絞りても 休むに似たり 我が知恵は [チタンBBのベアリング交換 その2]
昨日は朝ポタの後に、先週の作業に続いてワールドクラスのチタンBBのベアリング交換を試みた。2つのベアリングの間のスリーブが旧ベアリングを外す作業で変形したので、一度は外して使用しようと思った。とは言え、ロックリングのないワンを締め込むだけというのはやはり不安。
うまく嵌らない理由は、ふちのわずかな隆起。これがベアリングの外枠の内側に収まって、スリーブがずれない構造だのだが、変形してしまったことで、かえってずれの原因になっている。そこで、この隆起を削り落とすことにした。
金属ヤスリでおおまかに削り落としてから、板の上に乗せた粗めの紙ヤスリで平面を出し、耐水ペーパー800番で水研ぎ。
ほぼ平面になったスリーブのふち。鏡面仕上げにまでする必要はないだろうし、こんなもんでしょ。
前回は叩きこんでベアリングをセットしたが、当て板や固定用の小物などが打撃の衝撃で次々壊れた。ベアリングへの悪影響も心配なので、ベアリングプーラーを改造して圧入用の工具を作ることにした。
プーラーの調整範囲を広げるだけでそのまま使えそうなので、近所のホームセンターでパーツを物色。プーラーのネジ規格がISOでなくインチ規格だったりで苦労したが、長いボルトと高ナットを組み合わせてステーを延長することを画策した。
ところが、片方がなぜかねじ込めない。よく見ると、高ナットのひとつがISO規格だった(^_^;)。インチサイズのコーナーに混入していたものに気付かず、買ってしまった。仕方ないので、再度ホームセンターに足を運んでインチサイズを再購入。
無事にステーの延長ができたので、いよいよベアリングの圧入作業を開始。それに先立ち、ベアリングをポリ袋に入れて煮沸して温め、一方のBBシャフトは冷凍庫でよく冷やしておいた。ベアリングは外す際に傷めてしまったかもしれないので、念のため再度新品を使用。
実は、前回のブログを見たF野さんが、ベアリングを楽に嵌めるテクニックをいくつか伝授してくれた。温度差を利用するのはそのひとつで、ベアリングをホットプレートやオーブントースターで温める方法を教えてくれた。とは言え、加減がわからずにサイドのゴムシールを溶かしてしまいうことが怖かったので、私流にアレンジ。上限100度の煮沸で温めることにした。
準備を整え、温度差が大きいうちに圧入開始。改造プーラーと温度差の併用は効果的だったようで、比較的スムーズにベアリングが嵌っていく。
スリーブがずれないように位置を調整しながら慎重に締め込んでいくと、スリーブが固定されて動かなくなった。最期まで嵌ったように見えたので改造プーラーを外してみるが、圧力がなくなるとスリーブがポロリとずれてしまう。再度圧入作業を繰り返しながらよく観察してみて、原因に思い当たった。
画像をよく見てもらうとわかるがベアリングの外枠がたわみ、テーパー上に変形している。改造プーラーはベアリングサイズに合わせて調整できる構造になっているが、そのせいで若干のガタがある。完全に平らな状態でベアリングに当たらず、内枠より外枠に強い力がかかってしまうようだ。これでは、外枠はスリーブに着き当たってそれ以上進まなくなるが、内枠は充分に嵌らない。その場しのぎにハブスパナを挟んでみたりしたが、この程度では状況は改善しなかった。
昨日の作業はここで中断。今朝になって再々度ホームセンターに足を運び、内枠だけに力を加えられるように、適当な筒がないか物色してみた。改造プーラーに挟めるような薄手のものは見当たらず、これまたF野さんから教えてもらった水道用のユニオンソケット(硬質塩ビ)を購入した。
これをカットして改造プーラーに挟むか、手っ取り早くハンマーで叩きこむかと思案していると、ホームセンターの作業コーナーの巨大万力が目に入った。
サイズ合わせにBBも持参していたので、早速これを借りて作業開始。幸いなことに、両側にユニオンソケットを当てがっても、万力の内側にギリギリ収まった。
これならベアリングの内枠だけに少しずつ力をかけることができる。今回は温度差を利用していないのでかなり力は必要だったが、あっけなく完全にベアリングを圧入できた。当然、万力から外してもスリーブは外れない。わかっていれば最初からこの方法を取っていたのだが・・・。
これにて、ようやく作業終了と宣言したいところだが、実は大きな問題が発生。肝心の回転が重く、少しゴリゴリする。作業を焦って締め込みすぎたのか、スリーブの平行が出ていなかったのか、はたまた改造プーラーで外枠に強い力を掛けてベアリングを傷めたか・・・。
プーラーで再度ベアリングを外すと、さらにスリーブを傷めてしまうし、悩ましいところだ。ひとまず自転車に組み付けてみて様子を見ようか? 再作業はそれからでも遅くないだろう。
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