かといって、冬場は指切りグローブでは寒いので、あまり使い道がない。これは失敗の巻。

 冬用インナーグローブは昨年なかなか見つけられなかったので、目についた今のうちに購入。効果のほどは不明。

 15年以上使用していた黄色いボトルが破損したので探していたが、この通販で見つけて注文。無地ならもっとよかったのだが。

 そしてバックミラー。今春に台湾で購入した物と同じキャットアイ製だが、日本では売られていないので今のうちに予備として購入した。

 一品一品は国内でも同じような特価品が売られていることもあるが、通販では送料の問題があり、リアル店舗を回る時間もかかる。今回くらいの買い物をすれば送料も無料だし、まとめてこれだけの特価品を揃えられたのはありがたかった。

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